〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

「世界を救う究極の力」。

その力の在処を探しに、スカイランドに来ていたナイアル。
目的のために街を破壊するナイアルに風とスラッシュは対峙するもその圧倒的な力の前に成す術も無く、追い込まれてしまう。

しかし、ナイアルの行動理念を否定した2人は決死の攻防の末、彼を退却させることに成功。だが、ナイアルは不穏な言葉を残してその場を去って行った。

その一方、シン・レオ・スタークラスターとの激闘を終えた一同は療養を終えて次の世界へと旅立つ準備を整えていた。



第101話 スカイランドへ…次なる戦いの舞台。

~ソラシド市~

 

世界の存亡を賭けた「ソラシド市防衛戦」から数日後。

シン・レオ・スタークラスターがもたらした甚大な被害は街の一画を焦土へと変えた。

 

幸いなことに星の停止から避難していたお陰もあってか、犠牲者はゼロに留まりその被害は工業地帯の消失のみとなっている。

だが、これがもしいつも通りのソラシド市だったらと考えると…恐ろしくて溜まらない。

 

でも今は、全力を尽くして手にした勝利の余韻に浸っても罰は当たらないだろう。

そして何より、次の目的もはっきりしている。

 

樹を探しにスカイランドへと向かった風を追いかけて自分たちもスカイランドへと赴く。今はシン・レオ・スタークラスターが無理矢理こじ開けたゲートのせいで次元が不安定となっており、世界間転移に伴うリスクが払拭されていない。

フレア曰く、それも数日で元に戻る見込みだという事でとりあえず療養に徹することにした。

 

そして、鷹夜は自分の家のベランダにて街の風景を見ていた。

 

鷹夜「…ふぅ…。」

 

徐々に活気を取り戻していくソラシド市の光景を見て、安心感を得る。

ようやく、進みだした時…絶望的な状況から光明が見えてきた。

ましろを取り戻し、そして世界の時を取り戻した。

 

残るは、迫りくる敵を倒していくだけ…課題はまだたくさんある。だが、今は仲間と共に前へと進んでいくだけだ。

 

そんな思いを抱いていると、ソラがそこにやってきて。

 

ソラ「どうしたんですか、鷹夜さん?。」

 

小首を傾げて尋ねてくる。

 

鷹夜「ん?いや…人がたくさん戻ってきたなって。」

 

今思えば、ソラ達との付き合いも長くなってきた。

最初はただのクラスメートで、特に接する機会もなかった。

こんな身なりの自分だ、当然寄ってこないのも分かるし寄らない様にもしていた。このまま進級して、またクラスが同じになったとしても卒業まで関わることなんてなかったかもしれない。ましてや、今置かれているこの状況はまるでアニメの世界。

 

自分は何もない平凡な一般人のように、非日常とは無縁だだと思っていた。

だがあの日、ランボーグに襲われた時から全てが変わって始まりを迎えた。

 

日常から非日常へと変わったあの瞬間…キュアアグニへの変身能力を得たあの日から全ての歯車が動き出した。そして今、それは世界の為に戦っている。

 

辛いこともあったし、逃げたくなる時も正直あった。自分が死ぬかもしれない状況から、絶望しかけたこともあった。だが、それは何よりも自分の中にあった信念がすんでで踏ん張ってくれた。

だからこそ、今がある。そして、この最高の仲間たちと共に困難に立ち向かえることが何よりも嬉しかった。

 

だから、この「非日常」を守りたいと、そう思う。

 

ソラ「鷹夜さん、時々そうやって物思いに耽る事が良くありますよね?。」

 

 

鷹夜「そうか?何も考えてねェ時がそうなんだけどな…。」

 

 

ソラ「それもそれでどうかと…でも良かったです。ソラシド市に時間が戻って。」

 

 

鷹夜「そうだな。全てはここから始まったんだ。今の事も、ましろの事も。」

 

握り拳を作って、自分の手を見る鷹夜。

この手で殴ってきたものは多いだろう、それもこれもすべてはここから始まったこと。

だが、それも全ては自分が信じる"仁義"の為。

自分の部屋に飾っている男の写真に目を向ける鷹夜。

 

ソラ「…それが、鷹夜さんの起源なんですね。」

 

 

鷹夜「ああ、俺はヒーローになりたいわけじゃねェ。仁義の為に戦い、この拳を振るう。その結果、世界を守ることに繋がるのならそれでいいし、ハナから全てを救おうなんて思っちゃいねェよ。俺はそこまで出来ちゃいねェからな。」

 

 

ソラ「それでも、私たちは助けられてますよ?。」

 

 

鷹夜「はは、なら良かった。」

 

爽やかな笑みを浮かべ、鷹夜はソラに視線を向ける。

そんな鷹夜を見て、ソラは少し心が動かされたような気がした。

 

ソラ(あれ…なんでしょうか…この感覚…。)

 

胸に手を当てるソラ。鼓動が早くなる。

 

鷹夜「なんだ、どうかしたか?。」

 

 

ソラ「ひゃいッ!?な…なんでもありませんよ!?あははは!?。」

 

 

鷹夜「なんだ、変な奴だな全く…。」

 

そう言って、部屋の中に戻っていく鷹夜。

ソラは深呼吸し、乱れた呼吸を整えた。

 

ソラ(ダメですね…これからが重要だというのに…気を引き締めなきゃ…!。)

 

………………………。

 

友奈(if)「…すごく、胸騒ぎがする…。」

 

風に煽られ、靡く髪を抑えながらもう一人の友奈は空を見上げる。

その傍らにはましろが居て、彼女が感じた異変に首を傾げる。

 

ましろ「どうしたの、もう一人の友奈ちゃん?。」

 

 

友奈(if)「…空の上に何かとてつもない大きな力を感じる…。」

 

 

ましろ(空の上?もしかして…スカイランド?。)

 

 

リオン「そこに居たか、お前たち。」

 

 

ましろ「リオンさん。」

 

 

リオン「次元の状態が安定化してきたようだ。いつでも、転移は可能となる。」

 

 

ましろ「!!。なら、風さんを追いにスカイランドに行けるという事ですか!?。」

 

 

リオン「そうだな。しかし、それでいいのか?彼女はお前たちを拒絶した。当然、心変わりはしていないと思うが…。」

 

 

「それでも、追うよ。だって…みんなが居てからこそ勇者部だもん。」

 

ちょうど、やってきた園子はその会話を聞いていたのか真剣な眼差しでそう告げる。

 

ましろ「そのちゃん…。」

 

 

園子「今はバラバラでも、必ずまた一緒になれるから…ましろんを見て思ったの。諦めなければきっと、叶う。だから、私たちも諦めない。」

 

 

ましろ「うん…みんなが諦めずに私を呼び続けてくれたから戻って来れた。私はみんなに迷惑を掛けちゃったからこれから少しずつでもその恩を返していきたい。だからそのちゃん、風さんを説得するの、私も手伝うよ。」

 

 

園子「…ありがとう、ましろん?。」

 

 

リオン「決まったようだな。なら、用意が出来次第スカイランドへと向かう。私はシャララとそのあたりを話して来よう。」

 

踵を返して去っていくリオン。もう一人の友奈は相変わらず空を見上げたままだ。

 

友奈(if)「…気を付けて、スカイランドで大きな異変が起こるかもしれない。私の感じたものが杞憂だといいんだけど…。」

 

 

園子「う~ん…もう一人のゆーゆに限ってそれはなさそうだね。でも、いっつんの件もある…多分、衝突すると思う。」

 

 

友奈(if)「わかった。」

 

それから数時間後、リオンの言った通り全ての用意を終えて一同は虹ヶ丘邸の庭に集まってきていた。

 

鷹夜「ここに残る?。」

 

突然、残ると言い出した雀に鷹夜は思わず驚いた。

 

雀「うん。きっと、私が行っても足手まといになりそうだし…それに…。」

 

雀は目の前に広がるソラシド市の光景を見る。

 

雀「みんなで守ったこの場所とタカたちが帰ってくるこの場所を守りたいんだ。」

 

 

鷹夜「お前…。」

 

 

夕海子「安心しなさいな、私たちもここに残りますわ。」

 

 

しずく「ここは任せてくれるといい。」

 

 

夏凛「分かったわ、楠…あんたはどうする?防人の隊長であるあんたが抜けるのは…。」

 

 

芽吹「私はあなた達についていくわ。「劇団」と戦うのなら、当然あいつもいるはず…負けたままでは終われない。」

 

 

夏凛「あはは、相変わらずの負けず嫌いね。でも、あんたが来てくれるのなら心強いわ。よろしく。」

 

 

芽吹「ええ。防人の各位に通達、ソラシド市の防衛に徹せよ。ここは…戦友の街だ。」

 

 

「「「了解!!!。」」」

 

 

烈火「おお…すげえな…。」

 

 

友奈「烈火君、身体は大丈夫?。」

 

 

烈火「ああ、荒療治のおかげで感覚もなんとなく取り戻せたし…これは俺達の問題でもある。いかねェ訳にはいかないだろ?。」

 

 

友奈「うん!!。」

 

 

あげは「また、ソラシド市とはしばらくお別れか…。」

 

 

ツバサ「また帰って来れますよ。今度は…すべてを終わらせたらです。」

 

 

あげは「そうだね。次、ここに戻ってくるときは平和になった時。ましろんも帰ってきたことだし…あとは風達を探して説得するだけ。」

 

 

シャララ「リオン元隊長、今回は同行する様で?。」

 

 

リオン「ああ、トーヤの事も気になるのでな。久しぶりに我が故郷に戻るのもたまには悪くない。」

 

 

ソラ「シャララ隊長も一緒に…。」

 

 

シャララ「いや、私はここに残ろう。防人の子たちと共に、お前たちが帰ってくるこの地を守らせてもらう。」

 

 

ましろ「シャララ隊長…。」

 

 

シャララ「スカイランドで何が起こるか分からんが…お前たちならきっとうまくいく。信じているぞ。」

 

 

ソラ「はいッ!!。」

 

 

フレア「では。全員輪になれ。」

 

フレアは力を解放させ、巨竜の姿となる。

 

次元王フレア「開け、次元の門よッ!!。」

 

 

洸「いつにも増してデカいゲートだな…フレア、力が戻ってきてるんじゃないか?。」

 

 

次元王フレア「フン…どうだかな。」

 

開いたゲートから風が吹き荒れる。

その先に映るのはスカイランド…今度の旅の舞台だ。

 

千景「行きましょう、犬吠埼さん達を探しに。」

 

 

雀「タカッ!!。」

 

 

鷹夜「ん?…!!!。」

 

振り向いた鷹夜に雀はそのままの勢いで頬にキスをする。

突然の出来事に全員が驚いた。

当の本人は…顔を赤くして今にも死にそうな顔をしている。

 

雀「い…いいいいいってらっしゃいッッ!!。」

 

 

鷹夜「お…おおう…。」

 

 

烈火「おいおい、青春してるねェ?。」

 

 

鷹夜「う…うるせェッ!!。その…行ってくる…!。」

 

そう言って、ゲートが閉じて一同は消えた。

 

しずく「いつからそんなに大胆になったの?。」

 

 

雀「うぅ~…私だってわかんない…でも…しばらく会えないと思うからその…。」

 

 

夕海子「感極まったのでしょう?。その代わり、ここを死ぬ気で守りなさいな?引き受けたからには中途半端は出来ませんわ。」

 

 

雀「わ…わかってるよぉぉお~…。」

 

 

雀(タカ…必ず生きて帰ってきてね…。)

 

………………………。

 

アデル「…次の「舞台」はスカイランド…ですか…。」

 

巨大な鏡に映るのはスカイランド。そして、浮上した謎の古代遺跡の映像だった。

 

蓮「ナイアルの先輩が行った所だろ?。旦那、俺はいつでも出れるんだけど…。」

 

 

アリス「その時が来るまで動かない方がいいわ。今のナイアルは機嫌が悪いはずだから。」

 

 

蓮「…へェ…。」

 

 

アデル「しかし、これは面白くなってきましたよ。」

 

謎の古代遺跡に目を向けるアデルは不敵な笑みを浮かべる。

 

アリス「アデル、その遺跡については何か知っているの?。」

 

 

アデル「…"世界を救う究極の力"が内包されている遺跡…詳細は分かりませんが、キュアマジェスティが現れたと同時に呼応するかのように浮上してきました。恐らくですが、その遺跡には彼女に関しての秘密があるのかもしれません。」

 

エルの映像に切り替え、フォーカスを当てる。

 

アデル「ククク…鍵はそう…彼女かもしれませんねェ…。」

 

悪魔のような笑みを浮かべては、エルを見るアデル。

 

 

"謎の古代遺跡"と"世界を救う究極の力"…そして、"エル"。

 

 

この3つの関連性は?そして…「劇団」がそれを欲しがる目的は…?。

 

 

………………………end。

 




"謎の古代遺跡"・"世界を救う究極の力"・"エル"。

東郷が読み上げた文献にあったエルに似た少女の挿絵の謎。

行動を起こす「劇団」…「無の力」に付け込まれた樹…。

その全てが集約されているスカイランド。

次なる旅の舞台はそこへ移る。

そしてそれらを巡る悲しい戦いが一同を待ち受けていた…。

次回
<第3部 マジェスティ編>
第102話 動乱のスカイランド。

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