どきなさい!私は「お姉ちゃん」よッ!!   作:とろねぎ

20 / 61
すごい!作者が今何にハマってるのか丸わかりだァ!


時間の流れ早くない?

「...ひまぁ〜」

 

ギョクソウは一人、部屋でベッドに寝転びながら呟く。

 

「ひっまぁ〜暇でとけちゃいそう〜動いてないからか暇だよぉ〜」

 

「もう暇でェ...やることが無いから動く気にもならなくってェ...はぁーあ...」

 

「今日はリサとアヴドーチャは仕事だし、ニェンちゃんは行方不明、シーちゃんも言わずもがな...」

 

「なんで私だけ狙いすましたように休みなの?リサに同行させなさいよ。大丈夫だって、ちょっと先に殲滅しておくだけだから。見とけよ見とけよ〜...」

 

くだらないことを言いながら、気持ちベッドと一体化し始めるような錯覚を覚えていたが、何かを思いついたようで...

 

「...そうだ。暇という言葉を知らない人に聞こ。」

 

 

 

 


 

 

 

 

「...それで、私のところに来たと。」

 

「えぇ、ドクターなら良い案があるんじゃないかしらって。」

 

「ちょ、そこ座らないで。仕事できない。」

 

「いいじゃない、もう当分の仕事は終わってるんでしょ?」

 

「まだまだやることはあるよ。装置も石もマンガンも掘らないといけないし。」

 

「暇じゃない。ささ、なんか無いわけ?」

 

「全く...そうだ、ギョクソウは自分のパソコンがあったよな?無駄にハイスペックなやつ。」

 

「えぇ、あるけど...?あと無駄って言わないで。仕事に使えるんだから。」

 

「ネットサーフィン...しない?」

 

「もうしてるわよ。」

 

自信ありげに提案したものは即切り捨てられた。ドクターも心做しか悲しげな目(バイザーで見えないが)をしている。

 

「え、えぇ...?」

 

「若い子と話す時、最近の流行りを知っておくと便利だからよ。しょっちゅう電子の海をさぁふぃんしてるわよ。」

 

「なんか発音変じゃなかった?」

 

「うるさいわね、言い慣れてないのよ。さぁ...さーふぃんなんて言葉。」

 

「(まだなんかおかしいな...極東出身だから横文字は難しいのかな...)」

 

「その目やめなさい。発音苦手なのこれぐらいよ。さーふぃんなんて言葉、滅多に言わないでしょ。」

 

「そうか...?そうか...」

 

「はぁ、もっとこう...なんかない?」

 

「うーん...手早い娯楽と言えば...ゲームか!」

 

「げーむ...」

 

「...ギョクソウはやった事ないのか?」

 

「昔にやった覚えが...あの、ドットの...右に進みながら敵を撃ち落としてくヤツ...」

 

「(なにそれ...ドット?いつのやつだ...?)」

 

「あー...ゲームは好き?」

 

「面白かったとは思うわよ。今のはわかんないけど。」

 

「なるほど、そういうことなら適任がいる。その人に教えて貰って、今日はゲームでも楽しんでたらどうかな。」

 

 

 

 

 

「エ、あ、のぉ〜...私、なんかしましたかドクター...?」

 

少しすると、廊下から一人のエーギルの少女が入室してきた。

 

「忙しいところごめんね。キララ。」

 

キララと呼ばれた少女は露骨に不満を露わにして返事する。

 

「忙しいって...私がなにしてたかわかってるクセに。」

 

「はは、まぁ要件なんだけど...」

 

「はぁい、キララちゃん?」

 

「ヒュ」

 

「ギョクソウにゲームを教えてくれないかな。」

 

「...」

 

「あれ?キララ?」

 

「その子なんか息止まってるわよ。」

 

「え、ちょっと、キララ?おーい!」

 

「ヒャアッ!な、なんでしたっけ。」

 

「私にゲームを教えてくれないかしら。」

 

「...あえ?ギョクソウさん?なんで...わ、私、スズランちゃんに何もしてないですよ!?」

 

「落ち着きなさい。」

 

「死にたくない!まだやりたいものが山ほどあるんだぁ!!」

 

「キララ!落ち着けぇ!」

 

ドクターの呼びかけでキララは現実に引き戻される。

 

「うあっあぁ...ゲーム...ですか?ギョクソウさんが?」

 

「今日は暇で暇でしょうがないのよ。」

 

「ということで、キララを呼んだんだ。」

 

「いや、なにがという訳なのかわかんないです。」

 

「キララがギョクソウを持っていってくれないと、私が...」

 

「ドクター?」

 

その声を聞いた途端、ドクターは油のきれた機械のようにゆっくり、ぎこちなく振り向く。

 

「あ、アーミヤ...これは違くて、その...」

 

「なにがですか?」

 

「笑顔が怖い!」

 

「怖いって...なんですか。私は別に怒ってませんよ。ドクター」

 

「アッアッア...」

 

「様子を見に来たというのに...随分楽しそうですね?」

 

「...ハイ...」

 

「それなら...」

 

「ウン...」

 

「お菓子は...いらないですか...?」

 

「...ゑ?」

 

アーミヤの突然のお誘いに、ドクターは理解が追いついていない様子だった。

 

「い、いるんですか?いらないんですか?」

 

「いやっ、え?なんで急に...」

 

二人の会話にギョクソウが割り込む。

 

「あーあ、苦労して作っただろうに。アーミヤちゃんかわいそー」

 

「えっえっえっ?」

 

「私は...たまにドクターに休んで欲しくて...でも、いらないなら仕方ありません...私一人で食べます...」

 

わざとらしく涙を浮かべるアーミヤについにはドクターが折れる。

 

「...わかったよ。いただこう。」

 

「本当ですかドクター!向こうの部屋に用意してありますから、行きましょう?」

 

「あぁ。」

 

「あ、ギョクソウさん!」

 

アーミヤはギョクソウへと駆け寄ってくる。

 

「ありがとうございます。上手に出来ました!」

 

「...oh......」

 

「アーミヤ?」

 

「今行きますドクター!」

 

そう言ってアーミヤはドクターの方へ駆け寄っていった。

 

「...ギョクソウさん?」

 

「...良い子...!」

 

「なんで泣いてるの!?わかった!わかったって!ゲーム教えるから!」

 

「そうじゃないけどありがとう...」

 

 

 

 


 

 

 

 

キララについて行ったギョクソウだったが、ある部屋の前でキララの動きが止まった。

 

「あ...」

 

「どうしたの?」

 

「ちょ、ちょっとまってて!」

 

そう言うとキララはその部屋に素早く入る。そして、中からは様々な物音が聞こえる。

 

しばらくすると...

 

「ぜぇ...ぜぇ...おまたせ...どうぞ...」

 

「失礼するわね。...おぉ、これは...」

 

「き、汚くはないと思うけど...」

 

「暗いわね...」

 

「あ、ごめん。でもこれぐらいが丁度いいし...」

 

「そういうものなのね。なら気にしないわ。」

 

「あ、ありがとう。オススメはあるけどゲームを教えるってもなぁ...じゃあ、私が一回やるからそれを見ててくれる?」

 

「えぇ、構わないわよ。それで何をやるのかしら。」

 

「『The Columbia Chain saw Massacre』って言って、有名ホラースプラッタ映画を他の鬼ごっこゲーにしたみたいな感じなんだけど、これはキラーとサバイバーが3対4の変則的なゲームで、一見サバイバーが不利にも見えるんだけどサバイバーしか通れない場所やキラーがサバイバーの身体能力より少し高いぐらいなのも相まって、キラーは上手く連携しないといけないし、サバイバーはステルスを駆使したり囮になったりが必要で今までやった中で一番バランスが...あ。」

 

少し熱中してしまったキララだったが、微笑ましげに見つめるギョクソウをみて、落ち着いた。

 

「(楽しそうねぇ。)」

 

「ごめん...私の悪い癖が...」

 

「良いのよ。それに、やっと笑顔になってくれたわね。」

 

「え?あ...お見苦しいものを...」

 

「何を言ってるのよ。可愛いんだから自信持ちなさい。」

 

「カワッ!?」

 

「(自信無いわね。この子...)」

 

「あ、ギョクソウさんって...スプラッタ大丈夫だった...?」

 

「大丈夫よ。これでも昔は色んなの見てたから。」

 

「あ、そうなんだ。...じゃ、じゃあ初めよっかな。ギョクソウさんはキラーとサバイバーどっちやりたいの?」

 

「え?あぁ〜...」

 

「(ギョクソウさん優しいしサバイバーなんだろうなぁ...)」

 

「キラーで。」

 

「ファッ!?今なんと!?」

 

「え、キラーがしてみたいわ。」

 

「そ、そそそそうなんだ...」

 

「...意外よね。分かるわよ。」

 

「滅相もないでありますぅっ!」

 

「キャラクターってどれだけいるの?」

 

「えっと...キラーもサバイバーも5,6人ぐらい...?あ、これがキラーの人たち。」

 

「へぇ、なんかどこかで見た事が...あっ!」

 

「ひぇっ、な、なんですか...?」

 

「これの元映画って『悪鬼のいけにえ』!?」

 

「え?あ、うん。そう、ですよ?」

 

「いやー懐かしいわねぇ!」

 

「知ってるの!?」

 

「そりゃ知ってるわよ。私の友達みんなコレ見てた!思えばアレが初スプラッタだったわねぇ...懐かしいわ。初めの頃はみんな『サルカズのいけにえ』とか言ってたわ。今思えば差別発言がすごいわねぇ。」

 

「おー、なかなか博識なご様子...ホラー映画ってだいぶ見てたの?」

 

「そりゃもうあの頃は友達に連れられて色々見たわよ。ホラーなら他にも『Child playing』に、『金曜日の13日』...あとは『魘夢街の悪夢』なんかも見たわ。...本当に懐かしい。」

 

「(なんか、見た目に合わず古い映画ばかり...)のじゃおね...?」

 

「え?の...なんて?」

 

「気にしないで!独り言だから!ウン...それで、気になるキャラとかいるの?」

 

「この子!」

 

「えぇ...?あはは...あ、うん。わかった。」

 

「いやぁ、わくわくするわねぇ!」

 

「(なんか意外と血の気多くないこの人!?)」

 

「あ、マッチした。」

 

「(...そういえば、もう何年前なのかしら。...あぁ、一作目はもう50年前のやつなのねぇ...え?)」

 

「よし、ゲーム始まる。見てて。」

 

「(...嘘でしょ...!?)」

 

「...?ちょっとー?」

 


 

 

 

ギョクソウ...スプラッタ見る系お姉ちゃん。そりゃサメ映画見てるぐらいだし。連れてってくれた友達は本当にただの友達。

ゲームは知らないけど、インターネットで流行やっているファッションやらミーム、スラングなんかは若い子(ウタゲ、アンブリエルetc.)と話す時にたまに使うから調べてる。

やってる事が完全に孫とおしゃべりしたいおばあちゃん。

 

キララ...ゲーマーなエーギルちゃん。自分の趣味を否定しないどころかかなり肯定的なギョクソウに割とすぐ絆された。チョロいな...ギョクソウのことはちょっと流行のズレてる人と思ってる。

他のゲーマー友達も誘いたいけど謎にコミュ障を発揮している。

 

ドクター...現在四徹中。今はアーミヤがなぜ休憩に誘ったのか察するゲームが始まった。なおセーブもコンティニューもない模様。草

 

アーミヤ...マジでドクター休ませないとなって思ってたから休憩に誘っただけ、それだけですよ?

関係ない話だが、今朝は焼き菓子を作りすぎてしまったらしい。ウワーアーミヤらしからぬミスダナー

 

『悪鬼のいけにえ』...クルビアで作成された人食い一家をテーマにした知る人ぞ知る有名ホラー映画。最初期は『サルカズのいけにえ』だったけど、差別的だと批判が殺到したため変更された。

『金曜日の13日』の殺人鬼がチェーンソーを使うと勘違いさせた作品でもある。メインの得物は鉈やら斧やらなんですけど?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。