受検級:1級
大問1:音読み、訓読み 29/30
大問2:書き取り 38/40
大問3:語選択書き取り 10/10
大問4:四字熟語 30/30
大問5:熟字訓、当て字 9/10
大問6:熟語の読み、一字訓読み 10/10
大問7:対義語、類義語 18/20
大問8:故事成語 16/20
大問9:文章題 26/30
合計点 186/200 通算17回目の合格は確実 自己ベスト更新
以下、感想
全体的な難易度は普通。四字熟語だけ殺人的な難易度。故事成語はやや難しい。
書き取りの土公神(どくじん)に撃沈。そんなん知らんと思ったが大見出し語だった。以前出題された歳徳神然り、神の名は覚えた方が良いのだろうか。
四字熟語の書き取りで信施無慚、阿遮一睨が出題された。四字熟語辞典に収載されておらず、加えて仏教用語である為、類推も難しい。此れを書かせるかと試験中に啞然とした。猶、広辞苑に収載されている語である。
熟字訓では擬蠍(かにむし)を"かにくさ"と堂堂と間違える。"かにくさ"は"海金砂"やろうがい……。阿呆過ぎる。
選抜レースは、競走ウマ娘としての今後を左右する重大な関頭*4である。抑抑の話、トレーナーと契約していないウマ娘は公式レースに出走する事が出来ない。故に、選抜レースでトレーナーに見出だされなければ、レースに出られず只管自主トレを繰り返すという
ウマ娘側は実績のあるトレーナーに指導して貰いたい、トレーナーは実績を作りたいので優秀なウマ娘と契約したいと、二者の需要は
故に皆殊死*13になる。絶対に良い走りをしてトレーナーとの契約を勝ち取ると息巻く。然し厥の入れ込み具合が命取りとなる。真に実力の有る者は緊張もせず自然体で走り、眼を爛爛とさせている連中を後目に何事も無かったかの如く良いタイムを叩き出す。適度に肩の力を抜けなければ
「あんなに力んでちゃ捷てるレースも捷てないね」
「皆アジみたいに簡単に割り切れないのよ。此処で契約取れなかったら地獄が始まるんだから」
「アジさまは何時も通りですね~。撫で心地も何時も通りですわ~」
「撫で心地って緊張したら変わるもんなの?」
「知らんがな」
「ブライト~。そろそろワタシにも貸してクダサ~イ」
「何ですか、此の緩み切った空気は」
迂拙は何時もの四人と
「此れ位の空気が丁度良いのよ。前にも言ったでしょ、入れ込み過ぎるなって。入れ込み過ぎると、何処ぞのウマ娘みたいにゲートに顔から突っ込む羽目に成るから」
「あわわ~、そ、厥は忘れて下さい~」
シャトルもフクもゲート訓練は合格したが、2回目の訓練で合格したシャトルを見た所為か、フクはフライングして顔面からゲートの扉に突っ込んでいた。幸い大事には至らなかったが、下手すれば眼窩や鼻骨、
向こうを見遣ると、1着を取ったウマ娘にトレーナーが
「と、所で、アジさんはどの距離に出るんですか?」
「ダートの1200と1600、芝の1600と2000に出る心算」
「相変わらず走る回数が常軌を逸してるわね……。てか、そんなに走ったら枠圧迫して迷惑なんじゃないの?」
「本命の芝2000は普通に登録したけど、他は枠が余っているレース訊いて、其処に捩じ込んで貰ったから大丈夫。今の所全員とレースは被ってない」
「ちゃっかりしてるわね……」
公式レースの規則には、中5日を挟まないと次のレースに出走してはならないという条項が有るが、選抜レースには適用されない。拠って走り放題ではあるが、
「偖、早速出番なんで逝って来ますわ」
「今何か漢字が違わなかった?」
ひらひらと手を振り乍らゲートへ向かう。此のレースでは8枠10番を充てられた。今回は追い込みを
そして、案の定トレーナー連中が十重二十重に取り巻き、
「短距離で追い込みって如何言う心算よ」
「只試してみたかった、厥だけ。他意は無い」
「ダートの短距離の良バ場を追い込みで走って、あんなに差が付くものなんですね~」
「私も末脚には自信が有りますけど、彼の条件で彼のスピードは出せる気がしません……」
「大外ブン回してカッ飛んで来たわよね。だのに全然息切らしてないんだから、他のウマ娘からしてみれば恐怖以外の何物でも無いわよ」
「ブライトは追い込み得意だから出来るでしょ?」
「無理です~」
「あるぇ?」
「寧ろ何故出来ると思ったんですか?」
「差しとか追い込みで走るんならあれ位速度出さないと捷てないでしょ」
「700mも維持出来る訳無いでしょ。本命じゃないレースであんな走りするとか、脚は大丈夫なの?」
「余裕余裕」
「ホントバケモンだわ……」
名家の出身なら所謂"良い"教育を受けているだろうから出来ると思ったが如何も違うらしい。迂拙は只出来る事を遣っただけなのに、ドーベルやフクからは白眼視された。ブライトは変わらずのほほんほわほわしている。
「所で、スカウトされている時にトモ触られたりしなかった?」
「トモ? 別に何も無かったけど」
「何か他のレース見てると、良い走りしたウマ娘のトモを触っているトレーナーが居たのよ。触る度に顔面蹴られてたけど」
「何
「他のトレーナーは呆れた様な目でみてましたね。何で誰も止めないんでしょうか」
「止める間も無く触りに行ってるんじゃない? 一貫して背後からスッと触りに行ってるから」
「
「男のトレーナーで、黄色い服着てたわね。襟足の辺りで髪を束ねて、左のもみあげの辺りだけ刈り上げていたわ」
「又良く分からん髪型してんな……。まあ厥だけ特徴的な奴なら直ぐ見つかるだろ。証拠撮影して法務部に持って行くか。あ、でもウマホ持ってねえな」
「ドーベルは男の人が苦手ですから~、あんな事されたら蹴っちゃいますね~」
「いや、苦手云云以前の問題では?」
「然うですよ。苦手じゃなくても行き成りトモを触られたら誰でも蹴りますって」
「うう……大丈夫かな……」
「うし、じゃあ迂拙が見張ってるから。後ろから不審者が来たら大声で警告するわ」
「うん、御願い」
全く以て怪しからん奴だ。そんな変人が咎められもせず放置されているとは世も末である。一方、そんな会話をしている内にシャトルの選抜レースが終わった。ゲート入りの前にふんすふんすと鼻息荒く意気込んでいたが、丁度良い緊張感であったらしく、
「アジ~、1着取りマシタ~! 見てて呉れましたカ?」
「うん、良い走りだった」
「タイキの独壇場だったわね」
「厥を言うなら
「急に何よ厥のキャラ。え、てか独壇場じゃないの?」
「壇は土偏でしょ。
「へー、然うなんですか」
「以上、如何でも良い雑学でした」
「で、タイキは契約取れたの?」
「Yes! チームリギルに這入りマシタ!」
「チームリギル? トップ中のトップチームじゃん」
「矢っ張りタイキさんは持っているウマ娘ですね」
「リギル? 知らんなぁ」
「何で知らないのよ。会長が所属しているチームでしょうが」
「ルドっさんが……? 知らんなぁ……」
「雑誌の特集とかでも結構出て来ると思うんですが……」
「雑誌なんて読まん。新聞も読まん。あんなん読んでたら頭悪くなる」
「わ、ワイドショーとかは?」
「全く見ない。あんなん見てたら頭悪くなる」
「テレビ見ないの?」
「レースは見るよ。インタビューになったら画面から目ぇ外す」
「どんだけメディア嫌いなのよ」
「連中に真実を報道する義務なんて無いから。如何に大衆を釣るかに力を注いでいる陸でなしでしょ。真面に接してたら頭悪くなる」
「ド辛辣……」
「名家に対するのも然うだけど、アジって偏見酷くない?」
「此れが迂拙だ。改める気は無い」
「絶対言うと思った……」
「じゃ、アタシの番だから行って来る。
「府中1、諒解」
「府中1って何よ」
「パトカーの識別番号っぽく言ってみました」
「反応に困るネタ入れるの止めて」
「あ、しまった、あんぱんと牛乳が無い」
「Oh! ハリコミデスネ!」
「タイキさん、何で厥のネタ解るんですか……」
兎にも角にも次はドーベルの出番である。条件はシャトルと同じ芝1600。ゲート入りはすんなりと進行し、
矢張りメジロ家のウマ娘と言う事も有って目を付けていたトレーナーは多く、直ぐ様取り囲まれた。が、ドーベルは男性恐怖症の嫌いが有り、男のトレーナーに詰め寄られ
「ドーベルゥ!! 真後ろぉ!! 不審者接近中ぅ!! 気ぃ付けろぉ!!」
有らん限りの
戻って来たドーベルの表情は、複数の心境が
「御帰り。契約取れた?」
「う、うん。アタシもリギルに這入った……」
「Wow! 一緒のチームデスネー! 嬉しいデース!」
「うん……」
「表情が晴れませんねぇ……」
「こ、恐かったんだから……。全然気付かなかった……」
矢張り見知らぬ男が音も無く背後に立っていたら恐怖を覚えるのも道理である。ドーベルの反応も宜なるかな。
「シャトル、GO」
「Yes!」
「え、ちょ、何?」
「では、迂拙は前に失礼して」
シャトルがドーベルをあすなろ抱きにし、迂拙が前から挟み込む仲良しサンドイッチ。恐怖を失除*34するには人肌が一番手っ取り早い。そして迂拙は男の股間を一切躊躇する事無く蹴り上げる事が出来るので、鉄壁の守りである。
「暫く斯うしてりゃ落ち着くでしょ」
「あら~、ドーベルサンドイッチですね~」
「ちょ、や、止めてよ。周りの視線が何か生温かいから……」
「聞く耳持たん。迂拙の出番迄鳥渡時間あるから大人しく挟まれてろ。何時までも耳萎れさせられていたら此方迄辛気臭くならぁ。不審者来たら迂拙が股間蹴り潰すから安心しろ」
「厥の科白の所為で逆に安心出来ないわよ」
脚をブラブラさせて股間を蹴る素振りを見せる。不埒な輩には容赦はしない。迂拙の前に姿を現した時が奴の最期である。暫くドーベルをシャトルとぎゅむぎゅむ挟んでいると、マックイーンさんが姿を現した。
「……何故ドーベルが挟まれていますの?」
「ドーベルに対する不同意猥褻未遂事件が発生しましてね、斯う遣って落ち着かせているんですよ」
「不同意猥褻……?」
「黄色い服着た良く分からん髪型のトレーナーがですね、ドーベルの背後から接近して大腿部付近を触ろうとする事案が発生したんですよ。迂拙が大声で警告して、
「黄色い服……特徴的な髪型……。成程、ドーベル、災難でしたわね」
「うん……すっごい恐かった……」
「では、私は少少用事が出来ましたので、失礼致しますわ」
何やら据わった目付きになってマックイーンさんは去って行った。
「マックイーン、何しに来たんだろ」
「レース観戦の序でに、目ぼしいウマ娘でも探していたのでは? 若しチームに所属しているんだったら、後でトレーナーに「こんな良さ気なウマ娘が居ましたよ」って報告して、勧誘でもするんじゃないんですか。1着取れてなくても何か光る物が有れば勧誘に値すると思いますし」
「……何か、去り際の目付きが恐くなかったですか?」
「双眸から光が消えていたねぇ。理由は知らんけど」
駄弁りつつレース観戦に興じていると、「ぐぁぁぁ!」と言う苦悶の声が聞こえてきた。何事かと思って視線を遣ると、件のセクハラトレーナーをマックイーンさんが折檻していた。……メジロ家の御嬢様とは、
「な、何だマックイーン! 行き成り如何した!?」
「貴方、
「ち、違うんだマックイーン、話を聞いて呉れ!」
「アジさんから聞きましたわよ! ドーベルの背後から忍び寄って触ろうとしたと! アジさんが間一髪で止めたと! 何度止めろと言ったら止めるのですか貴方は!」
「あ、
「今、認めましたわね? ならば問答無用!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
プロレスと言う名の蹂躪は更にヒートアップ。トレーナーの方は段段と顔が蒼褪めていっているが大丈夫か? 周囲は日常茶飯事と許りに関心を向けずに居る。トレセンの日常とは此処迄殺伐としているのか? 眉を顰め怪訝な表情で様子を窺っていると、似た様な表情をしたテイオーさんが来た。
「……何でマックイーンはあんなにヒートアップしてんの?」
「
「これこれうまうま。成程ね。同じメジロ家のウマ娘に手を出そうとしたから余計にって感じかな。御免ね、ウチのトレーナーが」
「え、
「ボクのって言うか、ボクの所属しているスピカってチームのトレーナーだね。マックイーンも一緒のチームなんだ」
「世も末ですね」
「Oh... セクハラトレーナーのチームデスカ……」
「いや、トレーナーとしての腕は確かなんだよ。只、ウマ娘のトモを見ると触りたくなっちゃうって言うどうしようもない性癖があるだけで……」
「普通に警察が動く刑事事件ですよね。何で未だブタ箱に
「いやぁ、厥はボクにも分かんないな……」
何か此方が感知出来ない暗流が蠢いているのだろうか。下手に首を突っ込んだら消されそうである。
「所で、アジはどのレースに出るの?」
「此の後の芝1600と、午後のダート1600と芝2000に出ます」
「一日3レースとか頭可笑しいの?」
「平常通りです」
「
「一日で春天2回分の距離!? ワケワカンナイ……」
「じゃ、そろそろ出番なんで。シャトル、ドーベルの護衛は任せた」
「Roger!」
「両脇は私とブライトさんで固めましょう! 何人たりともドーベルさんには触れさせません!」
「ちょ、鳥渡、大事にしないでよ……」
「ボクも一緒に居るよ。ボクが居れば下手な動きは出来ないからね」
「テイオー先輩迄!?」
テイオーさんも加わり、金城鉄壁*35の守りが出来た。此れなら心配は要らないだろう。
偖、午前中2レース目である。芝レースは人気が有り却却空き枠が有るレースが無かったが、此の午前中最後のレースに空きが有った。理由は単純、バ場が荒れているからである。此の午前中最終レースから
本日2度目のゲート入り。ゲートの格子から見えるコースは荒れに荒れている。通常のレース場で行われる様なレース数の数倍は行われているので当然である。恐らくコーナーの内埒付近はより荒れているだろう。
今回は差しで走る心算だが、他の連中は荒れた部分を嫌がって中央寄りを走るであろう事は予想が付く。となると内を突いて追い上げる事になるのか。個人的にはバ群を割ったりバ群から脱け出す走りを試したかったが、又の機会にするとしよう。
「相変わらず無茶苦茶な走りね……」
「何でバ場が荒れている部分だけを走り続けてあんなタイム出せるんですか……」
「鳥渡足首が疲れた感じがするけど、未だ未だ行ける」
「フィジカルお化けだね……。アジって差しが得意なの?」
「得意な戦法とか良く分からないので、此の選抜レースに託けて色色試してます」
「
「え、先刻走ったのってダートの短距離だよね?」
「然うですよ」
「今日って良バ場だよね? 脚の負担ヤバいじゃん」
「然うでもないですよ」
「真顔でイカれた事言わないでよ」
「厥のイカれた走りをした後に今のイカれた走りをした訳ですよ、テイオー先輩」
「ゴルシみたいな頑丈さじゃん……」
皐月賞にて、荒れた内埒付近を突っ切り捷利を搔っ攫ったゴールドシップ先輩に通ずる所は有るか。だが厥の彼女
「他のウマ娘からしたら迷惑千万よね……。自分は死に物狂いで走ってるのに、厥の横で涼しい顔して走ってる奴が、只差しの走りを試すだけに出走して1着搔っ攫っていくんだから」
「他のウマ娘に怨まれたりしませんカネ」
「怨まれたら怨まれたで厥の時は厥の時よ。他の連中だって此処は弱肉強食の世界だって承知した上で入学してんだから、現実を見る良い機会じゃない?」
「アンタみたいな荒らしが居るとは露程も思ってないでしょ」
「自分に素直になっただけです」
「厥が迷惑だって言ってんの」
「迂拙は此処には走りに、そして金を稼ぎに来てんだ。慾を満たす為なら手段は択ばんぞ」
「何か今最低な発言が聞こえたんだけど」
「遊ぶ金慾しさで受験した。トレセンなら何処でも良かった。反省も後悔もしていない」
「何処の容疑者の供述よ」
「憬れのレースとか無いんですか?」
「無い。走れりゃ何でも良い」
「何か……珍しいタイプだね。此処に来る子って、何かしら出たいレースとか憬れのレースとか持ってるけど、アジ程慾に全振りしている子は見た事無いよ」
「今は資本主義社会ですよ。名誉だけあったって腹は膨れんのです。金が無きゃ、先立つものが無きゃ
「当たり前の事なんだけど、改めて言われると何か最低な感じがする……」
「金は命よりも重いんですよ」
「厥は最低な発言だって
世の道理から目を逸らしてはならない。