ただでさえ生きるのが厳しい呪術世界なのにクズ一族に生まれて死相しか見えないんですが   作:楓/雪那

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主人公の前世の記憶は五条復活直後までで、人外魔境大戦の結末どころか始まりも未履修ということにしてあります。

追記:上述したように人外魔境対戦を袴は知らないのに歌姫の術式を知っているという矛盾が起こったため、そちらの部分は削除し楽巌寺学長のみに留めました。
感想で教えて頂いたHAKU 猫さん、ありがとうございました。


#5 シスコンの振り見て我が振り直せ

2002年 8月〇日

 

直哉(ドブカス)がウザい。

 

いや、ウザいのは前からなんだけど違う方向性のウザさに変わってきた。

前までは常にこっちを見下してくる典型的な禪院な絡み方しかしてこなかった。

 

しかし最近の絡み方の一例を挙げると、だ。

 

 

・『灯』や『躯俱留隊』相手に訓練をしてる時

  →「袴ちゃん、お兄ちゃんと二人きりで特訓しようや♡ こーんな雑魚相手に袴ちゃんが目ぇかけてあげてもなーんも得せぇへんよ?」

 

・趣味の料理をやってる時

  →「袴ちゃん美味しそうなの作っとるやん、お兄ちゃんに一口あーんして♡」

 

 

キッショ、なんで私がどこにいるか分かるんだよ。

 

このようにどこでなにをしていようが直哉が私を見つけて絡んでくるようになった。

別に絡み方自体は嫌なものではない。

前みたいにネチネチ嫌味を言ってきたり、無理やり連れだして殴るようなことはしてこなくなった、それはいい。

だがこの絡み方をしてくるのがあの禪院直哉だということが問題なのだ。

 

つまりどういうことかというとキャラ崩壊すぎてキモイ、サブいぼが立つレベルで。

 

違うんよ、私は別に罵倒されて喜ぶようなドMじゃないんよ。

でもこんなに丸い…というか甘い直哉は解釈違いなんよ。

台詞が目に見えるわけじゃないけどハートマークがついてるのが分かるくらい甘い声で話す直哉とかキッショいのよ。

 

しかもその対応をするのは私にだけ。

他の女中や扇の奥さん、つまり真希と真依のお母さんには今までと同じ男尊女卑の態度だ。

 

クソ兄分からせたらシスコンになってたんだがどうにかならない?

 

「お前が始めた物語だろ」?うるせぇくたばれ!

 

 

 

 

2003年 1月××日

 

直毘人に連れられて甚爾さんに会いに行った。

2人の会話の内容は甚爾さんの息子、後の伏黒恵についての話だ。

「相伝ならば10、それ以外でも7で売る」(単位は不明)と甚爾さんが持ちかけて、当主がそれを了承した。

 

ぶっちゃけ私この場に必要か?って思ってたけど、甚爾さん本人が「会いたい」と直毘人に頼んだらしい。意外だ。

というのも甚爾さんは禪院家に恵くんを売るつもりではあるが世話は私に任せたいらしい。

 

「実父のあなたが面倒みるべきでしょう?」って反論してみたけど「修行つけた分の借りは返せ」と言われた。

何を言ってるんだ、このクズは、幼女に子守を任せるのはどうなんだ、と思わなくはないが、貸し借りの話を持ち出されるとまあ一理ある。

ということで誠に不服ではあるが恵くんの件は直毘人共々了承した、本当に不服だが。

 

家に帰ったら取り残された直哉が拗ねてた、キッショ。

 

 

 

 

2003年 2月〇▲日

 

子供の成長とは早いものである。

お前も子供だろと言いたいそこの貴方、私は人生二度目なので精神は大人なのでノーカンです。

 

真希真依姉妹ももう2歳になり、たどたどしいが早くも言葉を話せるようになった。

今日なんか私のことを「ねーね」と呼んでくれた。

天使か?天使だわ。いや、片方は鬼神なんだけど。

 

だというのにドブカスと来たら「そんな出来損ない、構うだけ無駄やで」とか言いやがる。

ムカついたし双子の教育に悪いのでボコボコにしてから双子と遊ぶようにしていた。

 

が、あのシスコンクソ兄貴はどうして中々しつこく、毎度私、というよりかは双子に突っかかってくる。

中学生にもなって赤ちゃんに嫉妬するって見苦しすぎるだろ。

 

だんだんめんどくさくなってきて無視するようにしてたら、そのうち泣いて謝ってきたので「双子を虐めない」という縛りを結ばせた。

これが「三歩後ろを歩けない女は背中刺されて死ねばいい」って言ってた男の姿か、これが…?

 

 

 

 

2003年 5月Y日

 

そういえば最近術式について書いてなかったなと思ったので久しぶりに書き残してみよう。

模擬戦の段階では領域展開を使えるようにしていたが、あれは様々な縛りを結界に施すことで可能にしたものであり、自分でもかなりの抜け道をしたイレギュラーな領域だと思っている。

自分の呪術の練度を上げられれば幾分か縛りを緩くできるんじゃないか?

 

まあ結界の話は置いておいて、今は術式順転と術式反転の使い分けを考えている。

反転術式は領域展開と同じく使えるようにしたため、術式反転まで繋げられるのだがその案というのも中々悩みどころだ。

 

還映呪法の順転は『観ること』だから反転は『観られる』ことになるのか?

それとも未来視の反転で過去を見る?いや過去を見て何になるのって話なんだよな。

そもそも私の順転は殺傷能力があるものじゃないから反転で出力を倍にするメリットがあるのか?

 

あとは生得術式の関連だと拡張術式がある。

術式の解釈を広げてオリジナルの技を生み出す術式。

原作だと伏黒恵の『不知井底』や七海建人の『瓦落瓦落』、脹相の『超新星』があった。

一つ目は術式で生み出した式神同士の融合、二つ目は術式効果を他の物体に伝播させる技、三つ目は術式の指向性の変化って考えるべきかな。

 

一番すぐ思いつくのは還映呪法の効果を他の物体に付与させて呪具化、視野を広げるとか?

でもそれだけじゃなんか物足りないかな。

 

いや、順転が『観ること』って決めつけるのが早計だったりする?

『再改世』は『天理の瞳で見た未来を自分の都合のいい様に編集して、その編集版を実際のルートとして実現させる』術式であり、あくまで『観ること』は順転の発動条件に過ぎない?

となると反転は編集が先?

いや、どんな映像作品でも先に撮らないと編集できないよね。

やっぱり『観て編集』って順番は変わらないよね。

うーん、難しい。

けど面白いね。

前世の私は格ゲーで技術を磨くよりRPGで習得技を弄るのが楽しかったからこういうのは向いてるのかも。

 

 

 

2003年 8月▲日

 

なんと扇に闇討ちされかけた。

大方「女が当主候補なんて家の恥」とか考えてるんだろう。

しかし闇討ちという手段を使ってきたということは暗に「私があなたと正々堂々と戦ったら勝てる自信がありません」と言ってるようなものだ。

だからパッとしないって言われるんだよ。

 

だが不意打ちで呆気なく死ぬような鍛え方なんて甚爾さんにはされなかったので、返り討ちにしてやった。

そのことを直毘人に愚痴ったら「だからあいつはいつまでもパッとせんのだわ」とボヤいてた、ウケる。

 

 

 

2003年 9月◆日

 

ふと思い立ってこの日記を見直したら、直毘人とのアニメ談義について書いてないことに気づいた。

歴史ある呪術界御三家の一角の当主である老骨が「趣味:アニメ」とギャップがすごい話が禪院家内部どころか御三家全体に知れ渡ってるのは誰得なんだと思うが、当主曰く「術式の解釈には重要なこと」らしい。

元々彼も私くらいの頃はアニメなどには興味がなかったらしいが、相伝ではない自身の術式を極めるためにアニメの解像度やフレームレートをはじめとする専門的な概念を一から学び現当主の位置まで上り詰めたという。

 

確かに直毘人の語った術式の解釈の深め方は一理ある。

彼の術式が比較的新しいものだからやや分かりづらいが、楽巌寺嘉伸の術式を例に考えると分かりやすい。

仮に莫大な呪力量や繊細な呪力操作の技術を持っていても、楽器を演奏する技術がなければ『旋律を衝撃として打ち出す術式』の火力は程度が知れる。

 

還映呪法の本質は理解したもののその先への伸ばし方を悩んでいた私にとっては非常にありがたいアドバイスであり、私の術式と投射呪法が『映像』をベースとする点で似通っているためその話をしてくれてから結構な頻度――最低でも週一で親子でアニメ談義をすることが毎週の習慣になっている。

 

なお私はアニメーションより特撮番組の方が好きなため、談義という名の布教合戦になっているのが現実だ。

私の最近の推しは『555』、直毘人の推しは『ハガレン』である。

 

あと4人の兄とはこの話をしない。

上3人は術式なしだからであるが、父の相伝である直哉に関しては「うぜぇから」という理由で父親からハブられている。

お労しや、兄上…擁護はできないが。

 

 

 

2003年 10月■日

 

ここ最近から私も呪霊討伐や呪詛師狩りの任務に駆り出されるようになった。

私も直哉もすでに禪院家では最高戦力にあたる『炳』に所属している。

最低でも術式持ちかつ準1級以上の実力を持つと判断された人間だけが所属できる『炳』であり私と直哉も特別準1級術師として認定されている。

だがいくら単独任務が可能な等級であれど、まだ私は11歳であり一歳年上の直哉含めて単独での出陣はまだ認められず、最低でも『躯俱留隊』6人以上の同行を義務付けられた。

 

直哉は「なんでこないな雑魚についてもらわなあかんねん」と不機嫌だったが私は別に構わない。

模擬戦の前までは当主の娘だから表立って虐められたことはないが、女である以上陰口や嫌味なんかは何度も言われてきたが4兄弟や扇をボコしたりしてから『躯俱留隊』から慕われるようになった。

私としてはやりたいことをやっただけでなんで急に好かれるようになったのかイマイチ分からないのだが、彼ら曰く「見ててスカッとした」らしい。

今日の呪霊討伐の任務が始まる前も「お嬢が危険だと思ったら我々が肉壁となります!」とめっちゃいい笑顔で言われた。

オタサーの姫か、私は。

 

 

 

 

2004年 2月「日

 

 

どうやら私は呪術界のクソ具合を分かってたつもりで分かってなかったらしい。




『躯俱留隊』隊員からの評価・袴編

①5点(5点満点中)
 
 無表情だけど俺らにも親切なやり取りをしてくれる。禪院家の天使。

②5点

 忙しいはずなのにお菓子やお茶を手作りで差し入れてくれる。禪院家の女神。

③5点

 ウンコクズをボコボコにした姿が最高にカッコよかった。禪院家の女王様。

参考程度に、夏油は生かしておく?死んでおく?

  • 生きているべき、メロンパンは絶望しろ
  • 死んでおくべき、五条は後悔しろ
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