この素晴らしい世界に法則を! 作:ベビーカステラ食べたい焼き
この素晴らしい世界に取り調べを!
???「冒険者、サトウカズマ!。そして、キヤマリュウセイ!。貴様らには現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!。自分と共に来てもらおうか!。」
···なぜ?。
カズマ「ええっと、どちら様?。ていうか、国家転覆罪って何?。俺達は賞金を受け取りに来ただけなんだけど。」
険しい表情をした目の前の女の人に、カズマはオズオズと尋ねてみる。いつもは賑やかなギルドも今はその影さえ見えない。
セナ「自分は、王国検察官のセナ。国家転覆罪とはその名の通り、国家を揺るがす犯罪をしでかした者が問われる罪だ。貴様らには現在、テロリストもしくは、魔王軍の手の者ではないかとの疑いがかけられている。」
セナと名乗った黒髪ロングの人は俺達に厳しい視線を向けてきた。セナの言葉を聞き、アクアが驚いた声を上げる。
アクア「ええっ!?。ちょっとカズマ、また一体何をやらかしたの!?。私が見てないところで、どんな犯罪をしでかしたのよ!。ほら謝って!。私も一緒にごめんなさいしてあげるからほら早く、謝って!。」
カズマ「このバカ!。俺がそんな罪を犯す訳がねーだろ!。大体、普段ほとんど一緒にいるだろうが、俺が何もしていないのはお前がよく知ってるだろ!。あと、何で俺だけなんだよ!。話を聞いてる限りリュウセイも同罪だろ!。」
アクア「じゃあ聞くけど、カズマとリュウセイのどっちかが犯罪を犯したとしたら、どっちが怪しい?。」
カズマ「···。」
おいおい。
めぐみん「ちょっと待ってください。何かの間違いではないですか?。カズマは、セクハラとか小さい犯罪はちょくちょくやらかしますが、そんな大それた罪に問われる事をする程、度胸のある人ではありませんよ。それにリュウセイはそう言ったことは全くありませんし、というかいいことしかしてませんし。」
カズマ「お前、俺の擁護してるのか喧嘩売ってんのかリュウセイの株を上げるのかハッキリしろよ。」
カズマがめぐみんにツッコむと、続いてダクネスまでもが。
ダクネス「ふむ、確かにこの男がそんな大それた罪を犯せるとは思えんな。そんな度胸があるのなら、普段屋敷内を薄着でウロウロしている私を、あんな獣のような目で見ておきながら何もしないなんて事はないはずだ。夜這いの1つも掛けられないヘタレだぞ、この男は。」
カズマ「べべべべ、別に見てねーし!?。お前、自意識過剰なんじゃねーの!?。ちょっとエロい体してるからって図に乗るなよ、こっちだって選ぶ権利ぐらいあるんだぞ!。」
ダクネスが何かを言う前に俺は。
龍星「ちょっとお前ら一旦黙れ。話が進まない。」
少し威圧しながら4人を黙らせる。そして、今の騒ぎを見ても眉1つも動かさなかったセナが、冷たく言い放つ。
セナ「緑髪の男が飛ばした正体不明のモンスターがこの地を治める領主殿の屋敷に激突し被害が出ました。」
その一言にギルド内が静まり返った。···まさかの俺のせいだった。
カズマ「なんて事だ、リュウセイのせいで領主が圧死しちまったのか!。」
この糞野郎っ!。さりげなく俺に擦り付けようとしてやがる!。って言ってもこれだけだとカズマが捕まる理由にはならないんだよな。
龍星「まてカズマ。全ての責任を俺に押し付けて自分だけは助かろうとしているのはひとまず置いといて、領主が死んだなら殺人として捕まるんじゃないの?。」
セナ「そいつの言う通りだ。領主は死んでいない、勝手に殺すな!。使用人は出払っていた上に、領主殿は地下室におられたとの事で、怪我人も出てはいない。屋敷は半壊してしまったがな。」
怪我人がいないことにほっとしたのか。
カズマ「それじゃあ、今回の戦いでの死者はゼロって事か、良かった良かった。」
龍星「おーい、俺達裁判に掛けられるんだぞ。何も良くないぞ。て言うか、聞いてる限りだとカズマは大丈夫じゃないか?。」
セナ「貴様は状況が分かっているのか?。領主殿の屋敷にモンスターを飛ばし、屋敷を半壊させたのだ。あと、貴様の場合、この街の住民からの証言で非人道的な問題行動が多数あったので、貴様が指示をした疑惑が掛けられている。先程も言ったが、今の貴様らにはテロリストか魔王軍の手の者ではないかとの嫌疑が掛かっている。まあ、詳しい事は署で聞こう。」
セナの言葉に静まり返っていたギルド内がざわめきだした。
めぐみん「ふ、何かと思えば。カズマの問題行動は認めますが『おいっ!。』先程も言った通り、小さい犯罪をやらかすぐらいですよ。2人ともあのモンスター討伐の功労者ですよ。リュウセイに限っては今は治りましたが左腕を斬られながらも戦ったのですよ!。カズマがいなかったらあのモンスターに負けていたかもしれませんし。褒められはしても、非難されるいわれはありません。」
ゆんゆん「そうですよ!。他にもデストロイヤー戦だって2人がいなければアクセルは今頃存在してなかったかもしれませんし、リュウセイさんがいなければコロナタイトの爆発で大変な事になってたかもしれないんですよ。」
2人の言葉に、ギルド内のあちこちからそうだそうだと声が上がる。
リーン「私達だって初心者殺しに襲われた時助けてもらったわ!。」
キース「そうだ、そうだ!。国家権力の横暴だ!。」
どうしよう、なんか泣けてくる。そんな俺達にセナが冷たく言い放った。
セナ「ちなみに。国家転覆罪は、犯行を行った主犯以外にも適用される場合がある。裁判が終わるまでは、言動に注意した方がいいぞ。この2人と共に牢獄に入りたいというのなら止めはしないが。」
その言葉にギルド内が再びシンと静まった。まあ、気持ちは分かる。
龍星「はあ、分かった分かった。ついて行けばいいんだろ。」
カズマ「なっ、リュウセイ!。明らかに冤罪だろこれは!。」
ゆんゆん「待ってください!。いくらなんでもおかしいですよ!。」
めぐみん「そうですよ!。リュウセイは何も悪いことしてないじゃないですか!?。事情も知らないのにただ上の指示で動いてる奴らの言うことなんて聞かなくていいです!。」
めぐみん、それは言って上げるな。あの立場の人は職業柄苦労人がほとんどだから。
ダクネス「待て、主犯は私だ、私がやった。だからぜひともその牢獄プレイ···じゃない、カズマとリュウセイと共に連行し、厳しい責めを負わせるがいい!。」
セナ「貴女何言ってるんですか?。」
龍星「うちの変態がすみません。」
ダクネス「んんっ!。」
このあほ。自重ぐらいしろよ。ウィズもいるがどうしようとあたふたしてるな。
カズマ「て、俺の心配はないのか!。まあ、俺にはギルドの皆がついているからな!。」
カズマはギルド内を見渡すと冒険者達はカズマと視線が合う前にそっと目を逸らす。ルナさんに限っては。
ルナ「えっ?、えっと。あっ、埃が···。」
捉えようによってはカズマが埃以下の存在扱いされてない?。
カズマ「おいふざけんな!。お前ら、もっと頑張れよ!。もっと抗議しろよ!。」
カズマの罵声に、魔法使いの女の子がポツリと言った。
魔法使い「私がカズマさんを初めて見たのは。あれは、そう。カズマさんが、このギルドの裏で、盗賊の女の子の下着を剥いでいた姿でした。ええ、衝撃的な光景でした。」
あっ。
冒険者A「ああ、カズマならいつか大きな犯罪をやらかすとは思ってた。」
冒険者B「まったくだ。聞いた話だと、仲間のプリーストを檻に入れて、ワニの餌代わりにしたって聞いたぜ。」
冒険者C「勝負を挑まれた際に、相手の魔剣を巻き上げて売り飛ばしたって話も聞いたな。」
手の平クルックルだな。
カズマ「お前ら、あっさりと手の平返しやがって!。今言った連中の顔は覚えたからな!。無実を証明した暁にはどうなるか、どいつもこいつも覚えてろよおおおおお!。」ダッ
あ、逃げた。ゴソッ
セナ「確保ー!。」
捨て台詞を吐いて逃げたカズマを騎士が捕らえた。さて、どうなるか。
街の中央区に位置する警察署。俺達は今、その警察署の中を、奥へ奥へと歩かされていた。
セナ「さあ入るがいい。裁判が終わるまでは、ここが貴様らの部屋だ。」
俺の前を行くセナがそう言って足を止めたのは、狭く薄暗い2つの牢屋だった。俺は大人しく入ったが、
カズマ「おい、俺達って一応街を救ったヒーローなんじゃないのか?。マジで?。本当に牢屋に入れられんの?。なあ、本気?。」
カズマが最後の抵抗?を見せていた。
セナ「詳しい話は明日聞く。今日はここでゆっくり過ごすがいい。」
セナは質問には答えず突き放す様に言うと、それを合図に騎士達が、カズマを牢の中に押し込めた。そして、セナは、踵を返し騎士達と共に去っていく。
カズマ「おい!。ちょっと待ってくれ!。おいって!。おいマジかよ。」
はあ、裁判か。この世界の裁判はどういう仕組みなんだ?。そう考えていると、
カズマ「帰りたい。もう、日本に帰りたい。」
···ホームシックか?。
龍星「カズマ、とりあえず裁判の事を考えよう。最悪死刑を回避できれば何とかなるさ。」
カズマ「···お前がいて良かったよリュウセイ。」
怒鳴られると思ったけど、これは随分心がやられてるな。
???「おうコラ、別に抵抗しねーからもうちっと丁寧に扱えや!。俺は常連客だぞ!。」
騎士「黙れチンピラが!。牢屋に何度も入る様な奴に丁寧な扱いをすると思うか!。ほら、とっとと歩け!。」
どうも他の犯罪者が連れてこられたみたいだな。俺達は冤罪だけど。あれ?、牢屋もうなくね?。どっちかと相部屋何じゃないの?。そうして騎士は、
騎士「ほら、入れ!。全く、貴様は何度ここに来る気だ。牢屋はお前の部屋ではないのだぞ、今日は先客がいるが喧嘩はするなよ。」
カズマの牢屋を開けた。あいつは確か。
ダスト「はいはい、分かってる分かってる。それじゃ、お邪魔するぜ。って、なんだ。カズマじゃねーか。それにリュウセイも。こんなところで何やってんだ?。」
それはこっちの台詞なんだが。そうして、騎士達が立ち去った後。牢屋に入れられたダストが、なぜか嬉々として尋ねてくる。
ダスト「おいおい、こんなところで奇遇だな!。何だよ、何やらかしたんだよ?。」
カズマ「いや、なんか、テロリスト扱いされてさ。正体不明のモンスター討伐の時、リュウセイがそのモンスターをぶっ飛ばして倒したんだよ。それが、領主の屋敷に当たって家が半壊したんだってさ。」
カズマの言葉に、ダストがぶはっと吹き出した。
ダスト「うひゃひゃひゃ、やるじゃねーかリュウセイ!。そーかそーか、あのクソ領主は嫌な奴だしな!。良くやったな!。うははは、ざまーみろ!。ん?、ならなんでカズマもいるんだ?。」
龍星「一応言っとくが狙った訳じゃないからな。カズマはなんか非人道的な問題行動があったからカズマが指示したんじゃないかって疑われてここにいる。」
カズマ「そういうダストこそこんなところで何やってるんだよ?。」
さっきのやり取りだとここに何度もお世話になってそうだったけど。
ダスト「俺か?。いやさ、デストロイヤー撃破の賞金が配られるって聞いたから、それをアテにして、散々ツケで飲み食いしたんだけどよ。さぞかし大金が入ってくるだろうと思って、借金してギャンブルやったりな。そしたら、思ったよりも賞金が少なくて返済に足りなくてよ。金もないから馬小屋で寝るしかねえんだが、この季節に馬小屋ってのも寒いしよ。だったら、食事も出るし凍え死ぬ事もない、ここに泊めてもらおうってな?。ちょろっと無銭飲食してきたんだよ。ここにいれば借金の取り立ても来ないしな。」
こいつの頭には金とギャンブルとサキュバスしかないのか?。カズマはなぜか顔色が少し良くなってるし。
その夜。
ドゴーーーン
龍星「ふぁあーあ。誰だよ、夜中に爆裂魔法を撃った奴は···。あいつしかいないか。」
何やってんだよめぐみん。
アクア「カズマ、リュウセイ。カズマ!、リュウセイ!。ねえ、2人とも起きて!。」
カズマ達の格子がついた窓からアクアがひょっこりと顔を見せた。
アクア「ねえカズマ、リュウセイ、聞こえる?。ねえってば。」
カズマ「アクア、お前。何しに来たんだよ!。」
アクア「助けに来たに決まってるでしょう?。今、めぐみんとダクネスとゆんゆんが騒ぎを起こして署員の注意を引いてるわ。めぐみんが、街のすぐ近くで爆裂魔法を放ったはずよ。おかげで、署員達は驚いて飛び出して行ったわ。今頃はダクネスが、魔力を使い果たしためぐみんを抱えてその場を後にしている頃ね。追いつかれた時はゆんゆんが蹴散らしてくれるはずよ!。」
多分ばれただろうな。爆裂魔法なんてウィズかめぐみんしか使える奴いないし。
カズマ「てか、どういう風の吹き回しだよ。助けるぐらいなら、朝の時点でちゃんと庇えよな。」
アクア「そんな事したら、皆仲良く捕まってたかもしれないでしょう?。ていうか、リュウセイは?。まだ寝てるの?。」
龍星「こっちだこっち。カズマとは別の牢屋に入れられたんだよ。」
もしかしてだが、ダストと俺を間違えたとかないよな。
カズマ「でも、逃げちまってもいいものなのか?。俺達が逃げたら、それこそ状況が悪くなったりしないか?。」
アクア「何を言ってるの。国家転覆罪ってのは最悪死刑らしいわよ?。ダクネスの話だと、今回被害にあった領主の人ってのは、凄く陰湿で執念深いんだって。身元の怪しい冒険者のカズマやリュウセイは権力で事実を捻じ曲げてでも殺されちゃうわよ?。」
だろうな。
龍星「で、どうやってここから出るんだ?。」
俺の言葉にアクアは自信ありげにフフンと笑い、格子の隙間に何かを投げ落としてきた。1本の針金。···まさかこいつ。
アクア「まずはその針金で、漫画みたいにちょちょいと牢屋の鍵を開けなさい。その後は、潜伏スキルを使って署内から脱出するの!。そして、屋敷に帰ったら急いで夜逃げの準備よ!。それじゃ私は、警察署の前で待ってるからね!。ってうわぁ!。」ガラガラドシン
ダイヤル式なのにどうやれと。
カズマ「寝るか。」
龍星「そうだな。ていうか時間あったんだし、夜逃げの準備終わってから助けにこればいいのに。」
カズマ「確かに。」
次の朝、起きた俺は牢屋の中で筋トレをした。やることないしな。カズマはまだ寝ている。
セナ「起きているようだな。まずは貴様から取り調べを始める!。さあ、一緒にきてもらおうか!。」
署内の職員達の視線を浴びながら、俺はある部屋の前に連れていかれた。
セナ「さあ、中に入れ。まずは貴様の言い分を聞いてやる。その上で、裁判にするかどうかが決まる。よく考えて発言しろよ?。」
どうせ裁判は確定だろ。あの領主が逃がす訳がない。俺は騎士に促され、中央の机の前に座らされた。1人は調書、1人は取り押さえ役か。セナは向かいの席に腰掛け、小さなベルを机に置いた。
セナ「これが何か知っているか?。この様な場所や裁判所でよく使われる、嘘を看破する魔道具だ。この部屋の中に掛けられている魔法と連動し、発言した者の言葉に嘘が含まれていれば音が鳴る。その事を頭に置いておくがいい。···では、話を聞こうか。」
便利な道具もあるんだな。しかし、嘘ね。セナはそう告げると、重々しい空気の中、酷薄そうな無表情で事情聴取を開始した。プレッシャーを与えるかの様に、人差し指で机をトントンと叩きながら。この緊張感、高校の面接を思い出すな。
セナ「キヤマリュウセイ。年齢は16歳で、職業は冒険者。就いているクラスは天界人、か。聞いたことがない職業だな。···ではまず、出身地と、冒険者になる前は一体何をしていたのかを聞こうか。」
···正直に言うしかないか。
龍星「出身地は日本です。そこで、学生をしていました。」シーン
セナ「ニホンという名の国は聞いたことがないな?。だがまあ、それは置いておこう、では次に、お前が冒険者になった動機から聞こうか。」
理由か、ぶっちゃけ成り行きだけど強いて言うなら。
龍星「憧れですね。」
セナ「···なぜそれに至ったの経緯を。」
龍星「冒険者とはまた違いますが、小さいころ、そういった組織に助けられた事がありまして。なので誰かを助けられる職業に就こうと思い、冒険者になりました。」
セナ「そ、そうですか。い、いや!、そうか。では次だ。領主殿に恨みなどはなかったのか?。愚痴を言っているところは見たことないと聞いていたが···。」
龍星「この街に領主がいたこと自体関わりがなさすぎて知らなかったんですが···。」
セナ「えっ?、えっ?。あ、そうですか···。」
凄く困惑してるなこの人。まあ、ある意味有力候補の俺の発言に対してベルが鳴らないからな。
セナ「では、次···。」
龍星「あの、もうストレートに言いますけど、私は魔王軍の手の者でも、国家転覆を目論むテロリストでもありません。そもそも、領主の屋敷はデストロイヤー戦の場所からどの方角にあるんですか?。私は街のない方向にぶっ飛ばしたはずですけど。」
うん、鳴らないよな。それを確認したセナは、深いため息を吐き。
セナ「やはり自分が間違っていた様ですね。あなたに関してはいくら調べても悪い噂どころか良い噂しかなかったのですが···。」
態度が急変し丁寧な口調になったセナは深々と頭を下げてきた。こっちが素なんだろうな。
龍星「ええと、まあ、検察官と言うのはそういうものですので、気にしてませんよ。立場と言うものがありますし。」
セナ「そう言ってもらえるだけでも助かります。···お茶でもいかがですか?。」
龍星「あ、じゃあお願いします。」
龍星「しかし、事故とはいえ屋敷を壊しただけで国家転覆罪はやりすぎなんじゃ···。」ゴク
俺はセナさんが持ってきたお茶をすすりながら聞く。
セナ「本当はおかしい事はわかってます。でも仕事ですので。私達も横暴だと思いますが、領主殿が死刑にしろとおっしゃるので。」
龍星「いくらなんでも酷すぎません?。私、恨みを買った覚えないんですけど。」
セナ「···領主殿の言うとおりにするしか···。」 チーン
へぇー、コンナフウニナルンダナー。ジー
セナ「···本当はあんな男の言う通りにしたくないのです。領主のアルダープには黒い噂が絶えなく、信用することができないんです。ですが何故か証拠が見つからないので···。」
いくらなんでもおかしくないか。裏で証拠を隠滅するとしても1つも出てこないって事はあるのか?。
龍星「聞きたいのですが、アルダープはどんな罪の容疑が掛けられているのですか?。」
アルダープの評判はダストやセナから分かったが、一応聞いておく事にした。
龍星「···。」ゴゴゴゴ
セナ「あ、あの。リュウセイ、さん?。」タラタラ
あ、やべっ。殺気が漏れてたか?。
龍星「フー。すみません。落ち着きました。···その豚野郎どうしてくれようか。」
静かに言ったのに周りの人達は凄く怯えていた。俺の想像以上のゴミだった。
龍星「裁判の発言でボロを出せばそこから一気に潰しにかかればいけるか?。」ボソボソ
セナ「えっ?。」
龍星「あっ、何でもないですよ。こちらの話なので。」ニッコリ
その時の俺の顔はそれは凄く良い顔をしていたと言う。この後、セナさんの愚痴に付き合ったりと話をし、時間がきたのでカズマと交代した。変なこと言わないといいけど。
カズマside
毛布に包まって寝ていたら、牢屋に押し入ってきたセナに叩き起こされ、事情聴取を受けたのだが···。
カズマ「ヌルい!。ここの検察官はお茶の1つも淹れられないのか!。そのキツそうな態度と相まって、どうせ彼氏の1人もいないんじゃないのかね?。せっかくこの魔道具もある事だし、聞いてみようか。男っ気の1つぐらいはあるのかね?。」
俺が魔王軍の手の者でもテロリストでもないことを証明し、セナの態度が急変し丁寧な口調になり、深々と頭を下げてきたので容疑が晴れた俺はここぞとばかりに攻め立てた。だけど、
セナ「ありません。」
あ、やべっ。地雷踏んだかも。そう思ったが遅かった。セナは無表情で、俺を真っ直ぐ見つめてキッパリと。
セナ「ありません。ええ、この性格が災いして、この歳にも拘わらず男っ気なんてありませんとも。これで満足ですか?。あまり調子に乗らないで下さいね?。」
カズマ「ごめんなさい。···大体、悪い噂ってのはどんな噂なんだ?。昨日、他の冒険者の連中が言ってたヤツ?。」
セナ「そ、その。他にも年端のいかない仲間の女の子の下着を公衆の面前で剥いだだの、足手まといなプリーストをダンジョンに置き去りにしようとしただのと、人間性を疑う様な噂ばかりで。」
···。
セナ「···噂ですよね?。」
カズマ「噂です。」チーン
セナは、元の冷酷そうな無表情になると。
セナ「パーティー内での話ですから自分は何も言いませんが。あなたは巷でなんて呼ばれているか知ってますか?。カスマとか、クズマとか。」
カズマ「ひっ、酷いっ!。どこのどいつだ、そんなアダ名をつけやがったのは!。ていうかリュウセイはなんて呼ばれてるんだよ!。」
クソっ、心当たりのある事ばかりだから何も言えない!。こうなったらリュウセイがなんて呼ばれているか聞い···。
セナ「リュウセイさんですか?。アクセル一の冒険者だとか、アクセルの英雄だとか、アクセルの秘密兵器と言った具合ですね。」
現実は非情だ!!。机に突っ伏した俺にセナはため息を吐くと。
セナ「まったく。念のためもう一度聞きますが、あなたは、本当に魔王軍の関係者ではないのですね?。魔王の幹部と交流があるだとか、そんな事は···。」
カズマ「ないですってそんなもの。俺がそんな大層な男に···。」チーン
見えますか、と言おうとして俺はとんでもないミスをやらかした事に気がついた。セナがこちらを睨み付けているのを見ながらウィズの事を思い出していた。
龍星side
ダスト「おい、飯が少ねえぞ!。もっと脂っこい物食わせろや!。これを作ったのは誰だ!。女将を呼べやー!。」
牢屋で神経を集中させていた俺はカズマが絶望した顔をして戻って来ることに気がついた。その時はダストは寝ていたので話を聞くと。
カズマ『ごめんリュウセイ。俺のせいで俺達死刑かも知れない。』
龍星『···交流があるってだけでどれぐらいの仲なのかとかは聞かれなかったのか?。』
カズマ『えっ?。そうだけど···。』
龍星『ならまだなんとかなるか。···とりあえず裁判は任せろ。俺がなんとかする。』
カズマ『リ″ュ″ウ″セ″イ″ー。』
後は明日の裁判に備えるだけか。
ダスト「おいカズマ、そんなに落ち込むなよ。俺なんざ裁判なんて、両手の指じゃ足りないぐらいだぜ。」
それはそれでダメだろ。
ダスト「冒険者なんて荒くれ稼業は1度くらい警察の世話になってこそ1人前だ。」
それはせいぜい喧嘩した時とかだろ。あと、世話にならないほうがいいに決まってんだろ。
ダスト「俺もお前らも明日が裁判。なら今日は、美味いものを食ってゆっくり寝ようぜ。俺が今からもっと良い物食わせてやる。ここの署員はちょっとごねると、面倒臭がって色々持ってきてくれるんだよ。」
ダストはそう言いながら再び警察署中に響く大声でごねだし、調子に乗るなと袋叩きにされ物理的に大人しくなった。俺も疲れたので眠りについた。余談だが、あの後アクア達がまた爆裂魔法を撃って脱出させてくれようとしてくれたらしい。
次回は裁判です。