この素晴らしい世界に法則を! 作:ベビーカステラ食べたい焼き
それでは本編どうぞ。
ダクネスの暴走のお陰で目標の部屋近くまで来たはいいんだが。
カズマ「どうしたもんかな。アレ、どう考えてもこのモンスター達の主だろ。」
俺達の前には、リッチーの部屋の前であぐらをかいて、地面の土をこね回し、せっせと人形を作る影がある。見た目は人形をでかくし、人間の形にした感じだな。しかし、この感じ···。
龍星「アレってもしかして···っておい!。」
俺があいつの正体を言う前にダクネスが仮面の男に近づいていく。あれ?。前もこんなことがあったような···。
ダクネス「おい。貴様、そこで何をしている。その人形を作っているという事は、貴様がこのモンスター騒ぎの元凶という事で間違いないな?。」
そしてダクネスは、大剣を抜いて身構える。仮面の男は今更気づいたかの様に、こちらを向き、仮面の目の部分を赤く光らせ、開いた口元をニヤリと歪めた。
バニル「ほう。よもやここまで辿り着くとは。我がダンジョンへようこそ冒険者よ!。いかにも、我輩こそが諸悪の根元にして元凶!。魔王軍の幹部にして、悪魔達を率いる地獄の公爵!。この世の全てを見通す大悪魔、バニルである!。」
もう隠れても無駄だから出るか。
バニル「ほう、仲間がいたのか。いやー、参った参った。この我輩としたことが、気づかなかったとはよほど集中していたのだな。」
バニル、まさかマクスウェルと同じ公爵か。名乗りを聞く限り、最上位の悪魔なんだろう。ゆんゆんはバニルから目をはなさないようにしている。
カズマ「ダクネス。お、おいダクネス。これは俺達じゃどうにもならん。リュウセイやゆんゆんだってここじゃフルに戦えない。何とかしてここから逃げるぞ!。」
ダクネス「何を言う!。女神エリスに仕える者が、魔王軍の幹部、しかも悪魔を目の前にして引き下がれるか!。ここで刺し違えてもコイツを倒す!。」
そんなダクネスに、バニルは面白そうに口元を歪めて言った。
バニル「ほう。この我輩を倒すだと?。魔王より強いかもしれないバニルさんと評判の、この我輩を?。しかし···。そこの男共に風呂場で裸を見られた際、己の割れた腹筋を見られていないか心配し、その後気絶した緑の男のモンスターを見てしまった娘よ。何をカッカしているのかは知らぬが、怒りっぽい時は小骨を食べると良いと聞く。我輩の仮面の一部には魔竜の骨が使われているが、一口ならかじってもよいぞ?。」
ダクネス「ふふ、腹き!。モンス!。おお、お前、ふざけるな!、魔王の手先め!。カズマ、リュウセイ!、こいつらの言うことは嘘っぱちだ!。私の腹筋はそんなに割れてないし、リュ、リュウセイのあれはその···。」
やめて。そんな話しないで。
ゆんゆん「風呂場で?。」ギギギ
バニル「そこの嫉妬に狂う最初にあったのにいつの間にか出遅れているのではないかと心配している娘よ。気にしているのなら仕掛ければよかろう。」
ゆんゆん「アアアアアアっ!!。」
カズマ「お、おい。落ち着けダクネス、ゆんゆん。まずは冷静になれ!。」
カズマは剣を振り回し斬りかかろうとするダクネスと涙目のゆんゆんを止めている。ふー、何か落ち着いたわ。
バニル「まあ、落ち着くがいい。我輩は、別にお前達と争うためにこの地へやって来た訳ではない。魔王の奴に頼まれた、とある調査。そして、アクセルの街に住んでいる、働けば働くほど貧乏になるという不思議な特技を持つ、ポンコツ店主に用があってここに来たのだ。」
ウィズだな。
バニル「まず、魔王軍の幹部とは言っても、魔王の奴に頼まれて城の結界の維持をしているだけの、いわばなんちゃって幹部でな。そして我輩は、世間で言うところの悪魔族、悪魔の最高のご飯は汝ら人間が発する、嫌だなと思う悪感情だ。我輩達にとって、汝ら人間は美味しいご飯製造機であり、それを壊したり傷つけたりするなどナンセンス。むしろ、汝ら人間が1人生まれるたび、我は喜び庭駆け回るであろう。」
どこぞの歌の犬かお前は。
龍星「マクスウェルって言う悪魔は思いっきり傷つけてたが?。」
バニル「ほう!。我が同胞のマクスウェルを知っているのか!。どれどれ、ちょっと拝見···。」
拝見?。見通す悪魔···。まさか!。
バニル「なるほど。マクスウェルを解放してくれただけではなく、代価も受け取れる様やってくれたのか。ある意味、恩人である貴様とは戦いたくはないのだがな。そして、貴様が思っている通り、我は相手の考えている事も分かるぞ。何せ我は見通す悪魔であるからな。しかし冬将軍に力を与えられるとは、中々面白いな。お陰で見通し辛い。」
雪牙の事もか。
カズマ「おい、初耳だぞ?。」
龍星「いや、言うほどの事じゃないかなと···。」
ダクネス「大事件だぞ!。エレメンタラーでも冬将軍レベルの大物と契約を交わすのは難しいのだ。」
ゆんゆん「流石です!。」
バニル「驚いている所悪いが、話を続けさせてもらうぞ。マクスウェルは人の恐怖や絶望が好みなのでな。悪魔によって味覚も違えば好みも違う。因みに我輩は絶世の美女に化けて男に近づき、散々惚れさせてみた後で、『残念、実は我輩でした!。』と言って相手に血の涙を流させるのが好物である。」
カズマ「やっぱアンタは退治しといた方が良さそうな気がする。」
気持ちは分かるがマクスウェルと比べれば幾らかマシだろ。どうも、この街にいる古い友人に会うついでにベルディアを倒した奴らを調査しに来たらしい。ただ、その途中でこのダンジョンを見つけてそのまま勝手に住み着いたとの事だ。
カズマ「あんた、さっきは俺達人間に傷つかれちゃ困るみたいな事を言ってたが、この人形達はなんなんだ?。ダンジョンからポコポコ出てきて、街の人達が随分難儀してるんだが。」
バニル「む?。我輩はこやつらを使い、ダンジョン内のモンスターを駆除していたのだが。ふむ、ダンジョンの外に溢れだしているという事は、もうこのダンジョン内にはモンスターはおらぬ様だな。それならば、バニル人形の量産は中止し、そろそろ次の計画に移行するとしようか。」
龍星「次の計画?。お前、一体何を企んでるんだ?。」
俺の言葉に、バニルは作りかけていた人形を土に戻しながら。
バニル「企みとは失敬な。貧乏店主のガラクタを仕入れるのを止めさせようと苦労する男よ。もっと頑張って欲しいが、前に比べれば幾らかマシにはなったようだな。···ますます戦いたくはないのだが。しかも、貴様の店は随分と繁盛しているようではないか?。ポンコツ店主にその手腕を分けてやってくれないか?。」
龍星「それができたら苦労はしない。」
出会った頃に比べたらマシにはなったけどさ。(今までは仕入れた物全てがガラクタなのに対し、今はたまに、本当にたまにだが、普通の物を仕入れるようになった。)
カズマ「それで?。このダンジョンを使って何をするつもりだ?。」
バニル「···もう、限りなく永く存在した我輩にはな、昔からとびきりの破滅願望があるのだ。それは、至高の悪感情を食した後、華々しく滅び去りたいというものだ。···我輩は考えた。一体いつからそんな事を考え出したのかも思い出せないぐらいに、遠い昔から我輩はずっと考え続けた。どうすれば、我輩好みの至高の悪感情が食せるのか。そこで、思いついたのだ。」
カズマ達、その場の雰囲気に流されてる所悪いがこいつの好みの悪感情を思い出せ。どうせ最後にがっかりさせる事をやるぞ。
バニル「まず、ダンジョンを手に入れる。そして、ダンジョンの各部屋には我が部下である悪魔達を待機させ、苛烈な罠を仕掛けるのだ!。そこに挑むのは歴戦の凄腕冒険者達!。我がダンジョンに何度も何度も挑戦し、やがていつかは最奥に辿り着く者が現れるだろう!。」
興奮してきたのか、大きく手を振り、熱弁しだしたバニル。
バニル「そしてダンジョンの奥で、最後に待ち受けるのはもちろん我輩!。そこで言うのだ、『よくぞここまで来たな冒険者よ!。さあ我を倒し、莫大な富をその手にせよ!。』と。そして始まる最後の戦い!。我輩は冒険者達との激戦の末、とうとう打ち倒されてしまう。やがて地に崩れ落ちる我輩の背後には、厳重に封印された宝箱が現れる。意識が薄れていく我輩の目の前で、苦難を乗り越えた冒険者達はそれを開け!。··········箱の中にはスカと書かれた紙切れが。それを見て呆然とする冒険者達を見ながら、我輩は滅びたい。」
カズマ「止めてやれよ。本当に可哀想だから、それだけは止めてやれよ。」
ダクネス「おいカズマ、やはりコイツはここてま仕留めておくべきだと思う。」
いや、地獄の公爵だぞ。あのマクスウェルでさえ、アレなんだからコイツもヤバイだろ。
バニル「我輩の友人は、この地で店を経営していてな。そこで、働かせてもらい金を貯め、その資金を元に、友人の力で巨大なダンジョンを造ってもらうつもりだったのだ。だが、このダンジョンの前を通り掛かった際に主がいない事に気がついてな。もうこのダンジョンでよいかと考えなおし、居座ったのだ。」
あてがないとはいえ、ウィズの店で働くのは止めた方がいいと思う。
カズマ「そんなしょうもない理由で居座られても。···まあ、俺達は後ろの魔方陣に用があるんだ。あの人形を作らないんだったら俺達も関わる必要もないし。」
ダクネス「なっ!。おいカズマ、今は魔方陣よりもコイツだろう!。この魔王軍幹部を放置していくつもりか!。目の前に人類の敵がいるのだぞ!。」
ぶっちゃけウィズと同じ立場だしな。ゆんゆんはどうしようか悩んでるみたいだし。
バニル「魔方陣?。ほう、我輩が難儀していた、この魔方陣を消してくれるだと?。それは何ともご親切な事で。どこの迷惑な輩がこれを作っていったのか知らぬが、この忌々しい魔方陣のせいで部屋に入れず困っていたのだ。これを消してくれると言うのなら、我輩手製の、夜中に笑うバニル人形を進呈しよう。」
龍星「誰に需要があるんだよ。」
バニル「案外あるのだよ。我輩より下位の悪魔とかな。」
龍星「お前はアイドルか何かか。思ってたより上下関係は緩いのか?。」
バニル「いや、地獄は危険地帯でな。より強い悪魔の配下、又は気に入られなければ下位の悪魔は簡単な理由でも殺されてしまうのだ。だから我輩手製のこの人形は人気なのだ。」
龍星「なるほどな。とりあえず魔方陣は消させてもらうな。」
龍星「よし、終わったぞ。」
バニル「感謝するぞ、キャベツの高嶺の花よ。」
龍星「なんで知って···あの時か。」ハァ
バニル「おおっと、これはこれは、美味である美味である。しかし、何故この魔方陣を消しに?。今度はそちらの鬼畜小僧にするか。」
カズマ「誰が鬼畜だっ!。」
するとバニルはカズマを見ながら瞳を赤くした。
バニル「···フハハッ、フハハハハハハッ!、フハハハハハハハハハハハッ!!。なんという事だ、なんて事はない、貴様らの仲間のプリーストが、この迷惑な魔方陣を作ってくれおったのか!。大悪魔たる我輩ですら立ち入れぬ魔方陣を作るとは、そのプリーストはよもや···!。」
ヤバい、何か刺激したみたい。
バニル「ほう。見える、見えるぞ!。地上だな!。このダンジョン入り口で、魔方陣を作ったプリーストが退屈そうに茶を飲んでくつろいでいる姿が見えるわ!。」
龍星「あいつ後で説教だな。」
カズマ「俺も混ぜろ。」
バニルは爛々と仮面の奥を輝かせ。
バニル「さあ、最近高嶺の花からの対応がそこの鬼畜みたいに自分好みになっており、今度はどのような事をされるのか気になり、クエストに行くたび色々と持て余し、期待し、ずっとモジモジしている娘よ。」
ダクネス「持て余していないし期待もしていないしモジモジもしていない!。適当な事を言うな!。いいい、言うなああ!。」
お前って奴は。
バニル「そして、その娘の奇行を止めさせるためにいっそのこと暇な時に近くの山でデコイを使わせてモンスターにボコボコにしてもらい、少し放置し、満足したら助けるついでに経験値を稼ごうと徹夜のテンションの時に考えた男よ。」
龍星「やめろ。あの時の俺は正常じゃなかったんだ。だから、お前ら。そんなに引かないでくれ。後お前は何こっちを見てやがる。」
バニル「その娘が薄着でウロウロしている時、『見てくれはいいのになぁ。だけど中身がなぁ。』と思いながら全身を獣のようにガン見し、自室に戻った後、ゴソゴソしていた男よ。」
カズマ「おま、ふざけんな!。別にそんな事してねーし!。しし、してねーしっ!。」
バニル「最後に服屋で子供には刺激がありすぎる下着を見て、本気で買おうかどうか悩んでいた娘よ。」
ゆんゆん「な、何で知ってひゅんでひゅか!。」ボッ
バニル「そこを通してもらおうか!。なあに、『人間は殺さぬ』が鉄則の我輩だ。ああ、人間は殺さぬとも。人間はな!。こんな迷惑な魔方陣など作りおって、1発キツイの食らわしてくれるわ!。」
バニルの精神攻撃に耐えると(いくつかヤバいのがあった気がするが。)、バニルはこちらに1歩踏み出そうとする。それに対し、ダクネスは大剣を突き付け、俺は夢月を抜く。
ダクネス「貴様がアクアに危害を加えると言うのなら、引くわけにはいかない。女神エリスに仕えるクルセイダーとして、ここは通さぬ!。」
バニル「腹筋だけではなく脳まで固そうな娘よ。我輩は本気になれば貴様らなど容易く葬り去る事ができる。だが我輩は、汝ら人間を殺す気はない。なにせ、いつ誰が至高の悪感情を生み出してくれるか分からぬからな。とっとと帰るが良い。因みにだが、嫉妬娘よ。本気で欲しいのなら、さっきの下着は買うが吉、気絶して記憶がなくなるかも知れんがな。」
ゆんゆん「···買おっかな。」
ゆんゆん!?。
カズマ「ゆんゆん、耳を貸すな!。悪魔の囁きだ!。惑わされるな!。」
ダクネス「そ、そうだゆんゆん!。時と場所を考えるんだ!。」
ダクネスは顔を赤くしながら言っている。
バニル「フハハハハハハッ!。なんなら我輩を通してからそこの部屋で2人っきりでご休憩でもして帰ればよい!。」
ゆんゆん「2人っきり···。」ゴクリ
龍星「ゆんゆん、戻ってこい!。しっかりするんだ!。」
ゆんゆん「はっ!。そ、そうですね!。ここでそんな事は···。」
ゆんゆんを正気(?)に戻した後、バニルの方を向いた。
バニル「ほほう。我輩の甘言に惑わされぬか。しかしどうしたものか。我輩の使う技は···。」
ダクネス「もういい!。貴様と話していると頭がおかしくなりそうだ!。アクア達の下へは生かせない、どうしても通ると言うなら、この私を倒してから行け!。」
そう言ってバニルに斬りかかった。
バニルが何度も斬りかかるダクネスの攻撃やカズマの掩護射撃、ゆんゆんの中級魔法を躱しながら、愉悦そうに笑い声を上げた。そんな俺は今、潜伏と持ち前の気配を消す技術を使いながらある技の準備をしている。この技は天界力を使うから詠唱がないと上手くいかないんだよな。悪魔だから少しは効くと思うけど。そもそも天界力は能力や身体強化、神器のために使うものであって、放つ物ではないのである。ただ、龍星は月牙天衝を経験しているため、放つ事ができるのである。
バニル「フハハハハハッ!。なんだ、威勢の割には攻撃がスカばかりの娘よ!。しかし、そちらの娘はともかく口ばかりは1人前の癖にあまり派手な活躍ができない男よ。その武器は一体なんだ?。初めて見るが···。むむ?。そういえばあの男はどこへ消えた?。」
ダクネス「一体どこを見ている!。お前の相手は私だろう!。」
カズマ「地味で悪かったな!。」バンバン
ゆんゆん「ファイアボール!。嘘!。」
そんなダクネスの声を聞きながらダクネスの攻撃を避けて、避けた先に放った火球をも避けたバニルは。
バニル「この中で最も厄介な男はどこへ消えた?。気配を感じにくい···。」
そして準備が終えた俺はバニルの後ろから溜めていた技を放った。
龍星「縛道の四 這縄。」
すると手から放たれたエネルギー状の縄はバニルへと絡み付いた。
バニル「!?。貴様、いつの間に、!。しまった!?。」
丁度バニルが避けようとした瞬間に放ったので変な体勢で縛り、結果ダクネスの剣がバニルの体を横薙ぎに一閃した。
バニル「まさかこの我輩が···。おのれ、油断したわ!。この駆け出しの街に、お前達の様な使い手が眠っていたとは···。くっ、まさか、我輩は、ここで滅ぶの···か···。」
そう言い残すと、バニルの体がタキシードと共にサラサラと崩れ、仮面だけが残った。
ダクネス「···まさか。私が本当に、魔王の幹部を仕留められた···のか?。」
カズマ「リュウセイが動きを止めてくれたからだろ。あと、『やったか!?。』とか言うと大概やってなかったりするものなんだが。コイツ、斬られた時も自分で驚いてたしな。コレは本当にやったんじゃないか?。」
バニル「と、期待したところで。」
仮面から声が聞こえてきた。まあ、悪魔だし、本体ではないと思ってたけど。仮面の下から土を吸い上げるようにして、ニョキニョキと体が生えてきた。そして、先ほどとまったく変わらないタキシード姿の体を作り上げ。
バニル「もしや討ち取ったとでも思ったか?。残念、何のダメージもありませんでした!。フハハハハハッ!、フハハハハハハハハッ!。おおっと、汝ら3人の悪感情。大変美味である!。しかし、そっちの男は騙されなかったようだな。」
ゆんゆん「何で生きてるんですか!?。」
バニル「フハハハハハッ!。この肉体は我が魔力で作り出した偽物にして、仮面こそが我輩本体。体の方をいくら斬られようとも崩れて土になるだけよ!。まあ、さっきの縄の様な物は浄化の力があるのか、触れているところが崩れかけていたがな。···さて、先ほどの力を攻撃に使われたらこちらも些か部が悪い。我輩としても長々と相手をしてもいられないのでな。こういう時の必殺技とでも言うべきか!。誰1人として傷つける事なく、悪感情だけは頂けるという、我輩のとっておきを見せてくれる!。」
そう言うとバニルは自らの仮面を投げつけてきた。俺はそれを斬ろうとしたが、仮面はダクネスの顔に向かっていき、張り付けられた。
ゆんゆん「だ、ダクネスさん!?。大丈夫ですか!。」
カズマ「ダクネス?。お、おい、ダクネス!。返事しろよ!。」
龍星「ダクネス!。今すぐその仮面を剥がすんだ!。」
ダクネスはだらんと剣をぶら下げたまま下を向き、動かないでいる。こういうのは大抵乗っ取られるが···。ゆらりとダクネスが顔を上げると。
バニル「フハハハハハハッ!。貴様ら、聞くがいい!。我が力により、(どうしようカズマ、私の体が乗っ取られてしまった!。)どうだ貴様ら、この娘に攻撃できるものなら(一向に構わん!。遠慮なく攻撃してくれ!。さあ早く!。これは絶好のシチュエーションだっっ!!。)やかましいわ!、何なんだお前は!。」
あれ?。完全に乗っ取られてない?。
バニル「バカな、何だこの(麗しい)娘は!。こ、こらっ、ちょこちょこと余計な口を挟むんで遊ぶな!。しかしどう言うことだ、一体どんな頑強な精神をしているのだこやつは(まるでクルセイダーの鑑のような奴だな!。)ええいっ、やかましいわ!。」
本来ピンチの状況だろこれ、何でこうなってるんだ?。しかもダクネスは喜んではいないか?。
バニル「我が支配力に耐えるとは、貴様、なかなかどうして大した娘よ!。(い、いやあ。)だが、我が支配に耐えれば耐えるほど、やがてその身に抗い難い激痛が走る事になる!。(な、何だと!?。)フハハハハハハハハッ!。さあ、一体どこまで耐えられるか見物であるな!。···何だこれは。悪感情どころか、我輩にとってはあまり好ましくない、喜びの感情が?。」
···今がチャンスだな。ゴォッ
バニル「!。おっと、話途中に攻撃とはな。だが、残念。その力はもう覚えた。我輩を浄化しかねない攻撃を受けるにはいかないのでな!。」ブンッ
龍星「チッ、『木縛陣』!。」
バニル「無駄だ!。···しかし、この体は失敗だと思っていたが(おい、人の体に失敗だとか失礼ではないのか!。)ええいやかましいわ!。···まあ、筋力と耐久力があるがな···。さて、それ以上近づくな貴様ら(みんな、構わん!。私を置いて先に行け!。)そうそう貴様らの思い通りには(ああっ、これを1度言ってみたかったのだ!。)貴様らが好意に想っているこの娘を、傷つけたくはあるまい。(!?。)このまま娘が我が力に耐え続ければ(カズマ、リュウセイ、この自称見通す悪魔が、今気になる事をいったのだが。)やかましいわあああーっ!!。」
その時、潜伏で姿を消していたカズマが仮面に何かを貼った。
ゆんゆん「カズマさん?。何を貼ったん···それは!。」
仕方ないか。ここで逃がすわけにもいかないし。
バニル「何だ?。···触れぬ。おい、貴様、何だこの札は。触ろうとすると指が弾かれるのだが。(うむ、目の前でヒラヒラして鬱陶しいぞ。···ちょっと待て。おい、カズマ、これは確か···。)」
カズマ「セナにもらった封印の札だよ。よし、ダクネス。その状態で地上に行くぞ。中にバニルを詰めたまま、アクア達の下に運んでくれ。そこでアクアに中身を浄化してもらう!。」
バニル「ちょっ!?。(ちょっ!?。)」
俺達はバニルを倒す為にアクアの下に向かってる訳だが。
バニル「貴様ら!。我輩の支配に抵抗しているこの娘の体には、常に激痛が走っているのだ!。このままでは、娘の心が壊れてしまうぞ!。なので、とっとと札を剥がして解放するが吉!。さもなくば···(というわけだ!。さっきからもうヤバいのが!。あああ、こんな強烈なのは初めてだ、流石は魔王軍の幹部!。もう堕ちてしまいそうだ!。)」
流石に限界か。
ゆんゆん「頑張ってください!。あと少しで地上です!。」
カズマ「そうだ!。地上に着いたらすぐ楽にしてやるからな!。」
バニル「(お構い無く。)」
ダクネス以外「今何て言った?。」
そんな茶番をやりながら地上の光が見えてきた。
龍星「ダクネス、もう着くぞ!。後はアクアが浄化するだけだ!。」
バニル「···フハハハハッ···フハハハハハハハッ!。貴様は一体誰に話し掛けている?。」
間に合わなかったか。なら、天界力を流してバニルを弱らせる!。ゴォッ
バニル「おっと、判断が速いな。だが、支配完了!。さて、貴様らの仲間のプリーストに、出会い頭に1発食らわせてくれるわ!。」
バニルは俺達よりも速く階段を駆け登る。アクアがやられたら俺達の勝ち目はない!。やらせるか!。
バニル「フハハハハハッ!。さあ、ダンジョンから無事生還した仲間との感動の対面である!。忌々しい我が宿敵よ!。乗っ取られた仲間の体を前に、一体どう出るのかとくと···!。」
俺達の声はダクネスに届いてないのか反応せず、地上に飛び出した。
アクア「セイクリッド·エクソシズム!!。」
バニル「あああああああーっ!。(あああああああーっ!。)」
そして、ダンジョン入り口に待ち構えていたアクアが出会い頭に白い炎を放った。
龍星「さ~く~しゃ~さ~ん。ど~こで~すか~。」ゴゴゴ
作者(大丈夫だ。ここならバレないはずだ!。)
カズマ「たくっ、大した文才もないのに何で新しく書こうとしてんだよ。。」
めぐみん「そうですよ。しかも、更新遅いですし。私なんて今回出ていないんですよ!。そんな人が小説の掛け持ちなんて出きるわけ無いじゃないですか。」
アクア「そーよ、そーよ!。早く私の活躍シーンを書きなさいよ!。」
ゆんゆん「わ、私に友達を下さい!。」
ダクネス「はっ!。そうか、作者に頼めば私がすごい目に会うことも!。」
作者(んな訳ないだろ!。小説書き始めたばっかの俺がR-18なんて書けるか!。それにあいつら好き勝手言いやがって···。)カタッ
作者以外「んっ?。」
作者「あっ。」
···。
作者以外「いたぞー!。捕まえろー!。」
作者「逃~げるんだよ~!。スモーキー!。退けー!。野次馬共!。」
この後作者は山奥に顔だけ出して埋められていた。
次回は決着です。