俺は今日も今日とて稽古をしていた。
「いやぁ、随分強くなったねぇ」
「いえ、京楽さんのおかげです」
俺は普段、こうして京楽さんと一護のじいちゃんと稽古をしている。
一護のじいちゃんは1番隊隊長で、どうやらじいちゃんが尸魂界に来た時点でそれは決まっていたらしい。ちなみに総隊長は京楽さんのままだ。
どういう事かと言うと、1番隊隊長と総隊長を別々にすると言う無理矢理な事をしたらしい…さすが京楽さん。
「よう、一輝」
「あ、一護のじいちゃん」
「ったくおめぇ最近よく来るな」
「学校始まるまで暇なんだよねぇ…」
「そっか、もうそろそろ高校生か」
そう、今は春休み真っ只中である。
これと言ってやる事も無いのでこうして稽古に来ているわけだけれども。
「お、ちょうどいい所にいたっすねぇ」
そう言って下駄を鳴らしながら歩いてきたのは、何やら怪しい顔をした浦原さんだった。
「あ、浦原さん」
「こりゃどうも」
「どうしたんだ?浦原さん、急に?」
「いやぁ、少し一輝にお願いしたい事がありまして…」
あー、多分面倒いやつだなぁ…この顔してる浦原さんから楽なお願い出たこと無いんだよなぁ。
「えぇ…」
「まあまあそう仰らずに」
まあ涅さんの実験台とかじゃなかったらいっか…。
そう思っていた時期が、僕にもありました。
「んで、なんなんだ?そのお願いってのは?」
悩んでる俺の代わりに一護のじいちゃんが聞き返してくれた。
「異世界に行ってもらいます」
「「…は?」」
思わぬ発言に一護のじいちゃんと腑抜けた顔をした。
「という訳で行ってらっしゃい」
「え、ちょま」
僕は問答無用で浦原さんの取り出した何かに吸い込まれた。
「帰ったら絶対にぶった斬ってやるうぅうう!」
こうして僕は異世界に飛ばされました。
そして、一輝が過ぎ去った後の3人は…。
「浦原さん、どう言う事だよ!?」
一護はそう浦原に問い詰める。
「まあまあ落ち着いて一護君…浦原さん、あの件だね?」
「えぇ、適任が彼しかいないので…」
「あー、あれか…」
浦原が一輝を吸い込んだ球体に目を向けた。
「虚と破面が異世界に出ている。しかし異世界に尸魂界は存在しない…つまりその虚と破面が殺した人間の魂がこちらに流れ込み、世界の均衡が崩れる可能性があるっす」
「ったく…なんで異世界に…」
「よく分からないけど…向こうに尸魂界が無いって事は、今までは向こうは向こうで魂の循環はあったんでしょ?なんで急にこっちに来たのさ?」
「そこがよく分かってないんすよ。ただでさえ異世界と言う未知の領域なんすから…頼みましたよ一輝さん」
しかしここでひとつの疑問が生まれた。
「そう言えば一輝はどうすんだ?こっちに戻って来れんのか?」
「向こうの破面と虚を倒して頂ければ何時でも…一輝が帰りたいと言えばっすけど」
「あー、あいつ異世界系の漫画とか読んでたしな」
「あー、読んでたねぇ…なんなら矢胴丸隊長とその話で盛り上がったりしてたし」
「そう言う面も含めてですが…人間に見えて、死神の力を使えて、破面に勝てる人材なんて一輝さんしかいないっすよ」
浦原は帽子を深く被り、そう言った。
「確かに…あの子は…おそらく山爺を超えてくるんじゃないかな。斬魄刀なんて一護君と山爺のいい所取りみたいな能力だし」
「先祖返りってやつか…つか爺さんの生まれ変わりとかねえよな?」
「「…無いとも言い切れない(っす)」」
「…マジかよ…」
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