この素晴らしい世界に法則を!   作:ベビーカステラ食べたい焼き

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この素晴らしい世界に女神を!

カズマside

エリス「佐藤和真さん、ようこそ死後の世界へ。私は、あなたに新たな道を案内する女神エリス。この世界でのあなたの人生は終わったのです。」

目を開けると、どこかで見たことあるところでゆったりとした白い羽衣に身を包んだ、長い白銀の髪と白い肌の少女にそんなことを告げられた。···俺は確か、雪崩に巻き込まれて。

カズマ「あの、聞いてもいいですかね?。あの後、どうなりました?。」

エリス「はい、雪崩に巻き込まれたあなたは岩に頭をぶつけ、そのまま···。今、お仲間のプリーストが見つけました。」

エリス、いやエリス様は悲しそうな顔をしながら教えてくれた。

エリス「佐藤和真さん。せっかく平和な日本からこの世界に来てくれたのに、この様な事になり···。異世界から来られた勇敢な人。せめて私の力で、次は平和な日本で、裕福な家庭に生まれ、何不自由なく暮らせるように。幸せな人生が送れるような場所に転生させてあげましょう。」

ああ、そうか。死んだら天国で暮らすか、赤ちゃんからやり直しなんだっけ。短い間だったが、最後に少しだけ楽しめたと思って···。あ、そうだ。

カズマ「あの、エリス様。もしここにキヤマリュウセイって奴が来たら今までありがとうって伝えてくれませんか?。」

リュウセイにはお世話になったからな。俺の顔を見てエリス様が哀しそうにしていたが、一瞬驚いた顔をし、ニッコリと微笑むと頷いた。そして俺に右手をかざし、

アクア《さあ帰って来なさいカズマ!。こんな所で何をあっさり死んでんの!。死ぬにはまだ早いわよ!。》

カズマ「ちょ、な、なんだ!?。」

突然ここにいないはずのアクアの声が聞こえた。そして、エリス様にも聞こえていたらしく。

エリス「なっ!?。この声は、アクア先輩!?。随分先輩に似たプリーストだなと思っていたら、まさか本物!?。」

それはもう、目を見開いて信じられないといった顔をしていた。

アクア《ちょっとカズマ、聞こえる?。あんたの体に『リザレクション』って魔法をかけたから、もうこっちに帰って来れるわよ。今、あんたの前に女神がいるでしょう?。その子にこちらへの門を出してもらいなさい。》

おお!。マジかよ女神様、とんでもないことしてくれやがった!。そういえばあいつ、デュラハンに斬られた冒険者達を蘇生させていた事があったっけ!。

カズマ「おし、待ってろアクア!。今そっちに帰るからなっ!。」

声が届いているか分からないが、俺は虚空に向かって叫び返し、飛びはねて喜んだ。

エリス「ちょ、ちょちょ、ちょっと待ってください!。ダメですダメです、申し訳ありませんが、あなたはすでに1度生き返っていますから、天界規定によりこれ以上の蘇生はできません!。アクア先輩と繋がっているあなたじゃないと、向こうの世界に声が届かないので、そう伝えてはいただけませんか?。」

エリス様が慌てながらそんなことを言ってきた。

カズマ「おいアクア、聞こえるかー!?。俺って1度生き返ってるから、天界規定とやらで、もう生き返る事は出来ないんだってよー!。」

アクア《はあー?、誰よそんなバカな事言ってる女神は!。ちょっとあんた名乗りなさいよ!。仮にも日本担当のエリートな私に、こんな辺境担当の女神がどんな口利いてんのよっ!!。》

おい、やめろ。目の前の辺境担当の女神様が、凄く引きつった顔してるから。

カズマ「えっと、エリスって、女神様なんだけども。」

アクア《エリス!?。この世界でちょっと国教として崇拝されてるからって調子こいてお金の単位にまでなった上げ底エリス!?。ちょっとカズマ、エリスがそれ以上何かゴタゴタ言うのなら、その胸パット取り上げてやり》

エリス「わ、分かりましたっ!。特例で!、特例で認めますから!。今、門を開けますからっ!。···全く、アクア先輩は相変わらず理不尽な···。」

エリス様は顔を赤らめて指を鳴らそうと、

アクア《あ、みんな!。こっちこっち。って、何リュウセイ?。えっ?。かけたけど···。って、何やろうとしてるの!。ええ!?、嫌別にアクシズ教では同性愛も認められているけど、止めるのよ!一旦落ち着いて!。カズマさん!、カズマさーん!!。急いでこっちに戻ってきて!!。》

カズマ「おい、リュウセイ!!。俺に一体なにするつもりだ!?。エリス様、速く開けてください。俺の大切な何かが奪われる!。ほら、速く!。ハリーハリー!!。」

エリス「は、はい!。ど、どうぞ!。」

俺は急いで現世に戻ろうとした。魔方陣に乗ると、

エリス「あの、こんな事普通はないので、この事は内緒と言うことで。」

エリス様がイタズラっぽく片目を瞑り、少しだけ嬉しそうに囁いた。

 

···遠くから声が聞こえる。

めぐみん「リュ···落ち···て!落ち着いてください!!。やらせません。ええ!、絶対にやらせませんよ!!。」

ゆんゆん「そうです、考え直してください!。そんなにしたいのなら私に···。」

めぐみん「なっ···。ここぞとばかりにこのボッチは!。」

龍星「だーかーらー、違うって言ってるだろっ!!。」

あの3人、一体何を言い争ってるんだ?。目を開けると、ダクネスが俺の傍に片膝をつき、俺の右手を両手で握り、祈るように目を閉じていた。上を見ると俺を見つめるアクアと目があった。

アクア「あ、やっと起きた?。ったくあの子は、相変わらず頭固いんだからまったく。」

どうやらアクアに膝枕をされているようだ。そういえば、

カズマ「なあ、アクア、ダクネス。リュウセイは俺になにしようとしたんだ?。」

アクア·ダクネス「···。」

おい、止めろよ。マジでなにしようとしたんだよ。リュウセイ、お前は数少ない常識人だっただろ。

アクア「···あの人達に聞いて。」

自分でかよ。聞きづらいんだが。

カズマ「おい、お前ら。何やってんだ?。」

龍星「あっ、カズマ聞いてくれ!。お前が死んだって聞いたからAEDないから心臓マッサージと人工呼吸をしようとしたんだよ!。そしたらこいつらが、人工呼吸をする時に全力で止めようとしてくるんだ!。早くお前を蘇生しないと手遅れに······。」

あー、そう言うことか。あの駄女神め、紛らわしい言い方しやがって。

カズマ「あー、リュウセ···。」

龍星「カズマがアンデッドにぃぃぃーーっ!!??。」

カズマ「誰がアンデッドだっ!!。」

この後ちゃんと誤解(めぐみん達にも蘇生の方法を教えた)を解いた。

 

龍星side

街に戻った俺達は、そのまま報酬を貰うためギルドへ向かう。まさか、アクアが死者蘇生を使えるとは、そういえば女神だったか。

カズマ「しかし、小一時間で51匹。510万か。稼ぎはでかいが、死んだのが割に会わないな。」

アクア「冬将軍に殺されたならまだしも、自分の不注意だものね。」

カズマ「そういえば冬将軍は特別指定モンスターとか言ってたな。あいつにはどれだけの賞金がかかってるんだ?。ダクネスの剣が一撃で折られたり、リュウセイと剣で渡り合ったりと、ハッキリ言って、3億の賞金がかけられてたベルディアよりも強かったぞ。」

ほんとにそうだ。あの時、少しでも俺の刀が遅かったら、やられてたのは俺だったしな。

めぐみん「冬将軍は、雪精にさえてを出さなければ何もしてこないモンスターですからね。それでも、賞金は2億エリスほどかかっていたはずですよ。魔王軍の幹部で、明確な人類の敵だったベルディアは、その危険度から賞金が高かったのですが。冬将軍の場合、本来はあまり攻撃敵ではないモンスターなのに2億もの賞金がかけられています。この破格の賞金は、それだけ冬将軍が強いって事なのですよ。」

おいカズマ。俺とめぐみんを見て何を考えてる。

カズマ「めぐみん、あいつを爆裂···。」

ゆんゆん「いくら爆裂魔法でも冬将軍は倒せませんよ。見た目は人型ですけど、あれは精霊です。精霊は本来、実体を持たない魔力の塊のような存在で、その中で一番の存在なので魔法防御力も凄いんです。」

ガクリとカズマが落ち込んでいると、

アクア「ふふん、カズマ。なんか落ち込んでるみたいだけど、この私はただ土下座してた訳じゃないわよ。さあ、これを見なさいな!。」

アクアがにんまりと笑みを浮かべながら雪精の入った瓶を取り出した。あの時、1匹だけ残したのか。

カズマ「おっ!、でかしたアクア!。よし、そいつを貸せ。討伐してやる。」

アクア「なっ!?。だ、ダメよ、この子は持って帰って家の冷蔵庫にするの!。いやよ、この子はいやあああ!。もう名前だってつけてるのに殺されるもんですか!。止めて、止めてよ!。」

アクアが瓶をお腹に抱えてカズマに殺られないよう頑張っている。

龍星「アクア、非常に言いにくいんだが、雪精は冬に出現するモンスターだよな。なら、冬とは真逆の夏は存在出来なくて、消えてなくなるんじゃないか?。」

アクア「···。」

うんなんかごめん。俺が止め指しといてなんだけど。

 

その日の夜、俺は宿でふと目が覚めた。窓を見てみるとそこには、

『門を出た先の丘で待つ。』

と、雪と氷で文字が書かれていた。···今度は何のようだよ。

 

龍星「ここか。」

俺はいつもの服に着替え、刀も腰にかけて向かった。指定された場所と思われる所に来たものの、誰もいなかった。その時、風が吹き、吹雪になった。そしてそれが晴れるとそいつがいた。

龍星「何のようだ?。冬将軍?。」

俺は冬将軍に問いかけると冬将軍は頭を下げて近づいてきた。

冬将軍(きょう、おれ、まけた、からだ、くずれた、くび、とれ。)

んんん?。つまり、

龍星「今日、お前は俺に剣の勝負で負けたが、体の維持ができなかったため、こうして首を差し出すためにきたって事か?。」

冬将軍(そうだ。)

何と言うか。真面目だな。

龍星「別にお前の首はいらん。そもそも俺達が先に手を出したんだ。」

冬将軍(···なら、なに、のぞむ?。)

なるほど、そうきたか。なら、

龍星「お前の力を俺に貸す事は出来るか?。」

冬将軍(できる、だが、スキル、いる。たんれん、いる。)

スキル?。えーっと?。ああ、これか?。精霊契約か。使い魔契約と似たようなもんか。

龍星「とったぞ。ってうお!?。」

その瞬間、冬将軍が俺の体内に入って来た。俺の中を何かが駆け巡ると冬将軍が出てきた。

龍星「ハア 一体何を ハアハア した。」

冬将軍(けいやく、した、ちから、つかえる。)

龍星「ありがとな。じゃあ早速。」

まさかあの技も使うことができるなんて。

龍星「スピリット·ダ···。」カチーン

冬将軍(···。)

こうなるなら、先に···い···え···ょ。そして俺は気がつくとギルドの暖炉の前にいた。どうも門番の人が見つけてくれて大浴場で氷を溶かしてくれたみたいだ。ちなみに宿に俺がいないことにゆんゆんはパニックに陥っていたらしい。ほんとにごめん。

 

 




次回は
パーティー交換です。
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