どきなさい!私は「お姉ちゃん」よッ!!   作:とろねぎ

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なんか途中から記憶が飛んでるのだけど...

 

 

 

スズランママが来るまでチマチマ更新してこうと思います

 

出来れば新規キャラを絡めていきたいけど、今回はまあ...

この二人の空気感好きなんですよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「そういえば...」

 

それは、アヴドーチャの部屋でひっそりと晩酌をしている時だった。

 

「ん?お金なら貸さないわよ。」

 

「わらわをなんだと思っておりますの?それに、自慢ではありませんが一度も借金なんてしたことは無い...ってそうじゃなくて!あなたのアーツですわ。何かしら使えるんじゃなくて?」

 

ツマミを口に運ぶ用のフォークを指に挟み私へ向けては何度も上下に揺らしている酔っ払い。

 

「行儀悪いわね。」

 

「あだっ!さ、酒の席なんですから行儀は気にしなくても良いではありませんか!」

 

「はあ...でも...まあ...そうねぇ...」

 

教える意味も無いけど、アルコールが入った私は少しばかり上機嫌だった。

 

「教えても、見せても良いけど...」

 

「あ...もしかして、消耗が激しいものだったり...?そ、それなら見せなくて結構ですわ。それこそ、何かアーツユニットがある時にでも...」

 

「別に。ただ、肴になるほど面白いものじゃないわよ。」

 

「人の命を削る技術に面白いもクソも無いのでは?」

 

「あんたに普通のこと言われると腹立つわね。はあ...手、出しなさい。」

 

私の言葉で素直に差し出したその手を上から覆うようにして握る。

 

「...」

 

「......あ、あの...」

 

そのまま黙って何度も軽く握っていると、アヴドーチャから僅かに赤くなった顔で文句を言われた。

 

「わ、わらわ...そっちのケはございませんことよ...?第一、わらわにはドゥリンという愛しい人々が...あだっ!」

 

「はいはい。そうやって一生叶わない片思いしてなさい。...あと誤解しないでくれる?これが一番やりやすいってだけだから。」

 

思春期の女子みたいなことを言い出したアホループスに手刀を入れて黙らせる。

 

全く、そんなんだからあなたはドゥリコンなのよ。

 

さて...せっかくだし、面白いやつ...

 

...あ、これとかいいかな。

 

「ふぅん...?これまた随分と...」

 

「な、なんですの?そうやって意味深に笑われると、なんだか妙な悪寒が...」

 

「いいえ?ただ...別に、趣味を一人で楽しむのぐらい私は止めないわよ。」

 

「?」

 

意味の分かっていないアヴドーチャの、その顔...この後のことを考えるとますます面白くなってきた。

 

「......『アンタのせいでこうなったんだ。責任を取れ。』わらわへ覆い被さるように姿勢を取ったスディチさんから、彼らしくない言葉が飛び出ました。しかしおかしくはありません。物語の始まりは、全て突然のことですもの。」

 

「はっ?」

 

間の抜けた声で驚くアヴドーチャ。

 

「『いきなり...どうしましたの...?』ここへ至るまでの過程を思い出せないわらわは、二日酔いに似た痛みを感じる頭を働かせて、ここまでの話を線で繋ぎました。」

 

「ま、待ってくださいまし!どうして...どうしてあなたがこれを...」

 

「『思い出せないのか?なら、オレが思い出させてやる。』そう獣のように眼をギラつかせたスディチさんは、熱く煮えたぎる、膨張した欲望をわらわへ「わ、わー!!あーっ!!あ゙ーー!!!!なーーんにも聞こえませんわ〜〜〜!!!!」

 

「...なによ、ここからが盛り上がるところでしょう?あんたも隅に置けないわね。しかも、最後にはあんな...」

 

「小説!わらわの書いた話ですから!!誤解を招く言い方をしないでくださいまし!!」

 

「...ふふっ...あははっ!あっははは!はー、おもしろ...!」

 

顔真っ赤で茹で蛸みたい。

 

「なに笑ってますのよ...!あぁ...もう...!」

 

「ひー、ひー...ね?面白くないでしょ?」

 

「少なくともわらわにとっては悪魔の所業かと思いましたわ。はあ...それで、あなたのアーツって...」

 

「ちょっとばかり頭の中を覗く程度よ。戦闘どころか日常生活にも使えやしないつまらないアーツで......あ、無くなった。おかわりー。」

 

「...だから話してもいないわらわの出身地を当てていたのですのね...それと、わらわはあなたの侍女じゃなくってよ。セルフサービスですの。」

 

「......『オレも一人の男だって事を教えてやるよ。』わらわの静止を振り切り「喜んでお酌させていただきますわぁ!!」

 

「あっははっ!愉快、愉快!!」

 

「あなた、相当アルコールが回っているようですわね!!」

 

「こんなことが出来るんなら、ちょっとは役に立つみたいね。リサは滅多に嘘をつかないから使う必要も無いし、どうでもいいヤツの頭なんて覗こうとも思わないけど...隠し芸ぐらいにはなるかしら?」

 

「えぇ、今年の忘年会、楽しみにしておきますわね。」

 

「私そん時まで生きてりゃいいけど...」

 

「......」

 

ふとポロッと零れた本音に...あなた、なんて顔するのよ。

 

「冗談。だからそんな顔しないで。不細工よ。」

 

「酷くありませんこと?」

 

「まだドゥリンの尻を追っかけてる時の方が良い顔してるわ。性犯罪者的な意味で。」

 

「その意味だとよくありませんわね!?」

 

やっぱりあなた面白いわ。

...本当にね。

 

容器に入った透明な液体を少しずつ口に運びながらアヴドーチャをからかい続ける。

 

「ふう...燃費は良くても、効果がこんなんじゃまあ使わないわねぇ...」

 

ニェンちゃんにやろう物なら逆にクソくだらない情報流されるし、ドクター(記憶喪失)は最近のことしか見れなかったし。

 

「もうちょっと役に立つのが欲しかったわぁ...ひっく。」

 

「...もしかして、もう出来上がっておりますの?」

 

「んあぁ?なぁにがよ。できるもなにも、もうなんにもデキねーってぇーの!」

 

「は、はしたないですわよ!?み、水!一旦水をお飲みなさいな!」

 

「うっさいわねぇ...みずは、こっちにあるじゃないの!」

 

「あっ!ちょ、ちょっと!そちらは...!」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

あぁ...なんということでしょう...

 

「アヴドーチャぁ...?あゔろぉちゃあ...聞いへるのぉ...?たくさんに増えてないれ...なんろか言いなさいよぉ...」

 

誤ってわらわの物をあおったばかりに...べろんべろんになってるじゃありませんの!

この方、ここまでアルコールに弱かったでしょうか...?

 

「ひとり...ふたり...さぁんにぃん...どぅりんのこらひがあぶないわぁ!あははははぁ!!」

 

もう目も当てられませんわねこの酔っ払い...はあ、水を汲んできましょうか。

 

「どこ...いくのぉ...?ちょっろ、まちなさいよぉ...」

 

「あなたが少し待てば解決する話ですので、あなたがちょっとお待ちなさい。」

 

「あなたもそーやっへ!わらひをひとりにするのねぇ!?みぃんなそう!ぁたしを、なんらと思ってるのぉ!」

 

「!?ちょ、ちょっと!縋り付くのはおよしなさい!みっともないですわ!」

 

「いいじゃないのぉ!ちょっと!ちょっろらけらから!わらひの寿命終わるぐりゃいまでつきあっへよぉ!」

 

あぁもうクソめんどくせぇですわこの酔っ払い!!

 

「もう...ひとりは、いやなのよぉ...」

 

「...」

 

「みぃんな...わたしをおいて、しんじゃうんだもの...わらひばかり、みおくってばかり...こんなの、ふこーへーよ...」

 

「...はあ。」

 

面倒ですわね、この人。

 

立って対応をするのも疲れますし、座りましょうか...

 

「あぅろーちゃー...」

 

「はいはい今度はなんですの。」

 

「なぐさめてぇ...」

 

「...どうしてわらわが、そんなことを...」

 

「うるさいわねぇ!年上は敬いなさいよぉ!わらひ!ごひゃくさいよ!ごーひゃーくーさーい!!」

 

うるせぇですわこの500歳児。

 

「はいはい、それで何をすればよろしいのでしょうか。」

 

もう適当に慰めて今日はお開きにするのが賢明ですわね。

 

そんな私とは裏腹に、シロツメさんはというと、子供のような笑顔をしてわらわの手の平に小さな手櫛を乗せてきましたの。

 

「ブラシやって!」

 

...幼児退行しておりません?

 

「ほらぁ、いつもぉ...わらひが...リサにやる、みたひに...っえ、わらひリサじゃないじゃなぁいのぉ!あははははあ゙ぁ゙ぁ゙〜!!りざごべんねぇ〜っ!!!!」

 

「笑い上戸から泣き上戸にシフトチェンジやめてくださる?わかりました!わかりましたから泣くのはやめてくださいまし!」

 

「やっだぁ...!」

 

ズビズビ鼻を鳴らしながらわらわの背中を向けるシロツメさん。

 

ループスの尻尾とヴァルポの尻尾、だいぶ違うのですがよろしいのでしょうか。

 

至る所で毛が跳ねて萎びていた尻尾が四本全て立ち上がり、先が僅かに揺れていました。

 

「後からの文句は受け付けませんので。」

 

「あぁい〜...」

 

思ったよりも素直な毛質で、少し櫛を通してやれば瞬く間に、少量の抜け毛と共に整う尻尾。

...羨ましいですわ。

 

「うぁ゙〜〜...ぁゔろぉぢゃあ...」

 

「文句は受けないと言ったはずですが?今度はなんですの。」

 

「わらひをぉ...わずれないれねぇ...」

 

「......こんな特徴的な人、忘れるわけがございませんわ。ご安心ください。」

 

「ほんろぉ...?んじゃぁ...じゃあねぇ...わだしがしんだらぁ...むこー、にじゅーねんはひきずってねぇ...」

 

「妙に女々しいですわね...」

 

「やくひょくしないろ...ばけてでへやるんらかりゃあ......」

 

「あなたが化けて出たらえげつない事されそうで嫌ですわね。」

 

「...ん〜ぅ...」

 

「あれ?ギョク...シロツメさん?え、な、なんで急に前屈を初め...体柔らかいですわねぇ!?」

 

関節が抜け落ちたように顔面から床に倒れるシロツメさん。

わらわが顔を覗き込むと、穏やかな顔で目を閉じていました。

 

「...え...?死にました...?」

 

絶対にないとは言えない最悪の現実を受け止めきれずに居ましたが、呼吸音がわずかに聞こえてきたことで一安心。

 

「...人騒がせな。ここに放置する訳にも行きませんし...だからと言ってこの方にベッドを譲るのはなんか癪ですわ。......じゃあもう...」

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...んぁ...?」

 

ここ...ベッド?

あれ、私いつの間に部屋に戻って...いや匂いが違う。

これは...アヴドーチャ?

 

「...っ...!頭、いったぁ...!なんか、体重いし...特に尻尾...」

 

尻尾が重いって、どういう状況...は?

 

「ドゥリンさん...わらわの太もも...空いてますわよぉ...」

 

「...なんで私の尻尾枕にしてんだこいつ。」

 

しばき回すぞ。

 

「んぁ...どうぞどうぞぉ...うふふふふ...」

 

スパァン!!

 

「いっだぁぁ!!?」

 

「おはよう変態。私になんかやった?」

 

「え?な、や、やったというより、むしろあなたがやらかした...」

 

「はあ?じゃあほら、手出しなさい。見るから。」

 

「そ、それは!あなたの名誉のためにも...!」

 

「やっぱりなんかやったんじゃないの!」

 

「ご、誤解ですわぁーっ!!お、襲われるー!」

 

「それは私のセリフよ!こんの...大人しくしなさい!」

 

暫定変態の首根っこを掴んだ。

 

「......えっ...?」

 

「...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ほんとごめん。」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

シロツメ...アルコール激弱ヴァルポ。

その癖して自己肯定感激低。

つまりお持ち帰りしやすいってこと。

 

パゼオンカ...今度尻尾の手入れに何やってるか聞こうと思ってる。

 

 

 

 

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