〜ひろプリ×勇者であるシリーズ〜世界の壁を超えた出会い 作:やままん
元いた世界「四国」からソラシド市に飛ばされた園子。
その原因は「劇団」と名乗る集団の仕業だと判明した。
いまだに不明な要素が多すぎる「劇団」。
そして、その「劇団」を追って、1人の少年がソラシド市にやってくる。
<破壊のプリキュア>
その少年が持つ力は、敵を倒す為だけの危険な力だった。
とある街…。
一つの街が業火に焼かれた。
まるで、処分するかのようにその街の人間達の行き場を無くし、無慈悲に広がる炎。
1人の少年はその元凶を憎しみの意を込めた瞳で見つめた。
すぐにでも、殺してやりたい。
だが力がない…そんな、無力感に苛まれながら。
忘れはしない、忘れてはいけない。
力を得た今なら言える。
「「劇団」の奴らは全員、ぶっ潰してやるッッ…!!。」
ーーーーーーーーー
鷹夜「…「劇団」…園子が、ここに飛ばされた元凶…か…。」
先日、「劇団」と名乗る道化師・アデルの襲撃を受けた。
戦闘自体はそこまで苦労はしていない。
何せ、全員の力と園子の力があったからだ。
全員、無事なのはそれでいい。だが……。
鷹夜「…気味が悪ぃよな…手の内を全て明かしてねェ。それに、あのキメラっていう化け物を仕掛けて来たのも、こっちの力を知る為…まるで、最初から勝つ気がなかったみてェに…。」
寝転びながら、そう考えると鷹夜は自然と拳を握る力が強くなる。
鷹夜(あの小馬鹿にした感じ…気に入らねェな。何がキャストだ…全部が全部、あの野郎の手のひらってことか?。ムカつくぜ…。)
苛立ちを覚え、険しい表情をする鷹夜。
すると、突如としてインターホンが鳴り響く。
鷹夜「なんだ、届け物か?。はーいッ!。」
「へいへい、タカ坊ッ!。暇してるね〜?。」
間延びしたこの口調。
一瞬でわかった、園子だ。
鷹夜「…おい、恥ずかしいからやめろっての。」
園子「いや〜、ごめんねぇ?。一番、暇そうなのタカ坊しか思い浮かばなくて〜?。」
鷹夜「失礼なやつだな…暑いし入れよ?。そんなとこに突っ立ってねェでさ?。」
園子「男の子のお部屋…襲わないでね?。」
鷹夜「んなことするかッッ!!。」
……………。
園子「へぇ〜…意外と綺麗なんだねぇ?。男の子のお部屋って散らかってるイメージが強かったよ〜。」
鷹夜「こう見えて、掃除好きなんだよ。茶しかねェけど…。」
園子の前にお茶を置く鷹夜。
遠慮なく…と、園子は喉を潤す。
鷹夜「遊びに来たって訳じゃなさそうだな?。」
園子「まぁね〜。ちょっと、他の子達には重い感じになりそうだから、タカ坊なら大丈夫かなって。そう思って、来たんよ?。」
鷹夜「……「劇団」のことか?。」
園子「御名答♩。そこまでわかってるなら、単刀直入に言うよ。君、多分だけど「劇団」にとっちゃ、イレギュラーな存在だよ?。」
鷹夜「だろうな、あの道化の野郎が俺を見る目が意外そうな顔をしてたと思う。仮面の下だから、何にも言えねェけど。」
鷹夜はスマホに表示された「キュアアグニ」へ変身するアプリを見る。
園子「それでね?。思ったんよ…多分、私とソーちゃん(ソラ)達は彼の掌の上でずっと踊らされてるって。ここで何かをしても、私たちが手を取り合って一緒に戦うのも…全部、彼の描いた「シナリオ」通りのような気がして。そして、多分だけど…きっと、大きなことに巻き込まれてる。」
園子(これが私だけならまだいいよ…でも、「劇団」の「シナリオ」の中に「ゆーゆ」達が入ってたら…向こうにもきっと、何かが起きてると思う。特に、ゆーゆは「大変な目」に遭ったばかりだ…あの子ばっかりに辛い思いはもうさせたくないな〜…。)
元いた世界の仲間の事を思う園子。
その表情はいつものような笑顔ではなく、何か不安を抱えた険しい表情となっていた。
鷹夜「園子?。」
園子「ううん…何でもない。とにかく、そんな気がしてならないんだよね〜…だからさ、「劇団」のやろうとしている事を邪魔するのはタカ坊。君が適任だと思うな〜?。」
鷹夜「ロクでもねェ事を企んでるのは分かる。それにあれは、仁義に外れてる。ぶん殴る理由は十分だ。」
園子「アハハ、頼りになるね〜?。ん…あれ…?。」
何の気なしに、窓を見た園子は目を疑う。
鷹夜「どうした?。」
園子「いや…気のせいかな……一瞬だけ、空に穴が空いたような…。」
鷹夜「空に穴?。もしかして、お前がここに来た穴と同じじゃねぇのか!?。だったら…!。」
園子「ちょっと待って〜…!?。」
…………………。
ーー公園ーー
「ってて…ここが、そうか…。」
立ち込める砂埃。
少年は身体を起こし、ゆっくりと立ち上がって周辺の景色を見る。
懐からは、赤いトカゲのような生物が出て来て
少年の肩に乗る。
「ふむ、間違いない…転移は成功だ。五体も無事のようだな、小僧。」
赤いトカゲは、人語を話す。
洸「うるせぇよ「フレア」。小僧じゃなくて、「洸」って名前があるだろうが。いい加減、名前で呼べよな。」
洸(こう)と名乗る少年は赤いトカゲ「フレア」に向けて文句を言う。
フレア「フン、我を認めさせる事が出来たのなら名前で呼ぶ。それまではただの「小僧」だ。」
洸「ちっ…トカゲの癖に。まぁいいや、おいフレア。どうだ…「感じる」か?。」
フレアは、周辺の空気から何かを探る。
フレア「…ああ。「次元の力」を駆使した匂いが微かに感じ取れる。ここにいるな…「劇団」の誰かが。」
そこへ…。
鷹夜「…確か、ここの筈だが…。」
園子「もう、タカ坊早すぎッ!…ん?。」
園子とその少年の目が合う。
洸「何だお前ら?。」
鷹夜「おい、ここに何か落ちて来なかったか!?。空からなんだけどさ!。」
鷹夜のその言葉を聞き、洸は考える。
洸「…あ〜、それ俺だな。見られちまったか…。」
園子「うわ、アッサリ言った。」
洸「危害を加えるつもりはねェよ。ただ、聞かせてくれ。ここに…「劇団」と名乗る奴らが現れなかったか?。」
「劇団」。その言葉を聞き、2人は驚きの表情をする。
その質問に最初に答えたのは……。
園子「うん、現れたよ?。アデルって人。ねぇ、「奴ら」って事は…他にも誰かいるの?。」
続いて、園子が質問を問いかける。
その質問に、洸が口を開こうとしたその時。
「見つけた。」
少女の、儚い声が響く。
すると、周辺の時間が止まったかのように静止する。
…3人を除いて。
鷹夜「な…なんだ…!?。」
洸「ちょうど良かったよ。説明する前に向こうから来やがった。」
コツコツと、長い銀髪の美少女が歩いてくる。
感情があまり無いのか、碧眼の綺麗な目だけを3人に向ける。
洸「<人形師>シャロ。気をつけな、見た目は可愛いけどコイツ…めちゃくちゃ強ェぞ?。」
シャロ「…ん、キュアスレイヤー。私達を追いかけてきたみたいだけだ…残念…シャロも貴方を追っていた。それに…。」
シャロは、鷹夜と園子を見る。
シャロ「<道化師>の言っていた人達って貴方達の事?。うん、自己紹介しなきゃ。」
スカートの裾を持ち、挨拶をするシャロ。
シャロ「「劇団」メンバーの1人…<人形師>シャロ。初めまして…そして…さようなら。」
指を向けたその時、その気配に気付いた園子が鷹夜の手を引っ張る。
間一髪、頬を軽く斬った程度でそこから血が流れ落ちる。
鷹夜「な…何だッッ!?。」
園子「…厄介だな〜…「糸」だよ。それも、目に見えないような透明の…ね。」
シャロ「気付かれた。さすが、勇者…。」
シャロが次の一手を出そうとした時、洸が目の前に立つ。
洸「ここで会ったが100年目ってやつだ!。こちとらテメェらを探してたんだ、ここでぶっ潰すッ!。フレアッ!。」
フレア「ふむ、仕方ない…。」
肩に止まっていたフレアが、一瞬だけ巨大な竜の姿となる。そして、クリスタルのような形状に変化する。
鷹夜「ト…トカゲ…ッ!?。」
フレア「口を慎め、小童(鷹夜)。我は次元世界の王だ。小僧(洸)、我が力を使え。」
洸「おうさッ!。ディメンションチェンジ、スレイヤーッ!!。」
大きな門が開いたその時、洸が光に包まれる。そして…。
キュアスレイヤー「破壊の使徒、キュアスレイヤーッ!!。」
黒を基調としたその姿。ロングコートを見に纏い、髪が逆立つ。
拳に力を込めると、空気が歪んでいるのか…特異な力を発現させる。
鷹夜「変身したッ!?。」
園子「タカ坊!私たちもッ!!。」
続いて、園子と鷹夜も変身。キュアスレイヤーの横に並び立つ。
スレイヤー「お前らもかって驚きてェ所だけど…あいつから目を離すなよ!?。首がすっ飛ぶからよッ!!。」
地面を蹴って突き進むスレイヤー。
シャロは右手を振り上げると、地面に5本の斬れ目が刻まれる。
軌道を読んでいたスレイヤーはギリギリ躱す。
スレイヤー「お前の手はもう読めてんだよッ!。」
シャロ「…オーバーマペット。」
糸を駆使し、シャロは砂を持ち上げる。
シャロ「<サンドゴーレム>」
砂で出来た巨大な人形を作り上げ、操作。
シャロのグローブから放たれる糸により、巧みに操る。
砂で出来ている為か、打撃が効かずに3人は振り上げられた拳に殴り飛ばされる。
アグニ「ぐはッッ!?。」
園子「いたた…砂だから、攻撃が通り抜けちゃうね〜…。」
スレイヤー「人形師だから、あいつは片手であれを操る!。俺も何度もやられたからな!!。左手に注意しろ!。フリーだから、切り裂いてくるぞッッ!?。」
スレイヤーの忠告通り、シャロは右手でサンドゴーレムを操り、左手で糸による斬撃を放つ。
とても、その容姿には合わない戦い方で3人は距離を詰められない。
アグニ「クソ!。めんどくせぇなッッ!!。」
シャロ「貴女は分かりやすいね。すぐに死ぬよ?。」
シャロは的確に糸を操る。
その軌道は、アグニの首を狙う。
アグニ「誰が…死ぬって…!?。」
アグニは無我夢中で、自身の身体に炎を纏う。
すると、糸が発火したのか、眼前で燃えて視認しずらい状態から確実に見えるようになる。
シャロ「!!?。」
園子「そっか!その手があったね!ナイスだよ、タカ坊ッッ!。」
アグニ「ああ!?。何かしたのか俺ッッ!?。」
スレイヤー「おいおい、わかってねぇのかよ!?。」
シャロ「…意外と相性、悪かったかも。だったら…。」
サンドゴーレムを操るシャロ。
大きな拳を振り上げて3人に攻撃を仕掛ける。
園子「…砂ならさッッ!。」
何かを閃いたのか、噴水のある場所に走る園子。
サンドゴーレムも釣られて突き進む。
園子「水に弱いよねッ!?。」
突きの衝撃で、水が弾け飛ぶ。
それは、大量に舞い上がり。
サンドゴーレムに覆い被さる。
その瞬間、動きが鈍くなり、その場に止まる。
園子「水をかぶれば固まるからね!。これで、攻撃が通る筈だよ〜!。」
スレイヤー「ハッ!天才かよお前!!。一気に決めるッッ!!。」
片手を突き上げるスレイヤー。
フレア「開け、次元の門よッ!。」
空間の穴から、巨大な剣が落ちてきてはそれを受け取るスレイヤー。
スレイヤー「一撃必殺ッ!!。ドラゴン…バスタァァァァッッ!。」
一気に振り翳されたそれは、水で硬化したサンドゴーレムを容易く両断。その余波が公園全体に強烈な風となって吹き荒れる。
シャロ「…やられた。うん、私の負けだね。」
スレイヤー「待ちやがれッ!。テメェを捕まえて吐かせてやるッ!。」
シャロ「残念だけど、それは無理。またね、きっとすぐに会う筈だから。」
シャロは陽炎のように消えていく。
アグニ「……何とかなったか…。」
変身を解く3人。
騒ぎを聞きつけてからか、サイレンが鳴り響く。
洸「やべぇな、派手にやりすぎた。まぁいいや…お前らに名乗っておくよ。俺の名前は春日井 洸。」
洸「「もう一つの世界線」から来た、破壊のプリキュアさッッ!。」
…………end。
洸の出会いと、新たに判明した「劇団」の刺客、<人形師>と呼ばれた少女・シャロ。
園子が危惧していた「大きな事に巻き込まれている」。
それがいよいよ、現実味を帯びてきた。
「もう一つの世界線」と呼ばれる、知らない世界。
そこの住人である洸は、「劇団」に対して憎悪を募らせる。
そして、彼から明かされる「劇団」の所業とは…。
次回
第7話 可能性世界。