〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い 作:やままん
シン・バーテックスの住まう異空間に閉じ込められた東郷と蒼葉。
「満開」の力でシン・ライブラを撃破し、出口を探す中2人は超大型のシン・バーテックスを目撃する。
現在の戦力では勝ち目がない…そう悟った2人は引き続き出口を捜索する。
そこで語られた蒼葉に秘密…それを聞いた東郷は激怒した。
その頃、現実世界でも動きがあった。
「海祇機関」の大規模な動き…そして…アンダーグ帝国の影。
それを知らない一同は、混沌とした状況に巻き込まれることになる…。
友奈「…東郷さん…。」
2人の帰りが遅いことに、不審に思った一同は捜索に出ていた。
友奈が持っているものはそこに落ちていた東郷のリボン。
この周辺を探していたソラ達も戻ってくる。
ソラ「はぁ…はぁ…どこにもいませんッ!。」
風「全く…どこをほっつき歩いてるのよあの2人…。」
キュアウイングに変身したツバサも帰還。その結果を聞いた一同だが、彼は首を横に振った。
ウイング「ダメです、ここの鳥たちに聞いてみましたが見てないと…。」
あげは「…まさか、「海祇機関」に捕まった!?。」
夏凛「可能性はあるけど…それなら、戦闘の跡があるはずよ?。東郷のリボンだけここに落ちていることが不可解だわ…まるで「神隠し」にあったみたいに…。」
神隠し…。
それを聞いた園子がハッと、気付く。
園子「それだよッ!。」
雀「ひぅッ!?。そ…それって…?。」
園子「神隠し!。私が以前、そーちゃん達の世界に行ったときと同じ!!。」
夏凛「はぁ?。まさか…それと同じことが起きたっていうの?。」
鷹夜「なら、「劇団」絡みか?。」
園子「断定はできないけどね…でも、それなら説明が付く…この世界なら起きても不思議じゃない…わっしーとあおはそれに巻き込まれたんだと思う…。」
鷹夜「おいおい…それなら、アイツらは別の世界に飛ばされたことになるぞ!?。なんてこった…探しに行こうにもどうすることも出来ねェぞ…!。」
友奈(if)「信じて待つ…それしかない。」
友奈「…えッ?。」
友奈(if)「今ここで、私たちが動いてしまったらそれこそもっと大変な事になる…どこの世界に居るかもわからないなら、東郷さん達が自力で帰ってくるのを待つ方がいい。私はそう思うな…?。」
もう一人の友奈の意見に、何も返せなかった。
確かにその通りだ…今ここで、分断してしまえば千景が仕掛けてくる可能性だってある。だから、信じて待つ…あの2人を。そう思った。
――――――――――――――――。
~「海祇機関」~
千景「それで…失敗したというの?。」
帰還した美夏から報告を受ける千景。申し訳なさそうに、美夏は頭を下げる。
美夏「申し訳ございません、千景様。次こそは必ず…!。」
千景「安心しなさい、悪の組織のような理念は持ち合わせてはいないわ。それだけ彼らが強大だったという事よ。なるほど…これまでのような一手では通用しなくなったわね。」
慎也「では、どういたしましょうか?。」
千景「…ここは勝負に出ましょう。私も行くわ…あまり時間を与えてあげない…今のうちに刈り取りましょう。」
-私たちの目指す世界に生えた「雑草」を-
千景の号令に、一斉に動き出す「海祇機関」のメンバー。
近くの独房に幽閉されている芽吹はそれを見ていた。
芽吹(三好さん達がここに帰ってきている!?。くッ…なんとしても、ここから出ないと…!。)
そしてその頃、この世界にやってきているスキアヘッドも動きを見せる。
~ゴールドタワー~
スキアヘッド「ふむ…どうやら、紛い物の勇者達が動きを見せるようだな。」
顎に指を置き、ゴールドタワーの天辺に立ちながら「海祇機関」の動きを見る。
スキアヘッド「混沌…この世界は混沌に満ちている。心地良い…ならば、こちらからも動きを見せるとしよう。プリキュアと勇者…そして、紛い物の勇者のどちらかが勝利しようが関係あるまい…全てはアンダーグ帝国の為に…さあ、行こうか?。貴様も武人を名乗るなら、この戦いで証明してみせよ。」
アンダーグエナジーにより、さらに凶暴性を増したミノトンは全体に轟くぐらいの咆哮を放つ。
ミノトン「グオオオオオオオオオッッっ!!。」
――――――――――――――――。
友奈「烈火君。」
未だに意識の戻らない烈火の傍に居る友奈は、東郷のリボンを握り締める。
友奈「…どうしよう、東郷さんと蒼葉君が行方不明になっちゃった…ねェ…烈火君ならどうしてた?。」
質問は帰って来ない…病室には静寂が響き渡る。
帰って来るはずもないその質問に、友奈は自分の行動が少し馬鹿らしくなり覇気のない笑みを浮かべる。
友奈「…私、もう泣いたりしないよ?。だから、心配しないでね?。ゆっくりと休んで、また目を覚まして?。待ってるから…。」
立ち上がって帰路に付こうとしたその時、病室の扉が勢いよく開く。
それはソラであり、かなり焦った表情で友奈を訪ねる。
ソラ「た…大変です!。友奈さんッ!。「海祇機関」が…千景さんが疑似勇者達を連れて私たちに戦いを仕掛けてきました!!。」
友奈「え…ッ!?。」
……………………………。
雀「うわわわ…もうダメだぁぁあッ!。」
盾から発せられる結界に激しくぶつかる攻撃…千景を含めた疑似勇者達が一斉に一同に襲い掛かっていた。
アグニ「泣き言言うなッ!。お前の盾はこの程度じゃ傷すら付かねェよッ!!。」
雀「タカぁあ…助けてようッ!。」
千景「加賀城雀…お前だけ逃れていたなんてね…。」
雀「ふぇっ!?。あ…あたしだけッ!?。」
慎也「他の防人達は捕まえている。ただ、君だけは逃れたようだね。」
バタフライ「…どういう事?。」
零「その言葉通りだよ。楠芽吹はこちらの手中にある…まあ…弥勒夕海子は生きてるか死んでるか分からないけど。」
雀「…えッ…。」
美夏「海上で叩き落した。そこからは知らないけど…あの傷よ、恐らく助かってない。」
それを聞いた雀の瞳から光が消える。
雀「し…死んだ…え…え…?。」
アグニ「よくわかった…この…外道がぁあああああッ!。」
怒りが頂点に達したアグニは、纏う炎が最大限となる。
アグニ「雀ぇぇッ!。まだわからねェ、だから絶望すんなッ!。ただ、コイツらはぶちのめしてやるからッ!。俺を信じろ…ッ!。」
雀「…ゔん…。」
飛び出すアグニ。千景は不敵に笑う。
千景「フフフ…赤の他人じゃない、そこまで必死にならなくても…。」
アグニ「黙れよお前ッ!。烈火の姉だろうが関係ねェッ!。テメエら全員、まとめてぶちのめすッ!。」
轟炎を突き付けるアグニ。しかし、間に割って入った慎也がそれを防ぐ。
慎也「千景様には触れさせない…!。」
アグニ「退けよ、ナイト気取りがッ!。」
バタフライ「やばいね…タカ坊、本気でキレてる…ああなったら周りが見えなくなる…向こうは冷静…確実にやられる…!。」
アグニの横に立つバタフライ。しかし、アグニは大声をあげる。
アグニ「退けあげは姉ェッ!。」
バタフライ「バカッ!。怒りで突っ込んでもこいつらには勝てないよッ!。烈火が負けた相手だ、相当強いッ!。」
アグニ「ちッ…!。」
ソラ「皆さんッ!。」
友奈を連れて戻ってきたソラ。状況を見てすぐに変身した。
樹「ソラさん、友奈さんッ!。」
千景「あらあら…役者が揃ってきたわね。でも…好都合よ。貴方達との因縁はここで断ち切る。」
友奈「させないッ!。貴女を止めて見せるッ!。」
振りかざされた大鎌を拳で迎撃しようとする友奈。
だがその時…。
スカイ「危ない友奈さんッ!。ああッ!!。」
友奈「ソラちゃんッ!?。」
突然、何かに跳ね飛ばされたスカイ。
その攻撃の正体に、ウイングとマジェスティは驚愕する。
ウイング「ミノトンッ!?。」
スキアヘッド「取り込み中、失礼する。だが、こちらも好都合だ…貴様たちに引導を渡してやろう。」
マジェスティ「スキアヘッド…まさか、アンダーグ帝国まで…!?。」
千景「…違う世界の闇か…ッ!。」
スキアヘッド「初代勇者、郡千景だな。その怨嗟…実に滑稽だ。」
千景「…なんですって…?。」
スキアヘッド「300年も忘れられない怨み…フン、器が小さいな…他者の目などどうでも良いだろう。」
それを聞いた千景はスキアヘッドに襲い掛かるも、アンダーグエナジーによる障壁で簡単に防がれた。
美夏「千景様ッ!。」
スキアヘッド「だが、貴様の仕出かしたことは我々にも少々厄介でな…ここで幕引きと行こうか。」
千景「この…ッ!。」
ミノトン「グオオ…プリキュアぁぁああッ!。」
プリキュアと勇者…海祇機関…アンダーグ帝国…。
三つ巴の構図が出来上がり、この戦いはさらに混沌と化す。
風「これ…今まで以上にヤバいんじゃない…!?。」
更に、スキアヘッドが呼び出したランボーグまで現れる。
夏凛「どのみち、全部倒さないとこっちがやられるでしょうがッ!。」
ランボーグに向かって仕掛ける夏凛。樹はその援護に向かう。
マジェスティ「スカイ、私たちはミノトンをッ!。」
スカイ「はいッ!。」
スカイ(ミノトン…あの勇猛果敢な貴方がアンダーグエナジーに飲み込まれてしまうなんてッ!。)
マジェスティとスカイはミノトンと対峙。
互いに激しい格闘戦を繰り広げる。
友奈「千景さん…ッ!。」
千景「…いいわ。私のこの怨みを甘く見ない事ね…。」
憎悪のエネルギーを放出させた千景は、友奈とスキアヘッドに仕掛ける。
状況が不利と見た風が、友奈の元にやってきてスキアヘッドの攻撃を大剣で防いだ。
友奈「風先輩ッ!。」
スキアヘッド「…ほう、勇者のリーダー格か…。」
風「ぐぬぬ…このハゲ頭は私が抑えるからあんたは烈火の姉をッ!。」
友奈「で…でもッ!。」
風「でもじゃないッ!。あんたまでやられたら完全におしまいよ!。だから、コイツは私が引き受けたからあんたは…思いをぶつけたい相手と戦いなさいッ!。」
友奈「はいッ!!。」
千景「結城友奈…疎ましいわ…高嶋さんと同じ気を纏うなんて…!。」
友奈「私は高嶋さんじゃありません、結城友奈です。だけど…今は少しだけ、高嶋さんの気持ちになって戦いますッ!。」
友奈VS千景。風VSスキアヘッド。アグニ&バタフライVS慎也。スカイ&マジェスティVSミノトン。
互いに睨み合い、そして激しくぶつかり合う。
その場にこだまするのは激闘を思わせる戦闘音。
世界を超えた大規模な戦闘がここで行われる。
~風VSスキアヘッドside~
スキアヘッド「見事な気迫だ、しかし…決定打に欠ける。」
風の大振りを難なく避けていくスキアヘッド。
分析するかのように避けていくだけで反撃は小さなものでしかない。
だが、風はそれでも振り続ける。
距離を取らなければならない…他の仲間に目がいかないように。
風の狙いはまさにそれだった。
しかし、スキアヘッドはその思惑を看破していた。
間に繰り出される一撃は、重いものもある。
もちろん、それを防ぐ風だが今度は防戦一方となる。
スキアヘッド「フン…仲間と引き離すつもりだろうが…もちろん、それで構わん。貴様を倒せばいい話…分析は済んだ、今度はこちらの番だ。効率よく終わらせよう、引導を渡す相手は他にもいるのだから。」
風「…やってみなさいよ。この犬吠埼風…簡単には崩せないんだから…!。」
風(とは言ったものの…コイツの相手はさすがに調子に乗ったかな…無事でいられる気がしない…!。)
並みならぬ力を披露するスキアヘッド。
そしてこの戦いは…さらに苛烈さを増す。
…………………end。
海祇機関とアンダーグ帝国。
同時に仕掛けてきた両組織によるこの三つ巴の戦闘はさらに苛烈さを増す。
スキアヘッドの力に追い詰められる風。
徐々に傷付き、向こうは無傷といった最悪な状況だった。
それでも、風は倒れない。その後ろには仲間がいるから。
粘り強い風にスキアヘッドは特大の一撃を浴びせる。
命を刈り取るその一撃に風は遂に倒れてしまう。
果たして、風の運命は…。
次回
第68話 激戦、三つ巴の戦い・中編。