〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

突如として現れたギガス。

その暴力的な力は勇者を圧倒し、瞬く間に窮地に立たされる。

動けない友奈に迫るのは確実な死。
しかし、それを見事に防いだのは「擬似勇者」として能力を得た烈火だった…。


第13話 反撃、怒涛の烈火。

 

〜樹海〜

 

 

ギガスの一撃を難なく受け止めた烈火のダメージは頭部からの流血のみ。

それも、深くは無く切れた場所から流れ落ちてるのみだった。

 

 

ギガス「…まぐれで防いで、調子に乗るなよ小僧ッ!。」

 

 

思わぬ出来事に、たまらずに感情的になるギガス。

もう一度、エネルギーを込めた一撃を放つ。

 

しかし……。

 

 

烈火「んなもん…効くかぁあッッ!。」

 

 

メイスで受け止め、そのまま勢いに任せて吹き飛ばされるがダメージが入らない。

 

 

樹「な…なんで…効いてないんですか…ッ!?。」

 

 

「精霊バリアと言った、特異な力を発揮しない代わりに衝撃に対しての緩和がとてつもなく跳ね上がられている。それが、あの外装に施された人工の「加護」だ。」

 

 

樹の隣に現れたのは、蒼葉。

全員がその姿に驚く。特に…東郷が。

 

 

東郷「なんで貴方…樹海の中で動けてるのッ!?。それに、大赦の機密でもあるあの外装の機能を知っているとでも言うのッ!?。」

 

 

蒼葉「調べればいくらでも出るさ。機密だろうがなんだろうが、目の前に現物があるのなら簡単に解析は出来るだろう?。まぁそのほとんどはあいつの素の身体能力というのもあるだろうが。」

 

 

東郷(淡々と言うけど…ここに立っていること自体があり得ない…得体の知れない人とは思ってるけど…あまりにも「不自然」すぎる…一体、何者なの…?)

 

 

ギガス「クソがぁ!。バラバラにしてくれるッ!!。」

 

 

飛び上がるギガスは、凄まじい拳の連打を烈火に浴びせる。

それはまるで豪雨の如く、受ければ跡形もなく粉砕されるような一撃だった。

 

 

烈火「ぐはっ!?この…ちょ…痛ェって…ああもうッッ!。」

 

 

攻撃を受ける中、口の端から血が流れるもそのままの勢いでメイスを横薙ぎに振る。

 

 

ギガス「がはっ…!?。」

 

 

攻撃に転化していたせいで、筋肉を固めておらずまともに受けたギガス。

思わず、息が詰まるも後ろに飛び、距離を空ける。

 

 

ギガス「どうなってやがるコイツ…俺の手が全然通じねェだと…!?。」

 

 

ギガスは、烈火の異常な防御力に歯を食い縛る。

 

 

ギガス(異常なほどにまで硬ェ…なるほどな、生存力をカチ上げてやがるのか…。)

 

 

荒々しい外見にそぐわない冷静な判断能力で、烈火の外装を分析するギガス。

 

 

しかし、烈火は勢いに乗ったまま突撃。

メイスによる殴打のラッシュを放つ。

 

 

烈火「お前がどこの誰だか興味はねェけどよッ!。友奈を殺そうとしたことは許さねェからなッ!。」

 

 

地面を蹴って、飛び出した烈火。

メイスを上空に投げて蹴りを放つ。

 

しかし、単調的なその動きはギガスに読まれており、その剛腕に捕まってしまう。

 

 

ギガス「バカみてェな防御力だが痛覚は生きてんだろ!?。人間ってのはな…どんなにタフでも痛覚が邪魔をして次第にダメージを受けていくんだよッ!。」

 

 

足を砕き折ろうと、力を込める。

しかし、烈火の目は上を向いていた。

 

 

烈火「どつき合いが痛くねェのは理解してるよ、だからこうすんだろうがッ!。」

 

 

ギガス「ああッ!?。」

 

 

投げたメイスが落下。烈火はそれを右の逆手で受け取る。

 

 

烈火「その面、ぶん殴ってやるよッ!。」

 

 

勢いに任せてそのまま横薙ぎに振り抜く。

足を掴んだままのギガスの顔面を打ち抜き、思わず仰け反る。

 

 

烈火「手ごたえあるじゃねェかこの野郎ッ!。」

 

 

蒼葉「油断するな烈火!。」

 

 

烈火「蒼葉!?。何でここにッ!?。」

 

 

蒼葉「そんなのは後だ!。奴はまだ「底」を見せていない。俺が指示を出す、お前はあまり考えずに動け!。」

 

 

烈火「指示ったってお前、大丈夫なのか!?。」

 

 

風「そうよあんたッ!。生身で何言ってんの!?。」

 

 

蒼葉「問題ない、奴の攻撃が当たらない様に立ち回るだけだ!。」

 

 

烈火「ッ…なら、任せるぞ!?。」

 

 

動き出す烈火。

勇者たちもようやく動けるようになり、立ち上がる。

 

 

夏凛「あいつ一人に任せてらんないでしょ!!。」

 

 

二本の剣を構えて突撃。

立ち上がったギガスの横腹に刃を入れる。

しかし、その硬い筋肉が刃の入れ込みを阻害し、一瞬の隙が生まれてしまう。

 

 

好機と捉えたギガスが拳を構えるも、「何か」に縛られて動きが取れない。

 

 

樹「させませんよッ!。」

 

 

エネルギー状のワイヤーで拘束。ギガスの動きを止めていた。

 

 

ギガス「クソが…小細工を!!。」

 

 

夏凛「ナイスよ樹!。あんた、言ってたわよね!?。痛覚が邪魔をして次第にダメージを受けていくって!!。」

 

 

ギガス「ぐぬぬ…ッ!。」

 

 

夏凛が剣を離して後退。続くように友奈が突っ込んでくる。

 

 

友奈「繋いだバトンを離さない!!。」

 

 

拳を固めて、夏凛の剣の持ち手に思い切り当てる。

突き刺さった刃はさらに食い込み、顔を歪ませるギガス。

 

 

雑な反撃を加えようと裏拳を放つも、東郷の狙撃弾が腕の関節を捉えて軌道をずらし、空振り。

友奈はバックステップを取り、地面を殴って土を巻き上げる。

 

それは、煙幕のようになりギガスの視界を防ぐ。

 

 

そして、本命の風が得物の大剣を振りかざして接近する。

 

 

風「伊達にバーテックスと戦っちゃいないのよッ!。最初から私たちは一人では戦わない、お互いにフォローしあって生き延びてきたの!。あんたなんかに…やられてたまるかぁぁぁぁッッ!!。」

 

 

完全に懐を捉えたその斬撃は、ギガスの胸を袈裟に切り裂く。

しかし浅かったのか、仰け反るだけで倒れない。

 

 

風(しまった、浅かった…!!。)

 

 

ギガス「狙いは甘くなかったが…化け物相手なら一撃だったろうな?。しかし、誰を相手にしてんのか理解できてんのかぁ?。」

 

 

手の平を、風の懐に当てる。

 

 

ギガス「ガイアショック。」

 

 

圧縮したエネルギ―の塊を、至近距離で放つギガス。

 

 

直撃を受けた風は大量の血を吐きながら吹き飛ばされる。

 

 

樹「お…お姉ちゃん!!。」

 

 

ギガス「チッ…精霊バリアってのは厄介だな。それが無かったら今ので内臓がぐちゃぐちゃになってたぞ?。」

 

 

倒れる風の前には彼女の精霊「犬神」がいて、致命の一撃から身を守っていた。

そして、端末に表示された「ゲージ」が一つ、減少する。

 

 

風「かはっ…はっ…っ……。」

 

 

烈火「チキショウ…!!。」

 

 

直情的になった烈火は駆け出す。しかし、蒼葉がそれを遮った。

 

 

蒼葉「落ち着け、奴のパワーは桁違いだ。」

 

 

烈火「んなこと言っても、さっきまでは効いてなかったぞッッ!。」

 

 

蒼葉「言っただろう、奴はまだ「底」を見せていないと。」

 

 

ギガスは、蒼葉に目を向ける。

 

 

ギガス(あのガキ…どっかで…。)

 

 

蒼葉「いいか、奴の攻撃はその異次元のパワーに頼った戦法を取る。だから、受け続ければいずれはこちらが不利になってしまう。お前には精霊バリアが無い。先輩のような一撃を受けてしまえばその強固な防御力も貫通しかねないぞ。」

 

 

ギガス「チッ…青髪のガキが何か吹き込んでやがるな…思い通りになると思うなよッッ!?。」

 

 

ギガスは飛び出し、襲い掛かる。

 

 

蒼葉「バトンを繋げ。三好と結城がダメージを与えた脇腹を狙え。そのメイスの一撃なら、大打撃を与えることができるはずだッッ!。」

 

 

烈火「おうよ!!。それなら簡単だな…!。」

 

 

ギガスの攻撃をメイスで受け止め、脇に潜り込む。

 

 

蒼葉「…右から来るぞ…!。」

 

 

ギガスのほんの一瞬の動作を見逃さなかった蒼葉は、烈火に攻撃の方向を指示。

それに従う烈火は避けながらもギガスの横腹に一撃を入れる。

 

 

ギガス「ぐうううッッ!?。」

 

 

たまらずに、片膝を着くギガス。受けた傷を忌々しい目付きで睨み付ける。

 

 

ギガス(クソが、勇者のガキ共にやられたところを的確に狙って来てやがる…俺様の筋肉でも防げねェか、相当深くやられたな…!。それもこれも…!。)

 

 

目線を外さない蒼葉。

ギガスは横腹を押さえながら、睨みを利かす。

 

 

ギガス(あのガキの観察眼か…!。)

 

 

烈火「しっかり効いたじゃねェかッッ!。もう一撃ッッ!。」

 

 

すかさず、もう一撃を繰り出す烈火。

しかし、これ以上のダメージを受けたく無いギガスは飛び上がる。

 

 

ギガス「貰うかよ…!。」

 

 

蒼葉「バカが…そう来ると思った!!。烈火、渾身の一撃をお見舞いしてやれッッ!。」

 

 

烈火「おうよッッ!。」

 

 

メイスを両手で握り締め、腰に力を入れてパワーを溜め込む。

 

 

ギガス「なぁ…!?。」

 

 

烈火「食らえ…フルインパクトッ!!。」

 

 

空中で回避行動が取れないギガスは両腕をクロスさせてガードを取る。

そして、烈火は空気を切り裂くほどのフルスイングでメイスを振るい、ギガスに当てる。

 

ガードに力が入ったせいで、横腹の傷から血が噴き出てしまい思わず力が緩む。

 

勢いを落とさないメイスの一撃はガードを崩し、ギガスは吹き飛ばされて木に身体が減り込んだ。

 

 

ギガス「がはッ…クソ…ガードを貫通しやがった…クソが…こうなりゃ…!。」

 

 

(ゲームセットだ、ギガス。)

 

 

頭の中に、念話が響く。

 

 

ギガス(うるせェナイアルッ!。ガキ共に良いようにボコられて引き下がれるかッッ!。)

 

 

ナイアル(良いから下がれ、意地になる時では無い。あくまで調査だ、お前のその戦闘は僕の「演出」には入っていない。)

 

 

ギガス(クソが…!!。)

 

 

やるせないギガスは、拳を下がらせる。

 

 

ギガス「…ガキ共、今日は引き下がってやる。だが次は…!。」

 

 

ギガスは消えていき、樹海化も解除。

辺りの被害はそれほどまでではなかったが、校庭の一部に陥没後が付いていた。

 

 

烈火「クソ、逃げやがった…!。」

 

 

東郷「風先輩、怪我は…。」

 

 

風「だい…丈夫…でも…多分これ、骨が折れてるなぁ…。」

 

 

友奈「すぐに病院に行かなきゃ…!。」

 

 

力無く笑う風。

痛みが限界に来たのか、変身が解けたと同時に気を失った。

 

 

蒼葉「命に別状は無いだろう、しかし療養は必須だ。」

 

 

そう言った、蒼葉に銃口が突きつけられる。

東郷だ。

 

 

東郷「貴方…何から何まで知っている感じだったけど…あの敵の癖もよく知っていた。「何者」なの…?。」

 

 

蒼葉「…分析してるとわかってくるぞ。それくらい…。」

 

 

東郷「違うッッ!。貴方は得体が知れないッ!。樹海化の中で動けるのも異質だわ、菱咲君みたいに擬似勇者外装があるのならまだしも、貴方は生身よッッ!?。私達を観察するように見て、何を企んでるのッッ!?。」

 

 

蒼葉「…相変わらず、鋭いところを突く。」

 

 

聞こえないように、小さな声でそう言う蒼葉。

 

 

蒼葉「…ただの好奇心旺盛な中学生だ。」

 

 

そう言って、歩き去る蒼葉。

東郷は納得していない状態のまま、変身を解く。

 

 

烈火「…蒼葉、お前一体…。」

 

 

ただの友達と思っていた。しかし、垣間見たその一面はまるで…

 

 

「軍人」のようだった。

 

 

……………end。




「劇団」メンバーNo.Ⅳのギガスを何とか撃退した一同。

しかし、謎はさらに生み出された。

蒼葉の謎…本人はそれを語ろうとしない。

そんな中、焔華から怪我をした風を除いた勇者達と烈火に「ある任務」を依頼される。


それは…「外」の調査だった。

次回
第14話 時が止まった西暦時代、「初代勇者」の足跡。
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