プロフィールに新年と周年のボイス追加しときました
pixivで見たヤツのパロがしたくてこの話を書いた節はある。
「...さて...今日は......うん、シンプルにショートケーキでも作りましょうか。ケーキとなると...器具が無いわね。食堂の厨房使わせて貰えないかしら。」
誰に聞けばいいのかしら?
...まあ、そこにいた人に聞けばいいか。
まあまあ時間かかるし、モタモタしてたらおやつの時間に間に合わないわ。
急がないと。
お昼過ぎだし、まだ誰かいると思うけど...
あっいた。
「今いいかしらマッターホルンくん。」
「はい?...あなたが厨房に来るなんて珍しいですね。どうかされたのですか?」
「ケーキ作りたいから厨房貸して欲しいの。なんならオーブン使わせてくれるだけでいいから。」
「...オペレーターの厨房使用は、ロドスの福利厚生として認められているのでわざわざ声をかけていただく必要は...」
「申請はしたわ。実際に二つ返事で了承されたし。でもだからと言って何も言わず我が物顔で材料広げるのは違うと思うのよね〜。」
「許可されているのでしたらなおさら断る理由もありません。空いている場所でしたら、どうぞご自由にお使いください。」
「ちょうどラッシュが終わった頃にごめんなさいね。出来たらあなたのお部屋にも持っていくから。」
「ははっ、楽しみにしておきます。」
「ん...」
クリーム...このくらいでいいかしら。
スポンジの様子はどうかしら。
「...余熱甘かったかしら。まあもう少し様子を見ましょう。」
具材の苺を切っておいて......なんか今居たわね。
まな板の上から視線を外して、うねうねと器用に動く尻尾の先に目をやる。
そこには、一人のフェリーンの少女がクリームの入った器を凝視し、恐る恐る手を伸ばしていた。
「...良いところのお嬢様が何してるのかしら?」
掴んで止めると、その手の主は気まずそうに目を逸らした。
「仕方がないじゃないか。頭を使った後は、どうしても甘い物を口に入れたくなるのだから。そんな折に、ここからなんだかとても甘〜い匂いがしたもので。」
「だからってクリームそのまま舐めようとするのはどうかと思うわ...ぺぺちゃん...」
シュナペカペ=サキト=ハトシュプスト...なんて大層な名前の割に、随分親しみやすいのよねこの子。
「それにあなた、今日はドクターの秘書じゃないの?」
「秘書?あぁ、確かに彼の世話を焼く代わりにちょうどいい作業スペースを貰ってはいるね。」
「...こんな所で遊んでていいの?」
「糖分の調達は彼のためでもあるのさ。作業を進めている途中、関節に砂が詰まったカラクリ羽獣のようにパタリと止まってしまった。なんだか意味の分からない言葉を呟いているんだ。この状態には私も覚えがある。だから...」
「......分かった。分かったからそんな目で見ないでちょうだい。はあ...念の為、大きめにスポンジ焼いといて良かったわ」
「流石!じゃあ私は味見係でもしようかな?なんて、冗談...」
「いいわねそれ。」
「...良いのかい?」
「最近馬鹿舌になってきたから、あんまり味とか分からないのよね。だからって私でも分かるような味は濃すぎるから。」
「よく一人で作ろうとしていたね。」
「料理なんてレシピ通りにやればなんでも上手くいくものだし一人でも問題無いのよ。」
「わあ、世の料理下手に聞かせてやりたいね。私の友人なんてアドリブで調味料を入れるもので...って聞かれたら怒られるかな。やっぱり聞かなかったことにしておくれ!」
「はいはい。」
本当に賑やかね。
リサとお友達になってくれないかしら。
そういえば、他の子にこうやって答えると、たまに『嫌味ですか!?』って怒られることあったっけ。
それも、決まってヴィクトリア出身...
......気付いたらダメなやつねこれ。
「はい味見どうぞ。」
「お言葉に甘えて、と...ふむ...美味しい。あぁ美味しいとしか言えない自分の語彙力が情けなくなる。でも本当に甘く、ふわふわで...そうだ、私の地元でも稼げるような味だ。」
「それは...褒められてるのかしら。」
「褒めているとも!」
「まあ美味しいならいいわ。ほら、レシピ通りでなんとかなる。」
「世の料理下手が聞いたら怒るだろうね。」
えぇ、ちょっと前に怒られたばかりよ。
バグパイプちゃんに『それができないんだべさぁ!!』って...ちょっと面白かったわね。
「そういえば、ドクターは置いてきて良かったの?」
色々天井裏に控えてるから大丈夫だとは思うけど。
「それなら安心しておくれ。執務室を出る時にちょうどシュウさんと出くわしてね。理由を伝えたらしばらく見ていてくれるらしい。」
「あぁ...シュウちゃんが...」
たぶん今頃、好き放題に甘やかしているんでしょうね...
白い尾を揺らして、ここぞとばかりにお姉ちゃんしているあの子の姿がまざまざと思い浮かぶわ。
「なんなら甘いのも、もう口に突っ込まれてる頃合いな気がするけど?」
ふと思って言ってみた言葉に、ぺぺちゃんはまた気まずそうに目を逸らした。
「...まあまあ、シロツメさんはケーキ作りに専念しなよ。」
「さてはあなたか食べたいだけね?」
「まさか!私は純粋にドクターの身を案じているのだよ。日頃の恩義を献身で返すのはごく当たり前の事じゃないのかね。」
「この場合、献身してるの私じゃない?」
「...まあまあ、まあまあまあまあ...うぇっほん。」
誤魔化したわね。
あっ、スポンジ膨らんでる。
「ちょっとそこどいて、危ないから......よいしょっ。」
「おぉ...聞き忘れていたんだが、どうしてケーキを焼いているんだい?どこかでパーティーでもするのかい?」
「え?強いて言うならリサのおやつだけど...」
「...」
「えっ何その目。」
「これはちょっと...多いんじゃないかな...?」
「別にあの子が一人で食べるわけじゃないわよ。友達と分けたり、後はあなたみたいな子に分けたり。色んな子にあげてるとすぐ無くなるもの。これでも足りるか不安なぐらいよ。さてと...」
細かく切り分けられた苺がひしめくボウルをぺぺちゃんの前に滑らせる。
「少しぐらい、お手伝いしてもらおうかしら。」
「随分本格的じゃないか。前職はパティシエだったとか?」
「まさか。根無し草よ。」
三人分に切り分けたケーキが入った箱を持って、ゆらゆらと私の顔を覗き込むぺぺちゃんにそれとなく返事をしておく。
一つはドクターの、一つはぺぺちゃん。
それで、もう一つはシュウちゃんの。
私はいらないわよ。
だって味分からないし。
執務室の扉に手をかけて、押し開ける。
「待たせたね!待たせすぎたかな?まあ、腹ごしらえをするにはちょうどいい時間じゃないかね?」
腰に手を当てて自慢げにふんすと鼻を鳴らすぺぺちゃんを、白い尾が左右に揺れて歓迎していた。
「おかえりなさい。あら、あなたもいたのね。」
「冒険を経て手に入れた甘味は、シロツメさんのケーキさ。」
「ちゃんとシュウちゃんの分もあるからね。」
「本当?シーもニェンも絶賛していたから食べてみたかったの。」
「シーちゃんは『弟の作る菓子の方が美味い』とか言いながら受け取ってくれるのよね。」
あれ?今までシュウちゃんに渡してなかったっけ。
これから何か作る時は、もう一人分多く作らないと。
「ほらドクター?シロツメちゃんがお菓子を作ってきてくれたわよ?ありがとうは?」
「ぅ...うぅん...」
「別にお礼とかいいわ。ついでで作っただけなんだから、感謝されるいわれもないし。」
「なら私が代わりに感謝すると言うのは?」
「代わりになんてならないでしょ。」
「そんなの分からないでは無いか!」
「......」
ドクターの前で、ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てているときだった。
「...う、ん......壁が...並んでる...」
「それは...感心しないなぁ。」
「土に埋められたいの?」
「その目玉ぶち抜くぞ。」
三者三様の反応だったけど、寝言にしてはやけに引っかかる言葉を残しやがったコイツ。
「本日は、何を作ってくださるのでしょうか。楽しみですわ...!」
あの方の菓子に胃袋を掴まれたわらわは、ふと艦内を歩いていましたの。
散歩の途中、ドクターの執務室がいやに騒がしいことに気づき、好奇心に負けたわらわは覗き見ることにいたしました。
...すぐに後悔することになりましたが。
「誰の胸が無いつったてめぇ!!昔の食生活教えてやろうかボケ!!!!」
「シロツメちゃん落ち着いて!」
「何もあなたの事を言ってるわけじゃないのでは!?」
...なんであの人、シュウさんとペペさんの二人に羽交い締めにされておりますの...?
「正面と背中の違いが分からないって言ったろ!空気抵抗限り無く低そうとか言ったろ!誰が究極の機能美だブチ殺すぞ!!」
「完全に被害妄想よそれ!」
「うるせぇ!私より足元見えない奴が私を止めるなァ!!こちとら足首までバッチリ見えてんだぞォ!!」
「コンプレックスだったんだね!?」
「胸あるやつはこっち来い!全員引きちぎってやるぅぅ!!!!」
「...ッスゥ-...」
わらわは、何も見ませんでしたわ...あと引きちぎられたくありませんし。
シロツメ...ちゃんとコンプレックス。
前までは隠してたけどやりたいように生きるために、踏み抜かれたらちゃんとキレるようになった。
ティフォンとかみたら血涙出すと思う。
でもリサが成長したら泣いて喜ぶ。
シュウ...姉と妹がおかしいだけであなた普通に
シュナペカペ=サキト=ハトシュプスト...ぺったん!!!!
ドクター...「目の前にめっちゃ人居るやんワロタァww」ってつもりで言った。
他意は無い