ほんのわずかな声を出しながら意識が戻ってくるのと一緒に両方の手でシーツとその中のマットレスを押すと、上半身だけをわずかに起こす。それから目やにの感覚と共にそこのしょぼしょぼするのを感じながら、目を一度瞑る力を入れ直してから開ける。すると、両方の手を自身のうつ伏せに寝転がった体の手前側で重ねたままにしているソフィアの姿があって、さらにその上に自身の頭を寝転がらせていたまま私の方を見て来てた。
数秒間互いに見つめ合った後、私も体を横に倒すみたいな姿勢に戻していきながら、それがベッドの上に落っこちていく感覚と一緒に相手の生まれたままの素肌をゆっくりと下から上へと見つめていく。そっちが唇の両端を持ち上げながら鼻から息を吐くと、私も自分の体をシーツと擦らせながら自身の肩の前くらいで手首だけを重ねている手と一緒に、目の前の子へと体を近づける。
その間、そっちは私の手の中でも自身の物に近い方をそっと撫で、そこで骨のデコボコを味わっているようで、しばらくそこに瞼を若干落っことした視線を向けたままにしてたけど、一度瞬きすることで今度はこっちの目を見てくる。それに気づいてからこっちはゆっくりと鼻から息を出しながら目を下げていく。それと一緒に私の手を包んでいるのが両方の手に変わっていた。
私も顔の向きは変えずに視線だけをそっちへと向けながら両方の唇を紡ぎ、特に上側に強く力を入れながら見つめる。片手がほんのわずか、ソフィアの片方の手の分だけ持ち上がっているまま、こっちが息を入れられずに鼻を小さく震わせているのに対して、まるで目を閉じているかのように下げているその少女。しばらくそのままでいた物の、一度瞬きしてから目を開くと今度は私の視線と目を合わせて来てた。こっちもそれを見てたら、音もしないくらいの息を吐きながら相手の様子を見つめることになって。頬をわずかに膨らませた。
お互いにちょっとだけ顎を引きながらほほ笑んで。こっちの方から、相手の下ろしたストーレートの髪の毛越しに頭へ口付けをする。数秒間じっと付けたままにした状態で目を瞑っている間、片方の手は標準を合わせるために頭に当てて、もう片方はソフィアの両手に包まれたままにしていた。その間ずっと鼻からゆっくりと深呼吸を繰り返している。
それから相手の様子から離れていくのと一緒に立ち上がりながら、ベッドの上に膝を突いたのを縁に床の上に立って、スリッパで歩き出す。それが地面を叩く高い音の隙間からほんの一瞬だけ聞こえる相手の声を確かに感じながらも途中でワンピースを手に取ると、自然なペースでそれに頭を通しながら歩く。ドアを開けてから振り返るまでずっと進行方向を見つめたままにしていた。
「手紙だけ確認したら戻ってくるね」
まだ上下の下着も身に付けずに1枚の服だけをただ身に付けた状態で、両方の手をドア枠とノブに当てた状態で振り返ると、私の視界の前にドアがあるせいで、上半身だけを起こした状態でベッドの上に座ってるその子の様子は半分くらいしか見えない。でも、一度顔をわずかにおでこの方から前に出すと、そのまま両方の手を胸元よりも少し下の方へと沿えると、わずかな足取りではあるものの、それを動かす早さは普段と変わらないような形で歩き出す。廊下の中にその足音だけが響いているかのようであった。
宿舎から出てすぐ横にあるポストの中を開けると、それが古びていることもあって、軋むような高い音を立てながらその塗装の剥がれている様子だったりさらにその内側の鉄がサビて赤茶色になっている姿や黄ばんでしまっている様子を見つめるでもなく、ただ視界に入っているのだけ確認。それから瞼を落っことした状態のまま中に入ってた手紙を無造作に拾うと、指だけを使ってそれら同士の重なっている先端を広げていると、上の封筒に未だその半分以上が隠れていたままではあるが、その十字架が刻印されているシーリングスタンプがあるのに気づくと、ただそれだけを見つめてる。
わずかに上瞼を震わせながらいた後に、一度だけ口を開けて周囲の空気を取り込みながらそれを閉じると、私は開いている方の手を使って髪の毛を顔から横へとながし、視線を顔事斜め上へと向けることしか出来ない。
しかし、それで見えるのは上へと向けて丸みを帯びながらも全体像が丸とは程遠い雲の様子だけ。そして、それが西の方に行けば行くほどに増えて行くようで、太陽は青空の上にいる。その全体を一切隠さずに見えていた物の、雲の下側には一切それが入らないようで、今もそこが薄暗くなったままであった。
ゆっくりとそこから顔の向きを下へと向けていくと、自分の開いてる方の手を自身の顔へと当てるも、それを関節部分だけをわずかに折り曲げて指の腹だけで目の周りの肌と振れる感覚だけを味わっていた。さらに、手の甲側は出来るだけまっすぐになるようにしていることもあり、指同士の隙間から視界は確保される。
その状態でゆっくりと鼻で深呼吸をすると、一緒に上瞼を落っことす。ただ、それだけにしたつもりだったはずが、肩も一緒に落っこちているようであった。一方で、その間も視線は左右に揺れたままになっているようではあるが、それで見えるものが変わるわけでもなく、ただ周囲の風景が指同士のわずかな隙間でだけ見えていた。
また、片手で目が覆っている物の、もう片方の手は依然としてさっき回収した手紙を人差し指と中指の間だけで持っているだけにしている。しかし、それが揺れることもなければ滑ることもない。わずかな力が入っているのか入っていないのか、自分でもわからなくなりそうなほどであった。
未だ顔と沿わせている方の手はいつのまにか爪を立てるような形になっていて、まるで自身の顔の肌に跡を付けてしまうかのようであった。しかし、自分でもそれを一切やめないで、意識をそこへと集中させる。結果として、目の動きも、重ね合わせる場所を見失ってずっと上下に動いていた口の動きもずっと止まることになる。
しばらくずっとそのまま私の体が全くと言っても動けないでいたつもりだった。しかし、ふとした瞬間に、宿舎がある方とは逆に振り返ることで、今日は外から波の音が全く聞こえていない上に、風で髪の毛や制服が揺れることも一切なかったことに気づいた。
「あの……」
そのわずかなソフィアの声が聞こえた瞬間、息を吸いながら背中をわずかに折り曲げていた状態から一気に元に戻すと、視線を相手へと戻す。
そっちでは、その子が私の方へとちぎったパンの一切れをつまんだ指を伸ばしながらも肘は折り曲げて下へと向けながらいて。小さく口を開けながらそこの範囲を広げたり縮めたりを繰り返しながら、目の開けている範囲を急に広げたり戻したりを繰り返している。それだけでなく、視線をまっすぐに向けながらいたのが、こっちからそれたりまた戻したりをしていた。
「ごめんなさい」
息を吐いて体を前へと倒すことで縮こまらせながら、わずかに最初の言葉を出しながらもそれがどもってしまうような話し方をしながら、相手に向けて手の平を振るような動きをする私に対して、向こうは目線を落っことしながら力を入れずに脇を締めて肘を自身の体へとくっつけるようにしている。
それから、ソフィアはパンのかけらを持ったままの側の手も含めて自分の胸元へと寄せて。つまんでいる指でそれをこね続けていた。ただ、しばらくそこを見ていた視線をまた私の方へと向けてくるようにしているのに気づいたら、またそっちへと私もお尻をマットレスの上で滑らせることで相手の方へと近づく。さらに、相手へと近づく形で体を前のめりにしながら小さく口を開いた。
「じゃあ……」
向こうも私がさっき出した声と似たような感じで、向こうがわずかにどもったような声を出しているのに対して、こっちは目線だけを使って下の方の地面で左右を見つめるようになってしまう。しかし、それでも口元の筋肉を使ってそこで笑みを作る。ただ、一度瞬きしてからもう一度相手の様子を見つめると、そこから出てきたパンのかけらを食べた。
それを飲み込んでから相手に出来るだけ自然な形で、あまり抑揚をつけないようにしながらお礼を言うと、途中で落としてしまうことで皿の高い音を周囲に響かせながらもベッドのサイドボードからパンを回収。それを半分にちぎってからもう半分もちぎって。そこからさらに小さいかけらを作り出すと、背筋を曲げることでわずかに猫背になりながらパンを手にして相手の方へと向ける。
そしたら、ソフィアも自身の手を膝の辺りで突いて、体だけを前のめりにしながらこっちのをすぐに口の中に入れると、そのままの勢いでこっちの頬へと一瞬だけ口を付けていた。即座に私の体から離れた向こうに対して、こっちは口を付けられた場所を指の本の先端だけでわずかに撫でるようにしたまま、ただ背中をまっすぐにしている。
小さく口を開けた状態でまっすぐに視線を向けたまま、いつの間にか指の動きも小さくなっていき、気づけばそれが全くと言っていいほどなくなってしまっていた。
ただ、それに気づいたのは、相手にまた声をかけられた時で、それと同時にまた少し大きめな声を出しながら咄嗟に両方の手を自分のお股の辺りへと落っことした時であった。そっちへと背の高い位置から見下ろしている私に対して、一度だけ瞬きしながらソフィアはわずかに頭を傾けつつこっちを見つめている。
一方で私はまたさっきと同じように息を吐きながら謝ることしかできず、しかし、それが全く同じような様子であることに気づいたのは全ての声を出した終わった後のことである。
相手の方からお手洗いに立った後にゆっくりと地面へと向けて深呼吸をしてから、膝のあたりに立てた肘でゆっくりとおでこに力を入れて撫でつつ前髪を大きく左右へと散らしていくかのようにしていた。ただ、その間も外の廊下をソフィアが歩いている足音も、行く直前にしていた頬への口付けの感覚も、こっちの中から一切消えることはない。
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