今日だけでお気に入りが16人ぐらい増えてめちゃくちゃビビってる。
え、どうしたんだ...?
すごい嬉しいけども!
その質問本当にされるとは思わなんだ
いつもは大忙しの医療部。
「...あー...」
そう。いつもは。
今日は珍しくいつもの問題児たちの動きが少なく、ロドスにいる患者たちの症状も安定していたために退屈していた。
「サイレンスー...暇ー」
「無茶振りが酷いですね。」
「...フォリニックは相変わらずかてぇしよ。」
「物理的にかの?」
「医療従事者がそれ言ったら洒落にならないでしょ。」
「そんなこと言われてもどうにもならないわよ。退屈してるならワルファリンのところ行ったら?ガヴィル。」
「聞こえておるぞ!どういう意味じゃそれは!?」
「そのままの意味だな。あ、サイレンス。イフリータの調子はどうなんだ?最近忙しくて聞いてなかったし。教えてくれよ。」
「あの子なら...最近プレゼントをくれたの。」
「イフリータが?珍しいこともあるものじゃな。して、何を貰ったんじゃ?」
「それが...見てよこれ!」
サイレンスはデスクの引き出しから一枚の絵が描いてある紙を取りだした。
「これは...」
「サイレンスと...サリアか?」
「そうなの。あの子、私達の似顔絵を描いてくれたの!もう嬉しくって...」
「のうガヴィル。」
「あ?」
「妾の目が悪いわけでなければ、パパ・ママと書いておらんか?」
「...本当にアイツら他人なんだよな?」
「血縁上は...?」
「こっちに聞かないでくださいワルファリン先生。」
「あぁ、もちろんサリアにもコピーして渡したわ。泣いて喜んでた。」
そんな医療部の扉をノックする音がした。
「うん?入れ。」
「失礼するわ。」
「...なんじゃギョクソウか。医療とは無縁だろうお主がどうしてまた。」
「いやーちょっとね。」
言い淀んだギョクソウの後ろからひょことスズランが出てくる。
「お姉ちゃんでも困るなんて...そ、そんなに大変なことなんですか...?」
「ほう、なんじゃお主が困るようなこととは。」
「リサに...そのぉ...」
勿体ぶる様子に医療部にいる者達全員の視線が集まる。
「あ、赤ちゃんの作り方を...」
「「「......はぁ!?」」」
「み、みなさんでもそんな反応をするだなんて...やっぱり聞いたらダメなんでしょうか...?」
「ギョクソウこっち来い。サイレンス任せたぞ!」
「アッハイ。」
「わかった。」
「スズランちゃん、飴あげるね。りんご味」
「あっありがとうございます!」
ホンワカ空間を後にし現在、ギョクソウは複数の医療オペレーターたちに囲まれていた。
「...リサに何を吹き込んだのよアンタ。」
フォリニックがギョクソウを睨みつけながら質問をなげかける。
「私何もしてないわよ。あの子がいきなり聞いてきたの。」
「なんじゃそれは...」
「考えられるセンとしてはよ。スズラン自身がそういうことに興味を持ったか誰かに吹き込まれたかってとこだと思うんだけどよ。」
「なんで興味を持...ま、まさか男!?こうなりゃ私の力を総動員して探し当てて吊るしてやる...!」
「落ち着け姉バカ。もしそうだとしてもスズランの年齢なら憧れ程度の物じゃろう。」
「確かに。小さい時って年上全員がかっこよく見えたものですからね。」
「...」
「え、何その目。」
「フォリニックさんそういう経験あったのね...」
「私をなんだと思ってるの?撃ち込むわよ?」
「...本題からズレんじゃねぇよ。」
「そうじゃった。ギョクソウが伝えるという手はなかったのか?」
「私じゃ間違った知識を教えることになりそうで...まともな学がある訳でもないし。」
「「「え?」」」
「え?無いわよ?まともな教育を受けれなかったし。」
「...スズランは毎日勉強しとるというのに...お主と言うやつは...」
「情けないと思わないんですか?」
「あら?私説教されに来たんだっけ。」
「まぁよい、そうなると必然的に妾たちの誰かが教えることになりそうじゃが...」
「...はぁ、私が行きます。」
「おぉそうか。頼んだぞフォリニック。」
「チキんなよ?」
「フォリニックお姉さん頑張れー」
「野次がうるさい!」
「リサ、お待たせ。」
「あっフォリニックお姉さん!どうしましたか?」
「赤ちゃんのことなんだけどね。赤ちゃんは...」
話を切り出したフォリニックをスズランは期待を込めたきらきらとした目で見つめる。
スズランに見つめられているうちにフォリニックのなかに一つの思いが生まれた。
「(あれ...リサに子宮やら射精やら精子やら言っていいのかしら...いやいや!)」
「こ、」
「こ...?」
「コウノトリと呼ばれるリーベリの人たちが結婚した夫婦のとことに赤ちゃんを運んでくるのよ。」
「フォリニック!?」
「そ、そうだったんですね~!」
嘘だろお前、という表情でフォリニックをみるサイレンスとは反対にスズランはより一層目を輝かせる。
「スズラン、ちょっとフォリニックとお話があるのじゃ!」
それを見かねたワルファリンがフォリニックを回収していった。
「コウノトリってなんじゃあ!!突然バカみたいな架空の組織を作りおって!」
「仕方ないでしょ!リサにそんな卑猥なこと言えるわけないでしょう!」
「いや卑猥って言うのはいろいろ失礼だろ。」
「普通の生殖活動よね。」
「もうよい妾がしっかりと正しい知識を教えてくる。」
「スズラン。」
「ワルファリン先生!どうしたんですか?」
「(さすがに頼んだわよワルファリン...)」
「コウノトリが赤ちゃんを運んでくるわけではないぞ。」
「えっそうなんですか!?じゃあ本当はなんなんですか?」
「本当は、まあともかく男性の精子というのと女性の卵子というものがくっついて...」
「...?」
「とか意味わかんない工程とかは無くて、キャベツ畑でとれるのじゃ!」
「ワルファリン!?」
「えっ畑から!?」
「ワルファリン先生。こっち来なさい。」
「もっと丁寧に運べええ!」
今度はギョクソウがワルファリンを引きずっていった。
「ヘタレやがって。」
「私のコウノトリをもう笑えませんよ。」
「ぬおおおお!殺すなら殺せええええ!」
「もうあきらめた方がいいんじゃねえの?」
「それはだめよ。あの子もいい年なんだから正しい知識をしっかりと伝えないと。ていうかもういいわ。」
「あー...それはどういうことだ?」
「私が教えるから。どこか講義室空いてない?」
「それなら二階の講義室なら空いとるな。」
「あと資料が欲しいのと私が間違ってたら教えてほしいから、誰かついてきて。別に全員来てもいいけど。」
「「「最初からそうしろ!」」」
いつもは、講義する人を受ける人で席が埋まっている講義室。
しかし今日は、小さなかわいらしい受講者とそのセコムたち、教壇に立つ受講者の姉だけだった。
「いや、結局みんな来たのね。暇なの?」
「いや、おぬしが正しい知識を伝えられるのかが心配だっただけで...決して暇というわけではないぞ!!」
「そこまで聞いてないわよ。」
「お姉ちゃん?どうしてこの部屋に?なんでみなさんがいるの?」
「ただしい赤ちゃんの作り方を講義してあげる。そこのヘタレ共は期待できないから。」
「「うぐっ」」
「正しい...?フォリニックお姉さんとワルファリン先生は嘘を言ってたんですか!?」
「その通り。まずは男女での体の違いからね。」
そう言ってモニターに教科書にあるような裸の男女の写真を出す。
「ひゃっ!?」
「「「「おおう...」」」」
「あやつマジでやりおった。」
「どっかのへタレ二人とは違ってな。」
「ガヴィルさん、もうやめてください...」
「うるさいですよコウノトリ。」
「サイレンスさんまで...」
騒ぎ立てるセコムたちを無視してギョクソウは講義を続ける。
「とりあえず赤ちゃんを作るところだけ話すわね。」
「は、はいっ。」
まず最初に男女の生殖機能についての話を始める。
ごく簡単にどのような場所なのか、と。
「ふひゅう...」
スズランの顔が赤みを帯びてくる。
次に赤ちゃんができる仕組み。
どこで何が起きるのかを。
スズランの顔がより一層赤くなり、耳と尻尾元気がなくなってくる。
「あやつ...えげつないのう。」
そして最後に性行為についての話をするとスズランは茹でタコのような真っ赤な顔をして顔を伏せてしまった。
「あ、リサ?大丈夫?」
「わ...私、すごく恥ずかしいことをみなさんに...」
「恥ずかしくないわよ。リサも好きな人が出来たら分かるから。」
「恥ずかしいし...なんだか少し...ヘンな気分です...」
「あー...いきなり話しすぎたから気分悪くなっちゃったかしら...ごめんね、リサ。」
「い、いえ...」
そうして一連の騒動は幕を閉じた。
ワルファリン...へタレその1
ロドスの子供オペレーターへの性教育をギョクソウに一任した方がいい気がしてきた。
フォリニック...へタレその2
キャベツ畑の言い訳は納得がいってない。畑から人が取れるわけないでしょう!?
ガヴィル...あまりにも躊躇無くギョクソウが話しすぎるせいでちょっと引いた。ありがたかったけども。
サイレンス...イフリータの性教育もお願いしようか悩み始めた。