スーお嬢様が出ないので初投稿です。(完凸一歩手前エイヤを見ながら)
どういうわけかスーお嬢様だけ出ません。(すり抜けミヅキを見ながら)
物欲センサーって...怖いね...誰か私の180連知りませんか()
...
ピピピピッ!ピピピピッ!
半ば気絶のように意識を失っていた状態。そこを無機質な甲高い音が入り込んでくる。
「...はあ。うるさ...」
体を起こして、溜息をつきながら端末を操作して音を止める。
軽く伸びをして寝床から脱出し、習慣としてなっているようにごく自然に鏡の前に立つ。
来る日も来る日もあの音に穏やかな快楽を邪魔するあの機械にいつも通り、若干の憎悪と感謝を抱く。
音が嫌いなのよね...そうだ!あの音をあの子の声にすればいいのでは...?
そのようなくだらない案の現実性を鑑みながら前を向く。
すっかり顔見知りとなった機嫌の悪そうな白髪の女と、頭上に浮かぶ-200という数字に青紫色に長く伸びた棒?メーター?
黒い数字で、ぽつんと頭の上に浮かんでいる...いやまるでその空間にびたりと糊で貼り付けられたような異物感。
「...」
「......?」
「...ん!?なんだこれ!?」
脳が理解を拒む...というよりも、まずまず理解の出来ない情報のせいで私の目覚めは過去最高に、最悪なものになった。
こんこんこん!
「アヴドーチャ!アヴドーチャ起きてる!?」
こんこんこん!
久しぶりの焦燥感にじりじりと焼かれながら、友人の部屋の戸を叩く。
中々返事が返ってこないのがまた焦れったい。さすがにもうこの時間なら起きてるだろうし、無理やりにでも...
そんなことを考えていたのを察知されたのか、しゅいんと扉が横にズレ、ふにゃふにゃの顔をした友人が出てきた。
「なんなん、ふわぁ〜...ですのぉ...?」
そして、力無く垂れる耳の間に150という数字とオレンジ色の長い棒が浮かんでいるのを確認し、少しばかり嬉しくなる。
「ねえ、私の頭の上に何がある?」
「そのような事を言われても...まず時間を考えてくだ...すぁ〜い...まし...今何時だと...」
「えーと...四時ね。」
「年寄りぃ...?」
「これぐらい普通でしょ。早起きは三文の徳って言うじゃない?」
「それ今だと100龍門幣ぐらいの価値しかありませんわよ...」
「え、そうなの...?...いやいや、いいから!私の頭の上、何かある?」
「ふわぁあ...ただ墨字のように200、としかありませんわよ。」
当たり前のように言ったアヴドーチャを見てこれまた少し不安になる。...けど、段々と違和感を感じたようでやがて垂れていた耳がピンとアンテナを立てた。
「なんですのこれ!?」
「私も知らないわよ。というか...私がさっき鏡で見た時は-200ってあったんだけど?そのせいで余計分からなくなってきたんだけど?」
「わ、わらわにもありますの!?」
「うん、150ってある。心当たりは?」
「.........いいえ、全くありませんわね。」
なんだ今の間。
「本当に?実は心当たりあるとかじゃないの?」
「......本当...デスワ...」
あからさまに瞳孔が水泳教室に通い始めたのを見て、吹き出しそうになったけど...何とか耐えた。
隠し事出来ないタイプか...
「テンニンカちゃん素直な人が好きって言ってたわよ。」
「実は先日、ワルファリンさんが怪しげな笑い方をしながら薬品を作っておりましたわ。」
あまりにもあんまりな手のひら返し。もはや美しいとすら思うわね。
「......ハッ!?ひ、卑怯ですわよッ!!」
「よしありがとう。ちょっとあのブラッドブルートシバいてくる。」
とりあえずロドスの中で何か以上が起こったら、それはクロージャちゃんかワルファリンのせいだからと、医療部に向かう。
決めつけで結構。それだけの前科があるのだから文句は言わせないわ。
誰もいない廊下を早足で駆けること数分、医療部の扉を叩いた。
バァン!
「あの色白ブラッドブルートはどこじゃあ!!」
...ちょっと気持ちがはやっちゃった。
「お前までここに来たのかよ!!ここにゃ居ねぇよ!」
鬼気迫る語気の私に、ガヴィルちゃんが呆れたように叫んだ。
「あ、そうなのね。どこに行ったかって...ちょっと待って、お前
「お前もどうせ、この数字をワルファリンの仕業だと思って来たクチだろ?もう何人も来たよ。」
ガヴィルちゃんは...50か。まあなんらかの条件で変わっているのは何となく分かるし、そんなこと気にしてもどうにもならないんだけど。
「じゃあ...もしかしてもう処された?」
「やられた前提なのかよ。いやまだ大丈夫だと思うぞ。」
「随分落ち着いているのね?」
「まあ誰が元凶なのかとか、数字の意味だとかも知ってるからな。そこまで焦るほどじゃねぇよ。」
「知ってるの?じゃあちょっと教えてくれない。」
「んー...断る。それよりも、執務室見てこいよ。面白いことになってんぜ?」
「えぇー?それよりもワルファリンを...」
「多分ワルファリンも執務室に居r「お騒がせしてごめんなさいね!」
「早ぇなおい。」
「ワルファリンのバカは何処だぁ!?ここか...ぁ...」
執務室に到着。そして侵入。
それからまず目に入ったのは、やたら人が集まっているドクターの作業机。
「ぅせんぱぁい...♡」
「ドクター?時代はキャプリニーよりもコータスですよ。」
「盟友。」
「朝から仕事か?...アイス、一口だけなら...やる。」
「*ケルシー構文**悩ましげなフェリーンの溜息**ケルシー構文*」
「ドークーター♡今度一緒に出かけない?護衛と一緒なら文句も無いでしょ?」
「騎士にしては随分やり口が汚いのね。」
「無冑盟さんは一人部屋で腹筋ローラーでもしてたらぁ〜?」
「だ、誰か...誰か助けて...」
たぶん、真ん中にいるのはドクター。
200とオレンジの棒の群れの中からあの不審者然とした腕が飛び出て、ぷるぷるかたかたと震えている。
あの棒は、数値に比例している...のかしら。
「あーっ!!腕!腕が変な音立てておるのじゃがぁ!!?」
「いいから早く。出来るの?出来ないの?」
またその人混みとは反対側から悲鳴が聞こえてきた。
片方は目的だったワルファリン。もう片方は...
「スカジちゃん...何やってるの?」
「...とある物を作れるか聞いているだけよ。こんな薬品を作れるんだもの、出来ないわけが無いわよね?」
「これは!これはな!ちと妾の手違いと言うか!本来はもっとピンポイントで被害も最小限のものにあだだだだだ!?!」
組み伏せられて、手を捻りあげられながら悲鳴をあげるワルファリンを見ているとその...少し気の毒になってきたわ。
「ギョクソウ!よければ助けてくれんかのう!!」
「えーやだ。」
「そうよ、助かるなんてダメ。作りなさい、出来るでしょ?」
「遂に命令形じゃと!? 」
というか自分が元凶だとは認めるのね...
「あなたのせいなら自分の罪を償いなさい。頭の上のやつも、害は無さそうだしもう私は帰るから。」
「んな殺生なぁぁ!」
ゴキゴキと腕からおかしな音を出すワルファリンと、埋もれるドクターを横目に扉に手をかける。
「ドクターさ...あ...」
そして開くと、目の前にはリサが立っていた。
声を出すのに緊張でもしていたのか、服の裾をぎゅっと掴んで片手をノックの形にして固まっていた。
ふと頭の上に目を付ける。
0という数字を確認し、何の感想もなく声をかけようとしたのも束の間。
「あら、おはよう。リサっ...!?」
腹に衝撃を感じ、苦しそうな声を出してしまう。
「うん!おはようお姉ちゃんっ!」
下を見れば、私の腹部に抱きついてパアッと笑うリサがいた。
そして、視界の端で目まぐるしく動くオレンジ色の何かにも気づいた。
「...リサ?頭のやつ...どうなってるの...?」
数字のところは常に動き続けているせいでよく見えない。少なくとももう既に五桁目まで入っているふうに見える。
問題は棒の方。凄まじい速度で伸び、あるところまで到達すれば向きを変え蛇がとぐろを巻くように、体内の腸のような形で伸びては曲がり伸びては曲がりを繰り返す。
「えーっと...ど、どうしたの?こんな朝からだなんて珍しいね。」
「ちょっと早く目が覚めちゃって。それに、ドクターさんに呼ばれてたから...えへへ。」
うん。可愛い。
リサの笑顔で癒され、再び数字に目を向ける。
9.
おかしいわね。この言っちゃ悪いけど大蛇みたいな棒の長さにしてはあまりにも小さすぎる数字...本当は、数字と棒の長さは比例しないのかしら?
しかも9.9じゃなくて9.
「...ん?あれ...?」
数字を観察していてあることに気付いた。
これ、ただの9.
9.
10の10乗!?
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「あー...いや、なんでも。リサはすごいなーって。」
「そうなの?私、凄い?」
「うんうん。とっても凄いよ。」
「ふふっ嬉しい!」
ぎゅんっ!
あ、棒が一本増えた。ということは...
9.
そうよね!やっぱり数字も増えたわよね!?
「待って!みんな待って!もう業務開始時間だから!!ねぇ!!!」
「「「「「.........」」」」」
「*ケルシー構文*」
「話なら業務後聞くから!」
「「「「「......なら良し。」」」」」
「*不満気なケルシー構文*」
こっちでリサと戯れている間にドクターの方も片付いたみたい。
「...仕事が終わったらまた来るわ。」
「ヒィ...ヒィ...」
ワルファリンも終わったみたい。二つの意味で。
ぞろぞろと出ていくオペレーターの子たちを見ながら、ドクターに近付く。
アーミヤちゃんとケルシー先生は残って自分の作業に取り組んでいたわね。
「やっほードクター。大変そうだったじゃない。」
「...思い出させないでくれ。」
「はは、そんなあなたに可愛いお客さんよ。」
「誰ぇ...?あっスズランか。おはよう。」
「おはようございますっ!それで、ドクターさん、話ってなんですか?」
私から目線を逸らして、ドクターの方を見ると途端に数字が200へと変わり、棒も一本だけになった。それを不思議に考えていると、ケルシーに声をかけられる。
「お前も業務に戻ったらどうだ?」
「...数分前のあなたに聞かせてあげたいわねそれ。」
呆れていると、突然ワルファリンがモゾモゾと動き始めた。
「ふふ、ふふふ...面白いものが浮かんだ...この技術を応用すれば...!」
ゆっくりと立ち上がるワルファリンからは、なにやら不穏な気配を感じる。
「人の年齢が見える薬を...作ってやるぅぅぅぅ!!」
「「なんですって(だと)!?」」
「かははのは!もーうだぁれも妾を止められんぞー!!」
「Mon3tr」
「...へぐぎゃっ!」
「...」
「さ、殺しはしないであげる。」
「お、おおお、おいっ...?ちょっとした冗談じゃ、冗談...!だからそんな、鬼の形相で妾へ近寄るでない!」
手に力を貯めてにっこりと笑う。
「Mon3tr、メルトダウン。」
「爆砕せよ!」
ワルファリン...後日無惨な姿(笑)で発見された。作った薬品は『見た人への信頼度・好感度が可視化される薬』
ドクター...『もう好意がバレてるならガンガン行ってしまえ』と気付いたオペレーターたちに囲まれた。めちゃくちゃ怖かった。
スカジ...ワルファリンに惚れ薬を作るように脅迫お願いしていた。叶うことは無かった。
ギョクソウ...結局あの数値がなんだったのか分かっていない系お姉ちゃん。ちなみにスズランを見た時、頭の上に9.
スズラン...ギョクソウに会う時はデフォルトで9.