〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

「劇団」No.VI<殺陣>の東上蓮を撃破した芽吹。
その疲労ゆえか、後の事は一同に任せることにした。

そして、古代遺跡の内部へと突入した一同。

そこには…"世界を救う究極の力"「マジェスティクルニクルン」が安置されていた……。


第119話 世界を救う力、マジェスティクルニクルン。

 

〜古代遺跡内部〜

 

芽吹が蓮と激闘を繰り広げている間、遺跡内部に突入した一同。

様々なギミックが行く手を阻んでいたが難なく突破。

 

エルがいるおかげなのか、それとも導かれているのか……。

 

驚くほどにまで順調なこの探索はなにをもたらすのか……そして、一同は最深部に辿り着いた。

 

スカイ「ここが……最深部…。」

 

最奥は祭壇のようになっていて、その中心には石化した本が安置されていた。

 

マジェスティ「…わかる…あれが…"マジェスティクルニクルン"。」

 

マジェスティクルニクルン。

この世界に訪れてから一連の事件に関係する"世界を救う究極の力".。

 

それが今、一同の目の前に現れる。

そして、マジェスティは導かれるようにその本に手を添えると眩い光が辺りを照らして。

 

東郷「うっ…本が…光った…!!?。」

 

石化が解かれたと同時に、紫色の本が出現。表紙には金色の王冠に紫を中心にした5色のクリスタルが描かれていた。

 

それこそまさに、プリキュア達を体現したかのような配色。

 

プリズム「…私もわかる…マジェスティクルニクルンはマジェスティを鍵として、そして…私達、5人の力を一つにする力……マジェスティクルニクルンはずっと、マジェスティを待っていたんだよ。」

 

マジェスティクルニクルンを手に取るマジェスティ。

開こうとするが………。

 

マジェスティ「え……本が…開かない…ッ…!?。」

 

 

アグニ「何だって…!?。」

 

駆け寄る一同。

見た感じは何の変哲もないただの本…しかし…。

 

スカイ「ぐっうぅ…硬い…ッ!?。」

 

 

ウイング「何故…開かないのでしょうか…?。」

 

 

バタフライ「…もしかして…私達の気持ちを一つにしろ…とか?。」

 

 

アグニ「んな、ベタな……。」

 

 

ーいいえ、その通りですー

 

 

遺跡内部に響く優しい女性の声。

辺りを見渡すが、そこには誰もいない。

 

 

ー私に実体はありません。あなた方の頭の中に直接、語りかけていますー

 

 

夏凛「ちょっと待って…私達の頭の中にも声がッ!?。」

 

 

ーようこそ、勇者の方々…別世界の神の勇者…お会い出来て光栄ですー

 

 

東郷「あ……。」

 

 

東郷(何故…私はこの声を…"知っている"?。)

 

 

アグニ「気持ちを一つにしろって…スカイ達の気持ちが一つにならねェと、その本は開かねェのか…?。」

 

 

ーその通りです。マジェスティクルニクルンは、プリキュア達に更なる力を与えるもの…しかし、その力は強大です。心が一つにならなければ、開かない仕組みとなっております。見せてください、あなた方が手にするに値するかどうかをー

 

 

そう言った途端、祭壇の奥が崩れていく。

そこに居たのは……光り輝く虹色の鳥だった。

 

 

ー試練の時です。この試練を、仲間の絆で乗り切りなさい。そうすればきっと、心が一つになる…マジェスティクルニクルンを開くために、その力を…示しなさいー

 

 

咆哮を上げる虹色の鳥。

後ろの重い石の扉が勢いよく閉まった。

 

蒼葉「…ダンジョンの主…と言うわけか。フン、ファンタジーだな。」

 

 

東郷「言ってる場合じゃないわ、ここを乗り切ってエルちゃん達にあの本を開かせる…この後、待ち受ける大きな戦いのために。」

 

 

スカイ「…行きますッ!!。」

 

地面を蹴って、勢い良く飛び出したスカイ。

それに続き、一同も飛び出す。

 

プリズム「絆の力…私達の気持ちを一つに…ッ!!。」

 

 

ウイング「はああああッ!!。」

 

ウイングとプリズムが牽制、虹色の鳥は避けてはその羽ばたきで強風を巻き起こす。

 

バタフライ「防御は私が…ッ!。」

 

両手を前に突き出し、その風を防ぐ。そして、前衛に出るのはスカイとマジェスティ。挟み込むように拳を構えながら突っ込んでいく。

 

スカイ「はああああッッ!!。」

 

 

マジェスティ「たあああああッッ!!。」

 

両翼にぶつかる2人の拳。しかし、力技だけでは攻略出来ない。

虹色の鳥は翼を広げて2人を吹き飛ばし、そして……。

 

アグニ「やべぇ、何かでかいのが来る…ッッ!!。」

 

大技を繰り出してくる…。

 

アグニがそう言った通り、舞い散った羽根が軌道を描きながら飛んでくる。

 

まるで銃弾。無数に放たれたそれは一同を瞬く間に追い詰めて。

 

立ち込める砂煙。その中に、全員は倒れていた。

 

 

スカイ「うぅ……。」

 

虹色の鳥はまるで見下ろすように,優雅に羽ばたく。

 

マジェスティ「…絆の…力って…一体…?。」

 

プリキュア達の前に、アグニと勇者達が並び立つ。

 

バタフライ「みんな…!?。」

 

 

アグニ「そのマジェスティなんとかはお前らにしか開くことが出来ねぇ、なら俺らはお前らが絆の力とやらを一つにするために足止めする…任せろ、お前らの心が一つになった時にそれが開くなら時間をくれてやる!!。」

 

 

夏凛「それも絆の一つよ、だからあんた達はあんた達5人の絆を確かめればいい!!。」

 

 

蒼葉「理屈になってはいないが…悪くない、仲間の為に体を張るのも。」

 

 

東郷「さぁ…行くわよッ!!。」

 

4人はスカイ達の為に前に出る。

世界を救うための力…それだけじゃない、ようやく揃ったこの5人の真価の時が試されている。

 

"人“としての力を試している…そしてそれこそが…"無"と闇を討ち祓う為の力。

 

強大な試練に立ち向かう仲間達、それこそまさに築いた世界を超えた絆。

 

苦楽を共にした、大切な仲間達。

その仲間達が今、自分たちのために戦っている。

 

そして、プリズムは胸の内に秘めた思いを告げる。

 

プリズム「…私、「劇団」に操られる間、世界とみんなに酷いことをした。」

 

 

ウイング「プリズム…それは…。」

 

 

プリズム「ううん、言わせて?。絆を試されているのなら、多分…私が足を引っ張ってると思う。」

 

 

バタフライ「そんな事ないよ、ましろんッ!。」

 

 

プリズム「違うの、事実だよ。今でも、怖い時がある。あの人格は消えちゃったけど、私は一度闇に堕ちた身…だから、染まりやすくなってるの。そして、闇に近い私がみんなの絆の力を一つに出来なくしてる。心は一緒でも、そこだけは難しい問題なんだと思う。」

 

 

マジェスティ「ましろ……。」

 

 

プリズム「でもね、みんなが助けてくれた。ソラちゃんにツバサ君、あげはちゃんにエルちゃん。そして…友奈ちゃん達に…鷹夜君。みんなが私を助けてくれた…必死に伸ばした手を見つけてくれた。」

 

ゆっくりと立ち上がるプリズムは、力強い目をしていた。

 

<破滅の姫君>として、世界を混乱に陥れた。そもそも、全ての世界を取り巻く大きな事件の発端は闇に堕ちた自分だった。

 

様々な思惑が交差し、それが今、"無“と呼ばれる真の敵がすぐそこにまで迫ってきている。今はまだ少数でも、それはもう目と鼻の先にいる。

 

今まで、してきたことを考えるとその身一つで償いきれない大きな罪を背負ってしまった彼女。でも、それでもましろは自分の罪と向き合う。

 

そうでもしなければ、自分を助けてくれたみんなに顔向け出来ない。

 

プリズムは誰よりも、そして力強く立ち上がる。

 

プリズム(そう……私は人一倍に強くならなきゃいけない。もう、闇に堕ちないように…そして……この光でみんなを守ってみせる…大切なみんなを…ッ!!。)

 

その時、プリズムの身体が淡い光に包まれる。

それは、彼女の優しさそのもの…そして、優しいだけじゃなく強さも備わっていて。

 

東郷「私達は世界を超えた仲間…勇者だからとかプリキュアだからとかじゃないッ!!。」

 

飛んでくる羽根の連射を二挺銃の乱射によって相殺。

捌ききれなかったものは蒼葉が的確に撃ち抜く。

 

蒼葉「…絆…か。そうだな…俺も、自分の使命とかじゃなくて今はただ、仲間の為に戦いたい。」

 

 

東郷「…フフ、やっとそう言ってくれわね?。」

 

 

夏凛「そうッ!!。世界を背負う前に私たちは一緒に肩を並べて進む"友達"よッ!!。それじゃ、ダメッ!?。絆ってそんな単純なものでいいと思うッ!。」

 

双剣術で攻めていき、その傍からアグニが炎を纏った蹴りを入れた。

 

アグニ「それでいいんじゃねぇかッ!?十分だ、俺達は深いところなんてわかっちゃいねぇ、まだまだガキだッッ!だからガキらしく、"友達"が一番分かりやすいッッ!!。俺達の絆は…一緒に並んで歩いていく仲間達の事だッ!!。」

 

 

プリズム「…受け取ったよ?みんなの…"絆"を。」

 

その時、幻覚だがプリズムの背中に大きな天使の翼が生えたように見えた。

 

そしてそれは、スカイ達を奮い立たせる原動力にもなった。

 

スカイ「…そうです…私達の絆は…ッ!!。」

 

光り輝くスカイ。

 

ウイング「一緒に泣いたり悲しんだり…そして、喜び合う…ッ!!。」

 

光り輝くウイング。

 

バタフライ「そして時には喧嘩して…仲直り出来る…ッ!!。」

 

光り輝くバタフライ。

 

マジェスティ「そんな単純なものッ!!。"人"として当たり前の…そして…助け合うッッ!!。」

 

光り輝くマジェスティ。

そして遂に…マジェスティクルニクルンがその表紙を開いた。

 

「「「「「それが…答えッッ!!。」」」」」

 

遺跡全体を照らすその虹色の光。

マジェスティクルニクルンもまた、虹色に発光する。

 

東郷「本が開いた…ッッ!?。」

 

 

夏凛「…やったわね、遂に…ッ!!。」

 

 

蒼葉「さぁ、示してこいッ!!。」

 

 

アグニ「行けよ、ヒーローガール達ッッ!!。」

 

コクリと頷くスカイ。そして……。

 

「「「「「マジェスティクルニクルンッッ!!。」」」」」

 

5人がそう叫ぶと、マジェスティクルニクルンがゆっくりと開く。

そして、開いたページと共に王冠の付いたタッチペンが顕現。それを手にするのはマジェスティ。そこにハートの形を描く。

 

そのページには、それぞれのアイコンを示す印が刻まれており、5人は各々のアイコンにタッチする。

 

「「「「「ひろがる世界にテイクオフッッ!!。」」」」」

 

5人は飛び上がり円形に囲まれたダイアの形を描き、最後にマジェスティが形を描く際に5人が円になって開いたクルニクルンのページに手を重ね、羽の付いたダイヤの形の紋章を形成させる。

 

そして,5人は左手を天にかざす。

 

「「「「「プリキュアッ!マジェスティック・ハレーション!!。」」」」」

 

描かれた紋章を虹色の鳥に向かって放ち、直撃。

その威力は凄まじく、遺跡どころかその浮島全体を振動させるほど。

 

ー…掴みましたね…絆の力をー

 

女性の声がそう告げた途端、虹色の鳥は消滅。

 

マジェスティはゆっくりと本を閉じる。

 

あれほどの強大なエネルギーにも関わらず、遺跡は崩落していない。

 

魔を討ち祓う浄化の力だ、破壊の力でないそれは周囲を壊すには至らない。

 

まさに“世界を救う究極の力"だった。

 

戦闘を終えた後、5人は力を使い果たしたのか、片膝をつく。

 

 

ーよく示してくれました。あなたたちのその絆なら、きっと全ての世界を「夜明け」に導いてくれますー

 

 

スカイ「…夜明け…。」

 

 

ーそうです。今、全ての世界は暗闇に閉ざされようとしています。それは、アンダーグ帝国も然り…彼らもまた、本格的に動き出す事でしょうー

 

 

プリズム「…アンダーグ帝国まで…。」

 

 

ーですが、恐れる必要はありません。あなたたちのその絆の力があれば、どんな困難も打ち破れる事でしょう。そう、折れない限りー

 

 

マジェスティ「…わかってる…私たちは決して…折れない。だから、見ていて?私達全員で必ず世界を…夜明けに導いてみせる。」

 

マジェスティのその声を聞き、安堵の声を漏らす女性の声。そして、東郷にしか聞こえない声で一つだけ、告げた。

 

ー勇者・東郷美森さん。これは貴女個人だけに……過去を抉る程の困難が待ち受けています。でも、決して折れないでください。貴女は1人じゃないー

 

 

東郷「え……待ってください…それは…ッ!?。」

 

その声はそれだけしか告げない。

 

過去を抉る程の困難…それも、自分に関わる事。

それは一体、なんなのか……そう考えていた矢先、遺跡全体が激しく揺れる。

 

アグニ「な…なんだ…ッ!?。」

 

 

ー急いでください…遂にきました…“無"の軍勢がー

 

映像に映し出されるのは、赤い空に包まれたスカイランド王都。

 

そして映り込んでいたのは……これまで見たことのない数の「怨嗟の星屑」の大群だった。

 

………………………end。




絆の力を示し、遂にマジェスティクルニクルンを開かせる事に成功したプリキュア達は、世界を救う浄化の力「プリキュア・マジェスティック・ハレーション」を会得した。

その直後、待ち受けていたかのように"無“の軍勢…シン・バーテックス達がスカイランド王都に押し掛ける。

王都に残った勇者達が対峙するも、それを率いて居たのは……人型のシン・バーテックスだった……。

次回
第120話 王者の風格。
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