ただでさえ生きるのが厳しい呪術世界なのにクズ一族に生まれて死相しか見えないんですが 作:楓/雪那
1992年〇〇月XX日
生きていた頃はそこまで深く実感していなかったが、前世の私は相当恵まれていたんだなと今になってようやく身に染みてきた。
前世の私の実家は特に富豪というわけではなく、かといって大層貧乏であった、というわけでもない、よくある一般家庭であり、歴史ある名家である今の私の実家と比べれば金銭面では確かに劣っている。
日々女中の方々が忙しなく働いてるのを赤ん坊の身体で眺めながら、「なるほど、これがお嬢様が見る光景か」と思ったものだ。
だがただ莫大な資産があることだけが人生を豊かにするわけではないと、今世の私は痛感した。
勿論金も大事ではあるが、それ以上に良好な人間関係こそがその人の人生を左右する。
それこそが前世の記憶を持ってこの世界に転生した私が3ヶ月ちょっとで至った結論だ。
「何を言ってるんだこのクソガキ」と思うかもしれないが、まあ聞いてってほしい。
前世の私の人間関係は特筆することもない、普通のものだった。
優しい両親に仲のいい多くの友達、兄と妹もいたがどちらとも仲はそれなりによかった。
虐めなどを受けたこともない、極めて普通、しかし恵まれた環境だったと今にして思う。
それでは今の私の家族は果たしてどうだろうか。
真昼間から酒を呷る飲んだくれのロクデナシ父上。
産まれた時から性根がねじ曲がっていたのであろう一個上のドブカス兄上。
そのうち生まれてくる娘に全ての非を押し付け毒親となる叔父上。
顔がアカン従兄殿。
この世のクズを凝縮したクズのバーゲンセール一族のもとに生まれた私の人間関係としての環境は控えめに言ってクソだろう。
しかも原作通りに事が進めば、私は30になる前に天与の暴君の手によって死ぬことになる。
そうでなくても常に死と隣り合わせのロクでもない呪術界に生まれた時からドップリときた。
ハハッ、助けて?
1993年▽月×日
どうも、クズのインフレが止まらない禪院家に女として生まれた私です。
従妹に殺される未来が刻一刻と迫ってくることが恐ろしすぎる件。
そうなる未来を防ぐため、見た目は赤ちゃん頭脳は大人な状態で必死に知恵を働かせています。
まず大前提として禪院家は滅びる、これは避けられないだろう。
というか滅びた方がいいよこんな家。
私があの殺戮から生き延びるのは真希ちゃんと真依ちゃん姉妹と良好な関係を結ぶしか道はない。
女として生まれたうえ、片方は非常に少ない呪力量、もう片方は呪力がほぼない天与呪縛のフィジカルギフテッド。
それ故に術師至上主義の禪院家から排斥された彼女らが家によくない印象を抱くのは当然のこと。
残念ながら私には彼女たちの処遇を改善させてあげることはできない。
しかし居場所を作ってあげることくらいはできるだろう。
もちろん私一人でも生き残りたいという身勝手な理由が主ではあるが仕方なくない?許して?
だが理想を述べるだけなら簡単だが、実現するためにはそれ相応の実力を身につけなければ話にならない。
特にあのドブカスクソ兄貴こと直哉を超えるくらいには。
禪院の家を分かりやすく体現したあの男尊女卑男がちょっかいを仕掛けてきたら殴り返せるくらいにならないと、せっかく作った居場所も壊される。
しかし如何に性格がうんこであっても実力は一級相当。
伏黒甚爾に限りなく近い存在になった真希すらも最初は苦戦したほどだ。
だが残念なことにそれだけではまだ足りないかもしれない。
というのも同じくらいの実力を持つ父・直毘人が渋谷事変において意思を持つ特級呪霊に苦戦し最終的に敗れている。
また五条悟は教え子たちにはその特級呪霊の一体・漏瑚を倒せるレベルに育ってほしいとも言ってた。
つまり最低でもあのレベルにならないと私の術師としての人生は安泰にはなれないわけだ。
アホみたいに高いハードルに泣きそう(´;ω;`)
しかし腹を括って鍛えるしかない。
大義とか権威とか名声は求めない。
ただ生き延びたいだけなのだ、私は。
努力を怠った先には死しかない。楽に死ねたらいいね?クソが!
少しでもこの地獄みたいな世界で天寿を全うしたいのだ。
そのためにはやれる努力をし、使える手を増やし、生き延びる術を考えるだけだ。
2002年▲月〇×日
ドブカスクソ兄貴がシスコンクソ兄貴に変わったんだがなぁぜなぁぜ?
参考程度に、夏油は生かしておく?死んでおく?
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生きているべき、メロンパンは絶望しろ
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死んでおくべき、五条は後悔しろ