〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

窮地に立たされた初代勇者達を助けるべく、歴史の干渉に踏み切った7人。

心のままに行動する彼らは、ただ彼女達を助けたい一心で動く。

烈火と鷹夜は、己が抱く信念の為に戦う。

「自由」と「仁義」。

彼らの原動力はまさにそれだった。


第55話 「自由」と「仁義」、2つの力。

 

若葉「…お前達……。」

 

 

負傷した若葉の前に、7人は並び立つ。

その姿は凛々しく、ただ助けたい一心が伝わってくる。

絶望的だった初代勇者達は、思わぬ加勢に少しだけ希望を見出す。

 

先陣を切ったのは烈火。メイスを両手で構えて突撃する。

それに続くように、他の6人も突っ込んでいく。

 

 

烈火「ここで動かねェと俺は死ぬまで後悔するッ!!。」

 

 

アグニ「ハッ!。もうやっちまったんだ、なら思う存分暴れてやればいいだろッ!!。」

 

 

2人の少年は、大量の星屑の中心に突っ込んでひたすらに撃破していく。

 

 

杏「…どうして私たちを助けてくれるんですか…捕まえて牢屋に入れたりと酷い事をしたのに…。」

 

 

スカイ「人を助けるのに理由なんて要らないです。私達はただ、他者の為に戦う貴女達を助けたいと思ったから。それで、いいですか?。」

 

 

スレイヤー「ま…こっちには後先考えねェバカが勝手に突っ込んでるだけだからな。気にすんな、やりてェようにやってるだけさ。」

 

 

球子「そうなの…か…?。」

 

 

アグニ「ヴォルケーノストライクッッ!!。」

 

 

拳に炎を宿らせて、全力で殴るアグニ。

星屑は爆散しながらその数を減らす。

 

 

烈火「ハハッ!やるじゃねェか鷹夜ッ!。」

 

 

アグニ「褒めてる暇がありゃ、手を動かせッ!。コイツら、バカみてェに湧いて来やがるッッ!。」

 

 

烈火「わんこそばならぬ、わんこバーテックスってかッ!?。」

 

 

アグニ「無駄口叩けるってことは、テメェまだまだ余裕だろッ!?。」

 

 

2人は、湧き出てくる星屑に臆する事なく、蹂躙していく。

その様はまるで、楽しんでいるように…しかし、2人は互いに背中を任せて信頼関係を築く。その様子に、初代勇者達も触発された。

 

 

千景「…どこから来たかもわからない余所者に、良いところばかり取らせたくないわね…。」

 

 

友奈(高嶋)「いける!?ぐんちゃん!。」

 

 

千景「…ええ、負けてたまるものですか…ッ!。」

 

 

負けじと、千景と友奈(高嶋)は別の場所に現れた星屑の対処に向かう。

 

 

ウイング「ひろがる!!。ウイングアタックッ!!。」

 

 

宙を舞いながら、「ウイングアタック」で突撃していくウイング。

その傍らに、スカイが現れては星屑を掴んで投げ飛ばす。

 

 

園子「洸ッ!!。」

 

 

スレイヤ―「おうよッ!!。」

 

 

二人は息の合ったコンビネーションで攻め込み、星屑を撃破。

背中合わせに死角を作らないように立ち回る。

 

 

若葉(奴らの行動パターンを熟知した戦闘方法…彼らは、バーテックスとの戦い方を知っているのか…?)

 

 

7人の見事なコンビネーションに、若葉は視線が釘付けとなる。

迫りくる星屑たちに、何の恐怖も抱いていない…。

その頼もしさに、一種の安心感を抱く。

しかし、そこは乃木若葉だった。他力本願にならずに、自分もと闘志を奮い立たせる。

 

納刀し、居合の構えを取る若葉。

迫りくる1体の星屑を気配のみで察知し、その瞬間。

 

 

若葉「…失せろ。」

 

 

一振りで両断。その死体が転がっていく。

 

 

スカイ(なんという太刀筋…すごく綺麗…。)

 

 

友奈「ソラちゃんッ!!。」

 

 

スカイ「はいッ!!。」

 

 

友奈と並び立つソラ。

二人は、力を込め始める。

 

 

スカイ「きっと、この人達が居たから友奈さん達の世界がある…そして、この人たちが命の炎を燃やして戦ったから、この世界の人類は300年間、ずっと存続し続けた…!。」

 

 

友奈「これは、助ける為だけじゃない…私たちの時代までちゃんと繋いでくれたバトン…それに報いる為の…!!。」

 

 

「「感謝だッ!!。」」

 

 

飛び出した2人はそれぞれの拳を突き付ける。

舞い散る花びらと共に突き進む蒼の閃光。

 

それは樹海内に一直線に突き進み、異形達を殲滅していく。

無限に湧き出てくる星屑といえど、ここまでの抵抗は予測できなかったのだろう。

進撃の勢いが弱まっていく。

 

 

若葉「行ける…この激戦に勝機が見えた…!!。」

 

 

一筋の勝利を見据えた若葉。

劣勢状態から、一気に巻き返しを図る。

だがそれでも、バーテックスは侵攻の勢いを殺さない。

 

 

スレイヤー「しつけェなコイツら…ッ!!。」

 

 

園子「いつもの事だよ。バーテックスとの戦いはこんなものッ!!。」

 

 

槍の一突きを繰り出した直後、花びらとなって消えた園子はスレイヤーの背後に迫っていた星屑を一閃した。

 

 

スレイヤー「…おお…助かった。」

 

 

園子「フフ、借し一つね~?。」

 

 

スレイヤー「そうかい…!。」

 

 

続いて、園子の後ろにいた星屑をエネルギー弾で消し飛ばす。

 

 

スレイヤー「借りは返したぞ?。」

 

 

園子「あらら…。」

 

 

球子「うぐぐ…杏、動けるか!?。」

 

 

杏「ごめん、足をやられちゃったから…。」

 

 

足にダメージを負った杏を守るべく、奮闘していた球子。

そこに、ウイングがやってきて杏を抱えて空を舞う。

 

 

ウイング「僕が彼女を抱えて移動します!。いけますかッ!?。」

 

 

球子「おお~、助かったよ少年ッ!!。」

 

 

身動きが取れるようになった球子は、戦刃盤を振り回しては群がってくる星屑を切り刻んでいく。

 

 

友奈(高嶋)「ちょっと待って、あの男の子2人の所にすごい数のバーテックスがッ!!。」

 

 

烈火とアグニが居る場所に、とんでもない数の星屑が群がる。

その数はざっと、200は軽く超えている。

 

 

千景「いくら何でもあの数は…ッ!!。」

 

 

友奈「ううん、大丈夫だと思うよ?。」

 

 

友奈(高嶋)「ええッ!?。本当にッ!?。」

 

 

スカイ「はい、あの人達ならこれくらいは何ともありませんから。下手に近付かない方がいいかもしれません。巻き込まれますよ?。」

 

 

2人の懸念に、心配の色を見せないスカイと友奈。

その通り、2人は囲まれながらも互いに戦意に満ち溢れていた。

 

 

烈火「おいおい、人気者だぞ俺ら!。」

 

 

アグニ「みてェだな、おいお前。バテてねェだろうな?。」

 

 

烈火「はッ…お前こそ休んでてもいいんだぜ?。」

 

 

アグニ「バカ言えよ。今しがた、ギアが上がってきたところだぜ!!。」

 

 

攻撃をいくつか受けたのだろう、2人は傷を負いながらもその闘志に衰えは全く無い。

それどころか、さらに高揚させる。

 

 

烈火「吹っ切れたら気持ちいいもんだろ、これが「自由」さッ!。」

 

 

アグニ「確かにな、人の為に行使するのもなかなかなもんだろ、これが「仁義」さ。」

 

 

2人は己が抱き、信条としている「信念」を語り合う。

そして、肩を並べて構えを取る。

 

 

アグニ「自分の身体がいくら傷付こうが関係ねェッ!。俺は学んだんだ、世話になった「おっさん」からッ!。」

 

 

-人の為に…大切なものの為に「戦え」ってなッ!。―

 

 

轟炎に身を包ませながら、「仁義」の拳を奮うアグニ。

 

 

烈火「へッ…退屈な日常程、幸せなもんはねェ。生きてる奴ら全員に平等にある。そして、何者にも縛られれねェ「自分らしさ」を貫いて生きていく…やりてェと思うから、俺は戦うんだ…!。」

 

 

-楽しく生きなきゃ損だろ、どうせ一度きりの人生だ…やりてェようにやればいいッ!。-

 

 

黒い雷を纏いながら、「自由」の為の一撃を繰り出す烈火。

 

 

「自由」と「仁義」。2つの信念が重なり合う。

 

 

―――迦具土命(カグツチ)ッッ!!。―――

 

 

「自由」の雷…「仁義」の炎。

 

 

2つの「信念」が重なった一撃。

それは200を超える星屑をたった一撃で全滅させた。

樹海内部に轟く轟音。

それは、「神殺し」の力。

神の先兵である「バーテックス」を葬り去る怒涛の一撃は、本能で動くバーテックスを「畏怖」させるものであった。

立ち込める土煙が晴れると、拳から炎を噴き出したアグニとメイスに黒い雷を纏わせた烈火が攻撃のモーションのまま、力強い眼差しで先を見据えていた。

 

 

若葉「勝鬨を上げろ!。防衛線は勝利だッ!!。」

 

 

若葉の声と共に、樹海化が解けていく。

街は元に戻るが、激戦の跡なのかその影響は少なからずと出ていた。

 

倒木・落石…といった、自然災害という形で。

しかし、被害はそれだけに留まれたのは不幸中の幸いだっただろう。

あの物量差を考えてみれば、防衛線は敗北といった結果も考えられる。

此度の戦闘では負傷者が数名といった、規模に比べて軽いものとなる。

 

 

戦闘を終えて、若葉は7人に歩み寄る。

 

 

若葉「助太刀は感謝する。しかし…お前たちが何者か教えてくれないか。流石に、誤魔化しは効かんぞ?。」

 

 

若葉の発言に、納得した様子で頷く7人。

変身を解いて、事の詳細を語りだす。

 

 

………………。

 

 

若葉「何…未来から来た勇者だと…!?。」

 

 

当然、その言葉に驚愕する若葉。

当たり前だ、現実味の無いことを突然言われたら誰もがその反応を示すに決まっている。

 

 

友奈「信じてもらえないのはわかります、けどこれは事実なんです。」

 

 

千景「それに「プリキュア」って…聞いたことのない名前だわ。」

 

 

ツバサ「それは…僕たちは「違う世界」で戦ってた戦士ですから…。」

 

 

友奈(高嶋)「えっと…何がなんだかチンプンカンプンだよぉ~…。」

 

 

ソラ「私たちは「ある人物」を探してここに来ました。もう、時間がありません。」

 

 

若葉「…お前が語っていた人物の事か…。」

 

 

烈火「ああ、ソイツはここにいる「ソラ」と同じ人物…もう一人のソラの事だ。」

 

 

若葉「兵庫で人助けをしていた人の事か…すまないが、そういった話は大社から聞かされていない。もし、それが本当の話なら何故、大社は「プリキュア」という存在を公表しない?。」

 

 

園子「…それは、大社にとって都合が悪いからだよ。」

 

 

杏「都合…ですか?。」

 

 

ソラ「はい。もう一人の私は神によって「祟り」に冒されています。この世界において、神というものがいかに重要かは理解しています。そんな人を公表するわけにはいきませんよね。人々の不安を煽るような存在は隠し通したいはずですから。」

 

 

ソラの言葉に、若葉は壁に拳を叩きつけた。

 

 

若葉「ふざけるなッ!。「祟り」に冒されているからといって、人助けを行った人物に対してその仕打ちはあんまりだろう!!。私が大社に行って、問いただしてくるッ!!。」

 

 

園子「ダメだよッ!。そんなことをすれば、貴女たちの今後にも響くッ!。私たちはもう一人のそーちゃんの痕跡を探せればそれでいいのッ!。勝手にこの世界に来たんだ、貴女たちのご迷惑にはなりたくないッ!。」

 

 

必死に食い止める園子に気押しされた若葉は、踏みとどまった。

 

 

鷹夜「俺達が言いてェのは、「外」に行って調べたいってことだ。それが済めば、勝手に帰る。時間があまりねェんだ…それに、俺達が来たかったのはこの時間軸じゃねェ。3年前の…「7.30天災」の日だ。」

 

 

洸「だからこのまま黙って行かせてほしい。あまり関りを持つと、この世界の「未来」に影響が出ちまうからな。」

 

 

若葉は一時、考える。

そして、決心したように7人を見て。

 

 

若葉「ならば、私達も同行しよう。」

 

 

友奈「えッ…!?。」

 

 

若葉「明日、私たちは「外」に用がある。それも遠征レベルだ。少しは手伝えるかもしれない。」

 

 

烈火「……いいのかよ?。」

 

 

若葉「ああ、此度の礼と詫びもある。それに…私も気になるのだ。「祟り」に冒されながらも、奮闘した「ソラ・ハレワタール」という勇敢なる人物の事……善行には報いを。私の信条だ。」

 

 

球子「それに、タマたちに隠れて行けば大社の目を逸らせるかもしれないからなッ!!。」

 

 

思いがけないその言葉に、ソラは胸を撫で卸す。

 

 

ソラ「……ありがとうございます。では…よろしくお願いいたしますね?。若葉さん。」

 

 

若葉「ああ。こちらこそ…ソラ。」

 

 

互いに握手を交わすソラと若葉。

 

 

初代勇者達と未来からの戦士たち。

その同盟が今ここに…。

 

 

誕生した。

 

 

魂消滅まで残り…「4日」。

 

 

……………end。

 

 

 





初代勇者達の助太刀をした7人は、歴史の影響を顧みずに「心のまま」に行動した。

結果、防衛線は勝利とし、バーテックスの脅威から四国はを守ることが出来た。


素性を明かす7人。若葉はその理由を理解し7人に協力することを約束する。


魂消滅まで残り4日を切りタイムリミットが迫る中、初代勇者達の遠征が始まる。


それに同行する7人が目指す先はもう一人のソラが居たとされる「兵庫」。


時空を超えてその想いを回収すべく、一同の旅が始まった。

次回
第56話 会いにいきます、もう一人の「私」。
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