男女比の狂った世界で俺は幸せになりたい   作:まかろにサラダ

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暇つぶしに書いてみました。どこまで続けるかは私のやる気と妄想力次第です…!


プロローグ

 

 

俺は毎日に疲れていた。毎日朝早く起きて満員電車に揺られながら会社に行き、帰宅時も同じように帰宅ラッシュに巻き込まれながら家に帰り、気絶するように眠る。この生活に一体なんの楽しみがあるのか。

 

もし、仮に恋人がいれば生活に華があっただろう。十分なお金があったなら美味しいものを食べたり、高級車を乗り回してストレスを発散させていただろう。

だが現実は恋人などなく、手取りも少ない。そもそも容姿もお世辞にも良いとは言えず、毎日が忙しいため出会いを求める時間もない。

 

振り返ってみるに、自分の人生は本当につまらないと思う。容姿も悪く、精神的にも弱かった俺はまさに陰キャと呼べるような人間だった。

友達などなく、むしろ容姿の悪さと名前のありきたりさ、古めかしさから学生時代にはいじめにあったりもした。

 

(本当に…なんでこんなこと考えてるのか……いや、これが走馬灯みたいなものか…?)

 

俺は頭から血を流していた。

日々の疲れのせいか、通勤中に階段から足を踏み外してしまったのだ。

不思議なことに周囲の人間の声はあまり聴こえない。それどころか見えているあらゆるものの動きがスローに見えている。その光景があまりに非現実的で、自分はもう助からない、死ぬのだと本能で感じ取ってしまう。

 

(最期に考えることが、思い浮かぶことがこんなことなんてな…なんで俺がこんな目に遭わないといけないんだ…!孤独、いじめ、疲労、いい思い出が浮かびやしない…!もし……もしも来世があるなら……)

 

「……満たされたいなぁ…」

 

そう呟いた最期の言葉は誰にも聞こえることはなかった。

 

田中文男、享年26歳。階段からの転落による頭部の強打により死亡。事故死。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

ここまでが俺の最期の記憶。無様にも階段から滑り落ちて死ぬというなんともつまらない死に方をしたもんだと思う。

だが俺は今間違いなく生きている。病室で目が覚めたときは一瞬助かったのかと思ったが、すぐに違うことに気づいた。

明らかに肉体が自分のものと違うのだ。

こんなに身体は細くなかった。こんな髪色はしていなかった。

自分が今どんな容姿をしているのがが気になり、ナースコールも押さずに鏡を探す。

幸いというべきか、病室にはトイレや洗面台が取り付けられていたためすぐに鏡は見つかった。そこに映っていたのは……

 

「は、はは…なんだよこれ…」

 

そこに映っていたのはとんでもないイケメンだった。髪色が白っぽいと思っていたがプラチナブロンドだった。瞳も青が混じっており、明らかに西洋、雰囲気からして北欧系統の血が混じっているんじゃないかと考える。

 

「これが…俺なのか…全然実感が湧かないな…身長は170半ばくらいか?180には届かないけど流石にそれは高望みし過ぎか…はは」

 

身長は大体175cm程で、夢の180cm台には届かないがそれでも前世より身長が伸びたことに歓喜する。

 

(容姿が良くなったことは嬉しいが…問題はある。この身体で生きた記憶が俺にはない。名前も性格も、何故病院にいるのか一切がわからない。つまりこれは転生ではなく憑依みたいなものか…?だとしたら本来のこの身体の持ち主はどこへ…?)

 

 

そう考えていると、病室の扉が開く音がした。

そちらを振り返って見ると、おそらく20代半ばと思われる美人の看護師が驚いた表情をして固まっていた。

 

「えーっと、おは」

 

何故固まっているかはわからないが、現状を把握したいので声をかける。

 

「り…竜胆様がお目覚めになられましたーーー!!」

 

とりあえず「おはようございます」と挨拶してから会話を始めようとしたら大声で遮られてしまった。というか…「リンドウ」ってもしかしてこの身体の名前?

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

その後、主治医の先生がやってきて問診をした。驚いたことに看護師さんと同じようにこれまた美人な先生だった。

やはり「リンドウ」というのは俺の名前で間違いなく、フルネームは「竜胆黎夏(りんどうれいが)」というらしい。さらに26だったのが若返って15歳になっていた。

 

(前の名前と比べてものすごくカッコよくなったな…それに若返っているのはなんとなく察していたが、10歳以上若返っているのはシンプルに嬉しいな)

 

「さて…ここまで質問に答えていただきありがとうございました。竜胆様はやはり記憶を失っているものと思われます…当医院も全力で治療に当たったのですが…力及ばず申し訳ありません…」

 

そう悲痛な面持ちで先生は謝罪するが

 

「いやいや!謝らないでください!記憶喪失なんてどうしようもないでしょうし、起きてからじゃないとわからないですし、治せるものでもないでしょう?」

 

そう言うと先生と隣にいた看護師は目を丸くした。

 

「問診をしている時にも思っていたことですが…竜胆様はとてもお優しいですね。普通の男性だと取り乱して暴言や暴力を振るってもおかしくないのですが…」

 

「暴力⁉︎そんなことするわけないじゃないですか!」

 

慌てて否定するが、何かおかしい。そもそも普通患者のことを様付けするか…?それに先生の言い方だと男性は基本的に暴言暴力を振るう人間のような…

 

 

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