この素晴らしい世界に法則を! 作:ベビーカステラ食べたい焼き
昨日、ダクネスの実家から送られてきた霜降り赤ガニを料理したのだが、料理スキルを取ったからか前よりも上手くなり、みんなに満足頂けたようだ。カズマはサービスを受けなかったのか、カニをたらふく食って、酒を飲みまくっていた。今はアンナの墓を掃除している。なんか変な感じだわ。
龍星「さて、次は『デストロイヤー警報!、デストロイヤー警報!。機動要塞デストロイヤーが、現在この街へ接近中です!。冒険者の皆様は、装備を整えて冒険者ギルドへ!。そして、街の住人の皆様は、直ちに避難してくださーいっ!!。』なんだいきなりってデストロイヤー?。」
確か暴走してるでかい機械の事だっけ?。どういうことか聞きに屋敷に戻ると、そこは既に阿鼻叫喚と化していた。
アクア「逃げるのよ!、遠くへ逃げるの!。」
色んな物をひっくり返し、ワタワタしながらアクアが言った。その隣では既に荷造りを終えためぐみんが、小さな鞄を1つだけ横に置き、達観した様にお茶を飲んでいる。ゆんゆんはそんなめぐみんの隣であたふたしている。
めぐみん「もうじたばたしたって始まりませんよ。住む所も失うなら、もういっそ魔王の城にカチコミにでも行きましょうか。」
ゆんゆん「なに言ってるのめぐみん!?。それよりも早くギルドに行きましょうよ!。」
カズマ「えっと。どうしたお前ら。何だこの状態は?。緊急の呼び出し受けてるんだぞ、ゆんゆんの言ったとおり、装備を整えてとっとと行こうぜ。」
アクア「カズマったら何を言ってるの?。ひょっとして、機動要塞デストロイヤーと戦う気?。」
アクアがカズマに呆れた様に言っている。そんなにヤバイのか。
めぐみん「カズマ。今この街には、それが通ったら後にはアクシズ教徒以外、草も残らないとまで言われる、最悪の大物賞金首、機動要塞デストロイヤーが迫って来ています。これと戦うとか、無謀も良いところですよ?。」
アクシズ教徒はゴキブリか何かか?。
アクア「ねえ、私の可愛い信者達がなぜそんな風に言われてるの?。こないだウィズにもいわれたんだけど、どうしてウチの子達ってそんなに怯えられてるのかしら。みんな普通のいい子達ばかりなのよ!?。」
いや、だってなあ。
カズマ「なあ、それはめぐみんの爆裂魔法でどうにかならないのか?。名前からしめ大きそうだし、遠くから丸分かりだろ?。魔法で一撃じゃダメなのか?。」
めぐみん「無理ですね。デストロイヤーには強力な魔力結界が張られています。爆裂魔法の一発や二発、防いでしまうでしょう。」
爆裂魔法が効かないってどんなんだよ。
アクア「ねえ、ウチの信者はいい子達よ!。めぐみん聞いてよ、巷で悪い噂が流れてるのは、心無いエリス教徒の仕業なのよ!。みんなエリスの事を美化してるけど、あの子あれで結構やんちゃな所があるのよ!?。悪魔とかアンデッド相手だと私以上に容赦ないし、結構自由奔放だし!。案外暇な時とか、地上に遊びに来てたりしてるかもしれないわ!。アクシズ教を!、アクシズ教をよろしくお願いします!。」
確かに容赦なかったな。後アクア半分正解。地上に仕事しに来てる。
めぐみん「アクア、日頃神の名を自称しているだけでは飽き足らず、更にはエリス様の悪口まで言うなんてバチがあたりますよ?。」
アクア「自称じゃないわよ!、信じてよー!。」
あれ?、そういえば。
龍星「ダクネスはどうしたんだ?。」
ゆんゆん「ダクネスさんは部屋に物凄い勢いで戻りましたよ?。」
どっちだ?。逃げるために戻ったのか、デストロイヤーと戦ってあわよくばぼこぼこにされたくて戦う準備をしに行ったのか?。カズマ、何震えてるんだ?。
ダクネス「遅くなった!。ん?、どうしたんだカズマ。早く支度をしてこい。リュウセイは言わずもがなお前ならきっとギルドへ行くんだろう?。」
あのダクネスが見たことのない重装備を着ている!?。どうやら今回は真面目のようだな。いつもこうならな。
カズマ「おいお前ら、こいつらを見習え!。ようやく手に入れた屋敷をみすみす壊されてたまるか!。ほら、ギルドに行くぞ!。」
(ちなみに龍星はいつも戦闘用の服を着ている。)
ダスト「おっ!。やっぱり来たかカズマ!。お前なら来るって信じてたぜ!。」
リーン「久しぶり、リュウセイ。」
龍星「ああ、久しぶり。」
ギルドの中は様々な冒険者達がそれぞれが考えられる限りの重装備で馳せ参じていた。男性冒険者の比率が多いような···ああ、あの店か。となるとこの2人もか。と、ある程度の冒険者達が集まった所で。
ルナ「お集まりの皆さん!。本日は、緊急の呼び出しに応じて下さり大変ありがとうございます!。只今より、対機動要塞デストロイヤー討伐の、緊急クエストを行います。無理と判断した場合には、街を捨て、全員で逃げることになります。皆さんがこの街の最後の砦です。どうか、よろしくお願いします。」
ルナさんが声を張り上げた。即席の会議室みたいな空間を作り出すと、中央に水晶を置いた。そこにはでかい蜘蛛の姿をした機械が映っていた。一様出しておくか。
ルナ「さて、それでは現在の状況を説明させて頂きます!。まず、機動要塞デストロイヤーの説明が必要な方はいますか?。」
その言葉に俺とカズマ含む数名の冒険者が手を挙げた。
それを見て頷き。
ルナ「機動要塞デストロイヤーは、元々は対魔王軍用の兵器として、魔道技術大国ノイズで造られた、超大型のゴーレムの事です。国家予算から巨額を投じて造られたこの巨大なゴーレムはこのように外観は蜘蛛の形をしております。小さな城位の大きさを誇っており、魔法金属がふんだんに使われ、外見に似合わない軽めの重量で、8本の巨大な脚で、馬をも越える速度が出せます。特筆するのは、その巨体と進攻速度です。凄まじい速度で動き、その8本の脚で踏まれれば大型のモンスターとて挽肉にされます。そしてその体には、ノイズ国の魔道技術の粋により、常時、強力な魔力結界が張られています。これにより、まず魔法攻撃は意味をなしません。」
なるほど、めぐみんが爆裂魔法で一発です的な事を言わないと思ったらこういうことか。他の冒険者達の顔が暗くなっていく。
ルナ「魔法が効かない為、物理攻撃しか無い訳ですが。接近すると轢き潰されます。なので、弓や投石などの遠距離攻撃になりますが、元が魔法金属製のゴーレムな為、弓はまず弾かれ、攻城用の投石器も、機動要塞の速度からして、運用が難しいと思われます。それに、このゴーレムの胴体部分には、空からのモンスターの攻撃に備える為、自立型の中型ゴーレムが、飛来する物体を備え付けの小型バリスタ等で撃ち落とし、なおかつ、戦闘用のゴーレムが胴体部分の上に配備されております。」
その時、近づき過ぎたのか水晶の映像を映していた鳥が撃ち落とされ、映像が消えた。俺は水晶に手をのせ、
龍星「視覚共有。」
と呟く。手を離すと。
ルナ「リュウセイさん?。一体何を···映ってる!?。」
龍星「さっき俺が飛ばした木の鳥の視覚を水晶に映しといた。」
周りの冒険者達は驚いていた。
ルナ「流石ですね。話を戻します。その機動要塞デストロイヤーがなぜ暴れているのかですが、研究開発を担った責任者が、この機動要塞を乗っ取ったと言われています。そして、現在も機動要塞の中枢部にその研究者がおり、ゴーレムに指示を出しているとか。速度が速度ですので、この大陸において、既に荒らされていない地はほとんど無く、その蜘蛛の様な脚で、どれほどの悪路でも踏破してしまいます。現在の所、人類、モンスター合わせ、平等に蹂躙していく機動要塞、それがデストロイヤーです。これが接近してきた場合は、街を捨て、通り過ぎるのを待ち、そして再び街を建て直すしか方法が無いとされています。正に、天災として扱われております。現在は···『先程と同じで進路を変えずにこっちに向かってきている。』この街の北西方向からこちらに向けて真っ直ぐ侵攻中です。では、ご意見をどうぞ!。」
シビア過ぎないか?。
龍星「とりあえず、その視覚共有してる個体の他にも何体か作ったから、そいつらで攻撃して時間を稼ごうか?。」
ルナ「是非お願いします!。」
なら、爆撃開始!。俺は視覚共有している個体を除いた全ての木の鳥に爆撃を開始させた。ただ、
龍星「当たる前に迎撃されてるな。」
カズマ「爆弾なんていつ作ったんだよ。」
龍星「俺、あれが爆弾なんて一言も言ってないけど。」
ゆんゆん「えっ?。じゃああれは?。」
龍星「ウィズの店で買った爆発するポーションだ。」
蓋を開けて爆発する物、空気に触れると爆発する物をあらかじめ木の鳥に吸収さして落としているだけなのだ。たいした時間稼ぎにもならないが無いよりましか。そうして俺達はあれをどうにかする作戦を話し合ったのだがいい案はでず、時間が過ぎていくばかりであった。
カズマ「リュウセイの神器でどうにかできないのか?。」
龍星「あれの強度が分からないからなんとも、月牙天衝は魔力結界に止められる可能性があるからな。」
そう、今回は俺の力はあまり効果がないのだ。なりより俺の能力の本質は木なのだ。強度が足りないし、神器は微妙だ。原作で佐野の手拭いの鉄に唯我独尊を止められてたし。冬将軍の力ならいけるかもしれないが、まだ制御ができないしな。そういえば、
龍星「なあ、アクア。確かウィズの話だと魔王の城に張られてる魔力結界ですら、魔王の幹部2、3人が維持した状態でもお前なら破れるって言ってなかったか?。なら、デストロイヤーの結界もいけるんじゃ···。」
俺はそこまでいって、アクアが水だけを使ってテーブルに描いた絵に、目が釘づけになった。素人の俺でも分かる、元いた世界でも上位に匹敵するレベルだぞこれ。
カズマ「って、なんじゃこりゃー!?。」
アクア「ああ、そういえばそんなこと言ってたわね。でも、やってみないと分からないわよ?。結界を破れる確約はできないわ。」
アクアは言いながらその水で描いた絵に、惜しげもなくコップの水をぶっかけた。もったいない。
カズマ「ああっ!。もったいねえ、何で消すんだ!。」
アクア「な、何よ急に。描き終わったから消して、また新しいのを···。」
ルナ「破れるんですか!?。デストロイヤーの結界を!?。」
カズマ「いや、もしかしたらって事で。確約はできないそうです。」
このやり取りでギルド内がざわつく。
ルナ「一応、やるだけやっては貰えませんか?。それができれば魔法による攻撃が!。あ、いやでも。機動要塞相手には、下手な魔法では効果が無い。駆け出しばかりのこの街の魔法使いでは、火力が足りないでしょうか···。」
いや、いるだろ。火力重視の奴。
冒険者A「火力持ちならいるじゃないか、頭のおかしいのが。」
冒険者B「そうか、頭のおかしいのが!。」
冒険者C「おかしい子がいたな!。」
ゆんゆん「そうよ、今こそネタ魔法の出番よ!。」
めぐみん「おい待て、ネタ魔法と言うのは止めてもらおうか。あと頭のおかしいのが私の事を言っているのなら、その略し方は止めてもらおう。さもなくば、いかに私の頭がおかしいのかを今ここで証明する事になる。」
龍星「落ち着けめぐみん。」
勢いでめぐみんが立ったものの、人々の期待の眼差しを受け、みるみる顔を赤くし、
めぐみん「うう、わ、我が爆裂魔法でも、流石に一撃では仕留めきれないと、思われ···。」
そうぼそぼそと告げて、再び座った。
龍星「なら、めぐみんは片方の脚の付け根を破壊してくれ。もう片方は俺がやる。」
カズマ「いけるのか?。」
龍星「結界がなければいけるだろ。ただ、その後動けなくなるかもだが。」
カズマ「お前が戦闘離脱するのは、痛いだろ。」
ダメか、あともう1人爆裂魔法レベルの火力持ちがいれば···。ギルド内の空気がそんな雰囲気になった時、突然入り口のドアが開けられた。
ウィズ「すいません、遅くなりました!。ウィズ魔道具店の店主です。一応冒険者の資格を持っているので、私もお手伝いに···。」
そこには何かの作業中に慌てて飛び出して来たであろう、黒ローブの上に店で使うエプロンを着けたウィズがいた。ウィズを見た冒険者達は、
冒険者D「店主さんだ!。」
冒険者E「貧乏店主さんが来た!。」
冒険者F「店主さん、いつもあの店の夢でお世話になってます!。」
冒険者G「店主さんが来た!。勝てる!、これで勝てる!。」
と、途端に熱烈な歓声を上げた。貧乏店主は止めてやれよ。あと欲望丸出しの発言したバカは誰だ。
カズマ「なあ、なんでウィズってこんなに有名なんだ?。人気ありそうだが、どうなってるんだ一体?。ていうか、可哀想だから貧乏店主はやめてやれよ。」
テイラー「知らないのか?。ウィズさんは元は高名な魔法使いだったんだ!。凄腕アークウィザードとして名を馳せてたが、やがては引退し、しばらく姿を現さなかったかと思うと、突然この街に現れて店を出したんだ。皆、美人店主さんを見に、こっそり覗きには行ってるんだよ。買わないけど。」
いや、買ってやれよ。覗きに行くぐらいなら。あ、やべっ。視界共有以外の個体全滅した。
ウィズ「ど、どうも、店主です、ウィズ魔道具店をよろしく。店主です、ありがとうございます、店をよろしくお願いします、お店がまた赤字になりそうなんです!。」
そう言って、ウィズは歓声を上げる冒険者達にぺこぺこと頭を下げている。また、買いに行くか。
ルナ「ウィズ魔道具店の店主さん、これはどうもお久しぶりです!。ギルド職員一同、歓迎致します!。さあ、こちらにどうぞ!。」
職員に促されるまま、ウィズは周りにぺこぺこと頭を下げながら、中央のテーブルの席に座らされた。
ルナ「では、店主さんにお越し頂いた所で、改めて作戦を!。ええと、店主さんが来たのでもう1度まとめます。まず、アークプリーストのアクアさんが、デストロイヤーの結界を解除。そして、おかし···、めぐみんさんが、結界の消えたデストロイヤーの片方の脚の付け根を破壊、もう片方はリュウセイさんが担当することになるという話になっておりました。」
ウィズ「その方法で行きましょう。ただ、私も爆裂魔法を使う事ができるので、リュウセイさんは脚を破壊できなかった時に残しておくのはどうでしょう。」
ウィズの提案に、職員も頷いた。ウィズも爆裂魔法撃てるんだな。万が一を考え、駄目元で、街の前に罠を張る、バリケードを造る等、色々な案が出され。
ルナ「では、結界解除後、爆裂魔法により脚を攻撃。万が一脚を破壊し尽くせなかった場合、リュウセイさんによる攻撃。それでも駄目だった時は前衛職の冒険者各員はハンマー等を装備し、デストロイヤー通過予定地点を囲む様に待機。魔法で破壊し損なった脚を攻撃し、これを破壊。要塞内部には、デストロイヤーを開発した研究者がいると思われますが、この研究者が何かをするとも限りません。万が一を考え、本体内に突入もできる様にロープ付きの矢を配備し、アーチャーの方はこれを装備。身軽な装備の人達は、要塞への突入準備を整えておいて下さい。それでは緊急クエスト、スタートです!。」
龍星「大森壁。」
俺は街の住民や冒険者達と即席のバリケードを組み立てている。
土木会社の親方「なあ、あんた。ウチで働かないか?。その木の能力があれば色々と便利なんでな。」
龍星「おあいにくと、副業は間に合ってるんで。なら、必要な木の材料を届けましょうか?。安くしときますよ?。」
土木会社の親方「ははっ、そりゃあいいな!。よろしく頼むよ。」
どうもこの人、カズマとアクアがこの街に来た当初にお世話になった人らしい。デストロイヤーを迎え撃つ予定の場所は、街の正門の前に広がる平原で、そこには罠を設置できる者が、無駄とは知りつつも即席の罠を仕掛けている。バリケードの前には、クリエイターと呼ばれる人達が地面に魔方陣を書いていた。
龍星「カズマ、ある程度は出来たぞ。」
カズマ「そうか、おいダクネス。お前悪いこと言わないから下がってろよ。お前の固さは知ってるが、流石に無理があるし、そこにいても役に立てないって。」
カズマはダクネスに説得を続けていた。ダクネスはじっと黙っていたが、やがて口を開いた。
ダクネス「カズマ、リュウセイ。私の普段の行いのせいでそう思うのも仕方が無い。が、この非常時に、この私が自分の欲望にそこまで忠実な女とでも思うか?。」
カズマ「思うよ。当たり前じゃん。」
龍星「半分ほど。」
一瞬静かになったダクネスが、ちょっと頬を赤らめて、そのまま静かに続けた。
ダクネス「この私は聖騎士だ。そして、それ以外にも、私にはこの街を守る理由がある。その理由は、いずれお前達には話すかも知れない。今はまだ言えないが、私にはこの地の住民を守る義務がある。この街の住民達は気にしないだろうが、少なくとも私はそう思っている。だから、無茶だと言われても、ここからは何があっても1歩も引かん。」
カズマ「お前って、たまにどうしようもなくワガママで、本当に頑固なところがあるな。」
確かに。
ダクネス「ワガママで頑固な仲間は嫌いか?。」
龍星「アクアレベルのワガママに比べたらかわいいもんだろ。あと、そう言ったものなら、嫌いじゃないよ。」
カズマ「そうそう、あの聞いてるとイラッとして引っ叩きたくなるやつに比べたらどおってことないさ。」
ダクネス「そうか。」
そう、ダクネスは少しだけ安心した様に呟いた。
カズマside
カズマ「説得は失敗した。あの頭の固い変態を守る為にも、確実に成功させるぞ。」
俺達は、デストロイヤー迎撃地点の脇で待機しているめぐみんの隣に屈み込むと、緊張気味のめぐみんにそう告げた。
めぐみん「そ、そそ、そうですか!。や、やらなきゃ!。わ、わわ私が、絶対やらなきゃ!。バチン アイタッ!。」
リュウセイがめぐみんの額にデコピンをしやがった。どうしたんだ急に?。
龍星「落ち着けめぐみん。そう緊張してたら本気がだせないぞ。」
めぐみん「で、ですが···。」
そう不安なめぐみんにリュウセイが頭に手を乗せて撫でながら言った。
龍星「大丈夫だ。別にお前だけで戦っている訳じゃないんだ。上手くいかなくても、俺達全員でカバーしてやる。それに、ここでデストロイヤーを木っ端微塵にできたらそれこそ格好いいんじゃないか?。だから、安心して撃て。」
めぐみん「···はいっ!。」
本当にリュウセイは···。それよりも、
ゆんゆん「ギリッ。」
こッわ。あと、
アクア「ねえちょっと、あんた頭から煙が上がってるけど大丈夫なの?。なんなのそれ?。この私に芸でも披露する気なの?。」
ウィズ「ち、違いますアクア様。これはその、この良く晴れた天気の中、長時間お日様の下にさらされているので···。」
向こう大丈夫か?。するとリュウセイが向こうに行き、
龍星「そういうのは早めに言って欲しかったんだが。」
木で日陰を作っていた。
ウィズ「あ、ありがとうございます。」カー
リュウセイ。ギリッ てめえ、デストロイヤーの前に破壊してやろうか。
龍星side
やれるだけのことはやった。あとは神のみぞ知るってか。女神いるけど。
ルナ「冒険者の皆さん、そろそろ機動要塞デストロイヤーが見えてきます!。街の住民の皆さんは、直ちに街の外に遠く離れていて下さい!。それでは、冒険者の各員は、戦闘準備をお願いします!。」
ルナさんの魔法で拡大された声が、広い平原で響き渡った。機動要塞デストロイヤー、それは冬将軍と同じように日本人が適当につけた名前らしい。
冒険者H「何あれでけぇ。」
誰かがポツリと呟いた。確かにでかい。めぐみんが不安になるわけだ。
冒険者I「おい、これ無理じゃねえか?。いけるのか?、無理だろこれは!。」
近くの誰かが慌てて言った。
クリエイター達「クリエイト·アースゴーレム!。」
クリエイター達が、地面の土でゴーレムを作り出す。生み出されたダクネスの背後へと、付き従う様に整列した。ゴーレムを生み出したクリエイター達も駆け出しだ。だから、より強いゴーレムを作ろうとすると、強さや大きさの代わりに、活動時間を削るしかないらしい。なので、ギリギリのタイミングで生み出したのだろう。
冒険者J「でけえ!。それに速え!、予想以上に怖え!!。」
冒険者達がパニックを起こしかけていた。
冒険者K「来たぞー!。全員、頭を低く!。踏み潰されないように、絶対にデストロイヤーの前にはでるんじゃないぞ!。」
誰かが檄を飛ばすも、聞く余裕はないだろう。
アクア「ちょっとウィズ!。大丈夫なんでしょうね!。」
ウィズ「大丈夫です、任せてくださいアクア様。これでもリッチー、最上位のアンデッドの1人ですから。アクア様が魔力結界を打ち破ってくれれば、後はお任せを!。もし失敗したら、皆で仲良く土に還りましょう。」
アクア「冗談じゃ無いわよ!、冗談じゃ無いわよ!!。」
緊張感ってもんを知らないのか?。めぐみんは大丈夫そうだ。さっきの檄が効いてよかった。
テイラー「来るぞー!、戦闘準備ー!!。」
ちなみにアクアが魔法を放つタイミングの指示や現場の指揮は、カズマに一任されている。俺も候補にはあったものの、万が一の切り札だからと外されたのだ。あと、俺もそうだが、アクアやめぐみんのパーティーリーダーだからという事らしい。上の部分を空母の甲板の様に平らにし、その上に、まるでヤドカリの様に砦みたいな建造物を載せ、それ以外にも甲板の所々にバリスタを搭載した、蜘蛛の様な外見の巨大ゴーレム、機動要塞デストロイヤー。小さな城にも匹敵する巨大な機動要塞は、仕掛けられた数々の罠をものともせずに、地面を踏みしだく轟音を響かせながら、
カズマ「アクア!。今だ、やれっ!。」
俺達の住む街を蹂躙すべく、迎撃地点へと突っ込んできた!。
アクア「セイクリッド·ブレイクスペルッ!。」
さて、戦いの始まりだ!。
次回はデストロイヤー戦決着です。