グラベル、リーさんいつもありがとう...!
「あのっ、ここで食べてもいいですか?」
「私はもちろんいいけど...」
スペクターをチラ見する。相変わらずこちらを見つめており何を考えているのかがわからない。
「えぇ、私のことは気にしないで。」
「(キェェァァシャベッタァァァ!)」
「ありがとうございます!」
「(隣来た...うわぁぁちょこんと座ってるぅ!かぁわいいねぇぇ!)」
「いただきますっ。」
「(一口ちっちゃ...)」
「もきゅもきゅ...んむぅ〜♪」
ぱたぱたぱたぱた
「(マ゚ッ...危ねぇ危ねぇ、死ぬとこだったわ。尻尾振るのは反則よ反則。でもリサを置いて死ねないわ。)」
「...」
「もきゅもきゅ...」
「(幸せってこういう事なのね。誇張抜きにずっとみてられる。)」
「...」
「スペクターちゃん?」
「なんでしょうか。」
「大丈夫なの?ご飯も食べずに...」
「ふふ、『大丈夫か』なんてこと聞かなくても...それだったらあなたこそ見ているだけで大丈夫なのかしら?」
「無論。」
「それと同じことですよ。」
「(...この子やっぱり『リサを守護り隊』の子なんじゃ...)」
「こうなることを予想して、待ってたの?」
「違うわ。目的はあなたよ。」
「(あ死んだ。)」
「くすくす...そんな顔をしなくとも、取って食おうという訳じゃないわよ。」
「(嘘つけェェ!)」
「そんなに警戒されるなんて...悲しいわね。」
「本当に言ってる?」
「それどういう意味かしら。」
「...はふう、ごちそうさまでした!お皿片付けてきますね。」
「あぁちょっと待って。ガウ。」
『わふっ!』
「プレート運ぶの手伝ってあげて。」
炎狐がスズランの持っていたプレートの下に潜り込むと、そのまま頭で支えた。
「わ、ありがとう...ガウ?」
「えぇ、その子の名前。いつまでもあなた呼びじゃ不便だからね。熟年夫婦でもあるまいし」
「どうしてガウなんですか?」
「それはこの子が困った時、『がう』としか返さないからよ。口癖みたいなものよね〜ガウ?」
『...がうっ!』
「ほら、そういうことだし一緒に返してきてくれてもいいかしら。」
「そうなんですね。ありがとう、ガウくん。行きましょう!」
「...」
「...スペクターちゃん?」
「どうしたのかしら。」
「いつまで...ここに居るのかしら。」
「私の気が済むまで♪」
「あぁそう...」
「...」
「...」
沈黙。ギョクソウはもう気にしていないようだがそれでも、スペクターはギョクソウを瞬き一つせずに見つめ続ける。
「...いや、やっぱりなんかあるでしょ。言ってみなさいよ。」
「なんのことでしょうか。」
「そういうのいいから。」
「では、そうですね...さっきのガウちゃんの事なのだけど。」
「...?」
「あの子の本当のお名前は?」
「...はぁ?」
「それと、あなたのアーツ...それについて詳しく教えて貰ってもいいかしら。」
「...えぇ?なんで急に?」
「ふふ...」
「ガウはガウよ。それ以外のなんでもないわよ。...もしかして、私の命名のセンス悪いって言ってるのかしら。」
「いいや、そんなことは言ってないわ。ささ、アーツは?」
「炎で生物を型どって操る、少し珍しいだけのアーツよ?」
「型どったものは自身が操るの?」
「基本はそうよ。あの子の場合は、最近お話できるまでに自我持ち始めたけど...」
「結局は炎...なのですね?」
「そうよ。...それがどう「でしたら。」
スペクターの声色が変わる。異常に気付き、スペクターを見ると先程までの柔和な笑みは崩れ、その代わりとして、鋭い歯を剥き出しにんまりと冒涜的な笑みを浮かべていた。
されども、瞳は波が何一つない海のように静かだった。
「どうしてガウちゃんとあなたが同じニオイをしているのかしら。」
「...何言ってるのよ。確かに最近はよく一緒にいるけど炎に臭いなんて移るはずが無いでしょ。」
「.........」
「...ちょっと?」
「...そう。ならいいわ。」
「一つ思ったのだけどあなた...本当にただのエーギルなn「あ!小鳥ちゃーん!」
「おい聞けや。」
「きゃっ!?だ、誰ですか!」
「うふふ、おはよう♡」
「ピェッ...」
「...なんなのあの子。」
「ギョクお姉ちゃんっ!」
「うん?あぁ、戻ってきたの。ありがとう。」
『わふっ!』
「はいはい、あなたもありがとうね。」
「グムお姉さんが、『食べたい時はまた言ってね!』と言っていました!」
「それはうれしいわぁ...」
「それで、もし...ギョクお姉ちゃんが良ければなのですが...むにゅっ、ギョクお姉ちゃん?」
「...?どうしたの?」
もちもちもちもち
「どうしたんですか?いきなり頬っぺたを...」
「やわこい...ツルもち肌...すごい。もうこれで今週一杯頑張れそう。」
「く、くすぐったいっ...ですっ...」
「は!?私は何を!あ、すごい。手から吸い付いて離れない。これが万有引力...!リサは地球だった...!?」
「何を言ってるんですか!?もう!」
「ごめんごめん。どうしたの?」
「私今日休みなんですっ!もし、お姉ちゃんも今日はお休みならっ...その、私と一緒にいてくれませんか?最近はあんまり会えていませんでしたし...」
「可愛い...(可愛い...)」
「ど、どうですか?」
「断る理由が...あ。」
「...なにか...ありましたか...?」
「医療部で書類整理の手伝いがある...このあとから...」
「......!」
「えっと、リサが誘ってくれたのは嬉しいわよ!とっても!ただ、資料整理の方が先に入ってたからそっちの方を優先しないと大人として他の子達に示しがつかないというか...!」
「...そう...ですか。先に...ぐすっ、やくそくしてたならっ、しょうが...ない...ですね...」
「...待っててすぐ終わらす。マジで30分ちょっとで終わらせる。」
「え...?」
「いやもう即終わらす。少しの間だけお部屋で待っていてくれるかしら、終わったらすぐ迎えに行くわ。」
「...うん!」
医療部──
「あぁもう!この資料もうちょっと綺麗にまとめられなかったんですかガヴィルさん!?」
「アタシも頑張ったんだけどなぁ〜」
「結果がこれじゃ目も当てられないですよ!」
「待たせたわねッ!」
「おー、来たかぁ。」
「ギョクソウさん!今日はお休みのところありがとうございます。えー、まだ始める人数がいないので...」
「人数は心配しなくていいわよ。」
「「「「「「「「「待たせたわねッ!」」」」」」」」」
「...え?」
「やーっていきましょーい。」
「あ、これ何となくわかる。」
「ガヴィルちゃんおっはー」
「私はここの!お前はそこのをやって!」
「お前も私も同じでしょうが!」
「数が凄いッ!」
「これの並びって症状順?状態順?」
「いやこれ個人で時系列順じゃねぇのかしら。」
「あー、これ一定期間で時系列順になってるのか。」
「それを個人でファイル毎に直すのね。」
「早く終わらせましょう。」
「密度ォ!」
「......え?いやいや...え?」
「ははっ!まさかこんなに大勢連れてくるとは思わなかったな!」
「いやいや!?なんで、えっ!?」
「別にいいだろ。コイツなら信用できるんだし。...っし。アタシもアタシでやる事あるから、ちょっくら行ってくるわ!」
「逃げるんですか!?」
「ニェンの診断、アタシはまだ諦めてねぇからな。」
「あ、なるほど。頑張ってきてください!」
「おうともよ!」
「(あとから来る人たちはともかく、私すらここにいる必要あるかなぁ...)」
「ちょっといい!?」
「は、はいっ!?」
「このファイルだけ、やたらと厳重保管してますよみたいなマーク付いてんだけど!?」
「そ、それは...はい!こちらで整理しておきます!」
「おーい!あのマークあったらこの子に渡してぇぇっ!」
「...なんでこんな必死に...あら?」
医療部の職員は部屋の隅で椅子に腰掛けているギョクソウが目に付いた。
「あ、あのー...?」
「...んあ...?な、なにぃ...?」
「ギョクソウさん本人ですか?」
「そう...よ...マジ...しんど...そっとしといて...」
「...ありがとうございます。そして、お疲れ様です。」
「はーい!一個おーわり!」
「しぇぇい!ナイスゥゥ!」
「次ぃ!」
「おっわこれどうなってんの!?」
「んにゃぴ、よくわかんないわねぇ...」
「(医療部の)スタッフゥゥ!」
「う、ぐすっ...この子...こんなに若いのに...ッ!」
「誰かアイツ叩き起こしなさい!」
「任せて!」
「ポピーッ!?」
各々で作業を進めているギョクソウたち。
各々は必死に作業を進めているが、作業が進む事にギョクソウ本人の顔色は青くなっていった。
「(やば...情報量の暴力...あぁ頭が割れるぅ...こっちは順調...あ、こっち大変そう、もう一人出すか...?イケるか...?)」
「ぐっ...!」
「はいはいー?どんな御用...あぁ、なるほど行ってくるわ、もう少しの辛抱よ。頑張って。」
「はぁ...はぁ...」
「(これで...うん、進んだわね。...コイツ何やってッ...!)」
「ポピーッ!?」
「(あ、綺麗なローキック。)」
「(いやマジで...!頑張って...!)」
そこから全ての作業が終わり、医療部の密度が減ったのは作業を開始してからちょうど30分たった頃であった。
このあとスズランを迎えに行ってめちゃくちゃ一緒に過ごした。
スズラン...最近は少し甘えることを覚えた。もっと甘えてほらほら。スズランがふにゃふにゃした空気まとってるだけで救われる命があるんですから。
自分の部屋じゃなくてギョクソウの部屋でうたた寝しながら待ってたから、ギョクソウは無事に一回死んだ。
『スズラン甘えん坊概念』は、そのうちガンにも効くようになる。
スペリーニ...少し話をさせてください。先に言っておくと、本小説では「アイツら仲良いな」程度で、カップリングとまではいきません。
それを加味しても、からかう素ペクターとそれに反応するCV.釘宮理恵の組み合わせはもうなんか...良くない?しかもアイリーニもそこまで嫌そうじゃないんですよ。
例えばですよ。素ペクターが一般人から見て重篤な怪我して、「すぐ治るし大丈夫よ」みたいなこと言っても血相変えたアイリーニが無理やり医療オペレーターのところに引っ張ってく...みたいなシチュエーションが起こりうるんですよ(虚言癖)
...良くない?