久々に原作をしたら面白かったので初投稿です
それから俺は一躍時の人となった。当然悪い意味で。
何百分の一を引き当てる豪運もさることながら、生徒会長という役職がまた、いい話題の種だ。
そして付いたあだ名は「くじ引き会長」。自分は足利義教じゃねぇよ。
「やれやれ、彼は...何君だっけ?あんなに目立たない奴が生徒会長で、うちの学園は大丈夫か?」
「いやいや、全くその通りだ。せめて能力は考慮して欲しかったね」
うるせぇ、ハ⚪︎ドリ君とシュー⚪︎ルト。お前らは青藍島に帰れ。
というか、何で引き受けるのが前提になってんだよ。こっちだって断るつもりだよ。
「うーっす!トモすけ、一緒にお昼いこっか!」
教室で居心地が悪かったのもあり、素直にミリさんと共に弁当を持って生徒会室へと向かっていった。
「ここ生徒会室、トモすけ来るの初めてだっけ?ま、これからトモすけの部屋になるわけだし、好きに使えし!」
「いやいや、なんで俺が生徒会長やるの決定事項なんですか」
「まさかトモすけにくじ当たるとは思ってなかったでしょー。ウケるよね」
だからウケねぇよ、ここまで来ると仕込みを疑いそうになるが、仕込みで自分を生徒会長にするくらいならもっと適任な人選をするか
「で、どーなん?」
「生徒会長ですか?無理に決まってるでしょう。ていうかくじ引きってなんすか?」
「うちも生徒の自主性に期待したかったんだけど、立候補も推薦もないからさー」
だからってくじ引きは無いだろ、昭和の漫画じゃ無いんだから
けど今から話し合いで決めるとかしても、何だかんだで自分に票が集まりそうな気がする。
「というか、副会長とかの他の生徒会はどうしたんですか?シンポジウムまで時間がないなら副会長を臨時会長にすれば良いだけでは?」
「前の生徒会長が使えないゆって他な役員全員追いだしちゃって、副会長とかいないんだよね」
「それは、こんな事態になるまで生徒会長の専行を放置していた学園側の問題では?」
「や、うん。だから、その問題の責任をとって教頭は顧問を降りたんだ。で、次の顧問に白羽の矢をたてられたのが、うち。で、うちは生徒会の運営をしないといけないからさー。生徒会長やってくんない?」
何でだろう、話せば話すほど断りづらくなってきた。
けれど 自分だって嫌なものは嫌だ。こうなれば強行手段に出るとしよう。
「誰かがやらないといけない理由は分かりました。それでも拒否はできるでしょ?というか、拒否できないって言われたら自分も前生徒会長みたいにバックれますけど」
「うちさ、ひよりんに副会長やらせたいと思っててー」
「は?急に何を?なんで妃愛?後あいつの忙しさ的に無理では...?」
「つかその忙しさのせいで、ひよりん正直、出席日数ヤバいじゃん?」
なんでうちの妹が出てくるのかと思ったが、むしろこっちの話がメインの気配がする。
「でー、それ前から心配してたし、生徒会の顧問やれ言われた時、理事長と学園長いたから、せっかくだし聞いてみたのね」
「妃愛の出席日数についてですか?」
「そんなん藪蛇になりそうじゃん?なんで『生徒会やってくれる生徒いたら単位とかの便宜図れません?』的なかんじで大雑把に」
漫画とかゲームだと有り得そうだが、ここは法治国家日本だ。いくら生徒会長が蒸発したからと言ってそんな都合いい展開があるとは思えないが
「するとね、芸能科のある学校あるじゃん?あれ的なかんじで、試験受けてレポート出せば、特例で単位くれるって!で、単位さえあれば進級イケるんだって!」
「マジすか」
「マジマジ!うちが補修するって扱いで、土日祝と夏休み冬休みの日を出席扱いにするとも言ってくれたし。それって実質、何もしないと同じじゃんね?」
まさかの超高待遇に驚きを隠せない。もしそれで本当に良いのなら仮に妃愛の仕事が忙しくなっても単位が足りなくて進級できない、みたいな事にならずに済むかも知れない。
「けど、よくそんな特例が認められましたね」
「全校集会でも言ったと思うけど、うちの学園で3日後にシンポジウムやるって話したでしょ?それ参加できないと、うちの生徒会に人いないのバレるからじゃね?」
「あー...しかもそれが教頭の失態だってバレたら、それこと大問題ですもんね」
「そーそー、だから理事長も学園長も必死なんじゃん?うちもはっきり言われた訳じゃないけど、単位の話持ち出したら、悩んだ末特例でって念押しされたからさ」
なるほど、だからミリさんは自分を生徒会長にしたがっていたのか。
現状、妃愛の状況はあまり好ましく無い。仮にミリさんからこのままだと進級出来ないと言われても、妃愛はそれで退学する事になっても仕事を優先するだろう。
けれど、自分が生徒会長になって妃愛に副会長になってくれとでも頼めば優しい妃愛の事だ。籍だけでも良いならと参加してくれるだろう。
自分たちくらいの歳だと、兄妹はあまりお互いに干渉したがらないと思うのだが、妃愛は積極的に関わって来てくれる。
自分がほぼ決定事項になっている生徒会長をやるだけで、妃愛が進級できるなら、ここは兄として一肌脱ぐべきなのでは?
「...生徒会長って、具体的になにをすれば?」
「うちも顧問になったばっかだし、細かい業務内容はこれから覚えるんだけどー。まず任期は11月までだから、トモすけは5ヶ月頑張ってくれれば交代だよ」
丸1年やらないといけないのかと思っていたら、半年未満でいいのなら多少は気が楽になった。
「というか今は3日後のシンポジウム!これには絶対参加してもらいたいんだ。座ってるだけでいいから!」
「シンポジウムって、具体的にどんな討論をするんですか?」
「昔は講師とか呼んで真面目にしてたらしいけど、今は千玉市の生徒会の顔合わせ的な感じらしいよ」
「俺はその場で何かした方が良いですか?」
「そこはうちもいま調べてる最中でさー。教頭に聞いても前会長に全部任せきりだったから何も分かんないらしくて」
使えねぇな教頭。まぁ黙ってても任せられるなら誰でも無関心になるのかもな。自分だってこんな事になるまで生徒会のこと知ろうともしなかったし。
「じゃあ前会長に会えたりします?その人が何をしてたか知っておきたいし、せめて尻拭いとして最低限の引き継ぎ的なのをしてほしいですし」
「めっちゃ当たりキツいけど平気?」
「どうせ引継ぎとかしちゃえばそれ以降関わることないと思うので良いですよ」
こちとら前世クソ上司のパワハラに何年耐えたと思ってんだ。年上と言っても高校生の当たり程度何とかなるさ、多分、きっと、メイビー。
「おー、トモすけかっこいー!これ前生徒会長の連絡先と住所。学園の連絡網に載ってる範囲の情報ではあるんだけどー、相手女の子だし、絶対赤の他人に漏らさないでね」
ミリさんに渡された紙には、「
住所は千玉駅前の一等地、部屋も15階とかなり裕福な家庭の様だ。
「聞きたいことがあるなら行ってきなよ。いまはまだ四国らしいから、家にいないだろうけど」
「四国って...今はまだ登校期間中ですよね?」
「だからそういう子なんだって。ある日突然『生徒会長辞めます』って電話してきて、以後音信不通。一人暮らしだから、本人に連絡つかないと意思疎通図れないし」
「それって許されるんです?」
「許されないけど、多分退学になるのも折り込み済じゃんね?」
なるほど、所謂無敵の人というやつか。
うちの妃愛も連絡こそとれるが似たような状況のため、他人事で放置もできないと思っていると、ミリさんが新しい書類を自分に渡してきた。
渡された書類を見てみると、そこには前生徒会長と同じように、名前や連絡先が書かれていた。
「とりま、いまいない人間を訪ねあるくよりも、トモすけは勧誘行ってきたよ。生徒会役員の」
「勧誘ってこれに書かれてる人にですか?というかこの2人は?」
「ひよりんと同じ不登校の子。出席日数と単位の面で便宜をはかれるのなら、進級できる子を増やしたほうが良くない?みたいな」
1人は1年生の女の子『錦あすみ』、もう1人は同学年の2年生の女の子『
「ていうか、隣の席の常盤じゃないですか」
「そそ、まるで面識のない相手よりは気が楽でしょ?」
「気が楽って言っても、顔合わせたの1日だけですけどね」
常磐は今年の4月に来た転校生だ。しかし誰とも会話らしい会話もせず、翌日からは登校してこなくなった。
「や、常磐に関してはうちが登校させないといけないんだけど、最近は電話も拒否られちゃってて、正直お手上げなんだよね」
「同性で教師のミリさんで無理なら、男の俺ならもう不可能では?」
「いや、常磐を登校させるきっかけだけでも作ってくれたら、生徒会抜きにしてもマジで嬉しい」
「...まぁ、今日の放課後に尋ねてみます。一応」
自分がそう答えると、ミリさんは驚いた顔をした後、嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「マジで!?さっきからトモすけ聞き分け良すぎ...今日焼肉食べる?うち奢るよ?」
「それはまた後日に、とりあえず常磐の家に行く時、持って行った方が良い物ってありますか?」
「特にないかなー...あ、たこ焼きとかいいかも。家尋ねたときお土産に持っていったら、めっちゃおいしそうに食べてた」
「はぁ、たこ焼き」
いきなり赤の他人からたこ焼きを渡されても受け取らないと思うが、まぁ一応持って行く事にしよう。
ミリさんに自分が家に行く事をメールで伝えてもらい。自分は常磐を生徒会へ勧誘しに行った。