〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

次元の壁を破ってソラシド市に現れた謎の少女・シュプリーム。

彼女はその闘争心のままに、銀の姿をしたシン・バーテックスの"王"に戦いを挑む。

果たして彼女の正体は…そして、その"目的"とは……?。


第140話 "破壊"と"無"、「最強」VS「最凶」

 

銀「あたしと勝負したいって…?。」

 

シュプリームの"挑戦"を聞き、銀は睨みを効かせる。

当の本人は無表情。街の被害など何も気にしていない。

そして、その場に倒れていた4人はこの状況が飲み込めない。まるで、強大な"敵"が2人、そこにいる様な感覚を覚える。

 

夕海子「一体、何なんですの…それにあの方…あの姿はまるでプリキュアのようです。」

 

 

シズク「でも分かるぜ、少なくともあいつは"味方"なんかじゃねェ。ありゃ、"戦闘狂"の空気だ。」

 

 

雀「だったら終わりじゃん…どっちが勝ってもこっちに来るってことでしょッ!?。」

 

3人の話し声を聞いたシュプリームが目を向ける。

 

シュプリーム「安心しなよ、ボクは君達に手を出したりはしない。これはボクの楽しみなんだ。邪魔さえしなければ…だけど。」

 

 

雀「ホ…ホントにッ!?じゃあ、アイツをぶっ倒してッ!!。」

 

 

シュプリーム「手は出さないとは言ったけど、助けるとは言っていない。あの化け物達がくるなら自分たちでなんとかしてよ。」

 

地面を蹴ってシュプリームは先手を仕掛ける。そのあまりの速さに、銀は防御態勢に入った。

そして、速さを乗せた拳が斧にぶつかるとまるで金属同士がぶつかり合ったかのような重い音が辺りに響き渡る。

 

シュプリーム「…そんな「殻」を被ってないで本当の姿になれば?。それこそが君の本当の姿なんだろう?。」

 

 

銀「何もかもお見通しってわけか…気に入らないね…ッ!。」

 

ジリジリと、競り合うように睨み合う2人。

辺りに緊張感が漂う。

 

銀「全宇宙で一番強い存在だと言ったな?果たして、それは何なんだい!?。我々"無"よりも勝る種族がいるとでも言うのか?。」

 

 

シュプリーム「種族?。何言ってるか分からないね…ボクは"シュプリーム"だ。あらゆる世界で最も強い存在だと確かめるために戦い続けている。要するに君達は…ボクよりも強いのかと確かめに来たのさ。」

 

競り合いを解除。2人は互いに激突しては激しくぶつかり合う。

その戦闘はまるで異次元…常軌を逸した凄まじい戦闘となる。

視認出来ないほどの高速戦闘。周辺の家屋は崩れていく。

 

シャララ「ッ…まるで嵐同士がぶつかり合ってるかのようだ…ッ…滅茶苦茶だ…あの2人の戦闘を長引かせるわけにはいかない…。」

 

 

夕海子「しかし、どうしますのッ!?あのシュプリームという方は邪魔さえしなければこちらに手出しはしないと言いました。今、私達だけであの2人を相手取るのは無謀に等しく感じますわ…!。」

 

 

雀「ッ…周りに被害が及ばないよう、私がもう一回だけ頑張るよ…いてて…。」

 

弱々しく立ち上がりながら、砕けた盾が再構築される。

 

シズク「何言ってんだお前ッ!ズタボロのくせに無理だろッ!。」

 

 

雀「…どのみち、護れるのは私しかいないでしょ…戦わないならやりようはあるよ…バリアをずっと張ってれば良いだけ……生き残る方法なら、私が一番詳しいから…みんなは下がってて。特大のバリアを張るからさ…!。」

 

深呼吸をし、自身の頬をバシッと叩いて深呼吸。シュプリームに目を向ける。

 

雀「ねェッ!邪魔しないからさ、もう少し向こうでやってくれないッ!?。ここにバリア張るからその外でやってよねッ!!。」

 

 

シュプリーム「ボクに言ってるのかい?。よく分からないけどなんでも良い。わかった、要するにここを壊すなって言いたいんでしょ?でも、そうは問屋が卸さないと思うけど…。」

 

再び、空が割れる。そこからは多数の怨嗟の星屑に加え、DMまでやってくる。

 

シュプリーム「文字通り、何もかも"無"にするつもりかい?。つまらないことを…そんなことをされたらボクは答えを探せないじゃないか。」

 

 

銀「答え?何を…お前はただ力を誇示するために世界を渡り歩くだけの可哀想な種さ。壮大な目的も何もない……確信したよ、お前はいるだけで争いを呼ぶ権化だ。"無"は全てを一掃するまで止まらない…そしてそれは、無限大だ。お前がどれだけの力を持っていようが"無限"には勝てない。そう…我々は"宇宙そのもの"と言っても過言ではない存在だ。だから……。」

 

 

シュプリーム「小難しい話はいいよ。お前達を倒すことが出来ればボクの方が上だってことだろ?簡単なことさ、ベラベラと話していないでかかって来なよ?。ボクはそのためにわざわざここに来たのだから。」

 

挑発するように、シュプリームは不敵な笑みを浮かべる。

それに乗るかのように、銀は静かに斧を構えて。

 

銀「いいだろう、その挑発に乗ることにする。垣間見るといい、我々の力を…ッ!。」

 

先程とは比べ物にならない速度で接近。シュプリームは表情が少し歪む。

 

銀「どのような種でも、我々に淘汰されるのは必須事項だ。それはお前とて例外ではないッッ!!。」

 

 

シュプリーム「口調が変わったな…それが"本質"かい…?。」

 

両腕をクロスさせ、放たれた衝撃波を防ぐシュプリーム。地面を滑りながら次の一手を見逃さない。

 

すかさず背後に現れた銀は、斧でシュプリームを切り裂く。だがそれは、陽炎のように揺らめいた。

 

銀「…消えた…?。」

 

 

「こっちだよ。」

 

振り向きざまに、レーザーが飛んできて左腕を貫く。そして、それが次々と放たれては銀の身体を貫いていった。

 

シュプリーム「………手応え無し…か。」

 

立ち込める砂煙。その中には、身体の各所を貫かれながらも驚異的速度で自己回復する銀の姿があった。

 

銀「これでわかっただろう?。お前でも無理だって事……。」

 

その瞬間、頬に硬い拳が突き刺さる。

 

シュプリーム「無理かどうかはお前が決めることじゃない、ボクが決める事だ。」

 

 

銀「諦めの悪い……。」

 

打ち抜かれた場所から煙が噴き、損傷箇所が再生していく。

 

シュプリーム「少し聞きたいんだけどさ、なんで君達は世界を滅ぼすの?。」

 

 

銀「宇宙は静寂を求めてるんだ、それは光と闇が愚かな抗争をずっと続けた事により宇宙の均衡が乱れ始めているからだよ。光と闇は「ガン」だ。あたし達はそれを駆除するワクチン…あたしらの行動は宇宙の意思だよ。」

 

 

シュプリーム「…それでわざわざ君達が粛清するために動き出したって事かい?。気に入らないね…醜いもの、美しいもの、くだらないもの、楽しいもの、許せないもの、嬉しいものがあるからこそ宇宙はありとあらゆる面白いものがあるんじゃないの?。それを壊して何も無しにするなんて、それこそつまらないものだ。そう、君達はつまらない。ボクの事を可哀想な種だというが、ボクからすれば君たちこそがその可哀想な種…なんだけどな。」

 

 

銀「なんとでも言えばいいよ、滅びゆくさだめを持つ者があたしらの理解などできないししてもらう必要もない。なぜなら…。」

 

フッと消えた銀。すると、シュプリームの眼前に斧を構えて飛びかかって来ていた。

 

シュプリーム「!!!。」

 

 

銀「お前もその対象だからだ!。」

 

シュプリームは袈裟に身体を斬られ、自分の体から溢れ出す鮮血に目を向ける。

 

雀「ああ!そんな…!!。」

 

 

シャララ(万事休す…か…次は…"私達"だッッ!。」

 

その様子を見た銀が高らかに笑う。「最強」を自称するものが呆気なく斬られ、そしてその血潮が地面を赤く染めた。

 

銀「わかったかッ!?。これこそ……がっ…!?。」

 

 

シュプリーム「…これでボクが死ぬとでも?。」

 

首を掴み、持ち上げるシュプリームの傷が塞がれていく。

 

シズク「おいおい…どうなってやがるッ!?。」

 

 

夕海子「明らかに人智を超えていますわッ!普通ならもう助かりませんし動けないはず…ッ…!。」

 

 

シュプリーム「自分の血なんて飽きるほど見て来たよ。言ったろう?最強を確かめる為にいろんな世界で戦い続けてると。」

 

そのまま地面に叩きつけるシュプリーム。銀にはダメージがあまり入ってはいないがこれまでに無いこの"敵"に理解が追いつかない。

 

そしてシュプリームは…"無感情"だった。

 

シュプリーム「その狭苦しい「器」から出ればいいのに……。」

 

 

銀「…この…ッ…!。」

 

目が怪しく輝くと、背中から無数の荊を放ってシュプリームを貫こうとする。しかし、シュプリームはそのまま手に力を込めて雷撃のようなものを放って周囲を爆破させた。

 

シュプリーム「君にも見せてあげる。ボクが"最強"である証拠をね…!。」

 

砂煙の中から銀を掴んだまま現れたシュプリームは空高くに飛び、ビルに向かって全力で放り投げる。すると、銀はそのまま激突。その衝撃でビルが二分に割れた。

 

銀(…無駄なことを繰り返して…しかしなんだ…今まで感じたことのないこの感覚…あたしが「恐れている」?。)

 

 

シュプリーム「フン……。」

 

追撃を放つように、人差し指を向ける。その瞬間、その細指から放たれたとは思えない程の極大ビームを放った。

 

銀「ちぃ……ッ…!!。」

 

 

シュプリーム「避けた…やはり、君たちにもあるんじゃないか?。"感情"がね?。」

 

 

銀「ほざけ…ッ!!。」

 

 

シュプリーム「君達は完全な種だと勘違いしている。教えてあげるよ、"無"も"その一部"だと…。」

 

掌にエネルギーを込め、固く握り締めるとそのまま発勁を放つ。その一撃は強烈で、銀の身体を貫いては背後の家屋を砕いた。

 

シュプリーム「"痛み"を知ればそこに湧き上がるのが"恐怖"だ。君達は理解した…"痛み"というものを。ボクが"この姿"なのも、君達に仇なす「プリキュア」と「勇者」に興味があったからだ。概念そのものである君達が手を焼いているこの二つの戦士…ボクは知りたいんだよ…その力の根源をね。」

 

 

銀「…なんのために…?。」

 

 

シュプリーム「ボクが"最強"である事を確かめるために。」

 

そう言って、追撃をかけるシュプリーム。銀は歯を食いしばり、斧でその拳を受け止めた。

 

シュプリーム「滑稽だね…君達が下に見ている"その姿"を借りているなんて…君達も知りたいんじゃないのかい?その姿…「勇者」の力の根源を。」

 

 

銀「確かに知りたいね…何故、こうも無駄な足掻きをするのかと!!。」

 

竜巻のような斬撃にシュプリームは身体を削られるがそれでも勢いは止まらない。

手のひらから衝撃波を放ち、銀の斧を粉々に砕いた。

 

その時、怨嗟の星屑達が自壊し始めた。

 

銀(時間が来たか…やはり、この脆弱な個体は長続きはしない…。)

 

銀は後退し、その背には異空間に繋がるゲートが開かれる。

 

シュプリーム「もう行くのかい?。確かめ足りないんだけど。」

 

 

銀「焦らなくても直ぐに会えるさ。その時は、お前の存在そのものを"無"に変えてやる。そして思い知るんだ…どうしようもないほどの強敵に会ってしまったという事実をね。シュプリーム…その名を覚えておこう。」

 

消えたと同時に空が元の青色に戻る。

周辺の被害は雀の防御結界により、拡大は防げたがそれでも戦いの爪痕は激しく残ってしまった。

 

そして、シュプリームは「少女」の姿へと戻る。

 

雀「えと……シュプリー…ム…さん…?。」

 

 

プリム「そんなに畏まらなくてもいいよ、ボクのことはそうだね…「プリム」とでも呼んでくれ。」

 

プリムと名乗るシュプリーム。得体の知れないその力とその存在は見るものに更なる謎を与える。しかし、少なくとも"敵"ではないのなら…争う理由はない。

 

防人達とシャララは警戒を解いた。いや、解かざるを得ない。銀と画角に渡り合ったその実力と致命傷を受けても死なないその身体を相手にして"敵うはずがない"と…そう感じて。

 

雀「その…貴女はどこかに行っちゃうの?。」

 

 

プリム「行ってもいいし行かなくてもいい。でも、君達といれば"確かめられる"かもね…君達が良ければ行動を共にしてもいい。どうかな?。」

 

その申し出に、首を縦に触れないシズクと夕海子、そしてシャララ。

だが、「約1名」だけは違った。

 

雀「是非ッ!是非とも居てくださいよッ!。ご遠慮なさらずにッ!。」

 

 

シズク「おい加賀城、分かってんのかッ!?この得体の知れねェ奴を側に置くなんざ…ッ!!。」

 

 

亜耶「いいと思いますよ?。」

 

その反対意見を押し切ったのは亜耶だった。プリムに何か感じたのか、まるで"見守る"ような眼差しで彼女を見つめる。

 

プリム「……なんだい?。」

 

 

亜耶「いえ、ただ…貴女はお勉強がしたいだけなんですよね?。皆さんを見て知りたいことがある…さっきそう仰ってたじゃありませんか。」

 

ニコニコとそう告げる亜耶。純粋無垢なその笑みに、プリムはため息をつく。

 

プリム「…もうなんでもいいよ。去るのも面倒だ、勝手に居させてもらうよ?。」

 

プリムは亜耶を見る。

 

プリム(それに、ボクをここに誘ったのは……いや、考えすぎか…。)

 

 

……こうして、謎の少女・シュプリームことプリムは防人達と行動を共にすることとなった。そして、彼女の存在が……後に事態を大きく動かすことになる事は誰も知らない。

 

……………………………end。




謎の少女、プリムは防人達と行動を共にすることとなった。
そして、プリムは亜耶を見て"何か"を感じ取っていた。

この時代が生み出した彼女の特異な「能力」…そして、自身がここにやって来た事。

この激動の時代において、"意味"があることに…ーーーー。

その一方、スカイランドでは洸が目を覚ましていた。

しかし、彼の記憶は……消えてしまっていた。

次回
第141話 消えた記憶、薄れゆく存在。
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