卍解持って異世界転移   作:ZJapan

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problem

婚約か…彼女やラサール伯爵を巻き込む訳にはいかない…だとするなら理由を言わずに出て行く方が良いのか…。

恩を仇で返す様で罪悪感が押し寄せるが、この問題に巻き込むよりは仇にはなってない気もする。

 

「あ、一輝様!」

 

ベリーさんが俺の腕を掴む。

ちくしょう、今逃げられなくなったじゃねえか。

 

「ベリーさん!?なんでこんな所に!?」

 

「実はここ登れるんですのよ?」

 

ベリーさんの指が指す方向を見るとちゃっかり天窓が設置してあり、しっかりハシゴで登って来ていた。

 

「私ではご不満ですか?」

 

「いや、そうじゃなくて…むしろそう思っていただいてる事は嬉しいですよ?」

 

「なら!」

 

「けど…」

 

俺はベリーさんの言葉を遮って発言する。

 

「俺は…やらなくちゃいけない事があって…それは危険な事なんです…」

 

「関係ありませんわ」

 

すると、ベリーさんはキッパリとそう言いきった。

 

「え?」

 

「私は今日貴方を知ったばかりですが…少なくとも初めて会った人を助けるくらいにはお人好しですの」

 

「…あれは相手が俺より弱かっただけですよ」

 

「いいえ、貴方はきっと相手が自分より強くても切り込んで行きました…」

 

さっきからどうしてこうも言い切るんだろうか…何かを確信している様な、そんな目で。

 

「それから…私は貴方に一目惚れをしました。今まで男に見向きもしなかった私がです」

 

何でだろう、そこだけは謎に安心感と言うか…信頼出来るのがなぁ…。

 

「貴方の見た目ではありません、相手が例え自分より弱くても、自らの危険を顧みず人を助けられるその心に…私は惹かれているのです」

 

「…けどこれは俺の問題なんです。貴方を巻き込む訳にはいかない」

 

「いいえ、ダメです」

 

「けど」

 

「ダメです」

 

あれぇ?まだ付き合ってもいないはずなのに尻に敷かれているんだが?

 

「私は貴方の人生に、これから死ぬまで関わりたいのです。傍に居たいと思っているんです。貴方が今どんな問題を抱えていたとしても支えたいです。貴方が嬉しい時は私も嬉しくありたいです。貴方を…愛していたいのです」

 

彼女は真っ直ぐにそう言った。

俺は…正直迷っている。

人生の中で、女の子にこれ程思われた言はあっただろうか?けれど、彼女は初対面だ。きっとこれから失望させる。

けれど別に嫌では無い…むしろ嬉しい。

 

「私を信じてください…」

 

「ベリーさんは…どうしてそう言い切れるんですか?」

 

すると彼女は少し息を飲み、一瞬言うのを躊躇ったがすぐに口を開いた。

 

「…私は心眼を持っています…人の心が見えるのです」

 

「人の心が?」

 

「人の心が具体的になって見えるんです…例えば怒っていればその人が阿修羅に見えたり」

 

つまり、人の考えている事がイメージとして可視化出来るって事かな?

 

「私がその目で見た貴方は…優しい光の中に…ぽっかり穴が空いている様な…そんな絵でした」

 

「…穴が…」

 

皮肉なもんだな…虚を浄化する死神の心に穴が空いてるなんてな…。

 

「けれど、貴方はそんな状態にも関わらず…人に優しさを常に与えてました…優しさの光を常に人に向けていました…」

 

「……」

 

俺は何も言えずにいた。

俺にはそれが見えていないから、否定する事も、肯定する事も出来ない。

 

「そんな貴方に、私は惹かれたのです」

 

ちくしょう…そんな事言われたら余計に断れねえじゃねえか…。

 

「分かりました…ならこうしましょう」

 

「え?」

 

「俺の問題が解決するまで婚約はしません、けれどもし…俺の問題が解決しても気持ちが変わらなかったら、その時結婚しましょう」

 

女の子を待たせるのだから、結婚くらいしてやろうじゃないか。

とは言っても、彼女の気持ちが揺らがなかったらの話ではあるが。

 

「17年も男に言い寄られながらなびかなかった私が今更心変わりするとでも?」

 

「何年かかるか分かりませんよ?」

 

「構いません、私は貴方がその問題とやらを解決するまで永遠に待ち続けます」

 

「うへぇ…そりゃ凄い…」

 

「当たり前です。私狙った獲物は逃がさないタチなので」

 

そう彼女は自信満々に言い切る。

明るいな…この人は。

 

「それより、貴方が私に惹かれて告白するのが先かもしれませんし」

 

「あはは…それが無いとも言い切れないか」

 

「ええ、私こう見えて結構良い女性のつもりですから」

 

確かに…彼女は良い女の子だ…。

何より、人としても明るい。

 

「それで…その問題ってなんですの?」

 

「え?え…っとぉ」

 

親を自らの手で始末しなきゃならんとか口が裂けても言えねえ。

 

「…家族の…問題です」

 

嘘は言ってない。

カズキ、ウソ、ツカナイ、ゼッタイ。

 

「とにかく、明日は婚約者の役をやっていただきますからね!」

 

「それはもちろん…約束したので」

 

「そこで大々的に私が婚約者宣言すれば噂は瞬く間に広がり一輝さんは私と結婚する以外なくなります」

 

「ちょっと?」

 

何怖い事考えてんだこの人…。

こうして俺はほぼ婚約者となったのだった。

 

その頃尸魂界では…。

 

「あぁ!かずくんが遂に結婚だって一護君!」

 

「分かった、分かったから落ち着け織姫」

 

「これはあっちの問題が解決したらお祝いしないとっすねぇ」

 

「今の内に準備しとこっか、体調命令で」

 

「総隊長が何やってんだ…」

 

なんやかんや盛り上がっていた。

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