〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

「劇団」によって、闇の人格へと書き換えられたましろ。

「破滅の姫君」と呼ばれた彼女のその力は星を停止させる程のとてつもない力を秘めていて、漆黒の蔦は二つの世界の全てに張り巡らされた。

時間…自然…その全てが停止した静寂の世界へと化した二つの世界はお互いに、摂理を逸脱した事によって滅びの道へと進み出した。

状況を打破すべく、「もう一つの世界線」へと逃れたプリキュアと勇者。

そして、その二つの世界の希望達はお互いに出会う事になる。

絶望を乗り越えて。

今、突き進め…!。


第22話 ソラと友奈、絶望を乗り越えて。

 

〜もう一つ世界線・森林区域〜

 

 

友奈「あそこに誰か倒れてるよッ!!。」

 

 

友奈が指差すその方向に居たのは、ソラと鷹夜。

 

友奈は走り出し、烈火も追いかけていく。

 

 

友奈「ねぇあなた、大丈夫!?。」

 

 

ソラを揺さぶる友奈。

ソラはゆっくりと眉を開けて、身体を起こす。

 

 

ソラ「ここ…は…それに、貴女は…?。」

 

 

友奈(あれ、この子……。)

 

 

ソラ(異空間で…見た人だ…。)

 

 

烈火「おい、こっちの奴は怪我してんぞッ!!。」

 

 

プリズムの攻撃で、腹部から血を流す鷹夜。

 

我に返ったソラは、慌てて鷹夜に駆け寄る。

 

 

ソラ「止血を…仕方ありません…!!。」

 

 

ソラは自分のシャツの袖を引きちぎり、患部にキツく巻く。

 

傷は深くはなかったのか、徐々に出血が止まっていく。

 

 

ソラ「よかった…鷹夜さん、一撃を受ける前に後ろに飛びましたね…傷が深くなかった…。」

 

 

友奈「よかった…ねぇ、あなた…ここに来る時に見た人に似てるんだけど…。」

 

 

ソラ「あ…私も思いました。心配してくれてありがとうございます、私はソラ…ソラ・ハレワタールです。こっちの人は、藍葉鷹夜さん。」

 

 

友奈「結城友奈だよ?。こっちは…。」

 

 

烈火「菱咲烈火だ。まぁ…ここにきたってことはあんたら…空の向こう側の奴らだろ?。」

 

 

その言葉に驚く友奈。

同時に、ソラも驚く。

 

 

ソラ「えっと…じゃあ、貴方達も空の向こう側…もしかして、「勇者」の方々ですかッ!?。」

 

 

烈火「友奈はそうだけど、俺はそうじゃねェ…いや、そうなのか?。なぁ友奈?。俺って勇者?。」

 

 

友奈「へっ!?。な…なんでそんな事を私に聞くの!?。」

 

 

烈火「だって、<擬似勇者>だぜ?。偽物って事だろ?。なんて名乗るべきか…まぁいいや、忘れろ!。」

 

 

説明が面倒になったのか、烈火は満面の笑みで言う。

 

そんな烈火の能天気さに少し救われたのか、自然と笑いが生まれる。

 

 

烈火「話を戻すぜ?。あんたらが空の向こう側の奴らならあの状況を知ってんだろ?。なんか気色悪い黒い蔦みてェなのが、空から降ってきやがった。俺の親友が「星が停止した」って言ってたけど…あんたらの世界で何が起こった?。」

 

 

ソラ「それは……。」

 

 

ソラは、自分たちの世界で起きた事を友奈と烈火に説明する。

 

「劇団」の「舞台」とやらが、本格的に動き出した事。

 

星が停止していることはわからなかったが、間違いなく彼らが起因だと言うこと。

 

そして、この事態を引き起こしたのは…闇に堕ちた大切な友達だと言うこと。

 

思い出そうとすると、体が震えて涙が出そうになる。

 

必死に堪えながらも、2人に説明するソラの肩を友奈が優しく抱きしめる。

 

 

友奈「もういいよ、辛かったんだね?。ごめんね、嫌な事を聞いちゃって。」

 

 

ソラ「…いえ、すみません…貴女達の世界にもご迷惑をおかけして…あ…友奈さんに一つ、お知らせする事が……園子さんってご存知ですか?。」

 

 

その名前を聞いて、友奈は目を大きく開く。

 

 

友奈「え…し…知ってるも何も、大事なお友達だよ!?。まさか…!。」

 

 

ソラ「ええ、私達と一緒に居ました。どうやら、貴女達の世界から飛ばされたみたいで…あれも、「劇団」が関係してます。」

 

 

友奈「そのちゃん…良かった…ソラちゃん達と一緒にいたんだね!?。良かったぁ…ちょっと、安心したよ…。」

 

 

烈火「乃木が「神隠し」に遭ったって姉貴が言ってたけど…まさか、「劇団」の奴らの仕業とはなぁ…何から何まで、あいつらが絡んでやがんのかよ。」

 

 

ソラ「そっちにも、彼らが現れたんですね?。」

 

 

烈火「つっても、ギガスとか言うデカい男だけどな?。ま…色々と点が繋がってきたわ。」

 

 

烈火は辺りを見渡す。

 

 

烈火「それに、同じ世界に飛ばされてきたってことはやることも一緒だ。手を取り合おうぜ?。」

 

 

手を差し出す烈火。ソラは安堵の表情でその手を取る。

同時に友奈が2人の手の上に自分の手を乗せる。

 

 

友奈「よろしくね、ソラちゃん!!。」

 

 

ソラ「はい、こちらこそッ!!。」

 

 

烈火「こっちの奴は当分起きねェだろうし、適当に寝床作るしかねェな。はぁ…蒼葉と連絡が取れりゃいいんだけど…こりゃ、全員が全員どこに散らばったかもわからねェな…。」

 

 

スマホの電波が無いことに、肩を落とす烈火。

 

 

友奈「仕方ないよ…でも、みんなこっちに来てると思うから必ず、会えるはず。ソラちゃんのお友達達もみんな…ね?。」

 

 

ソラ「はい…そうである事を願います…いえ、弱気になんてなってられませんね?。前を向かなきゃ…今は、そうしないと…。」

 

 

友奈「うん、私もそう思う。烈火君、一緒に何か探そう?。ソラちゃんは彼の側に居てあげてね、もしかしたら目を覚ますかもしれないから。」

 

 

ソラ「はい。」

 

 

探索に向かう友奈と烈火。

 

ソラは自分の膝に鷹夜を寝かせ、側につく。

 

思い返すのは、変貌したプリズムの事。

 

考えたくなくても、どうしても頭の中に過ぎる。

 

泣いちゃダメだと分かっていても、1人になると感情が溢れてしまう。

 

 

また、涙を流すソラ。

 

最近、泣いてばかりだな…そう思いながらも、声を殺して何も出来なかった悔しさを思い出す。

 

一番、辛かったのは鷹夜のはず…だって、手を取ることが出来ずにいたから。

 

心の中で謝り続けるソラは、その涙を鷹夜の顔に落とす。すると……。

 

 

鷹夜「……ったく…泣いてばっかだなお前…いつもの明るさはどうした…。」

 

 

目を閉じながら、細い声で言う鷹夜。

 

意識が戻ったことに、ソラは思わず声を上げる。

 

 

ソラ「た…鷹夜さん…!?。」

 

 

鷹夜「…デカい声出さなくても聞こえてるよ……あいつは…もう、居ねェんだな…?。」

 

 

ソラ「…はい……私達は、フレアさんによって違う世界に飛ばしてもらいました…みんなも、離れ離れで…鷹夜さん…その……。」

 

 

鷹夜「いいよ、気にしなくても。俺は、折れてねぇから。」

 

 

ソラ「…え…?。」

 

 

鷹夜「…この程度じゃ、俺の精神は折れたりしねェよ。あいつが生きてるなら…チャンスはいくらでも作れる…だから、絶望すんな?。ヒーローになるんだろうが、いつまでも泣いてんじゃねェよ?。」

 

 

ソラ「…ごめん…なさい…わたし…わたし…!!。」

 

 

顔をぐしゃぐしゃにしながらも、ソラは泣き続ける。

鷹夜は目を閉じながら微笑を浮かべ、友奈と烈火はその様子を影から見守っていた。

 

 

そして………。

 

 

鷹夜「…改めて、礼を言うぜ?…友奈と烈火だっけ?。」

 

 

烈火「おお、気にすんな。助け合いっていうだろ?。」

 

 

友奈「そうそう!。困った時はお互い様だよ!?。」

 

 

鷹夜「そうだな?。それよりもこれからだが…どうする?。ここ、全然知らねェ場所だから右も左までわからねェんだけど…何か、あるか?。」

 

 

烈火「とりあえず、森出ればなんとかなるんじゃね?。」

 

 

鷹夜「はぁ!?。お前な、ちっとは考えろよ?。知らない土地に投げ出されてんだぞ俺ら。」

 

 

烈火「ん〜、そっかぁ?。焦っても仕方ねェし…適当に動き回りゃ何かわかるだろ?。」

 

 

友奈「…ごめんね?。烈火君…あんまり気にしないタイプだから…。」

 

 

鷹夜「…お前らの苦労がわかる気がする…。」

 

 

烈火「おいおい、馬鹿にされてる気がするんですけど…。」

 

 

ソラ「でも、一理あります。ここに居ても仕方ありませんし…ここが、どういった世界かも見当がつきません。「劇団」が追ってくる事も考えるとなると、とりあえず離れた仲間を探しにいく事から始めた方がいいかと。」

 

 

烈火「おー!。そりゃいいな、採用するッ!。」

 

 

鷹夜(大丈夫か、コイツ…?。)

 

 

それから、火を囲んで一夜を過ごす4人。翌日……。

 

 

友奈「ちょっと烈火君、早く起きて!?。もう出発するよ〜!?。」

 

 

なかなか起きない烈火を必死に起こす友奈。

 

その光景を見て、ソラと鷹夜は唖然とする。

 

 

知らない土地に飛ばされただけではなく、二つの世界は大変なことになっている…本当は、焦らないといけない。

 

なのに、何故こうも「自由」でいられるのか…気にしないにしても、流石に異常ではないか…。

 

 

2人はそう思ってしまう。そして……。

 

 

烈火「土曜は昼まで寝るんだよ、俺は〜。」

 

 

鷹夜「昼まで寝られてたまるかッ!!。おい、このバカはいつもこうなのか…?。」

 

 

友奈「えっと…はい…サボり癖が凄くて…。」

 

 

烈火「ん〜…はっ…しまった!。土曜じゃねェわ!!。」

 

 

友奈「…やっと起きた……。」

 

 

烈火「いやぁ、悪ぃ悪ぃ。つい、いつもの癖で…。」

 

 

鷹夜「身体が万全だったらぶん殴ってたわ…。」

 

 

烈火「怖ッ…まぁ、気を取り直して…森を出るとしますか!!。」

 

 

颯爽と走り出す烈火。

 

 

終始、彼に振り回される3人は飽きれながらも後をついていく。

 

 

鷹夜「先が思いやられるぜ、全く…。」

 

 

ソラ「でも、救われますよ。」

 

 

鷹夜「本気で言ってんのか?。」

 

 

ソラ「はい、ああいった人がいれば自然と元気になれます。本当なら、不安に押しつぶされてしまいますけど…あの人の前向きさは不思議と人を惹きつけるものがあります。」

 

 

友奈「ん〜、確かに…ここぞという時にはやり切る人だからね…お姉さんの事もあるのに、いつもあんな感じなんだよね。」

 

 

ソラ「お姉さんって…昨晩、言っていた?。」

 

 

友奈「うん、初代勇者の郡千景さん。ソラちゃん達の前にも現れたんだよね?。あの人が烈火君のお姉さん。まぁ…少し複雑な事情があるんだけど…。」

 

 

友奈は真剣な眼差しで、前を見る。

 

 

友奈「千景さんは、「劇団」と手を組んでいる…あの、空を割った現象はあの人が起こしたもの…だから、必然的にこうなる運命だったのかもしれない。私達、二つの世界の人達は大きな渦に飲み込まれてその中にいるんだよ。」

 

 

ソラ「大きな渦…。」

 

 

友奈「そう、どうしようもないほど大きな渦で…でも、その中でもがいて出るしかない。大切な人を取り戻すために…大切な時間を取り戻すために。」

 

 

鷹夜「………。」

 

 

友奈「私も、ちょっと前にそう言った事を経験したんだ。みんなに助けてもらって…だから、分かるよ。取り戻したいその気持ちを。でもそれはきっと、大きな困難だと思う。それでも…諦めちゃダメ。絶対に取り戻せるはず…そのましろちゃんって子のこと。」

 

 

状況は最悪。好転する気配など全く無い。

 

 

でも、それでも……。

 

勇者とプリキュアは前へと進む。

 

 

絶望を乗り越えた先にある希望を手にするために。

 

 

これからきっと、長くて辛い…そして、何度も絶望に叩きつけられる場面が来ることだろう。

 

 

でも、それでも……。

 

 

その度に、一緒に絶望を乗り越えよう。

 

 

友奈がソラと鷹夜に言った一言はそれだった。

 

 

ソラ(希望は捨てませんよ…今は絶望の真っ只中ですけど、必ず…。)

 

 

鷹夜(お前を取り出して見せるぜ…?。)

 

 

ーーましろ(さん)ーー

 

 

………………end。

 

 




友奈とソラ。
烈火と鷹夜。

勇者とプリキュアは絶望を乗り越えるための旅を始める。

もう一つ世界線…希望を取り戻すための戦いの舞台はこの世界。

謎の多いこの世界は、お互いの世界の「要素」が入った世界である真実を知る。

そして、この世界はこう呼ばれていた…。

ーー「神に勝利した世界」ーー

……と。

そう呼ばれた理由には、この世界の「システム」が関係していたのであった…その「システム」の根幹とは……?。

次回
第23話 「世界樹」の巫女・結城友奈。
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