Permeate   作:コンテナ店子@コミケ出ます

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今回からエクソシスターの二次創作を上げることにしました。
たぶん尺は御巫の時とそんなに変わんないと思います。


第1話「荒波の鳴くところ」

 ずっと波の音だけが聞こえてる中で、今乗ってる小船が何度もそれに打ち付けられる音が低く聞こえて来る。そのたびになんとなくそこが揺れるみたいな感覚がするけど、私はただただ顔をちょっとだけ横に向けるみたいにしたままいた。

 

 ただ、それでも未だにそっちの方に見えてる島でこっちからわかってるのは濃い茶色をしてる崖。そしてその上の辺りの草原。そこには緑色の草がたくさん生えてる様子が見えてる。でも、上部がそうなってるのに対して、下の水面と接してる部分ではそれが何度もそこに叩きつけられて上に飛び上がる。ただ、その海の濁ったちょっとだけ黒が混じってるみたいな色とその波の境界線が白い泡になってぶつかって。結果としてそこに出来上がったそれで真っ白に染まりあがる。

 

 ごつごつしててそのたくさんある角の1つ1つが周囲へと主張しているような場所が、海の水から出たり消えたりを繰り返してるみたいな光景を眺めてる私は、ちょっとだけ目を大きく開けたまま見つめる。

 ただ、突然波が一層に高くなったのに気づいて、船頭が「捕まって」とちょっと大きめの声で言ったのに続いて体を縮めた。でも、水が勢いよく上から入り込んできたせいもあって、エクソシスターとしての制服も髪の毛もびしょびしょになっちゃって。腕をおでこよりも上の辺りに持ち上げて防ごうとしたのに、何の意味もない。

 

 小さく息を吐きながら上の瞼を開きながら歯を強く噛みしめて、鋭く息を吸い込むみたいに。口の中にまで前髪が入り込むのをしばらくそのままに、ただただ濡れた顔に張り付いてるのを何とか指で引っ掻く。

 即座に船頭の子が「大丈夫ですかイレーヌさん」とちょっと早口で大きめな声を出して私のことを呼んでくるのに気づいたら、一旦顔を拭くみたいなふりをして顔に手を当ててから髪の毛を振るってから、出来るだけゆっくりとした声で「大丈夫ですよ」と上の瞼を下ろしながら口を横に開いた。

 

 ただ、それからもう一度謝ってたその子が私の方を見ながらしゃがんでるのを見て、こっちは目線を少し上に向けながら曇って青空なんか全然見えてない空の様子を一周して。それから「いつもあなたが頑張ってるの、見てますよ」って伝えたら、声と息を一緒に出しながら明るい声で返事をしてた。

 向こうがすぐに振り返ってまた立ち上がったところで、両方の膝を抱えながらそれで持ち上がった場所の上に顎を乗せて。そのまま上唇にそんなに力を入れないでそこを押しつぶした。ただ、それに対して、ずっと目の前にいる船頭をしてる子はひたすら両腕を使って前後に振根をこいでるだけにしてる。

 

 私の耳にはずっと木がきしむ低い音と、遠くで波がずっと壁に当たり続ける音が入り続けてた。

 

 

 陸地に降りるのと一緒に肩を持ち上げながら、声を混ぜずに音を立てて息を吐く。それから、砂浜からどんどん上へと昇って行く丘の様子へ首を持ち上げながら視線を投げる。それのせいもあって、雲の上から入り込んでる太陽の光が眩しくて目の上に手の平の側面を当てる。

 

 そしたら後ろから船が引っ張られる低い音が聞こえてきたのと一緒に、それを岸に引っ張ってる船頭の子がいるのに気づいて慌ててそっちに行く。

 

 でも、そっちの子はさっきよりもさらに早口目の声で「すみません、大丈夫ですから」って言いながら手で引っ張りながら顔だけをこっちに向けてて。その調子で何度も首で繰り返し頭を下げたり上げたりを繰り替えしてた。

 

 ただ、手をちょっとだけ前に出すままその指を落っことしてる私に対して、向こうはまた低い息を締め付ける声を出しながら力を入れてて。それが終わった後に強く顔と肩の辺りを下に向けながらため息を吐いてた。

 

 一方で私はまた低い声を出しながら船を引っ張ってるその子の様子を見ながら、ただ荷物を持った状態で砂浜に立ったままになってる。その間も、体からはさっき浴びた水滴が次から次へと落っこちているのを感じて、冷たいそれがエクソシスターの制服から手に垂れ下がってきたり、髪の毛から顔に下がってくるみたいだった。

 

「あっ、あの、すみません……」

 

 言葉を出すたびにその音を切るみたい話し方をしてる声が聞こえてきた途端、そっちに私も息を吐きながら振り返ったら、ちょっとだけ体勢を低くしながら小さく足取りを作ってるおばさんの姿があって。その様子をほんのわずかに目を開けながら見てたら、一回瞬きしてから一礼。

 

 それが元に戻った後に一度咳ばらいをして喉の通りを確認してから話し始めた。

 

「初めまして。私が本部から来たエクソシスターのイレーヌです。話は伺ってます」

 

 こっちが話を終えるよりも早く、だんだんとその音を大きくしていくみたいな声なのか息なのかわからない音を向こうが出してて。すでにかなり近いのにさらに一歩前に足を出してくる様子を、こっちは話が終わった後も意図して上瞼を持ち上げるままに見つめてた。

 

「ありがとうございます! 噂は常々聞いています。凄腕のエクソシスターだとお聞きしていますし、それにですね……」

 

 最初は顔をまっすぐに私へとむけて話してたその人だが、顔を斜め上に向け始めたと思ったら、そっちの方でまた視線と顔を左右に動かす。ただそれが終わった後に、私が軽くお辞儀をしながら挨拶をしたら、向こうもいきなり背筋をピンと伸ばして。そこから勢いよく頭を落っことしてた。

 

 続けてこっちがちょっとだけ頭を傾けながら目を細めてほほ笑んでたら、向こうの人は目を開きながら息を吸い込んで。早口で言葉を発しながら体を縮めるみたいにする。そのまますぐに後ろに振り返ると、体を少しだけ前のめりになりながら足を小刻みに前に進めてて。その様子を小さく口を開けたまま手を振って見つめる。

 

 ある程度丘の上を進んで行ってる様子が小さくなったのを見つめながら少しだけため息を吐く。それから顔を下に向けながら歩いてたら、すぐにデコボコした岩の上を進むことになって。そこの岩肌に手を突きながら一歩ずつ足を進めてく。そうすると、視界の端っこの方にさっきの人が歩いてた道があって、そこに自分自身の影が出来上がってる様子があった。

 

 ただ、それだけじゃなくて、視界を一度体と同じ場所に合わせると、そこの隙間の中でカニか虫かわからない生き物がこそこそと動き回ってる様子が見えて。私はそれをほんの少しだけ上瞼を持ち上げて見ながら一度瞬きをして、続けてゆっくりと息を吸い込んでから吐き出す。両方の唇を上ので下のをつぶすみたいにしながら目尻を下げる。

 

 息を吐きながら顔を上にあげて。それから深呼吸をしつつ肩を落っことす。岩肌の上に立ったまま顔を左右に向けながらいたら、さっき船をこいでもらってた時に見えてた高くの切り立ってた崖の方に視線が行く。

 

 他の所よりも海の方に出っ張ってるそっちの様子。上瞼を下ろしながら見つめてる私に対して、ずっとただ一切動かない茶色のデコボコの上で草が細かく揺れてる。でも、私が上にある太陽がまぶしくておでこの上に手を当てながらそっちの方を見てたら、自分の髪の毛と長いスカートがそれと一緒に揺れ続けるのを感じる。

 

 ただ、そんな中で唯一岩肌以外に動いてない存在。崖の先端辺りに見えてる二つの黒い影。それは私から見たら何なのか全く分からない。片方が手前側にいるせいもあって奥側のそれが小さく見えている上に、その全貌がだいぶ見えにくくなってた。

 

 一度呼吸を整えるみたいに空気を口で飲み込んでから、急に騒がしい足の音と何度も「エクソシスター様!」と繰り返し呼び続ける音が聞こえた所で、顎の傾きを元に戻すことになった。

 

「エクソシスター様、すみません、なんだか気持ちが焦ってしまって……」

 

 息を一度吐きながら話始めたさっきの人が、要所要所で声を持ち上げる抑揚の大きい話し方をしてて。体を前のめりに倒しながら顔だけを前にしてる状態で最初はいたのが、だんだんと元に戻っていっていた。

 

 ただ、私は言葉を発している最初の数秒間だけはそっちの方を見降ろしてたけど、数秒後にはまた崖がある方に視線を戻して。小さく息を口から吐いているのかいないのか、自分でもわからないくらいの小さなそれを繰り返しながらまたそっちを見つめる。

 

 そしたら、前側にあった黒い影が自身の向きを変えるような動きをしている様子が見えて。それでそこにいたのが人だって気づいたら、わずかに足を数歩だけそっちへと近づけながら顔を斜め前の斜めに傾ける。でも、そっちにいる人はゆっくりと小さな足取りで進んでいるだけ。そのペースが早くなるわけでも遅くなるわけでもなく。だいぶ遠くから私が眺めてるせいもあって。ほとんどそれが進んでいるのかすらもわからないままだった。

 

 そしたら、私に話しかけて来てた女性が下の方にある道の方から私を見上げてて来てて、またさっきと同じ言葉を言い出してる。

 

「あぁ、お気になさらず、ただの石碑です」

 

 こちらがずっと同じ方を見てるのに気づいたみたいで、すぐに振り返ってたそっちは目をわずかに開けると一緒にさっきまで程じゃないけど早口目にその言葉を出してた。そしたらすぐにまた歩き出してて。こっちの方へと向けて手を振りながら「行きましょう」って声を大きく張り上げている。

 

 一方で、私は女性のことを見てる間にさっきまで崖にいた人の様子を見失ってしまったようで。しかし、それでももう誰もいなくなったそこの様子を見つめる。ただ、石碑と呼ばれたそれが逆光のせいで真っ暗になっている様子だけが、波の音が何度も繰り返し聞こえているだけのこの場所で唯一一切動かずにいた。

 




読了ありがとうございます
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