ギョクソウのプロフィールも書いていきたいところ。
ロドスの執務室。
相も変わらずドクターはそこで仕事をしており
「...ギョクソウ、何者なんだ...?いやマジで。」
頭を悩ましていた。
補助オペレーター 『ギョクソウ』
彼女は分かっているところよりも不明な点の方が遥かに多い少し不思議なヴァルポであった。
「(いや、経歴がよくわかんないとかはよくあるからいいんだけどさ。元レユニオンの人もいるし...いやそれ抜きにしても気になるのはたくさんだけどね!?)」
「(炎を自在に操り、味方のサポート・敵への攻撃を行うアーツ。形どころか性質すらも再現したものと同じようになる...)」
ギョクソウは戦闘の際、炎で作った狐を配置し敵を足止めし、周囲の味方の強化を行う。
そして、狐が限界を迎える直前に爆破し、周囲の敵へのダメージ、味方への守りを付与する。
「(スズランがアーツに優れているから姉であるギョクソウも優れたアーツを持っている、ということなのかな...)」
より手っ取り早い方法としてプロファイルを見ることを思い出したドクター。
「(どれどれ...)」
「(...特別おかしいところはないな...)ファッ!?アーツ適正黒塗りやんけ!」
「アーツ適正黒塗り...鉱石病の進行度は...!」
「は...?『ケルシーの元非公開』...?」
「調べれば調べるほど不可解な点が出てくる。人間関係もどうなってんだよあいつ...」
ギョクソウ本人がフレンドリーな気質なのもあるかもしれないが、彼女の交友関係は一般の職員が思ってるよりも遥かに広い。
「(スズランは姉だから当然として、フォリニック...は友好なのかは微妙だけど、時折ワルファリンの実験にも付き合っているみたいだし、実験中のソーンズに口を出しているのを見た人もいる。)」
「(それだけなら研究者気質という説明だけで片付くのかもしれないが...)」
「なんかニェンと仲がいいんだよなぁ...」
そう、基本的に誰かを誘いつつ遊び呆けているニェンだが、誰を誘っているかは固定されていなかった。
それが、今は遊びに誘う者の中に、ギョクソウがたいてい入るようになった。
「(しかもギョクソウ本人はニェンちゃん呼びだし...ニェンも満更でもなさそうだし...)」
「一番わかんねぇのはやっぱそこだよなぁ...いや、シーとリィンとはどうか分からないから、ただ単にニェンとウマがあっただけかもしれないし...」
「うん。考えてるだけじゃ何もなんないか。ファントム。」
執務室にはドクター一人しか居ないはずだが、ドクターはいないはずの誰かの名前を呼ぶ。
「ドクター、私を呼んだか?」
影が滲み出す。影の上には黒い服に身を包んだフェリーンの男性がいた。
「うん、呼んだよ。ギョクソウについて調べてくれないかな。」
「なるほど、了解した。何一つ不安に思う必要は無い、役回りはしかと果たそう。」
誰もいない廊下をギョクソウは歩いている。
「赤ピ〇ミンは火に強い♪青〇クミンは溺れない♪黄ピク〇ンは高く飛ぶ♪紫ピクミ〇力持ち♪白ピ〇ミンには...毒がある♪虹ピク〇ンは何があっても納税しない。...個性が色々生きてるよ〜♪」
「(なんだあの歌は...?しかも最後のはなんなんだ、一匹だけ毛色がおかしいだろう!)」
「なんだかえらいご機嫌ですねぇ、ギョクの姉御。」
「(この声は...)」
「あら!リーさんわかる!?」
「そりゃあもう。なにかあったんですかい?」
「実は...リサが、今日の訓練でドーベルマン教官に褒められたのよ〜!今日は私もリサを褒めまくるのよ!」
「へぇ。あれですか、『目に入れても痛くない』とはこのことを言うんでしょうね。」
「むしろ目に入れたいねぇ!」
「あはは、姉御が言うと冗談に聞こえやせんよ。...それにしても、そこまで嬉しいものなんですかねぇ、俺にはちょいとばかし分かんねぇや。」
「リーさんもそのうち分かるようになるわよ。例えばアくんの研究がものすごい世界的な発見に繋がった!みたいなことになったら私みたいになるわよ。」
「あの悪ガキの遊びが役に立つかはわかりませんが...えぇ、楽しみにしときますよ。」
「そう言わないであげなよ...」
「はは、違いねえや。じゃ、俺はこれで失礼しますよっと。」
「うん!またねー!」
「(リー探偵事務所の所長とも面識が...?)」
「...久々に会ったけど、元気そうでなによりだね。それに、シェアハウスまで始めちゃってまぁ...」
「(以前から面識はあったようだな。)」
「あ、もう時間じゃない?」
「...ほんと?」
「(誰と会話を...)」
「いやいや、お昼前に来いみたいな話じゃなかったの?もうそのお昼前だよ?」
「そう...わかった。行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
「うん、ありがとう...ギョク姉。」
「(尻尾に人が...?)」
「...!」
「レッドちゃん?どうしたの。」
「ギョク姉、なんかつけてきてる。」
「(気づかれた!?)」
「あらあら、また?」
「(また...!?物騒だな...!)」
「...レッドはもう行くけど、気を付けてね。」
「ありがとうね。」
「...で、誰かしら?生憎と、私は今日機嫌がいいの。素直に出てきてくれたらそこまで酷いことはしないわよ。」
「(これは...一旦引くか...)」
「今日は早くリサへのお菓子を作ってあげないといけないから、時間は取れないのよ。」
「(こっちに来るか...撤た)「にゃあん。」
「...あら?」
「(クリスティーン...!)」
「にゃおん。」
「あらあら...ミス・クリスティーン。あなただったのね。ごめんなさい!昨日も同じようなことがあったせいでちょっと神経質になっていたみたいなの。」
「なおーん!」
「そんなに怒らないでちょうだい!あとでまたこっそりツナ缶あげるから!」
「ぐるぐるぐるぐる...」
「ふふっありがとうね。」
「にゃん。」
「もう行くの?またね、バイバイ。」
「(助かったな...)」
「...もうレッドちゃんたら、紛らわしいこと言って...」
「(それはそれとしてクリスティーンに勝手に缶詰を与えていたとは...)」
「リサはどこかしら...あ、こういう時ぐらいこの子達に探してもらいましょうか。」
少し小さめの狐を10匹ほど作り、散開させる。
「(これがギョクソウのアーツ...人探しに使うとは、私たちが思っているよりも燃費がいいのか...?)」
「...!グゥルルル...」
「(いつの間に!?)」
「お?なんかあった?」
「(撤退...!)」
「なーにがあったんだーいっと...ありゃりゃ?なんにもないじゃないの。」
「きゅーん...」
「可愛い声出して尻尾振ってもダメ!ほら、しっかり探してちょうだい!」
「おあー...仕事終わんねぇ...アーミヤー、手伝っ...ってそういや今居ないんだった。」
「ドクター。すまない。」
「おわっ!ファントム、もう終わったの!?」
「私では少々力不足だったようだ...」
「え、もしかして見つかった?」
「...あぁ、三つほどしか情報が入らなかった。」
「あー...ちなみに?」
「特殊オペレーター、リーとロドスに来る前から面識があること、強力なアーツに見合わぬ燃費の良さ。それと...」
「...そんなに溜めるほど凄いもんが!?」
「私に隠れてクリスティーンに食事を与えていること...!」
「関係ないだろそれェ!」
「関係ないとはなんだ、ドクター...!」
「事実関係ないわァ!」
「に、二度も言ったな...!?」
「何回でも言ってやろうか!?」
「...契約を解除させてもらおうか?」
「ごめんなさい。」
ドクターが執務室でわちゃわちゃしている時、ギョクソウは...
「(リサが見つかんない!)」
「(これだけ探しているのに!?もしかして...なにか良くないことに向き込まれてるんじゃ...!)」
「イヤァァァ!そんなの許すわけが無いでしょうッ!そんなことするやつは皆等しく鏖殺よ鏖殺ッ!」
発狂していた。
「キャンッ!」
「なんでリサがそんなことに...!?意味がわからないわ、一体全体誰がそんなことを!」
「ギャアッ!!」
「やかましいッ!私に吠える暇があんのなら...え?見つかった?なんでもっと早く来れなかったわけ...!」
「クゥーン...」
「...見つけた瞬間にみんな動けなくなった...?何言ってるのよちょっと。まぁいいわ。案内しなさいな。」
「キャンキャンッ!」
「ちょ、はやっ...!」
「キャン!ヘッヘッヘッヘ...」
「いや...はや、すぎ...お前も、疲れてんじゃねぇか...少しは私に、合わせなさいよ...!」
「...ってここ宿舎じゃないの。」
「え?お昼寝中...?それは...確かに固まるけど、ずっと動けないほどかしら...」
ギョクソウが宿舎に入り、ざっと辺りを見渡すとソファからスズランの尻尾がはみ出ているのを見つけた。
「アッ゚...ぶないあぶない。確かに危険ね...え?違う?『前から見ろ』?」
出来る限り音を立てないように前に回り込む。
「どれどれ...って、探しに行ったヤツみんなここでひっくり返ってんだけど!?本当に何が...ア...」
ソファにもたれかかって眠っていたのは確かにスズランだった。ただ、それだけでは無かった。
「えへへ...もう...ほめ、すぎです...よ...」
「ん...んにゅ...」
「すう...すう...」
真ん中に座るスズランにもたれかかるようにして、ポプカルとシャマレが眠っていた。
「ほわっ...!死んでる場合じゃねぇ!(小声)」
「(てか、オメーらは段々と私に似てきたな!?前はリサを見ても大して反応しなかったでしょう!?)」
「ふーんふんふーん♪」
「(はな...うた...でしょうか...?)」
「(なんだか...おうちにかえった...みたい...)」
「でけたー!ふぅ、久しぶりにしては上手くできたんじゃないかしら!」
「(いい...におい...です...)」
「温度は...アッヅァ!こんなもん!ようぢょが飲めるかァーッ!」
「(...どうしたん...でしょう...か...)」
「そうだ、私がずっと握ってれば人肌ぐらいになるんじゃないかしら!アヅヅヅヅッ!!」
「ギョク姉...さすがにそれはどうかと思うぞ...」
「じゃあどうすればいいのよ!?」
「(ふふっ...なにをして...いるんでしょうか...)」
「息をふきかけて...冷ましたらどうだ?」
「その手があったか!」
「(ふふっ...ふふふふっ...)」
「くすっくすくす...」
「...あ、ヤベ。」
「レッドは悪くないからな。」
「どうしたの...?」
「なによ...急に...」
「ごめんなさい!」
「「「...えっ?」」」
目を覚ました三人に気づくや否やギョクソウは綺麗なスライディング土下座を披露した。
「許されるわきゃねぇだろこの駄狐!」
「そうだそうだ!」
「我らの光に何しやがる!」
「絶対に許さん。」
「ちくわ大明神。」
「ロドスの無形文化遺産をよくもこの野郎!」
「おい今の誰だ。」
「イヤーッ!ごめん!ごめんなさいって!ひ〜許して^〜」
しかし、同時刻宿舎にいた他のオペレーターから袋叩きにあう。
それを見たスズランが目に少し涙を貯め、言う。
「や...やめてくださいっ!お姉ちゃんをいじめないでください!」
「リサ...!」
「「「「「「.........」」」」」」
「...スズランちゃんがそう言うのなら。」
「けっ!命拾いしたな!」
「次は無いと思え。」
「ばなな( ᐛ)」
「スズランちゃんを泣かせてしまった...!」
「だから今の誰だよ。」
ギョクソウを囲んでいたオペレーターたちは宿舎から出、各々の持ち場に戻っていった。
「あ、あぁ...わぁ...!」
「おねいさんだいじょうぶー?」
「...何したらそうなるのよアンタ。」
「おかしいな...なんでこんな、ことに...」
「ギョク姉。いいぐらいになってるよ。」
「...ふっふっふ、計算通り!三人とも、少し待っててね〜!」
「「「???」」」
「...はい!お待たせー、チーズクリームココア!」
「「「「おぉ〜!」」」」
「(レッドちゃん?なんであなたも驚いてるのかしら?)」
「なぁ!もういいか!?」
「...ふふっ、えぇどうぞ。」
「やった!」
「久しぶりに
「えっ?」
「スズランちゃん...いま...」
「うん、モルテも聞いたって。」
「ち、違うんです!そ、その...!」
「スズランちゃん顔真っ赤〜」
「スズラン、ダメみたいだ。」
「え...?」
「ギョク姉、息してない。」
リー...作者の最推し。飄々としているキャラが好物の作者にはぶっ刺さった。いつかリーさんメインの話も書きたいなぁ。
ファントム...クリスティーンが得体の知れないやつに餌付けされているという事実で動揺を隠せていないフェリーン。案外もう既にこっそりとみんなから色々貰ってそうだけど...