何度も髪の毛を親指と人差し指でつまんで位置を微調整しながらそっちに視線を向けている状態でゆっくりと歩く。そのペースでお手洗いを出て行くと、一度顔を下に向けながら目を閉じて、それを元に戻す動きをする。
そこからはただまっすぐに両方の手をほとんど動かさないまま宿舎の廊下を歩いていると、私のゆったりとした靴の音だけが聞こえていると思っていたけれど、それも数秒間の間だけ。気づけば向こう側から相当に早い足音が聞こえてきた。
それで顔をそっちへと向けると、早歩きで昨日の夕暮れ時に私の所に来てたエクソシスターの女の子が手をまっすぐ下におろしたまま腕を曲げない状態で私の方へとまっすぐに歩いてくる様子が見えて。こっちはだんだんと歩いてくペースを下げていくみたいにしながら体を相手の進むのに合わせて回していく。
「おはようございます」
私がそっちの方を見ながら足を止めるのと一緒に挨拶する。顔事向けていることもあって。それと一緒に向こうも足を止める。でも、顔は真正面に体と同じ向きになるような形にしてる上に、顎を自分の体にくっつけながら床の方へと向けていた。
そして、私の言葉が終わる所で、周囲から外の風の音しか聞こえないせいもあって、確かにこっちの方にまで聞こえてる舌打ちが続けて出ていた。さらに、それと一緒に顔の向きを私の方から変えてるのと、それで眉を使って目を下側に押し込んでる様子が見える。
でも、こっちはただ正面の私に与えられた部屋に向けて続く方とは逆に視線をまっすぐに向けて立ってるだけ。その間も外ではずっと風が吹いている音が窓を揺らしているようであった。
「……おはようございます」
相当な早口で勝つ小さな声で言った向こうの声が聞こえてきたのと、ほぼ同時の所で体を前のめりにしながらどんどん歩いて行く。そっちの方を私は上半身だけで振り返りながら見てたけど、どんな表情をしてるのか自分でも全然わからない。それでも、向こうがさっき私も利用してたお手洗いに入って行くまで何もせずにただそっちの方を見つめ続けてた。
パンとスープが人数分あるのと、それらの真ん中に百合の切り花が花びんに刺さってるのが置いてある様子を見つめながら、私はただ顔を少しだけ下に向けながら体を動かさずにいる。今も建物のガラスの向こうでは窓が数秒に一度くらいのペースで潮風に揺れ続けているようで、そのたびに小刻みにそこから音を出し続けていた。
ただ、その振動がこっちにまで届かず、実際に私の前に置いてある花びんが高い音を立てて揺れるようなことやスープの水面が揺れるということはない。それが動いたのは、部屋のドアが引かれる低い音がしたタイミングだった。
私も一緒にいた女性の人も顔を上に持ち上げると、そっちで戸の持ち手を持ったままにしているエクソシスターの制服を身にまとっている女の子がわずかに上瞼と眉毛を持ち上げるような表情をしていて。そのまま顔を一度だけ一周させるように動かす。それを私も見てたら、それと一緒にわずかな声で「遅くなりました」とだけ言いながら目元の表情を元へと戻す様子が一瞬だけ見える。
しかし、その後はすぐに帽子をかぶり直して唇を強く押し付けて両端を下へと向けているのしか見えなくなっていた。ただ、つばで表情を隠している様子だけでこっちへと近づいてきてたその子は、放り投げるような勢いをさせながら片手を使い椅子で床を引きずらせ、その上に座り込む。それから地面の上を滑らせている時はお尻の体重だけでそれを整えているようだった。
こっちの席の正面側に用意されているその様子を私の横にいる女性の人が両方の眉の先端だけを下に下げるような表情をしているようだったが、それに気づいた数秒後には一度ため息を吐きながら下ろしていた瞼を上へとあげる。
「ソフィアさん、この方はあなたとスールの契りを組むために本部からわざわざ来てくれたのですから、挨拶くらいなさい」
その話し方は語尾が来るたびにそこを強調するかのように語尾をもちあげていて。顔の向きは変えないまま目線だけで相手の方を見つめているよう。そのうえ、そこ以外では言葉の抑揚をほとんど付けないような話し方をしていた。
一方でそれを言われた側も顔を下へと向けたままにしているようで、目線を私ではなく円形をしている平皿の上に盛られているスープの水面に映った自分に向けているような角度にしていた。そこからわずかに斜めに顔を持ち上げるような形にしたその少女は一瞬だけ相手のことを見るけど、その後にはすぐまた両方の唇を前に出しながら目をまるで閉じてるように狭くしていた。
「……おはようございます」
全ての音が交じり合っているような早口で一瞬だけ聞こえる低い声に対して目線がそれよりも早く私を捉えたと思ったけど、それですらも声を出し始めた時にはもうすでに元々の位置に戻ってた。
私は一度素早い視線の動きで正面と右側にいる人を交互に見るみたいにしてたら、若干目線が下へと向かうような気がして、唇を小さくするような動きをしながらも、気づいた瞬間にそこへと力を入れて顔を起こした。
「おはようございます」
口を横に開きながら話した私に対して、向こうにいるエクソシスターの女の子は今も斜め下、彼女自身の右側に顔を向けている状態で肩と腕の降り曲がっている場所を小さく上下に動かし続けているだけ。私の方からその表情で見えているのは強く力を入れながら紡いでいる両方の唇だけであった。
それから、私の横にいる人がこっちに向けて手を伸ばしてきているのに気づいて、そのしわで硬くなっている様子が全体に広がっている姿が見えて。薄暗い周囲のわずかに灰色がかかったような木材で作られている床や壁や家具の色に染まりそうになっている姿を見つめているだけで、目を広げるような形になっていた。
ただ、唇を小さく力を入れたりを繰り返しながら逸れてた視線を戻した瞬間、わずかにどもるようなペースで「エクソシスター様?」とこっちに声をかけているのに気づいて。こっちは一度椅子を座り直すように、お尻をわずかに持ち上げながら一回だけ言葉になってない声を出しながらいる。続けて「ごめんなさい」と謝る声を出したら、背中に掛かっている物だったりの髪の毛の動きを感じながらその手を取ってた。
ただ一瞬だけ薄暗い床の黒くなった木の皮の模様を見つめながらいたら、一度口を結びなおす。それから自分の様子を反射して映ったスープの様子を眺めることになった。自分の胸のふくらみの上に乗ることで、ただロザリオが何も動かずにいる様子と鼻が小刻みに揺れている様子を見つめながらいたけれど、すぐにそれを開放するように顔を上へと向ける。髪の毛を振るいながらエクソシスターの女の子の方を向けて、女性のと鏡映しになるような角度で手を伸ばした。
一方で、そっちにいる子はそれと同じようなタイミングで勢いよく椅子を後ろへと引きながら立ち上がり、腕をまっすぐ下に向けながら手に何度も力を入れて握り締める。そのたびに限界まで顔側へ近づけるような体勢で脇を引き締めているようになっているまま何度も呼吸に合わせてそこを上下に動かし続けているよう。
しかし、顔は今も帽子のせいでまた顔は見えないままで。周囲にはその子が出し続けてる息の音だけがしてた。その状態で一度鼻から勢いよく息を出すとすぐに体を翻しながら歩き出す。その状態でいる彼女は両方の腕を折り曲げて背中側に肘を持ってきている上に、手を強く握りしめているのを一切隠さなかった。
しばらくすると、何度も聞こえていた大きなゆっくりとした足音が消えたと思った瞬間、ドアを強く叩きつけるような音がこっちにまで聞こえてきた。その間、数秒間だけ靴の音が止まっている時があったけれども、でも、すぐにまた床を激しく叩く音が聞こえ始めていた。ただ、前者が聞こえている間はもちろんのこと、それが終わった後も私はずっと通路とこの部屋の間の枠の所をただただ見つめ続けるだけにしてる。
ずっとそっちを見つめていた私の隣にいた女性がこっちに顔を向けながら「もう私たちだけで食べちゃいましょう」と言ってるのに気づいたら、私は何も言わないで相手の手を握ると、そのまま目を閉じてお祈りの言葉をぶつぶつと読み上げ始めた。
その間は顔を下へと向けるままにしてたけど、隣の人が食べ始めたところでもゆっくりと目を開けるだけにしてて、しばらく目の前のパンにもスープにもしばらく手を付けられない。後者に映っている私の様子はずっと隣で食事を進めている人の体の動きのせいで揺れ続けている。それで表情もエクソシスターとしてのマークも全て見えなくなってしまっていた。
出来るだけ足を開きすぎないようにするのを意識しながら歩くと、靴がほとんど音を立てずに廊下の床へと降りるのに気づいて、かかとだけそこに乗っかったままになっている状態で動かずにいたら、爪先を強く床へと叩きつけるようにした。
ただ、それに対してそれから少しだけ早歩きになるようにして歩き出したら、それと一緒に頭を頷くように動かしつつ親指の先端を上に向けながら作った力を入れない握り拳を同じ時に動かし続ける。さらに言葉になっているのかなっていないのか自分でもわからないような声を一緒に出し続ける。最初は顔を下へと向けたままいたけれど、いつの間にか上に向けてて、そこで目線を上できょろきょろと動かすようにする。
ただ、辺りでは私の足音以外に聞こえて来る音は窓が風で何度も揺れ続ける物だけ。いつの間にか顔が下へと向かっているようで、自分のスカートの中で交互に出ている足の硬いブーツで覆われている様子であったり、胸の上で上下に動いているエクソシスターのマークが付けられたロザリオの様子が見えていた。
ふっと気づいたような所で顔を窓がある方の斜め上に向けながら手も顎に近い位置で止まってて。その状態で少しの間親指の肌だけで人差し指を擦ってた私だけど、髪の毛が持ち上がりそうなくらいの勢いで顔を横に向けたら、私にあてがわれてる部屋がある。そして、体は通路と同じ方向を向きながら顔だけをそっちに向けている私の体がその枠の中にハマってしまっているように、手やスカートも含めてすべてがその中にいるかのようであった。
そこから視線をずらして少し遠くの方を見ると、そっちの方にあの子の部屋が見えてて。持ち上げてた手を自分の体に近づけるような動きと一緒にそっちを見つめてたら、いきなりドアが開けられる音がして。目を大きく開けながら体へと腕を軽く沿わせるような形でお腹にそれを当てながら真正面を見つめてた。
ただ、ドアを開けてたエクソシスターの女の子はドアを開いた状態のままノブに手を当てながらこっちの方をまっすぐに見てる。数秒間その状態が続いた状態で息を吸ってる音が聞こえたら、まっすぐに私の方へと通路を斜めに進んでくる感じで近づいてきてた。
「行くんでしょ」
言葉を発してる間は視線を斜め下に向けながら顔も同じ方向へと付いて行かせるような勢いで角度を変えてて。それが終わった後は一度目を閉じてから私をまっすぐ見上げるような角度に変えてた。
ただ、両方の手を下へと下げている状態でいる私も鼻から息を強く吸うようにしながら胸の動きでエクソシスターの証が揺れるのを感じながらいる。それから顔をドアとは反対側に向けることでそっちにある外と繋がってる窓の様子を見ることに。そこには背の高い私の様子だけが映っていて。そっちの自分とお互いに目線で見合うような形になっていた。
「やるなら、早くして」
いつの間にか私の横を通り過ぎていたその子が通路を進んで行っているのが見えたけど、向こうは私の方へと視線をやるようなことを一切しないまま、ただただ外に向かって進んで行っているだけ。一度息を吐きながら顔を横に向けて。少しだけ眉間にしわを寄せるような表情をしつつだんだんと小さくなってる向こうの様子を見つめてた後に、一度自分の部屋の中に入って荷物を取りに行った。
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