〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

再び、戦うことを決意したもう1人の友奈。

その手に籠るのは以前の意思。そして、握る拳に秘める思いはかつての思い。

可能性世界で伝説と呼ばれた勇者は再び、地に足を付ける。

この空の国…スカイランドを守るために。


第115話 百花繚乱。

<擬似勇者外装>肆番ーサクラー。

 

千景が作った最後の擬似勇者外装はもう1人の友奈の手にあった。

そして、それを起動させて纏った彼女。かつて、世界のために限界を超えて戦った時の瞳の炎は…消えていなかった。

 

感じたことのないほどにまで凄まじい気迫は、普段の彼女からは想像が付かないほどにまで怖くて…でも、どこか優しさを感じる。

 

DM-ANGELもそれに気付いたのだろう、空に待機している無数のDMを呼び起こさずに彼女を見つめる。

 

DM-ANGEL「その姿…気配…なるほど、一度「神」の域にまで達した人間か…運命の子の代用にもなるかもしれない。」

 

 

友奈(if)「私が誰かだなんて今はいい…私は"勇者"結城友奈。ただの…"人"だよ。」

 

凄まじい踏み込み。そして繰り出される神速の打突。それを受けたDM-ANGELは対応出来ずに吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。

 

スレイヤー「す…すげぇ…あの野郎が1発で…!?。」

 

 

友奈(if)「まだだよ。この程度じゃ…倒せないから。」

 

崩れた城壁から現れるDM-ANGEL。受けた箇所に大穴を開けていたがすぐに修復した。

 

DM-ANGEL「…どうやら、我々の倒し方を知っているようだな。」

 

 

友奈(if)「うん…だって、あの時は嫌になる程貴方達の相手をして来たからね…世界を救うために、倒し方だって身体に叩き込んだ。今も覚えてる…みんなと一緒に駆け出したあの頃を。でも今は…貴方達の手から世界を守るために戦うよ。」

 

 

DM-ANGEL「例え、それに迫る力があるとしても無力には変わりないぞ?。私という個体を倒したところで侵攻は止まらない。諦めよ、安らかな消滅を受け入れる方が苦しまずに済む。」

 

 

友奈(if)「生きたいんだ。消滅なんて望んでない…ここにいる人たちだけじゃなくて、明日は必ず来る。その明日が楽しみだからみんなは生きることを選ぶんだ。時には辛いことだって待ち受けてる…けど、それを経験できるのが“人“なんだよ。だから私は…明日を守るためにもう一度戦う…!!。」

 

まるで消えたかのような速度で接近。DM-ANGELも対応するが、もう1人の友奈の方が速かった。

 

強烈なアッパーカットで打ち上げる。その打撃力が物語っているのかDM-ANGELの首の方向が明らかにおかしな位置にあった。

 

友奈(if)「エルちゃんと"世界を救う究極の力"は貴方達への切り札になる!!。それに手出しはさせない…エルちゃんだってきっと、その役割を理解してるはず…!。」

 

追撃で左手から衝撃波を放つが、DM-ANGELは羽ばたいて相殺。両腕にエネルギー状の刃を形成してもう1人の友奈に斬りかかる。

 

DM-ANGEL「だからこそ、それを消しに来たのだ。」

 

 

友奈(if)「させない…またあんな惨劇はもう…させない…ッ!。」

 

縦横無尽に振られ続けるエネルギー状の刃はもう1人の友奈の身体を徐々に削っていく。しかし、彼女は動じることなく皮を切らせながら避け続け、そしてその振り終わりを見極めた。

 

DM-ANGEL「…なに…?。」

 

 

友奈(if)「勇者…パンチ…ッッ!!。」

 

エネルギーを込めた右ストレートが直撃。DM-ANGELは思わず仰け反った。その隙を逃さずに、左足で蹴り飛ばす。

 

DM-ANGEL「…無駄だ、どれだけ攻撃を与えても修復する。そう…"無"に限りは無い。」

 

 

友奈(if)「それでも、"心"は無い。貴方達にあるのは消滅させようとする"本能"だけ。」

 

ギュッと、自分の胸に手を当てるもう1人の友奈。徐々に息苦しくなってくる。

 

友奈(if)(やっぱり、戦える時間に限りがある……もって後3分くらいかな……フフ、やっぱり私には…無理が祟った代償がまだあるんだね…。)

 

それでも、凛とした構えを解かない。自分の後ろには受け入れてくれた仲間達。自分を助けるために命を賭けてくれた仲間達。

 

そして…彼女は何があっても「結城友奈」だ。その思いと願いは常に他者の為。だからこそ、限界を超えて極限まで戦える。そこに後悔はない、彼女はそういう人間だ。

 

友奈(if)「…時代は終わらないよ。例えそれがどれだけの時間が掛かっても、世界から生きたい意志が無くならない限り、貴方達に踏み潰される事はない。絶対に…!!。」

 

右拳に、莫大なエネルギーが溜まり始める。手甲のゲージが一気に跳ね上がった。

 

DM-ANGEL「定めからは逃れられない。貴様達人類は、淘汰される。そういう運命だ。」

 

 

友奈(if)「未来を決めるのは運命じゃないよ。いつだって人の意思…神様にも貴方達にも踏み潰されることのない…ちっぽけな私達(人間)の…意思だ…ッ!!。」

 

床を踏み込み、一気に飛び出す。そのエネルギーは煌々と輝き、そして見える者には…もう1人のソラが並走している光景が目に浮かぶ。

 

友奈(if)「全力全開ッ!勇者…パァアアアンチッッ!!。」

 

DM-ANGELの懐に拳を当て、一気にエネルギーを放出。

それは再生すら追いつかない程の威力でその身体を消滅させていく。

 

DM-ANGEL「……我らに痛みはない。死への恐怖も…一時の余韻に浸るがいい…空に控えた我らの同志が直に解き放たれる…そう…滅びは既に始まっているのだ。」

 

それだけを言い残すと、DM-ANGELは消滅。戦場となった玉座の間はボロボロとなっていた。

 

園子「やった……の…?。」

 

 

友奈(if)「一応……ね…?。」

 

限界が来たのか、もう1人の友奈は外装が解けてそのまま床に倒れ込んだ。

 

ウイング「友奈さんッ!!。」

 

 

友奈(if)「大丈夫…少し疲れただけ…アハハ、ごめん…みんなのようには長いこと戦えない身体になっちゃってるね…?。」

 

 

スレイヤー「…おい、何か変な音がしねェか…?。」

 

スレイヤーがそう言うと、空が振動する。徐々にヒビが生じ、控えていた無数のDMが出てこようとひしめき合う。

 

そして遂にガラスが割れたようにどんどん空が割れていき、中からDMの群が落ちてくる。

 

国王「なっ…!?。」

 

 

友奈(if)「……大丈夫。花は咲き乱れたから…来るよ、みんなが。」

 

 

園子「え…それって……。」

 

城のテラスに出る園子はその正体を見逃さなかった。そしてその顔に思わず笑みが浮かび上がる。

 

園子「…みんなッ!♪。」

 

…………………………………。

 

烈火「うおおおおりゃあああああッッ!!。」

 

建物を飛び回りながら、烈火は眼前に落ちてきたゴリラ型のDMをメイスで殴り飛ばした。その後ろに友奈が迫ってきた鷹型のDMを叩き落とす。

 

千景「烈火、貴方怪我がまだ治ってないのだから無茶はしないで…!。」

 

 

烈火「はっ!問題ねェ、俺は動けるッッ!。」

 

 

友奈「大丈夫です、千景さん!私がサポートしますから!。」

 

 

プリズム「マジェスティ、行けるッッ!?。」

 

 

マジェスティ「ええ、大丈夫ッ!。私の故郷だもの、コイツらの好きにはさせないッ!!。」

 

東側…そこには、炎が巻き起こる。

園子はそれが誰なのかすぐに分かった。

 

園子「…タカ坊ッ!♪。」

 

〜東側〜

 

アグニ「このぉおお…吹っ飛びやがれェエエエエッッ!!。」

 

豪炎が数十体のDMを焼き払う。地面に着地し、落ちてくる敵を見据えるもそこにはスカイが拳を突き付けて一体を撃破。

 

スカイ「何とか間に合いました!!。夏凛さんッ!!。」

 

 

バタフライ「あんたの速さで微塵切りにしちゃってよッ!!。」

 

 

夏凛「私は料理人じゃない…ってのッッ!!。」

 

空を駆けながら、双剣を振るう夏凛は蛇型のDMを小間切れに。そして、その隣にいた芽吹が銃剣を二挺構え、的確に撃ち抜いていく。

 

それでも物量差は埋まらない、何体かは街に降り立って逃げ惑う人々に襲い掛かる。しかし、カマキリ型のDMはその頭部を撃ち抜かれた。

 

園子「あれは……わっしーとアオだぁあああッッ!!。」

 

ようやく再開出来た親友の勇姿に、園子は思わず声を上げる。その隣にスレイヤーがやってきて、戦意を奮い立たせた。

 

スレイヤー「おい、動けるか2人ともッ!あいつらばっかりに見せ場を取られるわけにゃいかねぇだろッ!?。」

 

 

園子「あらら…珍しく熱くなってるね、洸?。」

 

 

スレイヤー「そりゃあな、何故かな…あれだけの敵を前に普通は絶望するけどやれる気しかしねぇ!!。この戦い、俺達の勝ち確だろッ!!。」

 

 

ウイング「行きましょうッッ!。友奈さん、そこで安静にしててくださいッ!。」

 

 

友奈(if)「うん、王様は私が守るから任せて?。」

 

3人の出撃を見届けたもう1人の友奈。そして、城の外で繰り広げれるその戦いを見て希望を見出した。

 

友奈(if)(花はもう咲いてるんだよ…そしてそれは大きな花を咲かせて世界に咲き誇る…希望という名の花が。)

 

…………………………。

 

東側と西側に分かれて戦っていたメンバーが中心部に合流。

その眼前には、超大型のDM「DM-GOLEM」が迫ってくる。

 

アグニ「再会を喜びてェところだけど…あれは流石に放置出来ねェな。」

 

 

プリズム「うん…そうだね……。」

 

 

東郷「私達が居ない間、みんな凄く強くなってる…これは遅れは取れないわね。」

 

 

友奈「あれ…烈火君は…!?。」

 

視線の先、既に仕掛けてる烈火が目に入る。ゴリ押しのパワーで後退させていく。

 

夏凛「あのバカッ!無闇に突っ込みすぎなのよッ!!。」

 

 

蒼葉「あのアホは俺がサポートする。あの巨躯だ、住民の避難が完全に完了するまでは近づけさせるな。」

 

 

バタフライ「了解、ならあたしのバリアで後ろは守るよ!!。」

 

 

スカイ「烈火さんに続きますッ!!。」

 

一気に駆け出す一同。既に仕掛けていた烈火はDM-GOLEMの猛攻をその強固な防御力で受けきっていた。

 

烈火「効かねェな…避けるのが面倒なくらいだぜ…ッ!!。」

 

そうは言うが、頭からは血を流していた。そこへ蒼葉が銃撃で引き剥がす。

 

蒼葉「久しぶりに会ったと思えばその無鉄砲さに更に拍車が掛かってるな。おかげでお守りに入る羽目になったぞ!。」

 

 

烈火「おお、蒼葉ッ!生きてたかッ!!。」

 

 

蒼葉「フン、死んでたまるか。烈火、気にせず前へと進め。背中は俺に任せろ。」

 

 

烈火「おうさッ!!なら…一気にぶちのめしてやるぜェエエエエッッ!!。」

 

 

東郷「友奈ちゃん、烈火君に続いてッ!!。半身は鷹夜君達が担ってくれるッ!!。」

 

 

友奈「分かった、東郷さんッ!!頼りにしてるッ!!。」

 

 

園子「なら、私たちは背面を担当するよわっしー!。」

 

 

東郷「ええ、お願い…そのっち!。」

 

散開する一同。それぞれがDM-GOLEMの各部位に攻撃を仕掛ける。

 

マジェスティ「…彼らと戦うことが私の使命の一つッ!全ての世界を守ってみせるッ!!。」

 

 

スカイ「続きます、マジェスティッ!!。」

 

スカイとマジェスティは挟み込むように攻撃。その外殻の一部を破壊する。破壊された部分に弱点を見出した一同は一斉に攻撃。崩れるように倒れ込む。

 

芽吹「勝機!!。一気に畳み掛けるッ!!。」

 

芽吹の号令に、全員が力を合わせる。多少の被弾を気にせずにひたすらに攻撃。意地を見せる。

 

そして………。

 

烈火「雷霆ッッ!!。」

 

全力全開の雷霆が炸裂。

 

弩級のDM、DM-GOLEMを撃破。周囲のDMは青の護衛隊が対応していたおかげで町の被害そのものが最小限に留められた。

 

全てのDMがやがて、自壊していたと同時に空の異変は解消。この未曾有の事態は現れた希望達によって阻止された。

 

友奈「東郷さんッ!!。」

 

友奈は思わず、東郷に抱き付く。バランスを崩しそうになるも、何とか留まった。

 

東郷「ごめんなさい、友奈ちゃん。しばらく留守にしてしまって…!。」

 

 

友奈「ううん…でもね…風先輩と樹ちゃんが…!。」

 

 

園子「ゆーゆ。それは後で私から説明するよ。」

 

 

東郷「…ええ、詳しく聞かせてちょうだい?。大まかなことは聞いてはいるけど…咲良君、貴方も。いい?。」

 

 

蒼葉「ああ、分かった。」

 

マジェスティは空を見上げる。そして…。

 

マジェスティ(私は…守らなければならない。全ての世界を…この身に受けたこの力で…みんなを、守るんだ…!!。)

 

未だ幼子。

それでもその芯の強さはまさに…"プリキュア"そのものだった。

 

 

…………………………end。




もう1人の友奈の覚醒、そして全員集結。

王都に襲いかかった未曾有の事態は無事に終息し、勝利を収めた。

その中で、風と樹に起きたことを説明する友奈。

樹は今、世界を震撼させている"無の力"に手を染めてしまっていた事実を知る東郷と蒼葉。

責任を感じたその時、樹が2人の前に現れる……。

次回
第116話 愛している貴方へ。
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