「〇〇じゃありません!伏黒です!」   作:nonose

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バーと書いてるのもあって色々とキャラのあれこれが崩れてるかも知らんです
もっと解像度あげたい


普段の一幕

 

 

「ハァッ……ハァッ……。クソッ!」

 

 

 辺りを見回しながら 全速力で街の中を走り抜ける。もうそろそろこの状態も1時間強になる。

 

 映画を早送りするかのように続け様に光景が線のようになって通り過ぎていく。

 挙句の果てに、俺の背後からは『銃弾』や『爆発音』が飛んできたり鳴ったりしている。

 

 

「こんなことになるならこんな仕事受けるんじゃなかったな……っ!」

 

 

 

 現状、何が起きているか。てよりもどうしてこうなったか、俺にも全くと言っていいほど意味が理解できないが省略化して言うならばこうだ。

 

 あるところから仕事を受けたところ、別の組織のヤツらと仕事内容がブッキングした…………後に「ああ、貴方が居るなら問題ないわね」とか言ってブッキングしたヤツらはどっかに行きやがった。

 

 元より1人で受ける予定だったワケだが、俺個人として働くやつと、組織で複数人でわざわざ来るっつう点で比較して考えればこの仕事がどれだけ面倒なものか分かるってモンだ。

 

 

 

「あのガキいつか痛い目見せてやりてぇ……」

 

 

 

 常日頃から人のことを上手いように扱い、雑用、戦闘、運搬。様々なことを俺に押し付けてくるあの角のガキ。

 ちいせえ癖に一丁前にココでも最強格に強いらしいアイツは、俺のことをことある事に見下し使ってくる。

 立場上俺もそれを拒否することが出来ないのが尚、腹を立たせる。

 

 

「だがまあ、他の連中と違って力の部分は認めてる部分はまだ好感触だが、なっ!!」

 

 

 咄嗟に、左から飛び出してくる手榴弾か? とりあえず投げつけられたモノを仕事先から支給されたライフルの取っ手部分でバットを振るように投げつけてきたヤツが居るであろう場所に打ち返す。

 

 

 ガンッ、と鈍い音を立て裏路地へと飛んでいき数秒遅れて裏路地が爆発する。

 

 

「そんなもん俺に投げつけてくるなよ、死んじまうだろ? オイ」

 

 

 爆弾も銃弾も、果てには砲弾までも飛び交う魔境と言ってもおかしくねぇこの都市の名前は『キヴォトス』。場合によっては連邦都市、超法規都市や銃社会都市なんて蔑称でも呼ばれることがあるほど、多方面から色んな見え方がする超巨大都市だ。

 

 いま俺の目の前にある光景のように、ここでは銃は禁止されていない。

 10代くらいに見えるガキが普通に誰でも自分の銃を持てるくらい武器が日常化してる頭おかしいんじゃねぇか? そう言わざるを得ねぇバカみたいな都市だ。

 

 飲み物を買うための自販機の横に平然と手榴弾やら銃弾やらが売ってる自販機を見た時は流石に俺も目を疑った。

 

 

 だがまあ、そんなものが平然と許されるだけの理由がここにはある。第一と言ってここにはまともな人間は居ねぇ。居るのはガキに見える化け物共と、何故か二足歩行で喋る犬やら、自意識のあるロボットだ。

 これにおいて1番重視されている部分はガキどもだ。

 見た目は人間の女のガキと大差ないが、その耐久性と身体能力は比べモンにならねぇ。

 コイツらは銃で撃たれようが痛いの一言で済ましちまうし、砲弾を受けりゃ流石にそれだけじゃ済まねぇが死なない程度の重症で済むレベルだ。

 

 マジでイカれてやがる。

 

 

 そんなわけで治安もクソもヘッタクレもありゃしねぇこの治外法権みてぇな場所だとガキの癇癪でさえそこら中に銃弾やらなんやらが飛び交う。

 その癖、建物やらなんやらはソレに合うように作られてねぇから簡単にぶっ壊れる。被害が拡大しねぇようにそういうモンも防ぐために仕事先やら、ブッキングした組織のヤツらやなんやらは日々ご熱心にあっちらこちら走り回ってるわけだ。

 

 

 

 

「んで、今回の仕事は数30人程度の暴徒。ガキ共を鎮圧して捕縛しろって内容なワケだが…………ハッ、見た感じその倍は居る気がするが?」

 

 

 

 

 

 あの女、ふっかけやがったな? 

 これが終わったら文句言ってやろう。ただまあ、当然みたいな面して「貴方ならこれくらい大丈夫ですよね?」なんて言うところが想像出来てムカつくぜ。

 

 悪い意味でもいい意味でもモテる男は辛いね。思わずぶん殴っちまいてぇくらいだ。

 だが────

 

 

 

 

 

 

「依然として、全て問題なし!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────俺の力がどれだけ通用するのか。それを試すのは悪くねぇ。

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

「あれが『連邦生徒会の猟犬』伏黒甚爾か」

 

「聞いていた以上に凄まじいですね。私たちと違って普通の人だと聞いていましたが」

 

 

 ある建物の屋上から総数60以上にも渡る暴徒相手に大立ち回りをし、次々と鎮圧していく姿はまさに猟犬の如しだった。

 

 そんな彼を見つめるのはキヴォトス内でも1位2位を争うマンモス校の1つゲヘナ学園に所属する風紀委員会のメンバーである2人銀鏡イオリと火宮チナツだ。

 

 

 彼女達の眼前に広がる景色はとてつもなく、苛烈を極めるものだった。

 彼……伏黒が、建物の壁を蹴り高速移動をしているところもさることながら。手に持つライフルで暴徒を数人気絶させたかと思えば、銃弾の入ってないソレを次はまるでバットのように扱い、相手が年若い女子であると言うのになんの躊躇いもなく鼻っ面にフルスイングする。

 そのライフルが壊れ使い物にならなくなれば、今度は暴徒が使用していた銃や爆弾を使いドンドンと暴徒の数を減らしていく。

 

 

「…………見間違いか? 暴徒共がただの拳1発で壁にめり込んでるように見えるんだけど」

 

「そう、です……ね?」

 

 

 

 あまりの光景に流石の2人も呆然と立ち尽くす。目の前にある光景が本当は夢なんじゃないかと目を擦ってみたりするものの、一向に変わらず逆にドンドンと激しくなっていく様はあまりにも悪い夢だと思わざるを得なかった。

 

 

 

「……2人とも、ボーとしてるけど大丈夫?」

 

「あっ、委員長」

 

「そっちの方は大丈夫だったんですか?」

 

「ええ、まあ。何をしようとしていたのかはまだ詳しくは調べていないから分からないけど、アレと違ってこっちは数も少なかったから手こずらなかったの」

 

 

 

 呆然と甚爾の戦闘光景を見ていた2人の間に割り込むように出てきたのは、2人と比べるとやや身長が小さく幼い体型をした少女。

 背からは羽が生え、頭部には紫色の禍々しい光を放つ角を生やした見た目のアンバランスさが激しい少女だ。

 しかしその見た目からは想像できないほどの強者であり、2人が所属している風紀委員会の委員長でもある。

 名を空崎ヒナ。このゲヘナでも有数の実力者でキヴォトス全体でも5本指には入るであろう程の強さを持つ小さな悪魔だ。

 

 

「それより、どう?」

 

「どう……っていうのはアレですか?」

 

 

 

 アレと言ってイオリが指差すのは先程からもずっと見ていた例の甚爾の暴れっぷりである。

 それを見たヒナは頷き肯定する。

 

 

「まあ、どうって言われたらヤバいとしか答えらんないけど」

 

「キヴォトスでもあの人に勝てる人は少ないんじゃないんでしょうか?」

 

「そうね。伏黒甚爾…………キヴォトスに来る前は禪院と名乗っていたそうだけど、外で暴行、窃盗、脅迫そして殺人。色々とやらかした後、外じゃ手が負えなくなったアレを何を考えたのか知らないけど連邦生徒会の会長が引き取った……って話」

 

「恐ろしい、ですね……それでいまは連邦生徒会の猟犬なんて呼ばれてると」

 

「ええ。伏黒甚爾は基本的には個人で動いてるけれど、偶に生徒会長から依頼を受けてああやって暴徒の鎮圧に捕縛をしてる。それで依頼料として金銭を受け取ってるそうだけど。依頼料さえ払えれば誰でも伏黒甚爾を雇えるそうよ」

 

「なんというか……」

 

「言いたいことも分かる。それよりもそろそろ向こうも終わりそうね、私達も暴徒の受け渡しをしなきゃならないから降りるわよ」

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っと、こんなモンか。意外と余裕だったな、お前らもう少し気概を見せてくれよ」

 

「ぐっ、ただの犬風情がっ」

 

「そうか俺が犬ならお前らはそれ以下だな。残念だがお前らより力も、金も上だ」

 

「クソッ……」

 

 

 

 甚爾が暴徒達を煽るように、倒れ伏している彼女達に視線を合わせて意地の悪いニタニタとした嘲笑をその顔に携えてバカにしていた。

 

 ふと何かに気が付いたのか、暴徒達を煽るのをやめて後ろを振り返る。

 そこに居たのは先程屋上から甚爾のことを見ていた風紀委員会の3人である。

 といってもそのうちの2人は他の風紀委員会と共に暴徒の捕縛を行っており甚爾の目の前には居なかった。

 

 

「あぁ? なんだお前かチビガキ」

 

「別に気にしてる訳じゃないけど、やめてほしいわ」

 

「……はいはい。んで? ご丁寧に俺がのしたガキ共を連れていってくれるワケか?」

 

「ええ、貴方に任せたとは言えど一応は元はこっちの仕事だったもの。コレくらいはこっちでやらせてもらうわ」

 

「ハッ、律儀なこったな風紀委員長様はよ。それで? 態々俺のとこまで来て何の用だ? さっさと帰りたいんだがな」

 

「それは分かってる。形式上の問題だから、特に意味もないしさっさと帰ってもらって結構よ」

 

「…………チッ、これだからお前らガキ共は嫌いだ。もう少し大人に対する対応をしっかりしてくれよ」

 

「貴方がもっとしっかりとした大人なら、ね。それはともかく助かったのは事実、こっちも他のことに時間を割けたし」

 

「礼なんか要らねぇよ。まあ金と飯なら別だがな」

 

「相変わらずね。そんなだから犬だなんだと呼ばれるんじゃないの?」

 

「…………別に気にしてねぇからいいんだよ。それじゃあな、後始末は頼んだぜ」

 

「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気のせいじゃなかったらだけど、めちゃめちゃ仲良くないかあの2人」

 

「噂ではキヴォトスに来てからの付き合いらしい? です」

 

「…………正義の風紀委員長と悪の猟犬。鳥肌が止まらないな」

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued

 

 

 

 

 

 

 

 

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