〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

100 / 146
前回のあらすじ。

勇者部の力として、抱えた障害を乗り越えようと特訓を繰り広げていた烈火。

その鍛錬の結果は上々で、失われた感覚は徐々に取り戻していた。

そんな中、ソラシド市に最悪の敵…最強のバーテックスが現れる。

退くことも出来ないこの状況、街の命運は彼らに託されるのであった。


第97話 防衛戦、VSシン・レオ・スタークラスター。

街に開いた巨大なゲート。

 

その全貌は見えないが、まるで砲台のような中心部が一同を睨むかのように佇む。

 

いつもならすぐに閉じるゲートがずっと消えないのも問題がある。

それは、周辺の空間を捻じ曲げてしまうからだ。

 

バキバキと、まるでガラスが崩れるように空間にヒビが入っていく。

そしてそこから、「シン・レオ・スタークラスター」が出てこようと活動を開始した。

 

もし、出てこればそれこそまさに世界の崩壊を意味する。

 

超弩級のバーテックス…これまでとは違って規格外の大きさを誇る個体。

 

それと同時に、怨嗟の星屑も雪崩れ込むように現れる。

 

まさに地獄絵図…せっかく動き出した星に再び危機が訪れる。

 

芽吹「この規格外の大きさだと討伐は不可能に近い…追い返すのが一番だけど…。」

 

 

烈火「四の五の言ってられねェだろ、こいつを追い返してゲートを閉じる!!。じゃねェとソラシド市が地獄に変わっちまうッ!。」

 

 

飛び出した烈火。それに反応するように、怨嗟の星屑は突進し始める。

 

アグニ「動き出したッ!。行くぞみんなッ!!。」

 

アグニに続いてプリキュア達が動き出す。

幸い、「シン・レオ・スタークラスター」は再攻撃を仕掛けて来ない。

 

シズク「あいつ、第二射までは時間がかかるみたいだッ!。」

 

 

夏凛「あんなのを連発されたらこの辺は焼け野原よッ!。でも、今しかないッ!。」

 

好機と見た一同はゲートに向かう。だが、怨嗟の星屑の圧倒的な物量が肉の壁となり、立ちはだかってくる。

スカイと友奈が突撃し、その壁に穴を開けるもこれまで以上の数に圧倒され、瞬く間に修復。

 

するとその瞬間、燃える星屑が特攻してくる。

 

ウイング「しま…うわぁああああッ!!。」

 

 

プリズム「ウイングッ!!。きゃっ…!?。」

 

直撃を受けて墜落するウイングに手を伸ばしたプリズムも撥ね飛ばされる。

 

バタフライ「プリズム!ウイング!。」

 

 

アグニ「クソ…なんて物量差だッ!。えげつねぇぞこれッ!。」

 

シン・レオ・スタークラスターの中心部が怪しく輝き出す。

 

 

烈火「おいおいおい…嘘だろ、もうチャージしきったのかよッ!?。」

 

 

マジェスティ「いえ…違うわッ!。」

 

無数の火弾が放たれ、まるで噴火のような勢いで一同に襲いかかる。

凄まじい熱量…着弾した場所から火災が発生する。

 

バタフライ「ッ…街を焼くんじゃないよッ!。」

 

巨大なバタフライシールドを形成するも、その数を受け切ることは出来ない。雀も全力で結界を張るがそれでも数が勝っていた。

隕石のような勢いで放たれた火弾の威力は高く、空に上がった一同を地面に叩き伏せる。

周辺が火の海となる中、怨嗟の星屑とシン・レオ・スタークラスターの連携攻撃によってボロボロとなった一同は地面に倒れ込んでいて。

 

千景「ぐっ…なんて規格外なの…ねェ…どうやってこれを追い返したのよ…?。」

 

 

友奈「ッ…何度も満開を使用して…それでやっと、撃破したくらいかな…あれはあの時よりもかなり強いよ…。」

 

 

園子「ッ…今の段階で「満開」を使う…?。」

 

 

夏凛「いえ…確実に取れるところじゃないと厳しいわ…肉の壁を突破するためだけに使っても、あいつを追い返せないんじゃ意味がない…参ったわね…。」

 

 

アグニ「なら、あの壁に穴を開けるのは俺がやるよ…!。」

 

立ち上がったアグニは拳を鳴らし、口の端から流れる血を吐き捨ててはゲートの外にいるシン・レオ・スタークラスターを見据える。

 

スカイ「そんな…無茶ですよッ!。」

 

 

アグニ「たったこれだけでこの被害だぞ!?。見ろッ!。」

 

防ぎきれなかった火弾の着弾箇所から発生した火災は凄まじく、まるで空爆を受けたように家屋を焼き払っていた。

あれでまだ全貌が明らかになっていない…そして今も、こちら側に出てこようとゲートを無理矢理こじ開けようともがいている。

 

烈火「よし…なら鷹夜、俺もそれに一枚噛むぞ?。」

 

 

アグニ「烈火、お前…。」

 

 

烈火「俺とお前のあの「合体技」なら一撃で穴を開けられるッ!。また集まる前に誰かが壁の内側にいきゃあダメージは与えられるはずだッ!。」

 

 

芽吹「少人数じゃ無理よ、あの質量を押し返すには相当人数が必要になる。」

 

 

烈火「なら、突撃できる奴らだけでいきゃあいい。いいか、多分一発しか打てねェからな…あの壁をぶち破るにはそれしかねェ。」

 

烈火と鷹夜の連携技「迦具土命(カグツチ)」。

 

絶大な威力を誇るそれなら、確実に怨嗟の星屑の肉の壁を突破することは可能だろう。

しかし、息が合わなければ発現しないあの力…ましてや、今の烈火はまだ完全にあの時の力を出し切れる保証がない。

 

失敗すれば友奈達の「満開」に頼る他ないのと、烈火は「切り札」…"酒呑童子"を使うしか無くなる。

 

それは流石にリスクが高すぎた。

「満開」は数分程度しか維持できない上に、壁の内側に突入した際の切り札として取っておかなければならない。そして、後者の「切り札」は烈火の身体の機能をまた一つ、奪っていく結果となる。

 

今回ばかりは、勇者の力に頼らざるを得ない…だが、烈火に関してはもうあの力を使わせるわけにはいかない。今度はどこを持っていかれるか…そんな事を想像すると、何としても「迦具土命(カグツチ)」による突破が望ましい。

 

次の攻撃が来る前に、何とかケリをつけなければならない…そう考えると、時間もない上に失敗の許されない作戦となる。

 

次、あの火球が撃たれたら今度こそソラシド市は焦土と化すだろう。

今回の敵はそれほどにまで、強大な敵なのだ。

 

スレイヤー「…周辺の空間を捻じ曲げてやがるから、時間との勝負だな。このままだと、あいつらの住処の世界と「繋がり」を持っちまう。クソ、あのデカブツを倒すにはまだ俺たちじゃ無理だってのか…!。」

 

 

夏凛「仕方ないわ。以前、私達が相手をした時よりも強大になってる。それに、バーテックスの特徴をそのまま引き継いでいるのなら…。」

 

 

友奈「これまで倒してきたシン・バーテックスが…「復活」する。」

 

 

ウイング「復活って…本当なんですかッ!?。」

 

 

園子「本当だよ〜?。時間はかかるけど、バーテックスは何度も復活する。それも、以前よりも力をつけてね〜。」

 

 

バタフライ「そんなの…終わりがないじゃないッ!。」

 

 

プリズム「ううん、方法はあると思うよ?。バーテックスは天の神様の兵隊なんだよね?。その大元である天の神を友奈ちゃん達が退けたから存在も消えた…なら、シン・バーテックスの大元を叩けばきっと彼らも消えるはずだよ。」

 

 

スカイ「何故、それを知っているんですか?。」

 

 

プリズム「「劇団」に居た時にアデルがそう言ってたの。彼らはシン・バーテックスを消滅させる方法を知っていた…友奈ちゃん達に倒させて、もしその答えに辿り着かなかったら自分たちがその大元を探そうとしていたくらいだし…彼らにとっても、脅威なんだと思う。」

 

 

アグニ「チッ…気に入らねェが、奇しくも「劇団」に答えをもらったようなもんか…まぁいい、有限だってならやりようはいくらでもある。さて…おしゃべりはここまでだ。烈火、行けるか?。」

 

 

烈火「ああ、いつでもッ!。なら、その大元を探す為にもまずは生き残らねェとな!?。」

 

2人は気合を入れ、覇気を放出する。

 

その時、壁の一部が開いてそこから怪しい閃光が放たれる。それは後方にまで伸びて、その瞬間…。

 

スカイ「…え…?。」

 

爆音と共に凄まじい衝撃波が一同を襲う。

恐る恐るその閃光の軌跡を辿ってみると、空にも及ぶくらいの巨大な火柱が立ち昇っていた。

 

その光景を見れば、誰もが戦意を失うだろう。

 

「あんなの、勝てるわけがない」…と、そう思って。

 

しかし、退路は最早無いに等しい。退けば崩壊、進めば地獄…ならば、少しでも可能性のある方を選択する方がいい。

圧倒的な力の前に、恐れることなく一同は前へと進む選択を選ぶ。

 

打ち合わせ通り、まずは烈火とアグニが先行する。

 

目的は、怨嗟の星屑達が形成する「肉の壁」の突破。

息を合わせ、2人の闘気を収束させる。

 

しかし、接近を察知したシン・レオ・スタークラスターは他の空間から怨嗟の星屑を呼び寄せ、特攻を仕掛けてくる。

 

烈火「くッ…今ここで叩き落されたら…ッ!。」

 

 

夕海子「ここはお任せくださいましッ!!。」

 

防人の2人…夕海子とシズクが2人の進路を確保しようと、迫りくる怨嗟の星屑を迎撃する。

 

シズク「お前らが落ちたらこの作戦は終わりなんだろッ!?。」

 

 

夕海子「露払いは任せて先に進みなさいなッ!。」

 

 

アグニ「…恩に切る…!。」

 

突き進みながら、闘気は徐々に同調していく。

すぐ横に、スカイとプリズムが並走する。

 

スカイ「私たちの役目は、壁の内側に友奈さん達を送り届けることです!!。」

 

 

プリズム「友奈ちゃん達の「満開」があれば、きっと出来るはず…!!。」

 

打撃と光弾が2人の間を通り抜けては、進路上に穴が開いた。

続いて、マジェスティも進路上に現れては道を塞ごうとする敵を薙ぎ払う。

 

スレイヤー「うおおおおおおッ!!。」

 

手を翳したスレイヤーは、「ドラゴンバスター」を呼び出し、空間を切り裂くほどの斬撃を放って道を切り開いた。

 

スレイヤー「今だ、行けェェェェッッッ!!。」

 

 

烈火&アグニ「「おおおおおおおッッッ!!!。」」

 

肉の壁の前にたどり着いた2人の闘気は完全に同調していた。

メイスと拳を翳し、地面を踏み込む。

 

先に攻撃を繰り出したのは烈火。

メイスを全力で振るい、衝撃波を放つ。それに続いて、アグニが拳を突き付けて最大火力の炎をその衝撃波に乗せた。

 

烈火&アグニ「「迦具土命(カグツチ)ッッッ!!。」」

 

赤黒い雷と煌めく豪炎。その二つが重なり合った「神殺し」の力。

 

それは肉の壁を瞬く間に破壊していく。

しかし、その物量は想像を遥かに凌駕していた…そう、再生が速すぎて攻撃の勢いが押され気味になっていたのだ。

 

だが……。

 

烈火「ぶち抜けェエエエエッッ!!。」

 

 

アグニ「うおおおおおおおッッ!!。」

 

2人の咆哮が戦場に轟く。そして遂に…肉の壁は崩壊する。

 

スカイ「はああ〜…やりましたぁああッッ!。」

 

 

千景「喜ぶのはまだ早いわッ!!。結城さん、三好さん、乃木さんッッ!!。」

 

 

友奈「うんッッ!!。」

 

 

「「「満開ッッ!!。」」」

 

3人は「満開」を発動。

崩れ行く壁の内部へと突入する。

 

アグニ「行ける奴らで突入しろぉおおおおッッ!。」

 

体力を使い果たしたアグニと烈火はその場に倒れ込み、喉が枯れるほどの大声を出すアグニ。

その号令に、スカイとプリズム、そして満開を使用した勇者達と芽吹が突入した。

 

雀「あ…また怨嗟の星屑達が出てきたよッ!?。」

 

ゲートが開き、そこから怨嗟の星屑がまた現れる。

そして、不完全ながらも倒したはずのシン・バーテックス「シン・サジタリウス」も現れたのだ。

 

バタフライ「復活は本当だったんだね…ッ!。」

 

 

ウイング「ッ…少人数ですが、作戦は成功しましたッ!。後は僕たちがコイツらを…!。」

 

 

千景「ええ…鏖殺してあげるわ…ッ!。」

 

 

アグニ「…後は頼んだぞ…友奈達…ッッ!。」

 

 

烈火「さてッ!。もうひと頑張りしますか…ッ!。」

 

壁の中に突入したメンバーに思いを託す烈火とアグニ。

ゆっくりと立ち上がり、増援として現れた怨嗟の星屑達とシン・サジタリウスを見据える。

 

肉の壁が再び形成され、分断されてしまう。

しかし、役目は理解している…シン・レオ・スタークラスターを押し返すだけ…。

 

そして、「ソラシド市防衛戦」は第二戦目へと移る…。

 

……………………end。

 

 

 




烈火とアグニの合体技「迦具土命(カグツチ)」が炸裂し、怨嗟の星屑で形成された「肉の壁」を突破したプリキュアと勇者達。

だが、直後に現れた増援により再び肉の壁は形成される。
一同は分断されてしまうが、各々の思いを託して信じることに。

最強最悪のシン・バーテックス「シン・レオ・スタークラスター」と対峙するスカイとプリズム、勇者達と芽吹。

「ソラシド市防衛戦」は佳境に入る…。

次回
第98話 撃退戦、VSシン・レオ・スタークラスター。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。