〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い 作:やままん
異なる世界は決して交わる事はなく、お互いの住人達はそんな存在すら知らない。
一部、例外を除いては異なる世界の者同士が邂逅するなんてあり得ない。
そう、あり得ない…はずだった……。
………とある、世界。
6人の少女達は、戦いを終えた。
酷く辛い、そして歴史をなぞればそれは途方もない年月が経った戦い。
人類の行く末は、神に見初められた少女達に委ねられた。
時には残酷に、そして時には昨日まで居た者が消えてしまった。
年端も行かない普通の少女達に背負わされた宿命。それは、ようやく終わりを迎えた…はずだった……。
ーーーーーー
「…そんな…なんで…なんでまた「コイツら」が出てくるのよッッ!?。」
少女達のリーダーなのだろう、巨大な大剣を携えた少女は眼前に迫る無数の「怪物」の姿に、戦慄する。
「私達は確かにあの時、全てを終わらせたはずだった!。生き残りとでも言うの…!?。」
「あ………。」
襲い来る怪物の群れ。
その時、槍を持った手負いの少女の背後に巨大な黒い穴が出現。
吸い込まれるように、その少女は穴の中に消えていく。
「あ…あれれ…?。」
「……「そのっちッッ」!!。」
――――――――――
~ソラシド市、虹ヶ丘邸~
バッタモンダーとの決闘に勝利したソラは、河川敷で気を失っていたところを心配してやってきたましろ達によって、虹ヶ丘邸に搬送され、手当てを受けていた。
幸い、怪我は大事に至らず数日で動けるまでには回復。
傷跡も残っておらず、ソラは良好の意を示す。
ましろ「ソラちゃんッ!!。」
ソラ「は…はいッ!!。」
大声を出したましろに、ソラは思わず身体が跳ね上がる。
ましろ「決闘だなんてッ!!。なんでそんな 大事な事を言ってくれなかったの!?。」
ソラ「えっと…(街を爆破するって言われたこと、言えない…)。」
なんとか、言い訳を考えようとするがウソを付けないソラは思わず言葉を詰まらせる。
鷹夜「もういいじゃねェか?そいつには勝ったんだろ?。」
ソラ「はい…なんとか…。」
ましろ「そういう問題じゃないよッ!!。心配したんだよ!?。急にいなくなるし、探してみたら河川敷で倒れてたし!。」
ソラ「ご…ごめんなさい…。」
ましろの気迫に負けたソラは、声を小さくしながら謝る。
その雰囲気に、鷹夜も言葉が出ない。
そこへ…。
「やっほ~!。なになに、ケンカはダメだよ~?。」
部屋の扉を開け、一人の女性が入ってくる。
ましろ「あげはちゃん!?。」
鷹夜「ゲッ…!。」
聖あげは。
ましろの幼馴染で、保育士を目指す女性。成人を迎えた年齢であり、みんなのお姉さんのような存在だ。
鷹夜はあげはの姿を見て、一瞬だけ視線を逸らす。
顔見知りなのか、そんな鷹夜の様子を見てあげはは声を上げる。
あげは「アンタ…タカ坊じゃんッ!!。」
ソラ&ましろ「「タカ坊?。」」
鷹夜「うぐッ…その呼び方はやめろって言ってんだろ!!。あげは姉ッ!。」
恥ずかしいのか、珍しくムキになる鷹夜。
ソラとましろは目を丸くする。
ましろ「あげはちゃん、鷹夜君と知り合いなの?。」
あげは「まあね。コイツ、近所でも有名な不良少年じゃん?。」
鷹夜「不良って言うなッ!。俺がケンカをする理由は…!。」
あげは「分かってるよ。仁義の為…でしょ?。誰もアンタの事、悪者扱いはしてないよ。にしても、相変わらず「あの人」の言いつけを守ってるんだね?。」
ソラ「あの人?。」
あげは「育ての親の人。まぁ、それについては今度タカ坊に聞くといいよ。あんまし、人様の事情を話すわけにはいかないしね?。まぁ、あたしとコイツが顔見知りなのは、子供に突っかかってた高校生をあたしがどやしてた時にだよ。絡まれてるって勘違いしたのか、いきなり現れてはソイツらに殴りかかってね〜。」
鷹夜「ぐっ…そりゃ…見過ごせなかったから…。」
あげは「ま、その時からの腐れ縁ってやつだね。お陰で警察の人には注意されるし…ま、根はいい奴なんだよ。それはあたしが保証するッッ!。」
ましろ「そうだったんだ?。なんか、意外だなぁ…あ、今日は実習があるんでしょ?。」
あげは「そう!。色々準備してたら、時間かかっちゃってッッ!。ヤバッ、そろそろ行かなきゃ!。そんじゃあねッッ!?。」
バタバタと、慌ただしく出ていくあげは。
まるで、風のように颯爽と去っていく様は3人とも思わず、苦笑いする。
鷹夜「相変わらずの自由人だな。語るだけ語って行きやがった。」
ソラ「それがあの人の良いところですよ。いつも、助けられてます。あの明るさに。」
…………。
虹ヶ丘邸から愛車に乗って出発したあげはは、目的の場所に移動していた。
その時、空に大きな穴が開いた。
驚いたアゲハは車をすぐに路肩に停車させて、その穴を見る。
あげは「ちょ…何あれ!?。」
あげは(おかしいな…他の車は停車してない?。見えてるのはあたしだけっていうの?。)
明らかに異常な空。しかし。まるで見えていないのか自分以外の車は停車することなく普通に走っている。
すると、その穴から一人の少女が落ちてくる。
見るからに重症だ。
地面に激突しないよう、あげはは急いで向かう。
あげは「間に合え~ッ!!。」
火事場の馬鹿力といった所か、なんとかその少女を受け止めたあげは。
見た目は、ましろ達と同じくらいだろう。長い髪の可愛らしい少女。
しかし、その少女の怪我はひどく、気を失っていた。
あげは「ちょっと!!。結構やばい感じッ!?。とりあえず、病院に連れて行かなきゃッ!!。」
急いで車に向かうあげはは、後部座席のシートを倒してその少女を寝かせる。
この後の大事な用事よりも、少女の怪我の方が気になるあげは。
無我夢中で車を走らせ、近くの病院に向かう。
あげは(免許取り立てでも捕まってもいいかッ!。人の命には代えられないしッ!!。)
そして、数十分は走らせたのか、正直覚えていない。
だけどなんとか近くの大型病院にたどり着き、少女をおぶって急いでフロントに駆け込む。
あげは「急いでくださいッッ!急患ですッッ!この子、怪我が酷くてッッ!。」
冷静に、受け付けに訴えかけるあげは。
その少女はすぐに搬送された。
…………………。
それから、数時間は経ったであろう。
医師が、あげはの元にやってくる。
「命に別状はありませんよ?。怪我は外傷が殆どですし…今は意識を取り戻しております。」
あげは「ありがとうございますッ!。」
あげはは頭を下げる。
そして、件の少女の病室に向かう。
「あっ……。」
あげは「えっと…大丈夫?。」
「はい〜。お姉さんが運んでくれたんですよね?。助かりました〜。」
間延びした喋りをする少女。
様子を見るからに、問題なさそうであげはは安堵の表情をする。
あげは「あはは、そりゃ良かったよ。えっと…道端で倒れてたんだよ君。何かあったの?。」
空から落ちてきた……。
流石にそんなことは言えないのだろう、あげはは言葉を変える。
「大丈夫ですよ〜。私、自分がどうなったかはよく分かってますから〜。」
あげは「え…そうなの…?。じゃあ…。」
あげははその少女に、本当のことを話す。
突如、空に開いた穴から落ちてきたこと。
怪我が酷いという事はなにかあったのか…気になること全てをぶつけてみる。すると…。
「どこから説明したら良いのかな〜…それにここ、「四国」じゃないと思うんよ〜。」
あげは「四国…?。うん、全然違うね…同じ日本だけど…。」
「ですよね〜?。だから、今整理したんですけど…きっとここ、私の居た「世界」とは違う世界だと思うんです。だって、私の居た世界の「外」はこんなに綺麗な場所なんて多分、ないと思うので〜。」
いきなり、予想外のことを言う少女。
それも、淡々と話す様子からきっと自分の置かれた状況をよく理解しているんだと思う。
それでも、あげはは少女の言っていることが理解出来ない。
あげは「ちょっと待って…違う世界って事は…スカイランドみたいに、こことは違う場所から来たって言う事?。」
「ん〜…その、スカイランドっていうのがよく分かりませんけど…多分、お姉さんの言っていることで合ってると思いますよ?。あくまで私の予想ですけど。」
あげは(…漫画とかでよくみる「異世界」ってこと?。でも、四国は聞いた事あるし…っていうか、日本に住んでて知らないわけ無いし…じゃあ、私たちの知る日本とは違う「日本」という事…?。)
頭の中で状況を整理するあげは。
少し前の自分なら全くついていけなかっただろう。しかし今は、プリキュアとして戦う日常のせいで多少の非現実的な事には慣れてきている。
ましてや、ソラという異世界から来た人間がいるんだ。
そう思うと、この少女の言っている事は理解できる。
もしかしたら、この少女の居た所も同じような「異世界」への認識があるのかもしれない。
そう思ったあげはは、この少女の言っている事に納得の意を示す。
………すこし、信じがたいが。
あげは「うーん…だったら、君の居たところに帰る方法を考えないとね?。そうだ、あたしの名前は聖あげは!。保育士目指してますッ!。君は…?。」
自己紹介をするあげはに、少女はニッコリと笑みを浮かべる。
「私?。私の名前は乃木園子。」
園子「「勇者」やってま〜す♩。」
………………end。
空から落ちてきた少女は「乃木園子」と名乗る。
「勇者」やってます。
この言葉にあげはは理解が追いつかなかった。
数日後、あげはの紹介で園子はソラ達と顔を合わせることになる。
そこへ現れる未知の敵。
これまでにない威圧感から、二つの世界の戦士は互いに手を取り合う事を決意する。
異なる世界の者同士の出会い。そして、物語はここから動き出すことになる……。
次回
第5話 共闘、プリキュアと勇者。