男女比の狂った世界で俺は幸せになりたい   作:まかろにサラダ

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精子とか普通に書いてるけど大丈夫かな?直接的な性描写はしないつもりですが、アウトだったらR18の方に移動します


検査義務

「さて、竜胆様…だとお母様と混同してしまうので、黎夏様…と呼ばせていただきます。黎夏様は15歳になりますので、精液検査を行った上で、精液の提供義務が課せられます。記憶を喪失しておられるので説明いたしますと、人口を維持する上で必要な男性に課せられた義務になります。もちろん貴重な精子を頂くわけなので、提供毎に相応の謝礼金が提供されます。提供額は検査の結果認定されるランクによって変動します。」

 

先生の説明によると、男性は15歳になると精液検査が義務付けられ、それによってランク付けされるらしい。そしてそのランクによって精子提供の金額だけでなく、男性としての社会的地位も決まるらしい。

 

ちなみにランクはA〜Eの5段階になっており、

A 精子の質や量に問題がなく、年に4回以上の発情期がある。

B 同上で年に3回の発情期がある。

C 同上で年に2回の発情期がある。

D 精子の質や量にやや問題がある。

E 精子の質や量に問題があり、発情期がほとんどない。

 

こんなふうに分類されるらしい。

 

(いやいや、発情期って何??ああ、そういえばこの世界の男は年に2、3回しか興奮しないんだったな…なら発情期と言ってもいいか…それにしても…俺からしたらこんなの楽勝だぞ…もちろん精子に異常がないことが前提だが、前世の感覚的に毎日出そうと思ったら出せるし…)

 

さらに聞くと、提供は年に最低1回、提供額はCランクで1回300万ほど貰える上、容姿が良ければさらに上乗せされるとのこと。しかも男性に質の高い精子を出してもらうためになるべくストレスのかからないよう住宅から家具家電に至るまで全てが政府によって提供され、男性は税金のほとんどを支払わずに済み、公共交通機関は全て無料という目玉が飛び出るようなVIP待遇だった。

それだけ優遇してもらっておきながら暴言や暴力を振るうこの世界の男性に一抹の嫌悪感を抱きながら先生の話を引き続き聞く。

 

「というわけですので、黎夏様には近いうちに検査を受けてもらいたいのです。記憶喪失になり心に深い傷を負われていることは重々承知しておりますが…どうかこの国と女性のためと思い了承していただけませんか…?」

 

そう言って先生と看護師は俺に頭を下げる。

医者というのはたくさん勉強をして、ようやくなれる立派な職業だ。所謂エリートと言っても問題ないだろう。そんな人がただの一般人である男性にここまで頭を下げているのだ。これだけでも圧倒的に男性優位なこの世界の歪さが伝わってくる。

自分がチヤホヤされたいなどとそういう問題ではない。純粋に自分だけでもこの人たちに優しく接しなければという思いが溢れてくる。

 

「先生、頭を上げて下さい。俺は大丈夫です、今からでも検査に協力しますよ!」

 

そう笑顔で俺は言った。嘘は言ってない、事実俺も愚息も元気なのだ。今から出せと言われても先ほどの母親によるお胸様プレスを思い出せば楽勝と言えるくらいには。

 

「い、今からですか⁉︎し、しかしそれは…」

 

「黎ちゃん、無理しなくていいのよ?まだ目が覚めたばかりだしもう少し休んでからでも…」

 

「先生、母さん、こういうのは早い方がいい。別に俺は体調が悪いわけじゃないし、至って元気だから大丈夫だよ。それよりも俺は自分のランクが知りたい。ほら、もしランクが高ければそれだけ社会に貢献できるでしょ?なら早い方がいいに決まってる」

 

「う…黎夏様がそう仰られるならこちらとしてもありがたい申し出ですが…わかりました、それでは検査の準備をしますので少々お待ちください。高梨さんも手伝ってください」

 

そう言って先生は看護師さんを連れて病室から出ていった。あの看護師さん高梨さんっていうのか…美人だからお近づきになりたいなーなんて…

そんなことを思ってると母親…さっき母さんって呼んだし母さんでいいか、母さんの泣き声が聞こえてきた。

 

「うう…黎ちゃん…お母さんのこと…母さんって…ごめんね、泣いてばかりで…母さんって呼ばれるのが久しぶりで…嬉しくて…」

 

おいおい、今までなんて呼んでたんだよ…普通母親を母さん呼びしただけでこんなに感極まって泣かないぞ…

「えーと…ごめん、記憶がないから聞きたいんだけど…俺って普段母さんのことなんて呼んでたの?」

 

「えっ…と、「おい」とか「ババア」とか…雛乃と碧にも基本的には「おい」「お前」だったかな…?」

 

ひどいな⁉︎明らかにババアとか言う見た目じゃないでしょうに!というか母親にババアって言うんじゃありません!

というか新しい名前出てきたんだけど誰⁉︎まさか姉妹いるの⁉︎

 

「えっと、今までごめんね?これからはそんな呼び方しないから安心してよ、これから仲良くしようね、母さん。それと雛乃と碧?って人は…?」

 

「な…仲良く…黎ちゃんが優しくなってお母さん嬉しくて死にそう…!あ、えっと雛乃は黎ちゃんのお姉さんで、碧は妹よ。ほんとは2人とも来たがってたんだけど、みんなで来たら迷惑だと思ってお留守番してるわ。ふふっ、今の優しくなった黎ちゃんを見たら2人ともびっくりしちゃうわねー」

 

おお、まさか自分に姉と妹がいるとは…!前世はひとりっ子だったから猛烈に感動している…!

 

(ただきっと母さんと同じようにひどいことを言ってたんだろうな…これからは優しく、愛情と思いやりを持って接しよう)

 

そんなことを誓っていると、先生と看護師の高梨さんが戻ってきた。

 

「黎夏様。検査の準備ができましたので別室に移動をお願いいたします。案内は高梨がしますので、よろしくお願いいたします。お母様はここで少々お待ちになっていてください。検査が終わりましたら、結果の書類を持って説明させていただきますので」

 

そう言って先生は退室し、俺は高梨さんに連れられて別室へと向かう。

不思議なことに、全然人を見かけない。不自然なほど静かなのである。

 

「あの、看護師さん、高梨さんと呼んでも?」

 

「え⁉︎あ、はい、大丈夫ですよ!むしろありがとうございます!男性に名前で呼んでもらうなんて光栄です!」

 

そう言って喜ぶ高梨さんに苦笑いしつつも、疑問を口にする。

 

「さっきから全然人を見かけませんし、なんなら静かすぎると思うんですけど…ほかに患者さんはいないんですか?」

 

「ああ!ここは男性患者様用の病棟ですので、女性患者はいないんです!黎夏様以外に男性患者もいませんし、看護師も選ばれた人間しかいませんのでご安心ください!」

 

なるほど、ほとんど貸し切り状態だったってわけか…なら人がいないことにも納得できる。

そうこうしてるうちにとある部屋の前に到着する。病室と違って扉は頑丈そうな造りになっている。

 

「この部屋で精液検査を行うわけですが、室内には男性が性的興奮を覚えるように、雑誌や動画など様々な媒体のアイテムを用意しております。そちらを自由に鑑賞していただきまして、専用の器具に精液を出して蓋をして提出してくださいませ。もちろん今回上手く精液を出すことができなくても、また次回利用していただければ問題ありませんのでリラックスしてあただければと思います。部屋は防音となっておりますので、大きな音を立てても問題ありません。提出の際に精液を見られたくない場合は、中にあります黒いビニールの中に入れてもらって提出していただいても結構です。それではごゆっくりどうぞ」

 

高梨さんはそう言うと近くのナースステーションのような待機場所に行こうとする。が、俺はそれを呼び止めた

 

「あ、待ってください!1つ質問があるんですが…」

 

高梨さんは困惑したように振り返る。さっきの説明はどこかマニュアル通りの説明って感じがしたし、ここに来るまでの雰囲気や話し方からして彼女は元気溌剌とした性格なんだろう。高梨さんは美人だ、しかも胸もそこそこあって、前世の感覚から言えば女優やアイドルをやってても違和感がない。

そんな人をなぜ呼び止めたか、これは賭けだ。この男女比が狂って世の中、男性優位な社会、それを考えるにきっと彼女はこのお願いを断らないはず!断られた場合は考えたくない!

 

「えっと…高梨さんに…検査を手伝ってもらうことってできるのかなーって…あはは…」

 

そう!この元気溌剌そうなアイドル顔負けの美人に愚息のお世話(意味深)をしてもらうのだ!

 

「ふぇ⁉︎」

 

そう言って彼女は真っ赤になった。かわいい(小並感)

 

 




もし誤字脱字があったら言って下さいm(*_ _)m
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