〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。


もう一人の園子によって発動された「神婚の儀」。

その成功を許してしまい、この世界の友奈は「星神」として昇華してしまう。


もう二度と、誰も死なせたくない。


優しい彼女が選ぶ道はこの世界を「閉ざす」ことだった。


第40話 「自由」の勇者・菱咲烈火。

 

友奈(星神)「…始めよう…この世界の「安寧」を。」

 

 

先ほどまで、戦闘があったこの場所は妙に静かで…そして…。

 

 

 

目の前には…「神」がいた。

 

 

 

スカイ「…そんな…間に合わなかった…また、あの時みたいに…!。」

 

 

スカイは思い返す。

あの時、ましろを失った時の事。

 

 

また、あの時と同じ……。

 

 

そんな絶望感が襲い掛かる。

 

 

アグニ「クソ…みんなに託されたのに…!。」

 

 

友奈「……。」

 

 

烈火「……まだだ。」

 

 

烈火は、メイスを握りしめて前を向く。

 

 

友奈(星神)「…もう、良いんだよ?。ありがとう、ここまで来てくれて…でも私、決めたんだ。この力でみんなを…。」

 

 

烈火「言いわけあるかッ!!。」

 

 

烈火の怒声が鳴り響く。

力強い眼差しで、メイスを握りしめると黒い稲妻が走る。

 

 

烈火「本音を話せよお前ッ!。本当にそれで良いならなんでそんなに儚い顔をしやがるッ!?。」

 

 

友奈「…え…?。」

 

 

友奈はもう一人の友奈の顔を見る。

 

それは、力強い決意を秘めた表情にも思えた。しかしなによりその本質は…。

 

 

とても、「儚い」ものだった。

 

 

烈火「お前は…「人間」として生きたいんだろう!?。でもお前は、そういう奴だもんな!?。みんなが傷付くくらいなら、自分が苦しい思いをすればいいって!。そう思ってッ!。」

 

 

飛び出す烈火は容赦なくメイスを叩きつける。

しかしそれは、見えない障壁に隔たれていて弾かれてしまう。

 

それでも、烈火は攻撃の手を緩めない。

 

 

烈火「自己犠牲も大概にしやがれよ!?。お前のその決断が、お前を大事に想ってるやつを「傷付け」てんだぞッ!!。こっちの友奈はそれに気付いて…自分の「幸せ」と向き合うようになったんだぞッ!。」

 

 

友奈「!!!。」

 

 

烈火「お前は心のどこかで「自由」を求めてんだよ!。諦めるか…お前が考え直さねェなら考え直すまで説得してやるッ!。」

 

 

飛び出す烈火。

友奈(星神)の障壁に挑むも、その強固な壁は崩すことが出来ず、メイスを握りしめる手から血が滴り落ちる。

 

 

友奈(星神)「もう止めて。そんな事したって、何かが変わる訳じゃない。」

 

 

烈火「うるせェッッ!。変わるまでやり続けるだけだッッ!。」

 

 

諦めない烈火を見て、アグニとスカイは……。

 

 

アグニ「…あいつ…。」

 

 

スカイ「そうですよね…ここで、退いてしまえばきっと…ましろさんを助けることも出来ません…だから…!。」

 

 

2人も突っ込み、友奈(星神)に挑む。

 

 

友奈(星神)「どうして抗うの…?。これが、最善な選択なのに…。」

 

 

スカイ「何が最善かだなんて分かりませんッッ!。でも、目の前にいる大切な人を救えなくてその答えが出せるはずもないッッ!。私たちはちっぽけですッッ!でも、それでも…少しずつでも前を向いて歩いていける…それが「人間」なんですよッッ!。」

 

 

アグニ「世界を救う為に出した答えは立派かもしれねェ!。でも、この世界は転機を迎えてんだッッ!。神を討ち倒してしまったから、人間が守らなきゃいけねェ!。人は神にはなれねェッッ!!。だから今、外ではみんなが戦ってるッッ!。それはきっと、神に頼らなくてもいい世界にする為にッッ!!。」

 

 

友奈(星神)「…でも、誰かが死んじゃう…犠牲になるなら私は…!。」

 

 

手を翳して、稲妻を落とす。

それに直撃したアグニとスカイは一撃で沈んでしまった。

 

 

烈火「お前らッッ!。」

 

 

友奈(星神)「今、守れるなら私は責任を果たすよ。だからこの世界を…「閉じる」。」

 

 

手を突き出すと、足元に映る地球に金色の結界が現れ始める。

 

 

友奈「何これ…!?。」

 

 

友奈(星神)「星そのものを「閉じた」んだよ。この結界が星を覆う時、外の世界から干渉も受けないし出ることも出来ない…そうだね…「箱庭」と化す…かな。」

 

 

友奈「そんなことしたら…!。」

 

 

友奈(星神)「うん…貴女のいた世界と同じ…「閉じた世界」になっちゃうかな。」

 

 

友奈「ダメだよそんなのッッ!!。閉じてしまったら…自由が無くなっちゃうッッ!。」

 

 

友奈も挑むが、その圧倒的なまでに違う力に成す術が無い。

反撃は受けないが、全く手が届かない…天の神とは違う力だ。

 

もう、「大満開」は出来ない。だからこそ、手詰まりになる。

 

 

友奈「私は今でも、誰かが傷付くのは嫌ッ!。でも、それ以上にこんな私の気持ちが大事にしてるくれる人達を傷付けていた事を知った時はもっと嫌だった!!。だから、私は自分の「幸せ」を見つめるようになったッッ!。1人で悩まないで…自分も幸せである事ッッ!!。それを知ったからッッ!。」

 

 

全力のパンチを放つも、壁に塞がれて弾かれる。

それでも、友奈は立ち向かった。

烈火と共に。

 

 

烈火「人間として生きる事を諦めてんじゃねェッッ!。神になるってことはな!もうみんなと会うことも出来ねェんだぞッッ!。そんな大事な事を覚悟の一言で片付けるなッッ!!。」

 

 

友奈(星神)「わかってるよ…もう、お互いに手が届かなくなることも。でも…それでも私は…!。」

 

 

2人の攻撃を受け止め、拳を握り締める。

 

 

烈火「!!!。」

 

 

友奈(星神)「全てを救って見せる…ッッ!!。」

 

 

突き付けられた拳から凄まじい衝撃波が放たれ、2人を飲み込む。

 

不可視の壁に叩きつけられ、思わず吐血する。

 

 

烈火「がっ…はッッ……。」

 

 

友奈「うぅ………。」

 

 

友奈(星神)「仕方ないんだよ…こうなる運命だった。私は受け入れるよ…新しい神様として……。」

 

 

烈火「何が…新しい神様……だ……!。」

 

 

血を吐きながらも、烈火は立ち上がる。

 

 

烈火「…一丁前に…語るんじゃねェよ…みんな…お前を救おうとここまで…苦い思いをしてきた奴だっているんだぞ……ちゃんと世界を見ろ友奈ッッ!!。」

 

 

踏み込み、烈火は「雷霆」を放つもそれも届かない。

 

それでも、何度も「雷霆」を放つ。

 

身体にかかる相当な負荷は、烈火の身体にダメージを蓄積していく。

 

 

身体から血飛沫を上げながらも、連発していく。

 

 

烈火「…お前が頑張らなくても…ちゃんと前を向いていけるんだよこの世界はッ!。だからお前も手伝ってやれ…「神」としてではなく…「人」として…ッッ!!。」

 

 

友奈(星神)「…やめて…もう何も、語らないで……。」

 

 

烈火「迷うなッッ!!。そして、手にしろよッッ!。もう、お前は「自由」であっていいんだッッ!!。だから…生きたいと言えッッ!!。」

 

 

友奈(星神)「やめてェエエエエッッ!!。」

 

 

全てを拒絶する光を放ち、烈火を貫く。

 

しかし、血塗れになりながらも烈火は手を伸ばす。

 

そして、そこには立ち上がった友奈も手を重ねた。

 

 

友奈「幸せになりたいって…言えばいいッッ!!。貴女は…もう許されてるッッ!!。」

 

 

烈火「ぐふっ……ッ……お前は「星神」じゃねぇ!!。結城友奈っていう…ただ1人の…女の子だッッ!!。」

 

 

その思いが…願いが…障壁を打ち消した。

 

 

そして、烈火と友奈の拳がもう1人の友奈に炸裂。

 

胸の「紋章」を打ち抜き、吹き飛ばされる。

 

 

その時、2人が走ってきてその身体を受け止めた。

 

 

もう1人の友奈は、世界を見る。

 

そこに映るのは、「DM」に立ち向かう芽吹率いる防人部隊とヤマザクラのメンバー…そして、その場に残って戦う勇者とプリキュア。

 

全員が満身創痍になりながらも、その希望の灯火は消えていない。

 

そんな中、もう1人の夏凛が現れて巨大な「DM」に一太刀浴びせる。

 

バラバラとなった世界は再び…一つに戻った。

 

 

そんな光景を見たもう1人の友奈は、安堵の表情を浮かべる。

だがそれと同時に、胸が締め付けられる思いとなる。

 

多分、何人か死んでるだろう…そう思うと、涙が溢れてくる。

 

 

友奈(星神)「…どうしよう…命が…散っていく…。」

 

 

烈火「…こんな世界なんだ。みんな、覚悟を決めてる。敵わない敵でもみんなは失っちゃいねぇのさ…「希望」を。」

 

 

友奈(星神)「…希望…?。」

 

 

友奈「…うん…だから、前を向ける…未来に託していける…そうやって、私達人間は…成長するんだ…。」

 

 

烈火「だから、信じてやれよ?。この世界の人間達をさ。」

 

 

友奈(星神)「……うん…。」

 

 

心を許し、もう一度「人」として生きる決心を付けたもう1人の友奈から勇者装束が消えていく。

 

 

そして、長い髪が解けて「人間」の姿へと戻った。

 

 

その直後、世界樹全体が揺れる。

 

それは、外で戦っている者達にはその原因がはっきりとしていた。

 

 

………………………。

 

 

須美(if)「…世界樹が……。」

 

 

芽吹(if)「…崩れる!?。総員、この場から離れろッッ!。ヤマザクラの者も早くッッ!。」

 

 

もう1人の夏凛がトドメを刺した「DM」はチリのように消えていく。

 

 

バタフライ「くっ…まだみんなが…!!。」

 

 

夏凛(if)「風と向こう側の私はちゃんと連れてきたけど…突入したキュアスカイを含めて4人はまだよ!?。」

 

 

ウイング「くっ…皆さん……!!。」

 

 

………………………。

 

 

友奈「く…崩れてるのこれッッ!?。どうやって出れば…!。」

 

 

友奈(if)「この先に行けば、地上に降りられるゲートがあるよ。そこに行けば、何とかなるかも…。」

 

 

アグニとスカイは立ち上がる。

 

 

アグニ「あそこだなッッ!?。おい、急げッッ!!。このままじゃ俺達も…!!。」

 

 

スカイ「はい!。あそこまで踏ん張りますッッ!!。」

 

 

アグニとスカイは崩れてくる瓦礫を排除しながら、道を作る。

 

 

その中心を、満身創痍な烈火と友奈が突き進む。

 

 

もう1人の友奈は烈火に抱えられながら、世界樹の最期に思いを馳せる。

 

 

友奈(if)「…おやすみなさい…「神樹様」。」

 

 

崩れる速度は尋常ではない速さで突き進み、辺りの視界が悪くなってくる。

 

 

そして何とか、スカイとアグニがゲートの目前まで迫る。

 

 

アグニ「急げッッ!!。」

 

 

スカイ「!!!。あ…危ないッッ!!。」

 

 

3人の頭上を、巨大な瓦礫が落ちてくる。

 

 

その時、烈火は腹を括った。

 

 

なんと、抱えている2人の友奈をスカイとアグニに向けて投げ飛ばしたのだ。

 

 

友奈「え…れ…烈火君ッッ!?。」

 

 

友奈(if)「ダメだよ!!。君も早くッッ!!。」

 

 

烈火「…間に合わねェよ。血を流しすぎた…視界がもうねェんだわ。」

 

 

友奈「そんな…い…嫌だよッッ!。一緒に帰ろうッッ!?。ねぇ、烈火君ッッ!。」

 

 

アグニ「待ってろ…今俺が…ッッ!!。」

 

 

烈火「鷹夜ァァァァッッ!!。」

 

 

アグニ「!!!。」

 

 

烈火「2人を頼んだぞッッ!。お前らになら任せられるッッ!。必ず地上に送り届けろッッ!!。」

 

 

力強いその覚悟の眼差し。

アグニは何も言うことが出来ずに、歯を食いしばる。

 

 

スカイは手を伸ばすが、首を横に振るアグニ。

 

 

大粒の涙を流す友奈は、ひたすら烈火の名前を呼ぶ。

 

 

巨大な瓦礫は、もう迫ってくる。

 

 

烈火「いやぁ…命張った甲斐があるな…今までで一番頑張ったかも。うん、偉いぞ俺。」

 

 

スカイ「鷹夜さんッッ!!。ダメです…彼を置いていくなんて…ッッ!。」

 

 

アグニ「いいからッッ!!…………行くぞ。」

 

 

声が小さくなるアグニを見たスカイは驚く。

 

今まで、誰の目の前でも泣いたことのない彼が……泣いていたから。

 

 

烈火「…まぁ…生きてたらまた会おうぜ?。だからさ……。」

 

 

友奈「嫌だ嫌だッッ!。いやぁああああッッ!!。」

 

 

ーーーまたな…!ーーー

 

 

ゲートの中に消えた4人。

その直後、巨大な瓦礫は烈火の頭上に落ちた。

 

 

瓦解する世界樹…その光景を、外の人間達はずっと見つめていた。

 

 

これまでずっと、守護してくれていた神の死…そして誰も知らない自由を愛する偽物の勇者……。

 

 

今日、この日。

 

 

この世界は本当の意味で……。

 

 

…神と「決別」した。

 

 

…………………end。

 




もう1人の友奈を救った一同。


しかしその代償は大きく、世界樹は崩れ去り、烈火は生死不明となってしまった。

それから数日後…。


崩れた世界樹を調査する一同の前に、「アンダーグ帝国」からの新たな刺客がやってくる…。

次回
<第2部・プリキュア編>
第41話 強敵、VSスキアヘッド。
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