(多分)読みづらいッピ!
パチパチとなにかが小さく弾ける音、鼻に入る不愉快な匂い。
これは...そうだ、平穏が燃える匂いだ。
「お゙あ゙あ゙ぁ゙〜...!」
眠気をこらえるアザラシのような情けない声を出しながら、ベッドの上で頭を抱えて悶絶しているのは案の定ギョクソウだった。
「頭がぁ〜...頭痛がする...!は、吐き気もだ...!うぉぷっ...危ない。どうしてこんなことに...昨日何やったっけ...」
原因を探るために記憶を思い起こしていく。
振り返っていくとギョクソウは何かに気が付いた。
「そうだ...!昨日は飲み会して...酔っ払ったニェンちゃんにカバでどつかれたんだ!」
「違ぇよ!色々おかしいだろうが!」
存在しない記憶が溢れ出したギョクソウにちょうど扉から入ってきたばかりのニェンが手に持っていたペットボトルを投げつける。
「あだっ!...スポーツドリンク?」
「やるよ。」
「あ、ありがとう?」
「礼を言うならドクターに言っとけ。私は言われて仕方なくきただけだよ。」
「...そうだった!昨日は『クヒツムライダー!』とか言って廊下を爆走してたシーちゃんに轢かれたんだったわ!」
「おうオメーいい加減にしろよ?」
「...違った?」
「シーちゃんそんなことしねぇしお前が勝手に潰れただけだろうが。」
「そうだったかしら...」
「はー、思ったよりも元気そうじゃねぇか。これは私からのプレゼントだ。ほらよ」
「なにこれ。」
「余った唐辛子焼酎。」
「うんなんで?」
「じゃあな!」
「話聞きなさい。なんで二日酔いに酒を...聞いちゃいないわね。せめて扉は閉めていきなさいよもう...」
「...あら。もうお体はよろしいのですか?」
開けっ放しにされている扉を閉めようと動くとパゼオンカがやってくる。
パゼオンカは心配そうな顔をしているが、それと同じぐらい愉快そうな顔もしていた。
「まったくよろしくない...」
「聞きましたわよ。二日酔い、なのですってね。」
「誠に不服ながら。ていうかなに?私が二日酔いってそんなに知れ渡ってるの?」
「ニェンさんとドクターが言いふらしておりましたわ。」
「(覚えてなさいよ。)」
「それで...アヴドーチャも私を嘲笑いに来たのね...いいわ!好きなだけ笑いなさい!くっ殺!」
「そんなこと致しませんわ!?...自業自得とはいえ、日頃からあなたにはお世話になっていますので様子を見に来ただけですわ。」
「...え?そうなの?」
「なにか...わらわのことを勘違いしておりません?あぁ、これお見舞いの品ですわ。」
「ありがと...アヴトーチャ?」
「どうしましたの?」
「...なにこれ」
「パイナップルですわ。」
「なんで?」
「購買部で...安く売られていたので...」
「お見舞いって...リンゴとかじゃない?しかもそのままのパイナップルて、せめて切るとか...」
「わらわができるとお思いで?」
「...調子よくなったら一緒に食べましょう。そうだ、その時はリサを呼んでもいいかしら。」
「もちろんよろしいですが...どうして?」
「食べさせてあげたいな〜って、あと酸っぱいもの食べた顔が面白いから。」
「後者が全ての理由ですわね。」
「いやもうホントに面白可愛いのよ。目をキュッとして口をすぼめて...はっ!(これが俗に言うキス待ち顔では!?)」
「何を考えているのかは存じませんが、くだらないことなのはわかりますわ。」
「くだらないってなによ、くだないって!!仮にくだらないとしても一体全体どこがオ゙ェ゙ア゙!」
口論に夢中になるあまり少し汚ぇもんじゃ焼きを吐き出すギョクソウ。ドン引くパゼオンカ。そして時間が止まったような錯覚を覚える程の静けさに包まれる部屋。
「...うわ」
「...いや、ごめん、本当に大丈夫?かかってない?」
「それは大丈夫でしたが、随分と...」
「おかしいわね...まだ何も食べてないはずなのだけど...床が...」
「これどうしますの?」
「液体なら蒸発するわよね...」
「まさか...危険ですわ!もし火事になったらどうするおつもり!?」
「私の技術を信じなさい?今二日酔いだけど。」
「最後!最後!」
半笑いの状態で炎を使い、出したものを溶かしていく。
「......よし!」
ジリリリリリ!
全て溶かし終わったが気を抜いたギョクソウにより、床に炎が燃え移ったことでけたたましい音が部屋中に鳴り響く。
「あ、やべ。」
「なにが『よし!』だったんですの!?」
「安心しなさいって、自分で出したもんは自分で消せるわよ。」
「それなら...」
「か、火事はこの部屋でありますかぁーッ!?」
二人揃ってあたふたとしているとザラックの少女が扉を蹴破る勢いで突入してくる。
「火元は!」
「ショウちゃん?大丈夫よ、すぐ消せるから。」
「こういうことは専門である小官にお任せ下さい!火元...あった!」
「あ、あの?火もとても小さいものですので、わらわたちで消せますわよ?」
「小さいからこそ危ないのです!何かあってからは遅いのですよ!そのためには迅速な対応をーッ!!」
「消えた!消えたから!」
「念には念を!」
炎を消したと言うギョクソウのことはお構い無しにショウはギョクソウごと消火器を噴射した。
「ギャー!」
「ぷふっ...い、いえごめんなさい。なんでもありませんわ。」
「アヴドーチャぁ...!」
「ふぅ、鎮火いたしました。小官はこれにて失礼します。」
「えぇ...感謝っ...いたしますわっ...くふっ...」
「...リサ接触禁止令出すぞ。」
「そ、それだけは!それだけはやめてくださいまし!」
「じゃあどうすればいいか分かるわね?」
そう問われたパゼオンカは辺りを見回し、自信を持って言った。
「もう一つパイナップルを買ってまいりますわ!」
「はいもう禁止。」
「そんな!?」
廊下から先程出ていったばかりのショウの声が聞こえた。
「どぅわっ!?な、何をしているのでありますか!?」
「「...?」」
「見てきますわね。」
「(もしかしてそれ死亡フラg「な、なにをっ!?」
「あ、やっぱり。」
何かに襲われた(?)パゼオンカが気になりギョクソウも廊下に出ていく。
扉の外には、ショウとパゼオンカの二人の尻尾を抱きしめるレッドが立っていた。
「...あ。」
「...なにやってるの?」
「ギョク姉、元気ない。だから、ん。」
「えっと...?」
「もふもふ尻尾触ると、元気出る。だから元気だして?まずはこの二人。」
「「えっ」」
「えぇ...」
「...?あ、もう一人いる。ちょっとまってて。」
レッドが物陰に入っていったかと思うとすぐに出てきた。
一人のヴァルボを引き摺りながら。
「プロヴァンスちゃーん!?」
「ん。」
「ん、じゃないわよ。それに引き摺ったらダメよ、痛いでしょ。」
「大丈夫。まだ意識ない。」
「アウト!返してきなさい!」
「そう...なの。わかった。」
レッドはプロヴァンスを持ち上げると宿舎方面に歩いていった。持ち上げるというよりお米さま抱っこでだけど。
「うぅ...しっかり堪能されたであります...」
「レッドちゃんがごめんなさいね...」
「い、いえ、助かりました。今度こそ小官は失礼します!」
「...大丈夫?アヴドーチャ。」
「もう...もうお嫁に行けませんわ...あんなに尻尾を...!は、破廉恥ですわ!」
「ごめんその感覚よく分からない。」
「いや、あの方は女性。でしたら私は...花嫁?花婿?どっちですのーッ!?」
「落ち着きなさい。」
「はっ、女性同士でしたら...よ、夜伽の方は...?」
「よし分かった黙りなさい今すぐ。」
「いざその時になってできませんでは笑い話...ギョクソウさん。恥を忍んでお願いが...」
「アヴドーチャ?」
「私とその、よよよ、予行練習を...」
「アヴドーチャ!?」
「あ、あなたなら、嫌じゃ...」
「何?ウルサス出身のループスって尻尾触られたら貞操捧げないといけないわけ?」
「いえ、別にそういう訳じゃありませんが。」
「うわぁ!急に落ち着くな!」
「たまには私がふざけてもいいじゃありませんの?」
「疲れてんの?」
「...そうかもしれません、わらわの自室に戻らせて頂きますわ...」
トボトボと帰っていくパゼオンカを見送りつつ、尻尾をぶんぶんと振りながらこちらに駆け寄ってくるレッドを出迎えた。
ニェン...見舞いはドクター提案だったけどスポドリは自腹で買ってきた。お前...金あったのか。無職なのに。
ショウ...入職会話終了RTA記録保持者。お前女の子かよ!?
ハガネガニを吹き飛ばす水圧を人間に向けたらダメだろ...
パゼオンカ...いつも振り回されてるし困惑させてやろうと思ってやったら痴女扱いされた。
さすが淫乱ピンク。
レッド...プロヴァンスはそこに居たから狩ってきた。褒められると思ってたからちょっと落ち込んだ。