口の悪い呪術師(27)   作:道草屋

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よし!お待たせしました!


勉強は大事なんだやれる時にやれ

 

 

夏油が入れてくれた紅茶を飲みながら矢車はソファへと腰を下ろし星漿体の少女とメイドを触診していた

 

「ふむ…特に大事は無さそうだな」

 

「それは何よりですね」

 

ニコニコと笑いながら夏油が話しかける

 

「ところで夏油…その男はどうするんだ?」

 

矢車の目の先には呪霊に抱きしめられたQの男がいた

 

「た、助けてくれ!頼む!この件からは手を引く!呪詛師も辞める!Qもだ!」

 

「こいつはしばらくこうしててもらいますよ」

 

「そんな!な、なぁそこのあんた!助けてくれよ!もう呪詛師から足を洗って田舎で米をつくる!もう悪さはしない!助けてくれ!」

 

「なぁに言ってんだお前みたいなクズに作られる米の方が可哀想だ」

 

「くっ学生が調子乗るなよ?ここにはバイエルさんが来てるんだ!我がQの最高戦力だぞ!」

 

ピロリーンと携帯の通知音が響く

 

「あ〜そのバイエルってこの人?」

 

「あっ…ッスーその人ですね…」

 

呪詛師集団"Q" 最高戦力 バイエルのリタイアにて組織瓦解

 

 

 

 

「一応医者診せる?」

 

「硝子みたいに反転術式が使えたら良いんだけどね」

 

「いや無理だろ、あいつも何言ってるかさっぱりだしな」

 

 

 

 

『ひゅーっとやってひょいっだよ。ひゅーひょいっ わかんない?センスね〜』

 

 

 

 

「んっ…」

 

「おっ起きた」

 

星漿体の少女が目を覚ます。周りを確認し自分がお姫様抱っこをされてることに気づくと

 

「おらぁぁぁぁぁ!」

 

「ぐっ!」

 

「んっ!ゲスめ!妾を殺したくばまずは貴様から死んでみせよ!」

 

「フッ…理子ちゃん落ち着いて私たちは君を襲った連中とは違うよ」

 

「嘘じゃ!嘘つきの顔じゃ!前髪も変じゃ!」

 

 

チーンとエレベーターの音がなりメイドと矢車が出てくる

 

「い〜やぁぁぁぁ〜!」

 

「あっ」

 

「不敬ぞ〜〜!」

 

「お…おやめください!」

 

「黒井!ふぎゃっ!」

 

理子と呼ばれたその少女はべしょりと床に落ちる

 

「お嬢様、そのお方たちは味方です」

 

「黒井…何に乗っておるのじゃ?」

 

「これは…前髪の方の術式です」

 

「その言い方…やめて貰えます?」

 

夏油は天内と黒井に対して説明する

 

「呪霊操術、文字通り取り込んだ呪霊を操れるのさ」

 

「はぁ…にしても思ってたよりアグレッシブなんだな。同化するってんでセンチメンタルになってるからどう気を使うか考えてたんだがそれも無くなったな」

 

「フンっ!いかにも下賎な者の考えじゃ」

 

「ああっ?」

 

「いいか?天元様は妾で、妾は天元様なのだ!貴様のように同化と死を混同している輩がおるが同化により妾は天元様になるが天元様もまた妾となる!妾の意思!心!魂は同化後も生き続け…」

 

「あ〜はいはい、そういうのは後にしてくれ2人とも聞いてないから」

 

矢車が天内の言葉を遮る

 

「聞けぇ!」

 

「あの喋り方じゃ友達もいないじゃろ」

 

「快く送り出せるのじゃ」

 

「ぐっ…学校じゃ普通にしゃべってるもん!」

 

「あ…」

 

「そうだ…学校!黒井、今何時じゃ!」

 

「まだお昼前ですが…やはり学校は…」

 

「うるさい!行くったら行くのじゃ!」

 

 

 

 

 

 

「はぁ?!さっさと高専戻った方が安全でしょ!」

 

「あぁ、その意見には同意だが天元様の命令なんだよ…あの嬢ちゃんの言うことは聞けって言うな」

 

「チッ」

 

「まぁそう言ってやんなよ五条…口ではあんなこと言ってるが同化後、嬢ちゃんは天元様として高専最下層で結界の基となっちまう。ダチや家族とは会えなくなっちまうんだからよ」

 

「矢車さんの言う通りだ。好きにさせよう、それが私たちの任務だ」

 

「理子様にご家族はおりません。昔交通事故で…それ以来私がお世話してまいりました。ですからせめてご友人とは少しでも…」

 

「それならアンタが家族だろ」

 

「はぁ…チッ おい傑監視に出してる呪霊は?」

 

「ああ、冥さんみたいに視覚共有出来れば良いんだけどね」

 

「冥冥は術師としてはいいんだがなぁ、如何せんギャラがな…」

 

「まぁ冥さんみたいにはいきませんけど異常があればすぐに…」

 

夏油が口ごもる

 

「悟、矢車さん急いで理子ちゃんの所に」

 

「あぁ?」

 

「緊急事態発生…だな」

 

「はい、2体祓われました」

 

 

 

 

 

 

 

「天内は?」

 

「この時間は音楽なので音楽室か礼拝堂ですね」

 

「礼拝堂だぁ?そんなもんあるのか…俺の時には考えられねぇな」

 

「音楽教師の都合で変わるんです」

 

「よしここは効率的に行こう五条は俺と礼拝堂、黒井さんは音楽室へ行ってください。夏油、呪詛師を頼むぞ 平気だろうが油断はするな」

 

「わかりました」

 

「承知致しました」

 

 

 

『ついてくるでない!友達に見られたらどうするのじゃ!』

 

 

 

「悪いがあの約束は守れないな」

 

「くっそだから目に見えるよう護衛させろって言ったのに!」

 

 

 

 

 

夏油は正体不明の呪詛師を倒すため走っていた

 

(呪詛誌の正体はやはりQか?盤星教の差し金なら少し面倒なことになるな…)

 

廊下にて老人に出会う

 

「お〜その制服は…」

 

(高専の制服を見て多対一を想定、自分の前後を式神で挟んだ…慣れてるな)

 

ズプリと夏油の足元から呪霊が這い出てくる

 

(媒介なし?!呪力も術師のものと異なるまさか!)

 

「呪霊操術か!」

 

「ご名答、さすが長生きしてるだけはあるね」

 

「いいやそう長生きするもんじゃないぞ。生きると生きるだけ金がかかる」

 

「そうだね、あと忠告しておくよ。君は私には勝てない」

 

 

 

 

バン!と礼拝堂の扉が開かれる

 

「天内!…ん?」

 

「なっ…なななな」

 

「「「「「「ええええええええ〜?!」」」」」」

 

女子生徒たちの黄色い悲鳴が響く

 

「なに理子彼氏?!」

 

「い、従兄弟!」

 

「お兄さーん!グラサンとって〜!」

 

「フッ」

 

「イケメンじゃーん!」

 

「調子乗るなよ!」

 

「こら皆さん静粛に!はしたないですよ」

 

「先生だって気になるくせに〜」

 

「くせに〜」

 

「あなたも困りますよ授業中勝手に入ってこられちゃ」

 

「あーいや緊急なもんですんませんね」

 

女性教師は紙に何かを書き五条に渡す

 

「あとこれ、私のTEL番」

 

「「「おーい!条例違反!」」」

 

「うっせぇ!教職の出会いのなさを舐めんじゃないわよ!」

 

「それは私たちだって同じでしょ!」

 

 

バンとまた礼拝堂の扉が開く

 

 

 

「は〜い紙は没収ね、悪いけどうちの生徒には手を出さないでくださいね」

 

「あっ///かっこいい…」

 

「確かに…イケオジって感じ?」

 

「やだ…ちょっとタイプかも」

 

「悪いけど俺たちは天内に用があるんだ。機会があればまた訪問するかもな。五条!天内連れて外行くぞ」

 

 

外で天内と五条、そして矢車が走る

 

「馬鹿者!あれほどみんなの前には出るなと!」

 

「約束が守れなかったのは謝るがあいにく緊急事態なんでなっ!」

 

天内を抱え屋根の上へと跳ぶ

 

「それに学校のダチが巻き込まれんのはお前も望んでねぇだろ」

 

そんな3人を見ている男がいた

 

「おお、ありゃ3000万か。一緒にいるのは同業かボディーガードってこともあるか」

 

「おいしいよなぁ、術師でも無い中坊殺して3000万。今夜はウナギかな?人を殺して食う飯は美味いんだ」

 

 

「盤星教の人でしょうか?Qの人たちはもっと変な格好してますもんね」

 

「素人か?殺るなら黙って殺れよ」

 

その言葉と同時に黒井はモップをもって走り出す

 

「遅」

 

一撃目を防ぐがモップを腕に絡まされ金的を食らう大男

 

「ぐぁっ…!」

 

「お嬢様から何も奪うな!殺すぞ」

 

男の倒れた場所から呪霊が出てきて男を抑える

 

「なんだ、強いじゃないですか。理子ちゃんは?」

 

「五条様と矢車様と共に学校を出ました」

 

「なるほど、じゃあ私達も向かいましょう。少し面倒なことになっています」

 

「ハハハッ!やっぱさっきのが3000万か!」

 

そう言うと男の体が崩れ消える

 

「式神?」

 

「いや式神とはちょっと違う。悟?」

 

携帯を通じて五条に連絡する

 

「天内の首に3000万?」

 

「ああ、呪詛師御用達の闇サイトで期限付きあさっての午前11時までだそうだ」

 

「なるほどな、それでこの量か」

 

「2…3…4人…皆同じ背格好じゃ!式神か?」

 

「ったくよぉ呪術師は年中人手不足だっつーのに…転職するなら歓迎してやるぜ?」

 

「いやぁ職安も楽じゃねぇだろ?そのガキを寄越してくれるだけでいい」

 

男がまたひとり増える

 

「増えた!5人じゃ!」

 

「あんたらも変な趣味だな!どこがいいんだよこんなガキ」

 

五条が手をかざすと男ふたりが引き寄せられぶつかる

 

「「うがぁぁ!」」

 

「なんだ今のは?」

 

「式神が消えん!誰が本体じゃ!」

 

「こいつは式神じゃないな、全員本体だ。分身の術式ってとこか?」

 

「へぇ…いいもん持ってんじゃん」

 

「うらぁ!」

 

2人の男が五条を殴ろうとするが拳が止まる

 

「このっ!なんだこれ!」

 

「無限、アキレスと亀だよ」

 

「あぁ?!」

 

「勉強はしとけっつーことだよ!」

 

矢車が男に蹴りを入れる

 

「サンキュー矢車」

 

「五条、こいつらは多分本当の意味での本体じゃない。」

 

「離れたところの分身に本体を移せるのか」

 

「ほう、なぜ俺の術式がわかる?」

 

「経験だな」

 

「俺は目がいいもんでね。俺の術式はさ収束する無限級数みたいなもんで俺に近づくものはどんどん遅くなって結局俺までたどり着くことが無くなるのそれを強化すると無下限、負の自然数ってとこかな?マイナス1個のリンゴみたいな虚構が生まれるんだ。そうするとさっきみたいな吸い込む反応が作れる。でも意外と不便なんだよね。あまり大きな反応は自分の近くには作れないし指向性にまで使い出すと呪力操作がまー面倒で…」

 

「まぁ要するに五条はこの術式を使うと疲れちまうってことだ」

 

「チッ!」

 

男はその場から走り出し逃げようとする

 

「でもこれは全部順転の術式の話」

 

「おい嬢ちゃん、頭を守りな一応これでも被っとけ」

 

そう言って矢車は革ジャンを理子に被せる

 

「わっ!なんじゃ!」

 

「いいから頭下げろ」

 

そう言い切ると同時に目の前のビルの窓が粉々になり五条の手には袋を被った男がいた

 

「なっ?!」

 

「こっちは無限の発散、術式反転赫!」

 

目の前が赫く光るが何も起こらない

 

「あ?」

 

「失敗!」

 

五条は男のことを殴り飛ばす

 

「ぐぁぁぁぁ!」

 

「なーんかできそうだと思ったんだけどなぁ」

 

「お前なぁ…」

 

(なんなんじゃ…こいつ…ん?)

 

天内がスカートのポケットの中にある携帯をとる

 

「黒井からじゃ……た…大変じゃ!黒井が!黒井が!」

 

 

 

 

 

 

 




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