とりあえず、公爵令嬢の道中警護をする事になったのだが…。
「あの…」
「はい?」
「何故俺だけ馬車の中に?」
「それは…えっとぉ…」
何やらモジモジしながら顔を赤らめて…る?
なんやトイレか?
「あ、そうそう!魔物が襲って来たら怖いじゃないですか!」
何やら思い付いた様にそう言った。
あれか?魔物が怖いって言うのが恥ずかしかったのかな?
兎にも角にも気まずい事この上無い。
「あなたは…どちらからいらしたんですか?」
来たぞこの質問…隠す気は無いのだが異世界とか言って信じて貰えるのだろうか…。
「えーと、遠い国から…」
「そうなのですね…」
大人しく尸魂界とか言って頭おかしいヤツとか思われるの嫌だしなぁ…。
何気なく窓の外へ目線を向けた。
本当に綺麗な場所だ。草木は青々と生い茂り、空気も汚れていない。
決して空座町が汚れてるとかじゃないけど…こっちは空気が美味いな。
「一輝様は…お強いのですね…」
「え?あ、まぁ…鍛えられてるので…」
「お稽古をされているのですね!お師匠様はどんなお方なのですか?」
おお、すっごいグイグイ来るな…この人も剣術に興味があるんだろうか?
「そうですね…1人はのほほんとしてる割にしっかりしてて、頭もキレる人で…もう1人は自分の…親族なんですけど、僕らの地元では英雄と呼ばれる人です」
「そんな素晴らしい方々から…」
この世界で護廷十三隊の総隊長と1番隊隊長と言って誰に通じるのだろうか。
ましてや死神とか虚とか破面とか言ったら余計に危ない奴とか思われそうなんだよなぁ。
「ええ…まあ…」
ところで、どうして俺は京楽さんから剣術だけじゃなくて女性との話し方も教わらなかったのだろうか…気まずすぎて会話が続かねぇ。
つかこんな綺麗な人と話せって方が難しいだろ…。
「ラサール嬢は」
「私の事はベリーとお呼びください、敬語もダメです」
「いや、しかし」
「ベリーとお呼びください」
「けd」
「ベリーと呼んでください(圧)」
なんだ…この圧力…更木隊長といい勝負だぜ…。
「べ、ベリーさん」
「…まあ最初はそれでいいです…敬語も許しましょう、それでなんでしょう?」
そうだったこの人に話振ってるんだった…圧力のあまり忘れてたぜ。
「ベリーさんはなんのために王都へ?」
「あぁ、それでしたら王都へお披露目会に行くためですわ」
お披露目会…パーティーみたいなものか。貴族も貴族で大変そうだなぁ。
ほら尸魂界の貴族は掟だの夜一様だの言ってるから…。
「お披露目会ですか」
「まあ、お披露目会という名の婚活パーティーの様なものですわ」
あー、心中お察し致します。
「あまりそう言った事に興味が無いのですけれど、断る理由も…あっ」
「…はい?」
お嬢様?何をお考えですの?
今都合のいい奴ミッケみたいな顔しましたけど?
「一輝様…お願いが…」
どうしよう、これこそ断る理由が無いのが困るんだよ…。
〜兵隊を魂葬したすぐ後〜
「一輝さん」
「なんですか?」
「破面の霊圧が、そちらの王都の王城内で確認されました。なので破面は今も王城の中にいる可能性が高い…王家との関係があるかもしれません。上手く侵入してください」
「はぁ…また面倒な…」
「これからの連絡は、胸元に入ってる携帯で連絡をお願いします」
「あ、ちょ待って。ちょ待てよ!」
ちくしょう、切りやがった…。
とりあえず俺は胸元に入っているスマートフォンの様な形をした携帯があるのを確認し、取り出してため息を吐いた。
〜そして今に至る〜
「はぁ、分かりました。男避けですね」
「本当ですか!ありがとうございます!」
また面倒な事に巻き込まれそうだ…。
まあ、美少女が喜んでるなら良しとするか。
「ところで一輝様はお幾つですの?」
「今は15です、今年16になります」
「え?私の1個下?」
あらま、まさかの年上でしたか。と言われても違和感はないけど。
いや、決してルキアさんと比べてなんかいない、砕蜂隊長も関係ないからな!?
「ま、まあ以外と老けて見られるので…」
「いえ…そのご年齢で随分と大人びていると言うか、落ち着いていらっしゃると思って…」
「あー、まあ色々あったので」
「そうですか…」
冷静に考えれば、異世界来て美少女のお嬢様助けるって漫画みたいだな…いや死神のあれでも随分漫画みたいだけど。
「一輝様の髪…オレンジ色なのですね」
「え、あぁ…よく珍しいって言われますね」
「綺麗…」
「そうですか?それならベリーさんの髪も綺麗ですよ、サラサラだし、艶があって凄い綺麗です」
こんなに長いのに、手入れが行き届いてる大変なんだろうなぁ。
白夜さんも大変そうだったし。
「そ、そうですか…」
「あっ…」
つい口説いてるみたいになってしまった…気まずさが倍増した…。
その頃尸魂界では。
「いやぁ…青春っすねぇ」
「頑張れかず君!」
「おい、織姫…あんまり孫のイチャイチャ覗いてやるなよ」
「そうだよ2人とも、こう言うのは行くとこ行く寸前でチョッカイかけるのが面白いんだから」
「京楽さん、あんたが1番嫌だからな?」
一同、若者の青春を覗き見していた。