Permeate   作:コンテナ店子@コミケ出ます

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第23話「孤狼の叫び(後編)」

 私が顔を下げている間も、帽子と耳やそれの周りにある髪の毛の所には空から降り注いでいる太陽の光が当たっていて。それのせいでだんだんそこが熱くなっている感覚を感じる。それに対してこっちはただ力を入れないまま上の唇に下のをくっつけるのを維持して歩いていた。

 

 それで目線をわずかに横へと逸らしたり戻したりを繰り返してるけど、そっち側にあるのは、風で揺れるようになびき続けている雑草たちの様子だけ。それ同士であったり空気とこすれ合う音は確かに私の方にも聞こえてはいる物の、それでこっちが何をするわけでもなく。向こうでこの前に降った雨で出来上がった雫が乗っかっているのが私の方へと眩しい光を反射しているのだけがこっちの目に突き刺さっていた。

 

 しかし、ずっと自分の足音と遠くの方でほんのわずかに聞こえている波の音だけを聞いている私は、その中に通行人の足音であったり馬車の車輪や馬の足音には何もしなかった一方で、だんだんと聞こえて来る街の喧騒が聞こえてきた際には、ずっと進めめていた足も止める。そのまま、自分の胸の所に付けた2つのロザリオも含めてエクソシスターの制服を握り締めたまま、歯を噛みしめた。

 

 そのまま何も舗装されていないわだちや石なのでデコボコとしている道の上で視線を左右に動かしながら唇の位置を整えたり動かしたりを繰り返しつつ、もう一度手に入れている力を入れなおす。続けて鼻から息を一度吸った。

 

 一度顔を振るいながら顔を上へと向けて。ただ、それもほんの一瞬だけにしておくと、わずかに体を前のめりにしながら歩き出す。一緒に両方の腕をまっすぐ下へと向けて、一切折り曲げずに肩で前後に動かすようなのを繰り返していた。しかし、それも数歩だけで終わらせると、また帽子のつばで自分の顔の所に影を作りながら唇と歯に強く力を入れて両方の目尻を落っことしてそのまま体を動かさない。

 

 さらに、それも数秒間だけで終わらせると、勢いよく息を口から吸いこんで顔を落っことす。空の方で今も一切その勢いを変えないままに燦々と降り注ぎ続ける太陽の方へと顔を向ける。そこで、自分で筋肉を動かすのを意識させながら、目いっぱい口を横へと伸ばす。でも、それでも中途半端にしか口元が開かなくて。一度鋭く息を吸ってからそこを閉じて体を歩かせ始めてた。

 

 早々に街の看板だけが付いた簡素な門の上を通り過ぎていく間、体の中だけが締まる感覚だけを味わいながらも、周囲に視線が反れそうになるのを感じる。実際そうなってしまう物の、顔の向きを勢いよく整えるような動きでそれをまっすぐに戻すと、唇を強く紡ぐ。それで一瞬だけ顔が下の方へと向いてしまいそうになったが、また勢いよく髪の毛を振るうような動きと共に顔を上へと向けて息を吸い込んだ。

 

 周囲に並んでいるクレーターのように穴が出来上がっている建物であったり、バラックの小屋がいくつも積み重なっているようになっている様子を、まっすぐに向けた視界の中でだけ確認するようにしている。そっちでは、柱の後ろから体を横に倒すような動きで私の方を見ている少女の様子や、自分の息子を軽く両方の前腕だけで抱くような動きをしている母親の様子、他にも広いぼろきれの上で寝転がっている男がわずかに体を起こしている様子などが分かった。

 

 ただ、私は一切体の動かす範囲などを変えないままただただまっすぐに進んで行く。周囲ではその中身までは確認できない物の、その声が確かに聞こえている話声が静かな中へわずかに落っことすような形で聞こえていた。眉間の所にわずかな力だけを入れるけれど、それもすぐに元に戻して。街の真ん中の辺りにたどり着いた所で足を止めて視界を一周させた。

 

 私の後ろの方でこそこそとするような動きで数人の大人が後を付けていたのがそれでようやく気付いた。ただ、私が上半身をひねりながら特に表情も変えないで相手の様子を見てるのに対して、向こうはとっさの動きで自分の肩の所に両方の手を持ってきていたり、視線を斜め上の空の方へと持っていくかのような形にしていた。

 

 しかし、こっちはずっとただ相手の方を見ているだけにしておいて、数秒後にはまた特に顔の高さも角度も変えないまま元の方に戻した。

 

「みなさん、先程現れた悪魔は私が倒しました」

 

 最初は声がかなり小さめに出た物の、それで一度口を紡いでから、わずかに体を前後させながら呼吸を整えて、続きは一気に吐き出すような早口で大きめに出した。そして、それがなくなったところで周囲は一斉に静かになっているようで、木の軋む音すら聞こえない。強いてしているとすれば、今までもずっとしていた海風の音だけ。

 

 わずかに脇に空間を開けた状態のまま視線を左右に動かしている間、向こうの方にいる人たち全員が一身に私の方を見てきているがために、それと視線がぶつかるのを何度も繰り返す。こっちもこっちで呼吸を忘れてしまいそうになっていたのに気づいて、胸元を意識して無理やり動かす。

 

 もう一度視線を一周することで、そっちにいる人たちが私の方をまっすぐに見つめているのを確認。それから、強く息を吸うのと共に肩を持ち上げ、それを落とした。

 

「もう安全です」

 

 顔を下へと向けているのから起こすと一緒に、出来るだけゆっくりと鼻から息を吐くのと共に声を出す。さらに、それに伴い自身の目尻を落っことさせているのへと唇の両端を近づけるため、また前と頬の筋肉で同じ動きをさせた。

 

 そのせいかどうかはわからないけど、でも、最初はまばらだったのが1人また1人と少しずつ増えて行くことで最終的に周囲全体に何度も繰り返す拍手が聞こえだす。さらに、それだけじゃなくて、口笛を高い音で吹くのだったり、何度も私の名前を呼ぶ声だったりがする。

 

 向こうのそんな様子に対して、こっちはただ片方の手をわずかに上へと持ち上げるような動きだけにしていて、ずっと街の人たちが自分の足を動かさずに立ったまま私に同じ音を送り続けているままになっているのを見つめていた。

 

 結果として、しばらくの間、街の中心街でただ自身の片方の腕の全体ともう片方の二の腕を落っことしたままそこに立っているだけに。その状態でだんだんと顎を自分の体へと近づけるように下へと顔の向きを変えていくようにしていた。

 

 

 

 両方の腕を出来るだけまっすぐに落っことしたまま、肩を使うような形でそこを前後に振り続ける動きをまたしながら、細かい息を繰り返しつつ廊下の中を進んで行く。それと共に続けている足の動きは相当に早歩きで、そのわずかな範囲だけを動かすような進み方をしながら、その音が自身の足元でだけ聞こえているのを感じる。

 

 それと共に口から息の塊を出してはそれと同じ形の物だけを吸い込むのを何度も繰り返す小さな呼吸の移動だけをさせていた。ただ、そうしている私の進みに対して、辺りで歩いている人の様子はしばらくないと思っていたが、私の他に宿舎に住んでいる管理人のおばさんが来たところで互いにすれ違った。しかし、その瞬間でお互いに足のペースを緩めることもなければ、体の角度も変えることもない。元から両方とも違う側の横を進んでいたこともあり、視界から自然な形で向こうは消えた。

 

 周囲が薄暗いせいもあり相手の影の様子すらも見えないがために、私が横を通り過ぎた後は高いかかとで床を叩くような足音だけがずっと背中の方から聞こえているだけになってた。その時にこっちの足を動かしていく早さがだんだんと遅くなっていき、最終的には止まってしまう。しかし、その片方の足を完全に落っことしたままいながら、ももう片方の足は爪先だけを落っことしている状態だったのはほんの一瞬だけにしていて。すぐに右手を肩の方へと持ち上げながらそこの服を胸の方へと近づけるように強く引っ張る力を入れて、走るような勢いで歩き続けていた。

 

 

 

 ドアを勢いよく締め付けると一緒に体重に任せて体を空中へと投げ捨てるように上半身が地面へと倒れる。ただ、それが何とかという距離で勢いでベッドの上へと倒れこむ。その結果として、膝までの太ももはマットレスの側面へとくっついている物の、そこから先は斜め下へと伸びて、爪先だけが床へと突いたままになっていた。

 

 一方で、上半身は完全にベッドの上へと落っこちていて、窓からの光が直接入ってこない薄暗い所の上で、髪の毛を無造作に広げるような形のままただ寝転がっていた。仰向けの状態で落っこちて、指を仕舞いこんでいる手も含めて体全身に力を入れないままただただそこにいることしか出来ない。

 

 横に倒している顔の左右でわずかに手を頭よりも少し上の所で放置しているのをわずかに肘で折り曲げて自分の体の方へと近づける。続けて脇も閉めながら腕全体を自分の体へと近づけるような動きをさせて。顎も同じくしていると、自然と目元にたくさんのしわを作るみたいに限界まで力を入れて鼻をすする。

 

 一緒にすごく高い音が出ちゃって。でも息と一緒に顔全体が震えてしまうのを一切隠せずにいた。それらの音全部が、ただただ私とイレーヌさんが2人で過ごしてた部屋の中に消えて行った。

 




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