いきなり異世界に飛ばされました俺ですが…。
「おい聞いてないよおおおお!」
上空にいきなり召喚されました…って言ってる場合じゃないって!どうしよう!
とりあえず落ち着け…落ち着いて完現術で死神の姿になって…。
とりあえず空中に浮いて何とか地面との衝突は避けた。
「危ねぇ…速攻で尸魂界に帰るところだった…」
落ち着い目の前を見渡すと、そこには大きな森があった。
なんと綺麗な景色だろう。
「とりあえずどうしようかなぁ…って誰かの声…襲われてる!?」
俺は声のする方へ瞬歩で向かった。
「クソッ…こんな所で…ッ!」
「ギェエエエェエッ!」
やっと見えた、馬車の前に騎士が数人、そして…あれは…オークとリザードマン?
面白い、ちょっくらやってみるか。
「大丈夫ですか?」
「なッ!誰だ貴様!?」
「通りすがりの人です、助太刀します」
そう言って俺はオークとリザードマンを切り伏せる、思ったよりは強くない。虚の方がまだ強い気がする。
「よっと」
ざっと20体か、そして死んだ兵士達も…もう少し早ければ、助けられたのかもしれない…。
「ギ…ギギギ…ッ!」
「逃がさねぇ…」
逃げようとしていた最後のリザードマンの前に立ち塞がり、俺は刀を向けた。
「ギエェエエェ!」
リザードマンは大きく振りかぶり、切りかかるが、俺はその剣ごとリザードマンの首を跳ね飛ばした。
気づかなかったが、どうやらモンスターは死んだあと、消えて魔石の様なものが残るみたいだ。
「大丈夫ですか?」
「あ、あぁ…ありがと、グッ!」
「今手当します」
俺はひっそりと虎徹勇音隊長から習ってた鬼道で兵士を治療した。
霊圧はなさそうだから大丈夫か。こんな時に織姫のばあちゃん居てくれたらなぁ…。
まああの人ばあちゃんって見た目じゃねえけど。
「ありがとう、おかげで命を捨てずに済んだよ」
「いえいえ、俺は黒崎一輝です。あなたは?」
「ラサール伯爵家の護衛をしております、ヘドと申します。以後お見知り置きを」
「なん…だとッ…!?」
伯爵家って…あの伯爵家だよね?貴族だよね?
いや、馬車みた時点で何となく分かってたけど…まさか伯爵家とは…異世界にありがちな王族とかじゃないにしろ伯爵ぞ?
すると馬車のドアが開き、少女が降りてきた。
「私からもお礼を申し上げます」
降りてきたのは銀髪に紫の瞳をした大人びた女の子だった。
「私、ラズベリー・ラサールと申します。先程は私達を救って頂きありがとうございます」
そう言ってその女の子はスカートの縁を少し持ち上げ俺に頭を下げた。
いや、まて待て待て待て!
「お、お辞めくださいラサール嬢!伯爵家の方が俺に…じゃなくて私に」
「いえ、命を救って頂きながら礼の一つも出来ないのは…伯爵家として恥じるべき行為です」
「そ、そう言う事なら…どういたしまして」
俺は人生で初めて超絶美少女からお礼を言われた。いや、なんかいいな。
「そこであなたの力を見込んでお願いがあります」
「え?あ、はい」
待て、俺今条件反射ではいって言った様な気が…まあいっか。
「王都まで私の護衛をして頂きたいのです」
「かしこまりました」
俺は速攻で返事をした。
「え?良いのですか?」
「はい、もちろんです」
「…ッ!ありがとうございます!」
どちらにせよここがどこか分からんし、お金も無いし、丁度いいや。
王都に連れて行ってもらえるし、報酬も出るだろうし、断る理由は見つからない。
「とりあえず、この兵士達は僕が弔いましょう」
「おや、カズキ殿は神官のスキルをお持ちで?」
あ、そうか。この世界だと弔いは神官がやるのか…んー、どう説明しようか…。
「まあ、似たようなものですね」
「そうなのですね、ではお願いします」
兵士達はラサール嬢を守れなかった心残りからか、その場で幽霊と貸している。
尸魂界に送るのは…良いのか?いやでも虚化されても困るしなぁ…このままにしておくのは可哀想だと思って言ってみたはいいもののどうするべきか。
「どうもー、一輝さん」
「え!?浦原さん!?」
「?」
いきなり浦原さんの声が聞こえたのでびっくりして大声を出してしまった。
この様子だと向こうの人達には聞こえていないようだ。
「あ…いえ、なんでもないです…」
俺はそう誤魔化して浦原さんと小声で話た。
「なんすか急に…」
「いえいえ、上手くそっちに行けたみたいっすね」
「上手く上空に召喚されましたけど?」
「まあまあ、細かい事は置いといて…一輝さん、その魂、1度魂葬してください」
「え?大丈夫なんですか?」
「はい、虚や破面に殺された魂は偶にこっちへ流れ込んで来ます。しかし流れ込む時にいきなり来るもんですからデータが取れないんすよ。なのでデータ収集のためにもお願いします」
「こっちに出たんすか!?虚と破面!?」
「ええ、そのためにあなたを異世界に送ったんですよ」
なるほど、つまり虚と破面がこっちの世界に何らかの原因で発現し、そいつらが殺した人間の魂が偶にそっちに流れ込み、そうすると世界の均衡が崩れる可能性があるってところかな?
「分かりました、やりますよ」
「お願いするっす」
俺は浦原さんとの会話を終えると、兵士の死体の前に立った。そこには兵士の霊がいる。
「あんた、俺が見えるのか?」
「あぁ、はっきりと」
「…姫は無事か?」
「あぁ、傷一つ無い」
「そうか…なら良かった…」
俺は斬魄刀を出した。
「あんたを1度死後の世界に送る、向こうだと浦原さんって帽子かぶったおっさんいるかもしれねえから…色々そのおっさんに聞いてくれ」
「そうか…わかった」
俺は斬魄刀の頭をその兵士の額に当て、魂葬した。
「…終わったのか?」
「ええ、無事魂を送りました」
「…そうか…」
こうして、俺は伯爵家の護衛をする事になった。