〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い   作:やままん

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前回のあらすじ。

スキアヘッドと対峙した千景。

拭いきれない闇を指摘されたが、自分を支えてくれる今の仲間たち…そして、過去の仲間たちが自分と共にいてくれる事を自覚した千景はスキアヘッをド見事に退けた。

少しずつでもいい…これから、変わっていけばいい。
千景はそう思うのであった。

時は数日後…療養を終えた一同はリオンからソラシド市の現状について話を聞くことにした。


第84話 剣聖の弟子・キュアスラッシュ。

~大赦本殿~

 

 

洸「…つい、こないだまで戦場だったのに…なんか複雑だな…。」

 

勇者世界へとやってきていたスカイランドの剣士である「リオン・ドラグネス」より、招集を受けた一同。

あの戦いの傷は癒えたばかりだ。その時を待っていたのだろう、園子のスマホに突如、安芸より連絡が入ったのだ。

 

園子「まあ…大事なお話をするならここがうってつけなんじゃないかな~?。」

 

 

ツバサ「烈火さん、千景さんは?。」

 

 

烈火「ああ、姉ちゃんならさすがに来れねェから家で留守番だ。」

 

 

あげは「まあ、無理もないか…。」

 

そんなことを話していると、奥の部屋からリオンがやってくる。隣には安芸がいて。

 

 

園子「あ、先生だ~。やっほ~!。」

 

 

安芸「…ご無沙汰しております。皆さん、こちらへ。」

 

 

園子「ありゃりゃ…ノリが悪いね…。」

 

 

ソラ「今は仕方ありませんよ。」

 

 

リオン「改めて…私はリオン・ドラグネス。スカイランドの元騎士だ。」

 

その佇まいは凛としていて、騎士をやめてからずいぶん経った今でも凛々しさは衰えていなかった。

 

ソラ「あなたがシャララ隊長の前任の人ですね!?。」

 

 

リオン「君の事はよく知っている、ソラ・ハレワタール。プリキュアはスカイランドの誇りでもあり、希望だ。そしてプリンセス…ご無事で何よりです。」

 

エルの前にひざまずくリオン。

エルはきょとんとした表情でリオンを見る。

だが、その佇まいに安心したのか、笑顔を向けた。

 

リオン「…このご様子だと、王妃様たちもご安心なさるだろう。よかった…。さて、本題に入ろう。恐らくだが、君たちはシャララから私の事は聞いているだろう。そう、君たちより少し前にこの世界に入ってから防人と呼ばれる戦士たちが追い込まれているのを見つけたものでな…戦況を鑑みて、彼女たちに加勢したのだ。安心しろ、防人の少女たちは全員、無事だ。」

 

 

雀「はぁ~!よかったよぉ!。」

 

 

風「2名はソラシド市に送り込んだのよね?。どうして?。」

 

風のその質問に、リオンは表情が変わる。

ここから、真の本題なのだろう…一同はそう思う。

 

リオン「…あの世界に広がる闇は深刻な状況だ。抑止力である君たちプリキュアがいないこともあってあの世界は今、滅茶苦茶になっている。そう…すべては「劇団」の仕業だ。」

 

 

鷹夜「なあ、あんたに聞きたいことがある。その騒動にあいつ…キュアプリズムはいなかったか?。」

 

 

リオン「…いなかった。あの場に居合わせていたのは<道化師>のアデルと…私の実の弟であるナイアルだ。」

 

 

鷹夜「そっか…。」

 

リオンのその言葉に何故か、安心感さえ覚える。

その騒動の中心となっていれば彼女を取り戻したとき、きっと多くの恨みを買うことになる。

千景との戦いを経て、怨嗟の恐ろしさは嫌というほど実感した。

特に、人に集まる恨みの力は恐ろしい…それに、ましろの性格のこともあってきっと、自分を追い込んでしまうに違いない。

そうなれば、誰が一番苦しむことになる…ましろじゃないか。

救い出した後のことも考えなければならない。そして、今度こそ取り戻さなければならない。

鷹夜は静かに覚悟を決める。マジェスティとの戦いの最後に、彼女が流した涙。

それを唯一知る鷹夜は反転した性格の中に、本来の彼女がまだ生きていることに気付いた。

 

まだ、猶予はある…諦める時ではない…だが、急がねばならない。まだ、本来の自分が生きている内に。

 

それはきっと、ソラ達も気持ちは同じだ。

ましろがいてからこそ、自分たちはプリキュアなのだ。

だから、今度こそ取り戻す…!。

そう、決意を秘める。

 

友奈(if)「なら、今あの空の上の世界を守っているのは防人の2人?。」

 

 

リオン「ああ、そして…私の弟子を一人、送り込んでいる。」

 

 

夏凛「弟子?。」

 

 

――――――――――――――

 

~ソラシド市~

 

プリズムSF「…フフフ、無駄な抵抗を…シャララ隊長?。」

 

襲撃をかけてきたプリズムは、片膝を付くシャララに目を向ける。

その傍らには、倒れこむ夕海子と息を切らして傷を負うシズク。

 

シャララは2人を守るように前に立ち、剣を手にプリズムを見る。

その瞳にあるのは…哀れみと悲しみ。

 

シャララ「…ましろ…噂には聞いていたが…本当に「劇団」に…。」

 

 

プリズムSF「はい。おかげでこれまでにない景色が見れたんです…今はとても清々しい!!。」

 

 

シャララ「…堕ちたものだな…闇に支配されるなど…。」

 

 

プリズムSF「疲れないですか?。みんなの前で英雄でいること…本当の自分を隠してまで英雄を演じ続けなければならない。」

 

その言葉に、シャララは柄を持つ手に力を込める。

 

シャララ「私は皆の英雄であることが誇らしいと思うがな…無論、そのようなつもりは毛頭ないが…誰かが私を必要とするのなら、私は迷うことなく手を差し伸べる。それを苦痛だと思ったことはない…何故なら、それが生き甲斐だからだ。」

 

 

プリズムSF「…くだらない。ソラちゃんの起点になっただけはある…言うことに虫唾が走る所も同じだ。もういいよ、シャララ隊長。あなたの亡骸を見れば…ソラちゃんも悲しむよね!?。」

 

戦意を崩さないシャララに、再度攻撃を仕掛けようとするプリズム。

その手に込められたエネルギーは確実に命を奪うものだ。

 

覚悟を決めて迎え討とうとするシャララ。

その時、白い閃光がプリズムの頬に傷を付けた。

 

プリズムSF「んん?。何かな、これ。」

 

垂れ落ちる自分の血を拭うプリズム。

不思議そうな顔をしながら、その正体に目を向けた。

するとそこには、1本の剣を手にした白髪の少年がいた。

その出で立ちは、スカイランドの地方出身なのかあまり目立たないような服装。

しかし、その太刀筋にシャララは見覚えがあった。

 

シャララ「…その太刀筋…風のような閃光…リオン元隊長と似ている…!?。」

 

 

「…スカイミラージュ、トーンコネクトッ!。ひろがるチェンジ!。スラッシュッ!。」

 

この口上…まさか…。

 

シャララは光に包まれる少年にそんなことを思う。

姿を変えていく少年。

 

黒を基調とした和風のデザイン。二又に分かれるマフラーを首に巻き、1本の剣を手にしたプリキュア。

鞘から剣を抜いて風を切る。

 

そして…。

 

スラッシュ「天空に吹き荒れる風の剣!。キュアスラッシュ!。」

 

 

シャララ「もう一人のプリキュア!?。」

 

 

スラッシュ「シャララ隊長ですね…ここは俺が引き受けますッ!。2人を連れて後退をッ!。」

 

 

プリズムSF「これは驚いたね…新しいプリキュアかぁ…私、先輩なんだけど…知ってる?。」

 

 

スラッシュ「ああ、よく知っているよ…お前は闇に堕ちたプリキュア…キュアプリズム!。」

 

剣を手に走り出すスラッシュ。

それはまるで風のように速く、横薙ぎに振る剣は閃光そのものだった。

しかし、プリズムは笑みを浮かべながら剣を手で受け止めた。

 

プリズムSF「手癖が悪いね…今、確実に私を殺そうとしたでしょ?。」

 

 

スラッシュ「…敵であるなら、そうするべきだろう…この吐き気がするほどの闇はお前の仕業だな?。」

 

 

プリズムSF「そうだよ、気に入ってくれたかな?。」

 

その言葉に、スラッシュは容赦無く剣を振るう。

皮一つで避けていくプリズムはその合間にエネルギー弾を放ってくる。

受けながら、スラッシュは突っ込んでくる。距離をとれば確実に不利になる…そう思うスラッシュは自分の距離を保ち続ける。

 

シャララ「…間合いを殺さない…か…まさにリオン元隊長だ。」

 

 

スラッシュ「キュアプリズム…お前が世界にもたらしたものは…!。」

 

迷わず、プリズムの首に向けて剣を振るうも笑みを浮かべながら回避。

カウンターでそのまま蹴りを入れる。

 

プリズムSF「正義の味方はもう良いよ?。」

 

 

スラッシュ「甘い…ッ!。」

 

仰け反りながらも、スラッシュは剣を逆袈裟に上げる。

意表を突いたその攻撃は、プリズムの胸を切り裂く。

 

プリズムSF「…やるね…?。」

 

ポタポタと落ちる血を気にする事なく、プリズムは闇のエネルギーを手に込める。

 

プリズムSF「君はスカイランドの人だね?。大丈夫、こっちを闇に染めたらすぐに同じようにしてあげる!。闇に身を委ねた方が楽で良いよ?。」

 

 

シャララ(っ…噂に聞いた通り…か…ッ!。)

 

スラッシュはそんなプリズムの言葉を無視して突撃。

わかっていたかのように、プリズムは剣の軌道を弾きながら距離を取る。

 

スラッシュ「そんなものに身を委ねるのは負けることと同じだッ!。」

 

両手で剣を握りしめながら斬撃の嵐を放つも、全て間一髪で避けられる。

それどころか、その合間を縫うように徒手空拳でスラッシュを迎撃していく。

それでも、一歩も引かないスラッシュは風のような横薙ぎを放ってプリズムを切り裂こうとする。

 

プリズムSF「…しつこいな…。」

 

 

スラッシュ「お前は…本当の自分だとか言うがそれは違うッ!。闇に身を委ねて逃げているだけだッ!!。心の内に秘めた闇を「劇団」に利用されているだけだって分かれッ!。」

 

 

プリズムSF「…うるさいな…君?。」

 

表情が消えたプリズム。

その瞬間、あたりに冷たい空気が張り詰める。

そして…プリズムの闇はさらに加速した。

 

プリズムSF「知りもしない癖に、ベラベラとよく喋る…!。」

 

飛び出したプリズムは先ほどとは全く違う動きでスラッシュに仕掛ける。

その攻撃は冷徹そのもの。まるで壊すように、そしていたぶるようにスラッシュの手を崩していく。

 

その苛烈さにスラッシュは歯を食いしばるも、遂に武器を離してしまう。

 

スラッシュ「しまった…!。」

 

 

プリズムSF「トドメ…ッ!。」

 

貫手で、スラッシュを貫こうとしたその時…。

脳を刺すほどの頭痛が襲いかかってはプリズムは突如苦しみ始める。

 

プリズムSF「ああ…頭が…頭が痛い…ッ!。」

 

 

シャララ「な…何が起きている…?。」

 

 

シズク「いきなり苦しみ始めやがったぞ!。」

 

その痛みに後退しながら、プリズムは苦悶の表情を浮かべる。

そしてその脳裏にはある少女の声が響く。

 

(ダメ…もうやめて…!。)

 

 

プリズムSF「ぐっ…何故…何故まだ「居る」のッ!?。」

 

 

シャララ(「居る」?。何の話だ…。)

 

 

スラッシュ「ッ…今だ…!。」

 

 

その隙を突いてスラッシュは剣を掲げ、大振りに振り翳す。

 

プリズムSF「ッ…はぁああああ!!。」

 

刀身が頭上に触れる直前、片手で弾き飛ばしたプリズム。

そのまま後退し、汗をかきながら消えていく。

 

 

スラッシュ「…取り逃した…いや、あのままやったとしても勝てたのか…?。」

 

剣を鞘に納め、変身を解いたスラッシュ。

元の少年に戻る。

 

シャララ「助かったぞ、少年。君は…スカイランドの者だな?。」

 

少年はゆっくりと瞳を向ける。

 

トーヤ「はい、俺の名前はトーヤ・タイフーン。リオン師匠に世話になってる者です。」

 

 

シャララ「やはりそうか、君の目的は?。それに、プリキュアの力を持っていたようだが…。」

 

その問いに、トーヤは…。

 

トーヤ「俺の目的はキュアプリズム…虹ヶ丘ましろを…。」

 

 

トーヤ「抹殺することです。」

 

…………………………end。

 

 




新たなプリキュア「キュアスラッシュ」。

彼はリオンの弟子でありその目的は、ましろの抹殺だった。

その事実に、複雑な思いを抱くシャララ。そして、この世界に帰ってくるであろうソラ達の思いを考える。

ましろを助けたいソラ達と、ましろを倒しにきたトーヤ。

激突する思いは…避けられないのだろうか…?。

次回
第85話 ソラシド市へ…プリキュア達の帰還。
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