〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

<破滅の姫君>として、ツバサ達の前に現れたましろ。

その圧倒的な力に対抗する術を失い、追い詰められていく。

トドメの一撃が放たれる寸前、同じくヤマザクラ本部を目指していたソラ達がなんとか間に合い、その窮地を救う。

対峙するスカイ達と、プリズム。

覚悟を決めたその拳で前へと進む。


全ては…貴女を取り戻すために。




第29話 襲来、破滅の姫君・後編。

 

プリズム「…かっこいいね?。4人とも、ヒーローみたい。」

 

 

囲まれても余裕な表情をするプリズム。

 

 

ウイング「ソラさん…!!。」

 

 

風「ゆ…友奈…。」

 

 

スカイ「すみません、遅くなりました。でもよかった、なんとか無事で。」

 

 

友奈「風先輩に樹ちゃん、そして蒼葉君。そこで休んでて?。あとは私たちに任せてくれたらいいよ!。」

 

 

アグニ「随分と人相が悪くなったなましろ。少し見ない間に、グレちまったか?。」

 

 

プリズム「鷹夜君、殺してあげたつもりなんだけどな…まだ、立ち向かって来るんだ?。私を殴れない癖に。」

 

 

アグニ「…あの時、お前に腹貫かれて吹っ切れたよ。ありがとな、お陰で…必死になれる…!。」

 

 

プリズム「何それ、つまんない…。」

 

 

烈火「クッソォオ…またヤベェのと戦うのか…俺、格上と戦う呪いにでも掛かってんのか…?。」

 

 

蒼葉「烈火…すまん……。」

 

 

烈火「良いって。今度、ジュースでも奢ってくれりゃそれでいい。さて…全く隙がねぇなコイツ。油断してたら一瞬でやられちまいそうだ。」

 

 

プリズム「なら、君から殺してあげよう!。」

 

 

一瞬の速度で烈火に突撃。

 

闇のエネルギーを込めた手刀を放つ。

 

 

蒼葉「烈火、避けろッ!!。」

 

 

蒼葉の言葉も虚しく、烈火はその攻撃をまともに受ける。

 

 

しかし、プリズムは表情を曇らせた。

 

 

プリズム「…何それ、効いてないの…?。」

 

 

烈火「いや、効いてるさ。痛いだけでな…!!。」

 

 

メイスを振るいあげるが、プリズムは体を逸らして回避。

そこにすかさず、友奈が拳を構えて割り込む。

 

 

友奈「ねぇ、ソラちゃんのお友達なんでしょ!?。もうやめようよ!!。」

 

 

プリズム「聖人君子のつもりかな?。それとも、自分の正義感を私に押し付けてるの…?。」

 

 

友奈「違うよ!!。お友達同士で戦うってとても辛い事なんだ!!。きっと、貴女も元に戻ればその事で苦しい思いをするはず…ソラちゃんから聞いたんだ、すごく優しい子だって!。」

 

 

プリズム「優しい優しいって…しつこいくらい聞いてるし…もうウンザリなんだけど…ッ!!。」

 

 

合間にエネルギー弾を撃ち込むが、友奈はそれを手の甲で弾き飛ばす。

 

 

 

アグニ「ましろォオオオオ!!。」

 

 

炎を纏いながら突撃。互いの拳がぶつかり合う。

 

 

プリズム「鷹夜君、強くなったね!?。」

 

 

アグニ「そりゃ、どうも…!!。」

 

 

炎を込めたアッパーカットを放つも、プリズムは避けては蹴り技でカウンターを放つ。

 

 

しかし、アグニはそれを額で受けて血を流しながらもその動きを止めた。

 

 

アグニ「足癖が悪ぃな?。そんなにホイホイ脚上げてると「見えちまう」ぞ?。」

 

 

プリズム「ッ…変態…!。」

 

 

二人は距離を取り、向かい合う。

 

 

アグニ「冗談さ、悪いな。でもお前…本当にそれでいいのか?。」

 

 

プリズム「…何が…?。」

 

 

アグニ「本当の自分になれたとか言ってるけどお前…顔にそれが出てねェんだわ。「本音」じゃねェだろ。」

 

 

プリズム「…挑発してるつもり…?。」

 

 

アグニ「いや、俺の本音さ。本当に殺すつもりなら、中途半端な攻撃はしねェ、殺意がねェんだよ。」

 

 

アグニの言葉に、プリズムは感情が無くなる。

 

 

プリズム「うるさいうるさいうるさい…。」

 

 

うるさぁああああいッッ!!。

 

 

大声を上げながら、プリズムはアグニに集中攻撃を繰り出す。

 

 

アグニ「ちぃ…ッ!!。」

 

 

プリズム「私の感情に入って来ないでよッ!!。みんなして、そう言った上部の私しかみていない!!。虹ヶ丘ましろは優しい奴だ…それしか言わないよねッッ!?。」

 

 

その猛攻撃に、後ずさるアグニ。

 

 

プリズム「殺意が無いって!?。そりゃそうだよ!だって、嬲り殺しにする為だから!!。猫はネズミを遊び殺すでしょ!?。それと同じッッ!!。死に急ぎたいなら今ここで殺ってもいいけどねッッ!?。」

 

 

確実に命を刈り取る攻撃を繰り出すプリズム。

 

 

しかし、アグニはそれを見切って攻撃を受け止める。

 

 

アグニ「そんな事、言ってねェだろうが。確かにお前は優しい奴だ、しかしそれと同時にお前は不器用でもある。」

 

 

手首を掴み上げ、顔を近付ける。

 

 

アグニ「本当の感情を押し殺して、優しさを全面に出している…。自分に正直になれてねェのは…お前自身だろ。お前は…お前自身が自分を蔑んでんだ。」

 

 

プリズム「…ッ……!!。」

 

 

アグニ「俺はお前を止めに来た!!。こんな荒くれ者に声を掛けてくれたのはお前ぐらいだったぞ、だから俺は感謝してんだ!!。お前を取り戻す為なら俺は…絶望如きじゃ止まらねェッッ!!。」

 

 

炎を噴射させながら、プリズムに拳を打ち込む。

 

 

アグニ「一つッッ!!。絶望如きで折れるなッッ!折れる時は、大事な奴が死んだ時ッッ!!。」

 

 

蹴りを放ち、よろけたプリズムは片手で受け止める。

しかし、アグニの闘志はグングンと上がり続ける。

 

 

アグニ「二つッッ!!。恩を仇で返すな、受けた恩は万倍にして返せッッ!!。」

 

 

育ての親がいつも口癖のように言っていた事を口に出すアグニ。

 

 

その人は、決して「良い人間」とは言えなかった。

 

社会的に省かれた「ならず者」…俗に言う日陰者だった。

 

しかしそれでも、その人の意志には揺るがない信念があった。

 

人の道から外れた恥ずかしい生き方だけは絶対にするな…「仁義」を持って、人に接しろ。

 

アグニは…鷹夜はそんな育ての親の事が大好きだった。

 

鷹夜は元々、捨て子だった。

 

大雨の中、段ボールに入れられていた自分をその男が拾い上げた。

 

裕福とは程遠い、ひもじい生活を送っていた。

しかしそれでも、意味のある1日を毎日送っていたのだ。

 

そして、その人は…他界した。

 

鷹夜の誕生日…本当の誕生日は知らないが、拾われて家族になった日が誕生日だった。

 

その日に、亡くなった。凶弾に打たれて。

 

金が無かったのか、スーパーで売っている安いカステラをケーキがわりに買っていて。

 

その日から、鷹夜は決めていた。

 

あの人のような…デカい「男」になるんだと。

 

そしてそれは今、対峙しているプリズムに対してその意志をぶつける。

 

誤解を産み続け、噂だけの素行の悪さから、避けられていた鷹夜に唯一、普通に接したのがましろだった。

 

あの日から、救われた気がした。鷹夜はそう思っていて。

 

だからぶつける、彼女を救うためだけにその全てを。

そしてそれは彼女に芽生えた悪の感情に向き合い、その感情のみ「殴り倒す」為に。

 

 

アグニ「三つッ!。その拳は…「仁義」の為にッッ!!。」

 

 

全力の一撃を放つアグニ。

直撃を受けたプリズムは吹き飛ばされる。

 

 

そこにすかさず、今度はスカイが飛び出す。

 

 

体勢を立て直したプリズムは、スカイと拳をぶつけ合った。

 

 

スカイ「ましろさんッ!。私はもう…泣きませんから!。」

 

 

プリズム「っ……!!?。」

 

 

スカイ「貴女が全力でぶつかりたいのなら、私はそれに応えますッッ!!。親友がそうしたいのなら、私も付き合いますッッ!!。だけど、引き返せない所に行こうとするのなら、私は全力で引き止めますッッ!!。今がその時なんですッッ!!。」

 

 

青と白のオーラがぶつかり合う。

 

 

その戦場は壮絶で、周囲の木々が薙ぎ倒される。

 

 

スカイ「ましろさんを追い詰めていたのが私達なら、謝りますッッ!!。その優しさに甘えっぱなしだったのは事実ですからッッ!!。ですから、私たちに対しても正直になってくださいッッ!!。もう自分を…偽らないでッッ!!。」

 

 

数々の思いをぶつけられすぎて、プリズムは反撃の手が全く出ない。

 

 

強烈な意志が立て続けにぶつかって来るのだ。

 

 

情報の処理が追いつかない…防戦一方になる。

 

 

虚を突かれたプリズムの眼前に、スカイの拳が迫る。

しかし、それは寸前で止まった。

 

 

スカイ「…でもやっぱり…辛いです…。」

 

 

声を震わせるスカイ。

泣かないと決めていても…意思を強く持っていても…感情に蓋はできなかった。

 

 

一筋の涙を落とすスカイ。

でも、目は哀しみに暮れていない…寧ろ、力強くなる。

 

 

スカイ「…ソラシド市に落ちてきたあの日…貴女に出会わなければどうなっていたかわかりません…お部屋を貸してくれて…一緒に戦ってくれて…たまに、言い合いになったりもしましたけど…それでも最後はいつも、二人で笑い合っていた…手を繋いで、同じ空を見上げて笑っていた…。」

 

 

拳を解いて、手を差し出すスカイ。

 

 

スカイ「もう出来ないって考えてしまうとやっぱり…辛いですよッ!!。貴女無しじゃ、私はヒーローになれませんッ!!。みんながいて、その隣に貴女が居てくれるから…私はヒーローへの道を進むことが出来るんですッ!!。」

 

 

スカイは歯を食いしばり、大粒の涙をボロボロと落とす。

 

 

スカイ「だから…帰ってきてくださいましろさん。私、あまり頭は良くありませんから上手に言えませんけど…どんな形でも良い、貴女が帰ってきてくれるのなら…それだけでいいんです…。」

 

 

プリズム「…ソラ…ちゃ…ん…。」

 

 

ほんの一瞬だけ…プリズムの瞳の色が元のエメラルドグリーンへと戻る。そして、差し伸べられた手を取ろうとする。

 

 

だが……。

 

 

プリズム「ッ…あああ…あああああああああッッ!!。」

 

 

突然苦しみ出し、叫び声を上げるプリズム。

 

 

その叫びと共に闇の瘴気が溢れ出して衝撃波を放つ。

 

そして、引き剥がすかのように全員が吹き飛ばされた。

 

 

友奈「きゃあああッッ!!。」

 

 

烈火「な…なんだ…ッッ!?。」

 

 

風「ちょっと…何よこれ……。」

 

 

漆黒の蔦から、華が咲く。

 

その華から瘴気が放たれて、空が真っ赤に染まる。

 

 

プリズム「はぁ…はぁ…はぁ……ッ…!。」

 

 

「深度」がさらに深まった……虹ヶ丘ましろ……その闇からは……。

 

 

      ーーニ・ガ・サ・ナ・イーー

 

 

プリズム「…アハ…アハハ…アハハハハハッッ…♪。」

 

 

宙に浮き、漆黒の瘴気を纏いながらその笑い声だけがこだまする。

 

 

意思を強く持てない者は次々に気絶。

 

 

スカイ達も、意識を保つのにやっとだった。

 

 

何が起きているか全くわからない一同。

 

 

赤く染まった空がさらに不気味になり、さらには怨嗟の星屑達が溢れ出てくる。

 

 

その時、どこからともなく金色の光が、溢れてくる怨嗟の星屑を撃ち抜いていく。

 

 

蒼葉「…世界樹の…守護プログラム…!?。」

 

 

須美(if)「…友奈ちゃん……ッ!!。」

 

 

世界樹の守護プログラムが怨嗟の星屑を一掃し、赤く染まった空に色が戻り始める。しかし、それは広がっていないだけで一部分は赤く染まったままだった。

 

 

そして、プリズムが一同に目を向ける。

 

 

深淵を連想するかのような、赤黒い瞳の色に変化。そして、背中からは6枚の翼が生える。

 

 

プリズム「…スカイミラージュ…トーンコネクト…ひろがるチェンジ…「サタナキア」。」

 

 

闇の瘴気を一気に纏い上げ、プリズムの闇の「深度」が深まっていく。

 

 

そして…。

 

 

キュアプリズム・サタナキアフォーム。

 

 

悪魔を模したその姿、先程とは打って変わって雰囲気が一変する。

 

 

プリズムSF「…とんだ、お涙頂戴の茶番劇だったよ?。ソラちゃん?。」

 

 

スカイ「ましろ…さん…?。」

 

 

プリズムSF「一気に闇に染めようと思ったけど…世界樹、思ったよりもやるね…この世界の結城友奈はみんなを守る神様なんだ?。へぇ…生意気だね…もういいよ、今日のところはここまで。でもありがとう、お陰でわたし…もっと強くなれた♪。」

 

 

翼をはためかせ、その場から消えていく。

黒い蔦も枯れ始め、空の色は戻っていく。

 

 

スカイ「…あと…もう少しだった…くっ…!!。」

 

 

アグニ「…ましろ……。」

 

 

あともう一歩…手を取ることができなかった。

そして、闇はさらに濃くなってしまった…。

 

 

状況は悪化していく一方だ…果たして、この光達はどう立ち向かっていくのか……。

 

 

…………end。

 

 




必死の説得で、プリズムはその心を取り戻しそうになった。


しかし、彼女を縛る闇の呪縛は一筋縄ではいかず、その闇の「深度」がさらに深まってしまう。

さらなる変貌を遂げたましろ。
最悪な危機は一旦去ったが問題がまた増えてしまった。

そして、その現象から他の場所に飛ばされたメンバーが影響を受けていた。

世界樹の守護プログラムによる砲撃から逃れた怨嗟の星屑の群れは、秘境区に落ちていた洸と園子に襲いかかる。


一瞬の油断から、奈落の底へと落とされた洸と園子は身動きが取れない事から、絶望的な状況へと陥る。そして、その奈落の底とは…過去の大戦の怨嗟が渦巻く亡霊の巣だった。

次回
第30話 貴方と一緒なら……。
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