ただでさえ生きるのが厳しい呪術世界なのにクズ一族に生まれて死相しか見えないんですが 作:楓/雪那
皆さんは初期SSRは誰にしましたか?
私は漏瑚をガチャで引けないことにショックを受け、泣く泣く東堂にしました。
ちなみに投稿が大幅に遅れたのはスマホのデータ盗まれかけてその対応に追われていたからです。
『趣味の時間』
「ん~…?袴じゃん、なにしてんの」
「硝子先輩」
8月のある日
家入硝子は高専の廊下をブラブラしていると、裏庭にいる袴を発見し声をかけた。
ちなみに五条と夏油が任務で不在、袴は中学も任務も休みであり、家入は一人で暇だから隠れて煙草を吸うのにちょうどいい場所を開拓している最中である。
「今やってるのは家庭菜園です」
「あー、前から誰がいじってんだろって思ってたけど袴だったんだこれ」
「夜蛾先生に強請ったら別に誰が使うわけでもないから好きに使っていいと許可を得たので」
日除けのための麦わら帽子を被って水を撒く袴を、日陰で煙草に火をつけながら家入は眺める。
家庭菜園のエリアに水を撒き終わるとそのまま別の花壇にも水を撒き始める。
「そっちの花壇も袴のもんなの?」
「ええ、許可は得てますので」
「ふーん……なんて言うか、袴って変わってるよね~」
「変わってる、ですか…どこら辺がでしょうか」
「所作とかはお嬢様っぽいのに、やってることが庶民っぽいところ」
家入の言葉を聞いて袴は顔を顰める。
彼女が誰と比較して自分のことを変わってると言ったか分かったからだ。
しかし五条と比べなくても袴の感性は周囲からしたら変わったものである。
本人の中身は一般家庭の感覚なので普通のことをやっているつもりだが、それをお嬢様の身分がやっているとなればおかしく感じて当然だ。
「五条先輩が世間知らずすぎるだけでしょう、高級食材と高級料理人しかしらないでしょあの人」
「ははっ、言えてる。この前、冷凍食品とかコンビニ弁当でカルチャーショック受けてたわ」
「…でも硝子先輩の言うように私は御三家の女では浮いてる方だと思います。普通の女はこんなに自由に振舞えませんからね」
かつて兄を完膚なきまでに叩きのめした御前試合以降、袴は禪院の屋敷でかなり好き勝手できるようになった。
自己憐憫の強すぎる叔父から暗殺まがいのことをされかけたこともあるが、それも返り討ちにしたため彼女を奇襲しようと企む輩は殆どいない。
そんな彼女が御三家では末端の女中がやるような料理をするのは、偏に彼女の趣味だからである。
和食に中華、フレンチにイタリアンにアジアン、ジャンクフードや菓子類までお手の物だ。
高専の食堂でも料理をしている理由は「手を鈍らせないため」である。
「楽しい?料理」
「硝子先輩もやってみます?」
「うーん、パス。私は食べる専門で」
「硝子先輩が厨房に立つなんて解釈違いだから安心しました」
「キレッキレじゃん、ウケんね」
『結婚』
「袴ってさー、恋人とかいたことあるの?」
「藪から棒ですね」
ある日の高専の夜、珍しく1年3人共任務がなく暇をしており、袴作のホールケーキを食しているときに家入が脈絡もなく袴に質問した。
夏油と家入は興味津々といった顔を向けているが、五条だけは興味なさげである。
「別にいたことはありませんし、今のところ恋愛には興味ないですからね」
「意外だね、君なら引く手あまただと思うのだけれど」
「そうやって何百人もの女性を誑し込んできたんですね、流石は夏油さん」
「そんな事実ないんだけれど?」
「先週も歌舞伎町のホテル街に消えていったもんな、夏油?」
「おかしいな、先週の私は悟と一緒に硝子の荷物持ちとして新宿行って一緒に高専に帰ったんだけど、記憶違いかな」
「どういうことよスグちゃんっ!!アタシとの最強コンビは遊びだったってことぉ!?」
「話をややこしくする天才だね、悟は」
「まあ夏油さんの性事情なんて蝿頭レベルで興味がないので」
「振るだけ振ったんならちょっとは気にしてよ、いやそもそもそんな不誠実な人間扱いされて心外…」
「シャネルN°5 オードゥトワレット、 バーバリーウィークエンド、 クロエオードパルファム」
「え」
「深夜や早朝に女性ものの香水の匂いをつけて帰ってくれば余程鈍くない限り気づきますよ。それも結構な頻度で違う匂いだったら余計に」
「確かに硝子はヤニの匂いしかつけてねーからな」
「五条、お前次診察台に乗るとき覚悟しておけよ」
自分が知らない香水の名前を言い当てられて夏油は項垂れた。
そして余計なことを口走った五条は家入に脅迫され青ざめる。
「恋愛は今はいいですけど、それよりも政略結婚が面倒ですね」
「あー、分かるわそれ」
「へぇ、やっぱり御三家ともなればそういうのがあるんだ」
ため息を吐く袴とゲンナリとした顔を浮かべる五条。
現代最強の異能たる五条は勿論、幼くして特別1級としての才能を有する袴は家の内外問わずに貴重な血として扱われている。
六眼、無下限呪術、還映呪法、隔世遺伝の可能性のある投射呪法、いずれも呪術界、そして家の人間には重要な要素だ。
「俺は中学の時に結構遊んでたけど、ジジババ共が煩く言ってきてさぁ。六眼持ちの俺よりもよく見えてんなって思ったよ」
「それで遊ぶの辞めたの?五条だったら無視して遊び続けてそうだけど」
「いや…最初の方は無視してたんだけどさぁ…クラスメイトがジジババ共に囲われて日に日に窶れてくの見ると流石に申し訳なく思ってくるわけよ」
「「「うわぁ…」」」
「あの時ほど人間の醜さを見た瞬間はねぇな。ウチの奴らは俺に何も言わないくせにあの子にはネチネチ執拗いし、かと言って俺が口出したら『悟様は早く第2夫人も見つけるべきです』とか言い出して他のそこそこの名家と見合いさせようとするし、彼女の親はウチの家の財産に目が眩んでるしで最悪だったわ」
「結局その子との関係はどうしたわけ?」
「俺個人のポケットマネーから中学から大学まで余裕で全部私立で行ける慰謝料渡して平謝りで終わらせた。あの子はこんなにいらないって言ってたけどこれくらいは出させてくれって押し切った」
「どうしましょう…あの五条さんの口から信じられないくらい誠実なエピソードが飛んできてカルチャーショック受けてます」
「あの五条にも人の心があったのか…補助監督を足蹴にする五条にな…到底信じられないから脳の解剖させてくれない?」
「悟…謝罪するよ。この話を聞くまで私は君のことを顔のいい女を手当り次第抱いて3回以内には飽きる人間だって思ってたけど、辛うじてマトモな恋愛をしたことがあったんだね、私は嬉しいよ」
「お前ら俺の事舐めすぎだろ、GLG五条悟だぞ。あと傑はどう足掻いても俺以下だからな?」
「「それはそう」」
普段の周りを見下しまくるクソガキ五条悟がマトモな恋愛を経験したことがあるということが、3人にはあまりにも衝撃的だった。
特に夏油は自分と同じで遊びまくっていると思っていたため、五条以下という評価に軽くショックを受ける。
「私の場合は今は落ち着いてますね、父上…現当主が抑えているので」
「直毘人のオッサンが?信じらんねぇ~」
「24時間アルコールの匂いがする飲んだくれクソおやじですけど、禪院の中だと比較的良識派ですよ父上は。今でもお見合いの催促は大量に来ますけど『気に入らなかったら燃やしていい』と言われているので」
「でもそれ当主だけが言ってるだけでしょ?外野は黙ってないんじゃないの?」
「確かに周りは煩いですよ。でも昔何度か夜這いされかけた時にドブカ…兄上が守ってくれて、私も腹いせに玉潰しして、それ以来は触らぬ神に祟りなしって感じですね」
「ナチュラルに処女守ってくれた兄貴ドブカス呼ばわりしかけたの笑うんだけど」
「うちの兄上のキモさ舐めない方がいいですよ?『袴ちゃんは処女受胎で甚爾くんそっくりの子を産むんや!』って大真面目に言ってる男ですよ?」
「「「キッショ」」」
Q:袴ちゃんの好きな異性のタイプは?
A:袴「北欧系やアメリカ系の渋い顔立ちでガタイのいいコートの似合う紳士的なおじ様、具体的に言えばイーサン・ホーク」
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