〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

101 / 146
前回のあらすじ。

烈火とアグニの連携攻撃により、「肉の壁」を突破した友奈達。

ようやく、敵の懐に入り込めたがそれはまさしく死闘を意味する。

第二射発射までの時間が無い…。

「ソラシド市防衛戦」の行方は彼女達に託された。


第98話 撃退戦、VSシン・レオ・スタークラスター。

再び形成された怨嗟の星屑達による「肉の壁」。分断された一同はお互いに外部と内部の状況がわからない。

 

ソラシド市に形成されたバーテックスの世界の"ゲート"が侵食し始め、空間を捻じ曲げていた。その影響で懸念されるのは当然、彼らとの世界の「繋がり」。もし、そのパイプが繋がってしまうとそこを媒介にして彼らの侵攻がこの世界で開始されることになるだろう。ましてや、全貌が明らかとなっていない超弩級シン・バーテックス「シン・レオ・スタークラスター」が鎮座している。

 

あの圧倒的な火力はまさに世界を破壊する能力と言っても過言ではない。たった2撃でソラシド市の2割が焦土と化す事態へと発展しているのだ。幸い、星が動き出してからの出戻りがまだ活発化していないのと攻撃が直撃した場所が誰もいない工業地帯だったからだ。

 

そのほかに、家屋の火災も深刻となっている。退けば崩壊、進めば地獄と言った事態に変わりはない。だが少しばかりか、勝機を掴み取る為の布石は打てた。

 

今回の目的は「討伐戦」ではなく、「防衛戦」。

そしてその最終目標は「撃退」へと追い込むことだった。

 

決死の作戦で成し遂げられたのは肉の壁の崩落…しかし、無尽蔵に湧いて出てくる怨嗟の星屑によって再び形成されてしまった。

後は、内部へと突入したスカイとプリズム、勇者の3人と芽吹に託すのみ。

そして外の状況はというと、復活を遂げた「シン・サジタリウス」を中心に怨嗟の星屑達が増援として現れていた。

 

全ては「シン・レオ・スタークラスターの撃退」による沈静化。

後の敵はきっと、奴の撤退によって自然と消えていくはずだ。

 

とにかく、この超弩級シン・バーテックスがこちら側に来ないように努めること。それが、この防衛戦の鍵となる。

 

〜内部side〜

 

友奈(満開)「突入出来たのは私達だけみたいだね。」

 

勇者3人は「満開」を使用。制限時間内に決着をつける必要がある。

スカイ、プリズム、芽吹は3人の勇者の援護に努めることに。

 

スカイ「…外のことは他の皆さんに任せましょう。」

 

 

プリズム「ッ…何…この感覚は…。」

 

眼前に見えるシン・レオ・スタークラスターから放たれる「怨嗟の圧」に、プリズムは冷や汗を掻く。それは、他のメンバーも同じだった。

 

夏凛(満開)「…おかしいな…もしかして、ビビってるのかな…私。」

 

 

園子(満開)「仕方ないと思うよ〜?。だって、シン・バーテックスは西暦時代に散っていった人達の無念がエネルギー源だって言うし…神様直属のバーテックスじゃないからこれまでとは違う概念で出来てるしね〜?。」

 

 

友奈(満開)「…来るよ…ッ!?。」

 

怪しい輝きと共に、無数の火弾が放たれる。当然、背面には肉の壁があるので外への影響はないと思われる。だが、街を焼くほどの火力を持っているのだ、直撃を受けるわけにはいかない。

 

無数の火弾を迎撃すべく、芽吹とプリズムが仕掛ける。

 

芽吹「あんた達はこの作戦の切り札よッ!。あいつを押し返すには勇者の力が必要なのよッ!。」

 

 

プリズム「余計なものは私達が対応するからッ!。」

 

プリズムショットと芽吹の狙撃が合わさり、火弾の幾つかが弾け飛ぶ。

そしてそこにスカイがやってきて、拳を突きつけると巨大な衝撃波を放った。

 

スカイ「時間との勝負ですッ!。頼みましたよッ!?。」

 

 

友奈(満開)「うんッ!。はああああッッ!。」

 

友奈を先頭に、夏凛と園子も駆け出す。

 

友奈(満開)(本当ならここに風先輩に東郷さん…そして、樹ちゃんがいるはずだった…でも…ッ!。)

 

シン・レオ・スタークラスターが全面に結界を形成する。

 

友奈(満開)「私達がいる限り、3人が帰ってこられる場所は守られるんだッ!!。」

 

巨大化したアームが結界にぶつかると花びらが舞い散る。

 

友奈(満開)「だから守り抜く…私達が築いたこの「絆」をッッ!!。」

 

3人に迫り来る攻撃を弾くのはスカイとプリズム、そして芽吹。

背中を任せ、勇者達はがむしゃらに立ち向かう。

 

数奇な運命と困難から、決して出会う事の無かった者同士の絆。

 

これぞまさに「天空の絆」とも呼べる力強い絆の証。

 

夏凛(満開)「苦しい事もあったけど、この街は大切な戦友達の街なんだッ!。だったら、コイツらと戦うのは勇者の役目ッ!。守るわ、大事な仲間達の世界をッッ!。」

 

友奈に合わせ、夏凛も巨大な刀を振り翳して突撃。それでもまだ、結界は破れない。

 

園子(満開)「私がこっちに飛ばされた時、受け入れてくれたことは何よりも嬉しかったッッ!。一人ぼっちじゃないって安心できたッ!。ソーちゃんやましろん達の住むこの場所…そして、人達を「お役目」として守らせてもらうよ〜ッ!?。」

 

遠隔操作した無数の槍がさらに結界に食い込む。

その時、結界にヒビが入った。

 

友奈&夏凛&園子「「「いっけぇえええええッッ!!!。」」」

 

魂の叫びと共に繰り出される3人の攻撃は、結界をどんどん傷付けていく。そして…ガラスの砕けるような音と共に結界が崩れていき。

 

スカイ「やりましたかッ!?。」

 

 

芽吹「待ってッ!?様子がおかしい…まさか…ッ!。」

 

結界が砕けたと同時に「第二射」の発射態勢に入ったシン・レオ・スタークラスター。

その光さえ熱を帯び、高温が一同を襲う。

 

プリズム「うぅ…ッ…なんて熱量なのッ!?。」

 

 

夏凛(満開)「させるかぁあああッッ!!。」

 

熱を気にすることなく、突撃する夏凛。しかし、突きつけられた刀身はその熱で溶け落ちてしまう。

 

夏凛(満開)「なっ…!?。」

 

 

園子(満開)「くっ…みんな、ここから離れてッ!この熱で焼け死んじゃうッ!!。」

 

何もできずに、溜め込まれたエネルギーを見届けるしか無かった一同。

その時、再形成された肉の壁がゆっくりと開く。

 

それは、外にいるメンバーにも見えていた。

 

〜外部side〜

 

アグニ「おいッ!肉の壁が開いたぞッ!。ヤベェ…ッ!。」

 

 

烈火「くっ…やらせるかぁあああッッ!。」

 

飛び上がった烈火は、閃光の射線上に飛び込んだ。

あまりの眩しさに目を細める烈火は、メイスを握り締める腕に力を込めて赤黒い電撃を纏わせる。

 

千景「無茶よ全くッ!。」

 

烈火の隣に立つ千景も、鎌に力を込めた。

 

烈火「姉ちゃんッッ!。」

 

 

千景「弟1人にあれを任せられると思うッ!?。私のこれも<完全勇者外装>よッ!。」

 

バタフライ「雀ぇええッ!!第二射が来るッ!。今までにないくらい大きな結界を頼むわッ!。」

 

 

雀「そんな無茶振りなんてぇええッ!。」

 

そう言いながらも、結界を張る雀はその生存への執着から巨大な15枚の結界を全面に展開。バタフライはそれを覆うようにさらに巨大な蝶形のシールドを張る。

 

射線上に立ち、真正面から受け止めようと言うのだ。無論、突破されたその先にあるものは…「死」そのもの。

だから、絶対に砕かれては行けない。

 

だが、それを妨害するようにシン・サジタリウスが真後ろを取ってしまった。

 

雀「あわわわッ!?。」

 

シズク「オラァアアアアッ!。」

 

 

ウイング「はああああッッ!。」

 

シズクの斬撃とウイングの蹴りにより、吹き飛ばされたシン・サジタリウス。だが、後方に移動したため無数の針を飛ばしてくる。

 

スレイヤー「そんな捌きにくいものを出してくるんじゃねェよッ!。」

 

スレイヤーはファームアップをし、「キュアスレイヤーフォース」となる。

 

スレイヤーF「次元烈断ッッ!!。」

 

横薙ぎに放った手刀は空間を切り裂き、擬似ゲートを形成。

シン・サジタリウスが放った無数の針はその中に消えていく。

 

だが…審判の時は来た。

 

シン・レオ・スタークラスターの火球のチャージが終わってしまったのだ。そして、放たれる第二射…今度のは第一射よりも巨大で。

 

迫り来る火球は周囲の温度を上げていく。文字通り"太陽"。

 

避けても受けても死ぬ確率は限り無く高い、だがやることは決まっている。

 

アグニ「やらせるかぁあああああッッ!!。」

 

気合いを入れるアグニ。背中に光輪が発現されては、衣装が全体的に黄金色に輝いた。

 

烈火「命を…燃やせぇえええええッッ!!。」

 

地面を踏み込み、全身の筋肉を滾らせてフルスイングする烈火。そして、千景もそれに続いて巨大な斬撃を放つ。

 

それは、内部にいるメンバーに見えていた。

 

プリズム「アグニッッ!!。」

 

 

アグニ「プロミネンス…ブラスタァアアアアッッ!!。」

 

両手を突き出し、極大の火焔砲を放つアグニ。

火焔砲と衝撃波、斬撃が折り重なって火球と激しくぶつかる。

ソラシド市全体に響き渡る衝撃波。それはまるで嵐のような凄まじい風を巻き起こす。

 

だが、火球の威力が強すぎて押され始める。全身が砕けそうな負荷に襲われるアグニと烈火、そして千景。だが、後方には街がある。当然、負けるわけにはいかない…そう強く思う3人は踏ん張りを見せる。

 

烈火「ぐおおおッ!?この…出鱈目なもん飛ばしてきやがってッ!!。」

 

 

千景「全く…ねッ…だけど…押し負ければこの街は滅んでしまう…ッ!。」

 

 

アグニ「くううううッ!?踏ん張れェエエエエッ!!。」

 

気合いを入れると同時に勢いを増す3人の攻撃。それは、火球を押し始めた。

内部にいる勇者達も、シン・レオ・スタークラスターに攻撃を仕掛けた。

 

園子(満開)「今なら…ッ!。」

 

 

友奈(満開)「うんッッ!!あいつに攻撃が当たれば火球の勢いも弱まるはずッッ!。」

 

 

夏凛(満開)「なら、やるしかないわねッッ!!。」

 

3人はそれぞれの力を放出させては、一点に収束させる。

一気に飛び出すと、それは小さいながらも力強い三色の花の形となる。

 

妨害しようと、飛び出してくる怨嗟の星屑達はプリズムとスカイ、そして芽吹が撃破してくれている。そしてそれは外でも同じで、シン・サジタリウスは残りのメンバーが抑えてくれていた。

 

全員、ワンチームで臨むこの戦い…絆の力が炸裂する。

 

友奈&夏凛&園子「「「桜花繚乱ッッ!!。」」」

 

先に炸裂したのは勇者達の三位一体の攻撃。それは、シン・レオ・スタークラスターのコアに直撃。その威力は凄まじく、態勢を崩すことに成功。その瞬間、外の3人が抑えていた火球が押し戻され始める。

 

芽吹「全員、離脱ッ!!。あれをぶつければ奴を元の空間に戻せるはずッッ!。」

 

芽吹の号令に、内部のメンバーは頷いて脱出。そしてそれと同時に押し戻された火球が肉の壁の内部に到達。その熱量で肉の壁は激しく燃える。

 

アグニ「とっとと…元の場所に帰りやがれェエエエエッッ!!。」

 

踏み込んでいた地面が大きく陥没するほどの力を放ち、最大出力により押し戻される火球は勢いを増した。

 

そして遂に、それはシン・レオ・スタークラスターに直撃。爆炎と轟音が響いたと同時にその巨体は吹き飛ばされていく。

ゲートが閉じ始め、そこから炎を放ちながら徐々に収縮。

 

シン・サジタリウスと対峙していたメンバーに目を向けると、マジェスティが最後の一撃を与えては「討伐」に成功。

 

怪物達はその場から消え去り、戦闘は終了を迎えた。

力を使い果たし、全員はその場に仰向けに倒れ込んだ。

 

立ち込めていた黒雲は晴れ間を見せ、太陽の光が降り注ぐ。

全員、満身創痍だ…しかし、手にした勝利に満足感を噛み締めていた。

 

アグニ「…はは…もう身体が動かねェや…。」

 

 

烈火「まぁ…こんなもんだろ…あんなヤベェのを弾き飛ばせたんだ…倒れねェ方がおかしい…。」

 

満開状態が解けた園子は、手を空に翳す。

 

園子「あはは…やったよ……ソーちゃん達の街を守れた…。」

 

 

スカイ「…ありがとう…でも今は…全員、お疲れ様ですね?。」

 

疲れの影響で無理に笑みを浮かべては、力の無い笑い声が響く。しかしそれは…絆の力で手にした勝利。

 

討伐には至らなかったが、今までに無いくらいにまで強大な敵を撃退出来た。

 

「ソラシド市防衛戦」…勝者、勇者達とプリキュア。

 

…………………………end。

 

 

 

 

 

 

 




超弩級シン・バーテックス「シン・レオ・スタークラスター」を撃退した一同。

街に被害は出たものの、全力を尽くしたその結果は勝利に相応しいものだった。

疲れを癒す一同に、束の間の休息が訪れる。
そしてその頃、シン・バーテックスの世界に取り残された東郷と蒼葉は突如開いたゲートにより別の世界へと脱出していた。
そしてその場所とは…風が向かった「スカイランド」だった。

次回
第99話 天空の世界。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。