碧と関係を持ってから数日経った。
学校に行かなくても大丈夫なのかと思ったが、通うのは護衛官と顔合わせをして正式に決まった後だそうだ。
あれから碧は朝起こすときにはキスをせがんできたり、逆に俺が起こされる時はキスをして起こしてくる。天使とキスができるなんて俺は世界一の幸せ者だなぁ(シスコン)
現在、竜胆家全員がリビングに集まっている。
これから俺が選んだ護衛官の人達と顔合わせを行い、特に問題がなければ正式に護衛官として着任する。
決定するのは俺だが、「どんな人たちなのか見ておきたい」という理由で雛姉や碧も顔合わせに同席しているのだ。
「もうそろそろね…。事前に母さんからどんな人を選んだか聞いてるとはいえ、可愛い弟を任せる以上しっかり見定めないと…!」
「お兄様に色目を使う牝犬には容赦しない…!」
「いや、それはわかるけど…碧あんたそんな性格だったっけ…?」
(雛姉、ごめんそれは俺のせいかもしれない…)
碧を膝に乗せたり、「あーん」したり、キスしたり甘やかしまくった結果、それはもう立派などこに出しても恥ずかしいブラコンになってしまった。
とはいえこの世界では妹を甘やかす兄など希少なため、ブラコンになるのは仕方のない話であり、誰も碧を責めることなどできない。
(雛姉にも今度膝枕とかしてあげようかなぁ…。あ、偶然を装って風呂に突撃してみるのはどうだろう。うん、姉弟仲良く風呂に入るだけだから何も変じゃないね!)
この男、姉も攻略する気満々である。
黎夏がアホなことを考えていると、インターホンが鳴り響いた。
綾音が玄関まで客を出迎えに行き、雛乃と碧は緊張した面持ちで護衛官が入ってくるであろうリビングの扉を見つめる。
そして複数人の足音と共に綾音がリビングに戻ってきた。
綾音の後から入ってきたのは5人の美人・美少女たちであり、黎夏が選んだ護衛官たちだった。
(おお、写真で見た時も綺麗だと思ってだけどリアルで見るととんでもないな…)
彼女たち一人一人が、前世のアイドルに引けを取らないどころかむしろ圧倒的に上回る美貌を有していた。
これで年齢を理由に護衛官としては不人気だというのだから、世の中の男たちは本当に見る目が無いとつくづく思う。
(でもなんか若干表情がかたいような?)
彼女たちの表情はこちらを不快にさせないための配慮なのか、笑顔である。
しかし、男性を相手にしているからかどこか無理矢理笑顔を作っているような雰囲気を感じる。
「雛姉、護衛官の表情がかたい気がするんだけど気のせい?」
「あー…それはね、ここで男性に不快感を与えると護衛官の件がナシになる可能性があるからね。あとはこっちは護衛官選びの時に向こうの顔や情報を知ってるけど、護衛官は着任するまでは男性の情報はほとんど伏せられるから、どんな人なのか分からず不安…っていうのもあると思う」
小声で雛姉に聞いてみるとどうやら彼女たちは緊張と不安を感じているようだ。
まあ突然「やっぱりこの話はナシ!」って言われることもこの世界の男の性格からしてありそうだし、相手が男性ってだけで萎縮している部分もあるんじゃないかと思う。
(俺は彼女たちに是非護衛官になってほしい。でも彼女たちからすれば俺がどんな人かわからないわけだ。俺としては仲良くなりたいし、あわよくばイチャイチャしたい…!ならやることは一つ!)
「初めまして、竜胆黎夏と言います。皆さん写真で見るより綺麗で驚きましたよ。これからよろしくお願いしますね!」
そう言って先頭にいた桜木姫子さんの手を取って握手する。
その手は小さく、すべすべで柔らか。邪な考えが浮かびそうになるのを振り払い、俺は確信した。
(よし、これで無害&女性に優しいアピールはできたはずだ!さらに「これからよろしく」という言葉で護衛官の件をナシにすることはないことを伝えた!これで緊張も不安もなくなったはず…!あわよくばこのまま仲良くなれれば…)
「…ぁ……あ、よ、よろし…きゅぅ……」
そう言って高熱でも出ているんじゃないかってくらい顔を赤面させた桜木さんはぶっ倒れた。
相手の不安と緊張を無くすための俺の完璧な作戦は崩れ去った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
数分後、桜木さんは無事目を覚ました。
しかし桜木さんの顔はまだほんのり赤く、目を合わせてもらえない(血涙)上、家族からは呆れの目を向けられている。どうしてこうなった…。
その後、護衛官の自己紹介を済ませ、俺と5人の護衛官で親睦を深めるために俺の部屋で雑談をすることになった。
もちろん提案をしたのは俺であり、家族は反対(特に碧)していたが、なんとか押し切ることができた。
「えーっと、改めてよろしくね。あと歳も近いし俺と話す時は敬語じゃなくていいからね。というか距離を感じるから敬語じゃないほうが俺としては嬉しいんだけど…」
そう言うと5人はお互いの顔を見合わせた。
「アタシとしてはありがたいけど…本当にいいの?」
そう遠慮がちに言うのは嵐山皐月さん。巨乳ギャルですよ、巨乳ギャル!
つい胸に視線が向いてしまうのをなんとか堪えて、目を向いて話す。
「もちろんいいよ。あとできれば俺のことは黎夏って呼んでほしい。こっちもみんなのことは名前で呼びたいんだけどいいかな?」
そう言うと5人は驚きながらも頷いてくれた。そして俺はここで一つイタズラを思いつく。
桜木さん…もとい姫子は俺に手を握られて気を失った。ならば耳元で名前を呼ぶとどうなるか、俺の悪戯心と好奇心が早く試せと囁いてくる。
俺はそそくさと姫子の隣に移動し、肩に優しく手を置いて耳元に顔を近づける。
「姫子」
そう囁くように名前を呼ぶが、姫子は微動だにしなかった。
(おかしいな…てっきりさっきみたいにあたふたしながら気絶するかと…)
そう思いながら顔を覗いてみると、顔をトマトのように真っ赤にしながら静かに気絶していた。
設定とかキャラクターとかすぐ忘れるから、サラッとしたものでもメモとかに書いた方がいいかなーと思いながらもめんどくさがって書いてないという