アーシアが兵藤家に越して来て数日。
アーシア、天魔、一誠の順に並んで歩いていた。ちなみに並び順は母の指定である。一誠とアーシアを隣にさせたくないらしい。
雑談をしながら登校すると、天魔たちが周囲の人間から好奇の目で見られていく。天魔はともかくとして、女子から嫌われている一誠が美人ぞろいのオカルト研究部の面々と親密そうにしているのは不思議なことなのだろう。
「アーシアちゃーん! おはよー!」
「おはよう、アーシアさん。今日もブロンドが輝いてるね」
「おはようございます。松田さん。元浜さん」
一誠の悪友二人がアーシアにあいさつし、アーシアが笑顔で返す。身から出た錆とは言え、女子から笑顔を向けられることのない二人は感無量といったようだ。
一誠が余裕そうにしていることが気に食わなかったのか、二人はローキックを食らわせ、文句を言いつつ誰かしら紹介しろと要求する。
オカルト研究部のメンバーを紹介することを渋っていた一誠だったが、ふと思いついたように電話をかけると承諾が取れたといい、待ち合わせ場所についての詳細を書き連ねた紙を渡す。二人がとてもありがたがりながら去っていくのを見て、天魔が疑問を浮かべる。
「お前、オカ研以外の女性に縁なんてあったっけ? 誰を紹介したんだ?」
「……ミルたん」
「お前……悪魔か……? 悪魔か……」
天魔は、一誠が紹介した相手が、筋骨隆々の体に乙女の心を持つ男の娘ならぬ漢の娘とのセッティングを、オカ研の面々のような美少女とのセッティングだと思っている二人にあつらえたことにドン引きしつつも、訂正はしなかった。
そして夜。
「天魔さん、投函終わりました」
「よし、行こうか」
天魔はアーシアを後ろにのせて、自転車をこいでいた。
アーシアも一誠同様にチラシ配りから始めることとなったのだが、アーシアは自転車に乗ることができず、土地勘もない。このままでは時間がかかることに加え、世間知らずのアーシアを夜に一人で出歩かせるのは危険だと一誠が難色を示した。最初は一誠が同行しようとしていたが、ようやく取れ始めた契約をすっぽかすわけにはいかず、特に用のない天魔が同行することとなった。
アーシアは恐縮していたが、天魔が一誠とともに押し切り、リアスも承諾したことで天魔がアーシアの運転手に就任した。
「ただいま戻りました」
「戻りましたー」
チラシ配りを終え、部室に戻ると、朱乃が紅茶を入れ始める。アーシアがリアスに声をかけるもぼうっとしている彼女は気づかず、一誠が声をかけてようやく反応した。
気を取り直したリアスがアーシアのチラシ配りの終了を告げ、契約に赴くことを告げると、最初は喜んでいた一誠だったが、すぐに不安そうにして叫び出した。
「部長、ダメです! アーシア一人じゃ不安です! アーシアが変な奴にいかがわしい要求をされたりしたら、俺は我慢できません!」
「いや、誰も彼もお前みたいな考えのやつばっかってことはねぇだろ」
「そうよ、イッセー。それにその手の依頼は専門の悪魔がいるから、そういう依頼はグレモリー眷属にはそうそう来ないわよ」
「本当ですか? でも俺不安なんですけど!」
「あー、わかったわかった。アーシアが自分ひとりで行けるって言いだすまでは、俺が一緒に行くから、そう叫ぶな」
「頼むぞ⁉ちゃんとアーシアのこと守れよ!」
「しょうがないわね、最初の内は天魔にもいってもらいましょう」
一誠の不安を天魔とリアスでほぐそうとするも、未だ叫ぶため、天魔がついていくということで決着した。
「すみません……私のせいで……」
「気にするな、イッセーが言い出さなかったら、俺も言うつもりだったし」
恐縮して詫びるアーシアを制し、天魔が頬をかきながら自分も言うつもりだったというと、心配していたことが伝わったのか、アーシアの雰囲気が華やぎ、何やら甘い空気が流れる。一誠が居心地悪そうにしているとアーシアにもこなせそうな願いの召喚者が現れ、アーシアの転移に便乗して天魔も転移した。
アーシアの初依頼は特に問題もなく解決した。帰還の報告の際にもリアスがぼうっとしていたことが気がかりではあったものの、本人が何も言おうとしないため無理に聞き出すことはなく、天魔たちはそのまま帰宅した。
「すみません。先にシャワーをいただきますね」
そういって浴室に向かうアーシアを見送り、天魔は一誠の覗き対策に階段の見える場所で待機する。言うまでもなく、母の言いつけが原因だが、兵藤家の面々は誰も反対意見を出さなかったことから、一誠の信頼度の低さがうかがえる。
(全く、苦虫を嚙み潰したような顔をするぐらいなら、覗きをしないと言い切るぐらいすればいいものを)
天魔が嘆息していると、一誠の部屋から声が漏れ聞こえ始めた。聞こえてくる一誠の声は明らかに興奮しており、本来ならそんな状態の場所に踏み込むことはしないが、夜中であったこともあり注意することにした。
「おい、イッセー。夜中に部屋の外に聞こえるように騒いでんじゃねぇ。少しは近所めいわ、く、を……」
天魔がドアを開けながら注意をするが、その言葉は途中で途切れる。部屋の中にいたのは鼻血を垂れ流す一誠と全裸のリアスがベッドの上にいた。これまでにそれらしい気配を見せてはいなかったが、明らかにことに及ぼうとしている状態であったため、突入したことを後悔した。リアスの全裸を見たからか、顔を赤くし、回れ右してドアをくぐる。
「お取込み中失礼しました!」
勢いのある小声で詫びつつドアを閉めると、へたり込んで、外部から気配と音を察知できないようにする結界を張る。手遅れであるような気がしていたが、それでも詫びるように結界を張る。疲労からか気が抜けており、周囲の気配をしっかり感知していなかったことを後悔しながら、シャワーを上がったアーシアに呼ばれ、浴室へと向かった。
翌朝。
天魔たちは通学路を歩いていた。その雰囲気は暗く、陰鬱とした空気を放っていた。
「いや、ほんとすみません。配慮が足りませんでした」
「もういいって。結局あの直ぐ後にメイドさんが来てできなかったし」
空気を重くしているのは主に天魔であり、うつむき顔を覆っているのを一誠が元気づけていた。
周囲に他の生徒が増え始めたころ、天魔も気を取り直し前を向く。とはいえ、表面上であり一誠にやっかみが向くのを防ぐためだたが。
教室に着くなり、一誠が襲撃を受けた。どうやら昨日のミルたんの一件は二人にトラウマとして刻まれてしまったらしい。騒ぐ二人に一誠がさわやかに返し、二人がかりのブレーンバスターをもらうのだった。
そして放課後。部室に向かう天魔たちに祐斗が合流すると、ここ最近のリアスの不調の話になった。
「部長のお悩みか……多分グレモリー家に関わることじゃないかな」
「朱乃さんなら知ってるんだよな?」
「朱乃さんは部長の懐刀だからね。もちろん知っていると思うよ。それより……」
リアスの悩み内容については朱乃なら知っているだろうとのことで、機会を見て聞くこととし、話題は天魔へと移る。旧校舎に向かうにつれ、人目が少なくなり再び天魔は顔を覆っていた。とはいえ、昨夜のことを話すつもりなのい一誠はごまかし、天魔も沈黙を保ったため、祐斗の疑問は晴れなかった。
「それより木場、今日って来客の予定ってあったっけ?」
「ないはずだけど、どうかした?」
「いや、誰か部室にいるみたいだからよ。険悪な感じはしないけど、妙にピリピリしてるみたいだ」
話の切れ目を見て取り、天魔が部室の様子を話題に出すと、祐斗たちは不思議そうな顔をする。そのまま旧校舎に入り部室前までたどり着いたところで、祐斗が緊張感をにじませ始めた。
「まさか、僕がここまで近づくまで気づかないなんて……」
祐斗が自嘲しながら扉を開くと、いつも通りに奥に座るリアスとそばに控える朱乃、いつもと違い部屋の隅に用意した椅子に座る小猫に加えて銀髪のメイドが立っていた。
「あ、部長。昨日はなんか、すみませんでした」
「いいのよ、結局昨日は失敗したんだし。グレイフィア、彼が兵藤天魔。イッセーの兄弟で私たちに協力してくれているフリーの悪魔よ。昨日の結界もこの子が張ったの」
「なるほど、この方が……初めまして兵藤天魔様。私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。以後お見知りおきを」
「これはご丁寧に、どうも。兵藤天魔です」
ひりついた空気の中、天魔が謝辞を述べると、リアスも昨夜のことを思い出したのか、苦笑して応じる。リアスの紹介に天魔と銀髪のメイド―グレイフィアが互いにに名乗ると、リアスが一人一人の顔を見て、口を開いた。
「全員揃ったわね。今日は部活の前に話があるの」
「お嬢様、私からお話ししましょうか?」
グレイフィアの申し出を手を振って遠慮するとリアスが話始める。
「実はー」
しかしそれは、床の魔方陣が光り始めたことによって阻まれた。普段使いしているグレモリーの魔方陣が形を変え、なおも光を強めていくのを見て、天魔がつぶやく。
「フェニックスが何の用なんだ?」
そのつぶやきに何人かが目を見開くも、魔方陣から火の手が上がり、心情を口にする機会は失われた。魔方陣の中央に現れた人影が手を薙ぐと炎は消え、その先から赤いスーツを着崩したホスト風の男が姿を現した。
「ふぅ、人間界は久しぶりだ。愛しいリアス、会いに来たぜ。さて、早速だが式場を見に行こう。日取りも決まっているんだ。こういうのは早め早めがいい」
リアスは明らかに歓迎するような空気ではないが、フェニックスと目される男はお構いなしに近づくと、リアスと腕をとる。
「離して頂戴、ライザー」
リアスは低い声で告げると腕を振り払うが、ライザーと呼ばれた男は肩をすくめ笑うだけだった。
「おい、アンタ。部長に対して無礼だぞ。つーか、女の子にその態度はどうよ」
「あ? 誰だ? お前」
「俺はリアス・グレモリー様の眷属悪魔! 「兵士」の兵藤一誠だ!」
「フーン。あっそ」
リアスに対する態度に一誠が怒り出すが、ライザーはさしたる興味を示さずに顔を背け、身構えていた一誠はこける。
「つーか、あんた誰よ」
「あら? リアス、俺のこと、下僕に話してないのか? つーか、俺を知らない奴がいるのか? 転生者? それにしたってな……」
「話す必要がないから話していないだけよ」
「あらら、相変わらず手厳しいねぇ」
一誠の発した疑問にライザーはリアスに話を向けるが、リアスは淡白に返す。話が進まないと感じたのか、グレイフィアが口を開く。
「この方はライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます。そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます……リアスお嬢様の婚約者であるということです」
「えええええええ⁉」
グレイフィアがざっと説明をするも、一誠の疑問が解けていないのを見て取り、簡潔に話し直す。意味を理解し叫ぶ一誠を尻目に天魔はため息をつくのだった。
普段と違い、相手が上級悪魔であるため、リアスとライザー以外の面々が立ったまま、お茶の時間が始まる。
ライザーが朱乃の入れた紅茶をほめるも、朱乃の雰囲気は固く、ライザーに思うところがあるのがうかがえた。
ライザーはリアスの隣に座り、髪や手を触ったり、肩を抱いたりしていた。そのたびにリアスは振り払うが、ライザーは構うことなく続けていく。
上級悪魔とともに席に着くことはできず、どう見てもセクハラな光景を見守ることしかない状況にみな思うところがあるのか、微妙な表情をする中、一誠だけはニヤついていた。
「……卑猥な妄想禁止」
「イッセー君。とりあえず、よだれを拭いたほうがいいよ」
よだれをたらしており、小猫の突っ込みによって図星をつかれた一誠は袖でぬぐおうとしていたが、横からアーシアによってぬぐわれる。その際に屈託のない笑顔で声をかけられ、良心を痛めていたが、皆こっそりとため息を吐くだけだった。
「いい加減にして頂戴! ライザー! 前にも言ったはずよ! 私はあなたと結婚なんてしないわ!」
「ああ、以前にも聞いたよ。だが、リアス、そういうわけにはいかないだろう? 君の所のお家事情は意外に切羽詰まっていると思うんだが?」
「余計なお世話だわ! 私が次期当主である以上、婿の相手ぐらい自分で決めるつもりよ! 父も兄も一族の者も皆急ぎすぎるわ! 当初の話では、私が人間界の大学を出るまでは自由にさせてくれるはずだった!」
「その通りだ。君は基本的に自由だよ。大学に行ってもいいし、下僕も好きにしたらいい。だが、君のお父様もサーゼクス様も心配なんだよ。お家断絶が怖いのさ。ただでさえ、先の戦争で純血の悪魔が大勢亡くなった。戦争は終わったとはいえ、堕天使、神陣営とも均衡状態。奴らとのくだらない小競り合いで純血悪魔の跡取りが殺されてお家断絶したなんて話もないわけじゃない。純血であり、上級悪魔のお家同士がくっつくのはこれからの悪魔情勢を思えば当然だ。純血の上級悪魔。その新生児が貴重なことは君だって知らないわけじゃないだろう?」
激昂したリアスに対し、ライザーは冷静に返す。リアスがわずかにひるんだのを見て、ライザーは口元をゆがめると紅茶を一口飲み、再び口を開いた。
「新鋭の悪魔。君の下僕みたいに人間からの転生悪魔が最近は幅を利かせているけど、それでは俺達古い家系である上級悪魔の立場が無い。力に溢れているというだけで転生悪魔と通じる旧家もいる。まあ、それもいい。新鮮な血もこれからの悪魔には必要だ。だが、純血の悪魔を途絶えさせるわけにもいかないだろう? 俺と君は純血を途絶えさせないために選ばれたんだ。俺の家は兄たちが居るから問題ない。しかし、君の所は兄妹二人だけ。しかも、君の兄君は家を出られたお方だ。そうなると、リアスしかグレモリー家を継ぐものが居ないんだぞ? 婿を得なければ君の代でグレモリーは潰えるかもしれない。君は長く続いた家を潰すつもりなのか? 先の戦争の影響で『七十二柱』と称された悪魔はもう半数も残っていない。この縁談は悪魔の未来が掛かっているんだ」
雰囲気が剣呑な状態になり、立っていた天魔たちが僅かに身構えるが、個人ではなく悪魔としての話とみて、その場の全員が口をつぐみリアスの言葉を待った。
「私は家を潰さないわ。婿養子だって迎え入れるつもりよ」
「おおっ、さすがリアス! じゃあさっそく俺と」
「でも、あなたとは結婚しないわ、ライザー。私は私が良いと思った者と結婚する。古い家柄の悪魔にだって、それぐらいの権利はあるわ」
ライザーはリアスの言葉に笑みを深めるが、自身の言葉を遮るように続いた言葉を受け、目を細めて舌打ちする。
「……俺もなリアス、フェニックス家の看板を背負った悪魔なんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだ。こんな狭くてボロい人間界の建物なんかに来たくなかったしな。というか、俺は人間界はあまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐え難いんだよ! 俺は君の下僕を全部燃やしてでも君を冥界に連れ帰るぞ」
ライザーは明らかに機嫌を悪くすると、炎を噴出させプレッシャーを放ち始める。
アーシアと一誠はそのプレッシャーに耐えかね、震え始める。祐斗と小猫も臆するわけではないが、いつ臨戦態勢に入ってもおかしくないような緊張感を漂わせていた。天魔はあきれ顔でアーシアの頭をなで、一誠の背をたたいて、落ち着かせる。
リアスがオーラを薄く発し、ライザーとにらみ合い始めるのをよそに、天魔は魔法陣を展開し、その一部から冷気を出してライザーの熱気を中和していく。ライザーの炎が背に集まり、翼を形成した。まさにフェニックス──火の鳥を関するにふさわしい翼で威容を見せるライザーに空気が張り詰める中、グレイフィアが介入する。
「お嬢様、ライザー様、落ち着いて下さい。これ以上やるのでしたら、私も黙ってみているわけにもいかなくなります。私はサーゼクス様の名誉ためにも遠慮などしないつもりです」
天魔をちらりと見やり、静かで迫力のある声でグレイフィアが口にすると、リアスとライザーは顔をこわばらせてオーラと炎を鎮める。それを見て天魔も魔法陣の大半を消し、冷気の放出を弱めた。
「……最強の『女王』と称されるあなたにそんなことを言われたら、俺もさすがに怖いよ。バケモノ揃いと評判のサーゼクス様の眷属とは絶対に相対したくはないからな」
ライザーがため息とともに頭を振り、戦意を消すと、リアスもオーラをおさめ、臨戦態勢が解除されたのを確認し、グレイフィアが話始めた。
「こうなることは、旦那様もサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。正直申し上げますと、これが最後の話し合いの場だったのです。これで決着がつかない場合の事を皆様方は予測し、最終手段を取り入れることとしました」
「最終手段? どういうこと、グレイフィア」
「お嬢様、ご自身の意志を押し通すのでしたら、ライザー様と『レーティングゲーム』にて決着をつけるのはいかがでしょうか?」
グレイフィアの言葉にリアスが絶句する。レーティングゲームの存在を忘れていたのか疑問符を浮かべる一誠に、祐斗が軽く解説を入れるのを見て、天魔はこれ以上何も起こらないことを察し、魔法陣を消した。
「お嬢様もご存じの通り、公式な『レーティングゲーム』は成熟した悪魔しか参加出来ません。しかし、非公式の純血悪魔同士のゲームならば、半人前の悪魔でも参加出来ます。この場合の多くが 」
「身内同士、または御家同士のいがみ合いよね……つまり、お父様方は私が拒否した時の事を考えて、最終的にゲームで今回の婚約を決めようってハラなのね? ……どこまで私の生き方をいじれば気がすむのかしら……っ!」
グレイフィアの説明をため息とともにリアスが引継ぎ、自身の状況を鑑みて殺気を漲らせる。
「では、お嬢様はゲームも拒否すると?」
「いえ、まさか、こんな好機はないわ。いいわよ。ゲームで決着をつけましょう、ライザー」
「へー、受けちゃうのか。俺は構わない。ただ、俺は既に成熟しているし、公式のゲームも何度かやっている。加えていえば、今のところ勝ち星の方が多い。それでもやるのか、リアス?」
グレイフィアの確認にリアスは挑発的に返し、ライザーは顔をニヤつかせながら確認をとる。
「やるわ。ライザー、貴方を消し飛ばしてあげる!」
「いいだろう。そちらが勝てば好きにすればいい。俺が勝てばリアスは俺と即結婚してもらう」
「承知いたしましたお二人のご意志は私グレイフィアが確認させて頂きました。ご両家の立会人として、私がこのゲームの指揮を執らせてもらいます。よろしいですね?」
「ええ」
「ああ」
「わかりました。ご両家の皆さまには私からお伝えします」
戦意を漲らせる二人を前にグレイフィアが確認をとると、両者ともに首肯する。確認を済ませたグレイフィアは頭を下げ、一歩下がった。
グレモリー眷属とライザー・フェニックス眷属のレーティングゲームが確定したのである。
感想・お気に入りありがとうございます。
破談のための交渉先として天魔ではなく一誠が選ばれたのは、一誠の行動を諌める天魔よりも、一誠のほうが早くことに及べると考えられたからです。