〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。


語られた、蒼葉の素性とこの世界のこと。

樹はその想いを胸に秘め、蒼葉の力となるべくこの世界の友奈を救う事を決意する。

それは、風とツバサも同様であった。

そして、4人は一足早くに「ヤマザクラ」本部へと足を運ぶ。

そこにいたのは、大人の姿となった「ヤマザクラ」総帥。

東郷美森改め、鷲尾須美だった…。


第28話 襲来、破滅の姫君・前編。

 

須美に案内された4人は、司令室へと招かれる。

 

 

須美(if)「長旅ご苦労様、そこにお掛けになってください?。」

 

 

風「いや…えっと…敬語はその〜…。」

 

 

須美(if)「いいんです、違う世界とはいえ貴女は先輩に変わりはありませんから…それに、もう会えないと思っていたので…。」

 

 

風「それじゃあ…鷲尾…でいいのね?。」

 

 

須美(if)「ええ、ありがとうございます。」

 

 

お茶を出し、席に着く。

 

 

蒼葉「鷲尾総帥、只今戻りました。」

 

 

須美(if)「ええ、ご苦労様。無事、任務を達成出来たようで何よりです。それに、とても興味深いものを…<擬似勇者外装>…まさか、向こうの世界では勇者システムの量産タイプも開発していたのね。」

 

 

蒼葉「量産タイプは高天原の持つ「防人」にあたります。それは向こう側でも同じタイプのものが確認されました。これは、とある勇者が作った「人造勇者システム」です。」

 

 

須美(if)「…とある勇者…初代勇者であり、抹消された勇者…郡千景ね?。」

 

 

蒼葉「ご存じなのですかッ!?。」

 

 

須美(if)「先日、この世界に転移反応があってね…彼女と…「劇団」のメンバーがこっちに来ているわ。」

 

 

ツバサ「「劇団」までこっち側にッ!?。」

 

 

須美(if)「ええ、貴方達の世界の惨状は理解しています。星の停止…厄介な事をしてくれましたね。彼ら「劇団」は…それに、この世界でもそれを引き起こすつもりです。恐らく、その事前調査なのかもしれない。」

 

 

須美は深刻な表情をする。

 

そして、モニターに手をかざすと世界樹の映像が出てくる。

 

 

それは宇宙にも届くほどの巨大な大樹で神々しく金色の輝きを放っていた。

 

 

しかし、その一部に黒いモヤがかかっている部分もある。

 

 

それを見た蒼葉は、予想通りだと心の中で反応を示した。

 

 

蒼葉「やはり…守護システムが弱体化してるのですね?。」

 

 

須美(if)「ええ、中枢コアが限界を迎え始めている…このままいけば、彼女の身体は世界樹と同化してこの世界から消滅する…寵愛は直に減衰し、輝きを失う頃にはその機能すら無くなってしまう…文字通り、「枯れて」しまうのよ。人造神とは「巫女」と呼ばれる人柱が必要なの。それも、「御姿」がね…正直、「世界樹」は巫女の力を増幅させる巨大な装置にしか過ぎない…それが同化してしまうと、力の源を失っていく。」

 

 

風「でもなんで…?。その守護システムって安寧を約束されるほど強固なものなんでしょ?。」

 

 

須美(if)「…貴女達の世界で起きている「星の停止」が影響しています。この世界は、貴女達2つの世界の「可能性」で構成されている…だから、双方の世界で異常があれば、少なからず影響してしまうのです。あの変貌したバーテックスがやって来たのもそれが原因です。守護システムはその強烈な負荷に対応すべく、力を放出し続けてますがそれがコアである彼女の負荷につながってしまっている…。」

 

 

樹「じゃあ…こっち側の友奈さんが苦しんでるのは…私たちの世界のせい…?。そんな…!!。」

 

 

須美(if)「いえ、そうじゃないのよ樹ちゃん?。元々はこの現状を企てた曲者のせいです…そう…「劇団」…彼らの行いでこうなってしまっている…。」

 

 

ツバサ(全ての元凶は「劇団」…そして、星の停止を引き起こしたのは……。)

 

 

ツバサはその先に居る元凶の姿を思い返す。

 

 

口に出したくない…まだ、受け入れられないから。

 

 

そう、あの優しかったましろが…闇の種のせいで変貌してしまったましろがこの惨状を引き起こしている。

 

 

大元は「劇団」だ。

しかし、仲間がそれに関わっている事にツバサは心を痛めてしまう。

 

 

そして、焦る。

 

この世界がましろを敵と認識する前に全てを終わらせなければならないと…。

 

 

ツバサ(ソラさん…まずい事になりましたよ…このままだと、ましろさんが全ての世界の敵となってしまいます…そして、恨まれる…元に戻せたとしてもその後に待つものがあの人を苦しめてしまいます…過ちを重ねてしまう前になんとしても、止めないといけません…手遅れになる前に…!。)

 

 

須美(if)「私達の目的は世界樹の中枢コアである結城友奈の救出。高天原と全面戦争する気はありませんが…奪還には必ず壁として立ちはだかる…それこそ「劇団」の思う壺なのです…高天原はそれを理解していない、共通の敵はすぐ目の前にいるのに…そして、何よりも…未だに「神に固執」しているのが気に食わない。」

 

 

風「…やっぱり、世界は違えども大赦は変わりないのね。私たちの世界でも結局はあの子が…友奈が利用された。もうこれ以上、友奈を苦しめる壁は作らせない…守られて来たんだ、今度は私たちがあの子を守る。だから鷲尾?。こっち側の友奈を救う作戦は私達も参加するわ。」

 

 

蒼葉「俺からもお願いします。この世界で消えたプリキュアと同一人物の者がこちら側に来ています。話せばきっと、理解を得られる…それに、こちら側の結城を奪還する事は向こう側の惨状にも影響するかもしれません。元凶の「劇団」が現れるはず…そこを叩けば、3つの世界の時は動き出すはず…!。」

 

 

須美(if)「ええ、願ってもない事だわ。私を含め、かつての勇者は力を失っています。それに、高天原には防人部隊と…夏凛ちゃんが居ます。ただの抵抗組織である私達では勝ち目は無いに等しい…だから、お願いします。勝つ為じゃない…友奈ちゃんを救うために…協力を要請します。」

 

 

一同が手を取り合おうとしたその時、要塞内でけたたましい警報音が鳴り響く。

 

 

須美(if)「敵襲!?。高天原なのッ!?。」

 

 

その時、ヤマザクラのメンバーが勢いよく司令室の扉を開ける。

 

 

「伝令ッ!。高天原の奇襲ではなく、正体不明の敵性勢力ですッ!。」

 

 

胸騒ぎがするツバサは、勢い良く司令室から飛び出た。

 

 

風「あれ、ツバサ君ッ!?。追いかけるわよ、樹ッ!。」

 

 

樹「うんッ!!。」

 

 

………………。

 

 

外に出た一同。

 

強固な外壁の内側には漆黒の蔦が張り巡らされている。

 

 

この蔦は知っている…特に、ツバサはその嫌な予感が的中してしまった。

 

 

ツバサ「……ましろさん…ッッ!!。」

 

 

眼前にいたのはましろ…キュアプリズムに変身しておらず、不敵な笑みを浮かべながら生気を吸い取られるヤマザクラメンバーの首を掴んでいた。

 

 

<破滅の姫君>ましろ「ツバサ君!?。アッハハ…そっかぁ、こっち側に来てたんだねェ?。」

 

 

生気を吸われ尽くした人間は枯れた植物のように痩せ細り、ましろはそのまま離して一同に近寄る。

 

 

風「な…何あの子!?。見てるだけで寒気が止まらないッ!?。」

 

 

樹「ツバサさんッ!あの人を知ってるんですかッ!?。」

 

 

ツバサ「…僕達の大切な仲間です…そして、二つの世界の星の停止を引き起こした…張本人です…。」

 

 

「「「!!!。」」」

 

 

蒼葉、風、樹はその言葉に驚愕する。

 

 

「劇団」が引き起こしたのではなく、ツバサの仲間であるプリキュア…。

 

 

その事実に。

 

 

風「だったらアイツをどうにかすれば全部…ッ!!。」

 

 

ツバサ「お願いです風さんッ!!。あの人は仲間なんですッ!。「劇団」のせいでああなってしまっているだけで…お願いです、倒すのは…やめてくださいッ!。」

 

 

風「でもあんた!!。あの子の力のせいで私達の世界は大変な事になってんのよッ!?。それに、こっち側の友奈だってその影響でッ!。」

 

 

ツバサ「分かってますッ!。それでも、大切な仲間なんです!。だからお願いしますッ!。止めるために力を貸してくださいッッ!!。」

 

 

樹「…わかりました、ツバサさん。一緒にあの人を取り戻しましょうッ!!。」

 

 

風「何言ってんのよ樹!。どうみたって、自分の意思でやってるわよ!?。それに、あの禍々しい感じ…どう見たって、ヤバいのが丸わかりでしょッ!?。」

 

 

樹「ううん…わかるよお姉ちゃん。あの人…友奈さんと同じなんです。本当はとても優しくて…だから、ここで止めてあげないと元に戻った時、きっと苦しむはず…。」

 

 

風「…あ〜もうッ!。分かったわよッ!。そう言われちゃ、仕方ないわね!!。行くよみんな、ここであの子を止めれば何とかなるなら…やるしかないっしょッッ!!。」

 

 

3人は風の言葉にコクリと頷く。

 

そして、変身する。

 

 

<破滅の姫君>ましろ「…へぇ、やる気なんだ?。いいけど…勇者の力も見てみたかったし…それじゃ、はじめよっか!?。私は「劇団」No.0<破滅の姫君>虹ヶ丘ましろ!!。スカイミラージュ、トーンコネクト!ひろがるチェンジ!。プリズムッッ!。」

 

 

漆黒の蔦がましろを包み込む。

 

 

そして、そこに咲いた花からキュアプリズムが出現。しかし、その姿は禍々しいオーラに身を包み、黒が掛かった衣装へと変貌していた。

 

 

プリズム「誰でもいいよ、遊ぼっか!?。」

 

 

無邪気に笑うプリズム。

 

 

蹴りを繰り出すと、ウイングがそれを遮る。

 

 

ウイング「やめてください、ましろさん!!。こんな事、貴女が望むはずがない!!。」

 

 

プリズム「勝手に決めないで欲しいな、前にも言ったけど私…やっと本当の自分として向き合うことが出来てるの。」

 

 

強引に押し切り、蹴り飛ばすプリズム。

 

その傍から、風が大剣を振り翳すも片手でその刀身を受け止める。

 

 

風「あんたがあの惨状を引き起こしてるんでしょッ!?。こんな事、やめなさいよ!!。」

 

 

プリズム「い・や♪。」

 

 

フリーの右手から、闇のエネルギーで構築されたプリズムショットを放って風を吹き飛ばす。

 

 

樹「貴女の事は分かりませんが…でも、きっと優しい人だって!!。」

 

 

ワイヤーを駆使して両腕を拘束。

 

しかし、身体中に放っている瘴気がそのワイヤーを「枯らして」いく。

 

 

樹は咄嗟にワイヤーを切り離して、後退する。

 

 

プリズム「分かった風な事、言わないでよ。優しいましろはもう居ないって…。」

 

 

蒼葉「なら、お前を無力化して3つの世界を平和にするだけだ!!。」

 

 

アイリスを纏った蒼葉は、装飾銃からビームを放つがそれも目に見えない障壁で防ぎ切る。

 

 

プリズム「平和平和って…鬱陶しいんだよね〜…何が楽しいの?。何も考えずにボーッとその日を過ごしてさ…全部壊して静かにすれば、その方が気楽じゃない?。」

 

 

真紅の瞳が禍々しく光る。

 

そして、両腕を左右に伸ばして手のひらから極大の闇のエネルギーを放つ。

 

その射程にいる4人に直撃、大爆発を起こして吹き飛ばされた。

 

 

ウイング「がは…ッ……なんて…強さ……。」

 

 

風「…こんなの…どうやって、止めればいいの…全く敵わない…!。」

 

 

樹「あ…蒼葉さん…何か…何かいい策はありませんか…!?。」

 

 

蒼葉「…無理だ…答えが出てこない…クソ…これが…<破滅の姫君>の力…!?。」

 

 

プリズム「何?。あんなに威勢よく啖呵を切っておいてもう諦めるの?。残念、それじゃあ…バイバイ…?。」

 

 

両手を前に突き出し、闇のエネルギーをチャージする。

 

 

なんとか立ち上がるが、ダメージが大きすぎて足元が覚束ない4人。

 

 

無情にも、そのエネルギーを放とうとするプリズム。

 

 

しかし、その時…。

 

 

「ヒーローガール…スカイパァァァァンチッッ!!。」

 

 

プリズム「!!?。」

 

 

咄嗟に避けるプリズム。

その瞬間、桜の花びらが舞い散って、一人の少女が姿を現す。

 

 

「勇者…パァァァァンチッッ!!。」

 

 

両腕をクロスして防ぐプリズムは後方に吹き飛ばされる。

 

 

そして、思わず笑みを浮かべた。

 

 

プリズム「…へェ…さっすがヒーロー、もうここまで来たんだ?。」

 

 

並び立つのはキュアスカイと勇者装束に身を包んだ友奈。

 

 

そして、取り囲むように炎に包まれたアグニと黒い稲妻を纏った烈火が空から落ちてくる。

 

 

スカイ「……ましろさん…貴女を止めるために…私は前を向きます…例え、貴女と拳を交える事になろうとも取り戻して見せますッ!!。」

 

 

ーーーー貴女という大切な…友達をッッ!!ーーーー

 

 

……………end。

 

 




人格反転したましろの強襲に、一瞬で追い詰められた蒼葉達。


その窮地を救ったのは同じくここを目指していたソラと友奈、そして鷹夜と烈火だった。


2度目の対峙…届け、この思い。


スカイは決意を込めて、親友であるプリズムと拳を交える覚悟を決めた。

次回
第29話 襲来、破滅の姫君・後編。
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