妖怪マスターとヒーローガール   作:のぞむ

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ツバサの本当の気持ち

「良い天気だね!」

 

「うん」

 

ケータとツバサはそういった会話をしていた。

 

現在一同は買い出しに出掛けており、河原を歩いていた。

 

「蜂蜜とカスタード、オレンジとか果物も良いかも!あとは…」

 

「鮭です!思いつく物は全部買いましょう!」

 

「鮭とは中々斬新だな、ソラ!」

 

「いやそれ斬新すぎじゃない…?」

 

「ケータくんの言う通りだよ…」

 

ケータとましろはソラの提案に苦笑いしてしまう。

 

「…ましろさん。ありがとうございます。僕の為に、みんなと頑張ってくれて…」

 

「お礼なんていいよ。私はただ、ツバサくんにヤーキターイを食べて喜んでもらいたいだけだよ」

 

「…思い出します。私もこの世界に来て間もない頃、ましろさんがスカイランドをイメージしたくもパンを作ってくれました。それが凄く嬉しかったです…ましろさんの作る料理には、食べた人を笑顔にする力があるんです!」

 

「そうかな?…でもそうだったら嬉しいな!。私が初めて料理をしたのはね、お仕事で疲れてるパパとママにおにぎりを作ってあげたいって思ったからなんだ。ケータくんもその時に手伝ってくれたんだよ」

 

「あっ、それ覚えてる!でも、俺もましろ姉も上手く作れなくて泣いちゃったんだよね…」

 

「でもね、そんな私達にパパとママが気づいて一緒におにぎりを作ってくれて…みんな笑顔で、忘れられない味…もしかしたら、私にとってのヤーキターイみたいなものかも」

 

「ましろ姉…俺も楽しかったよ!ましろ姉達と過ごしたあの時間が」

 

「あ…」

 

「ツバサきゅん?」

 

「どうかしたニャン?」

 

「…僕、気づきました。僕はヤーキターイを食べたかったんじゃなくて、本当は…」

 

「カ~バや~きいも~、おイモ、おイモだよ~!」

 

一同は声が聞こえた方に振り向く。

 

 

 

 

 

 

振り向いた先には焼き芋屋さんの恰好をし、屋台を引いているカバトンの姿があった。

 

「ほらほら!甘くてホッカホカ、おいしいのね~ん!」

 

「…ツバサくん、教えて!」

 

「本当に食べたかったのってなんなの?」

 

「教えてください!」

 

「気になるニャン!」

 

「教えて下さウィス~!」

 

「教えてくれ、ツバサ」

 

ケータ達は何事もなかったかのように会話を再開する。

 

「それは…」

 

「ちょいちょいちょーい!無視すんじゃねえ!おいしい焼き芋なのねん!」

 

「今大事なところなので後にしてください!」

 

「そうニャン!あっち行ってろニャン!」

 

「ツバサくん!それってなんなの?」

 

「えっと…」

 

「おいしい焼き芋なのねーん!!」

 

「ウッセーアホンダラボケカス!!」

 

「ツバサくん!カバトンなんか気にしなくていいから教えて!」

 

ウィスパーとケータがカバトンをボロクソ言う。

流石に痺れを切らしたのか、カバトンは焼き芋屋さんの衣装を脱いだ。

 

「ええーい!こうなりゃ…カモン!アンダーグ・エナジー!」

 

「ランボーグ!」

 

カバトンは焼き芋にエナジーを注ぎ込み、ランボーグを生み出した。

 

「「「邪魔しないで(ください)!」」」

 

ケータ、ソラ、ましろがツッコミを入れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!!」

 

「「「レディ・ゴォー!」」」

 

「「「ひろがるスカイ!プリキュア!!」」」

 

ソラ、ましろ、ツバサはプリキュアに変身する。

 

「オレっちも戦うニャン!」

 

「お願い!」

 

「行くぞ!」

 

ジバニャンとフユニャンもプリキュア達に続いた。

 

「やれランボーグ!あっつあつの焼き芋弾で纏めてイモっちまえ!」

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグは手から焼き芋弾を発射する。

スカイとジバニャンがジャンプで躱し、プリズムが光弾で焼き芋弾を打ち消し、ウィングとフユニャンが空中を飛びながら躱していく。

 

その際にウィングとフユニャンは太陽を背にし、カバトンとランボーグに目くらましをした。

 

「ラッ!?」

 

「今だウィング!」

 

「うん!」

 

「「ハァーッ!!」」

 

ウィングとフユニャンが同時にランボーグに攻撃する。

 

「今ニャン!」

 

「はい!」

 

「ひゃくれつ肉球!!」

 

「ハァーッ!!」

 

ランボーグが怯んだ隙にスカイとジバニャンの攻撃が炸裂した。

 

「みんな、凄いよ!」

 

「うん!頑張ってみんな!」

 

プリズムとケータがそう言うとカバトンは焼き芋を取り出す。

 

「こうなったらイモ食って!」

 

カバトンは焼き芋を平らげる。

するとカバトンは大きなオナラ出してくる。

 

「くさ~!」

 

「うぅ…!」

 

「くさいよ~!」

 

「何食べたらこんなに臭うんだよ~!?」

 

「ニャ~ン…!」

 

「ぐぅ…!」

 

「ウィス~!」

 

あまりの臭さに全員鼻を抑えてしまった。

 

「今だランボーグ!」

 

「ランボーグー!」

 

ランボーグが標的にしたのはプリズムだった。

プリズムはランボーグのパンチを喰らい、壁にめり込んでしまった。

 

「プリズム!」

 

「ちょ、ケータきゅん!」

 

ケータは思わずプリズムのところに駆け寄った。

 

「プリズム!大丈夫!?」

 

「うん…これくらい大丈夫!」

 

プリズムは立ち上がる。

 

「みんな!ここからだよ!みんなで協力すれば勝てるよ!」

 

「ケッ!空も飛べねぇ、身軽でもねぇ…なーんもできないYOEEE雑魚が何言ってるのねん!」

 

カバトンの心無い罵倒にプリズムの表情が曇ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り消せ!!」

 

そこへケータの叫びが響き渡った。

 

「ケータくん…?」

 

「あぁん?なんか文句でもあるのねん?」

 

「プリズムは…ましろ姉は弱くなんかない!ましろ姉にはみんなを笑顔にできる優しさがあるんだ!俺だって小さい頃、ましろ姉の優しさにたくさん助けてもらった…だから、俺の大好きなともだちをバカにするのは許さないぞ!」

 

「ケータくん…!」

 

ケータの言葉にプリズムは嬉しそうな表情を浮かべた。

 

「ギャーハハハ!何わけわかんねぇ事言ってるのねん?ってかお前だって何もできない役立たずじゃねぇか。戦う力もねぇYOEEE脇役が偉そうにするんじゃないのねん!」

 

カバトンは次にケータを罵倒する。

 

「…確かに俺、みんなみたいに戦う力もないし、何をしてもフツーだし…それでも!」

 

 

『ケータくんは、今のままで良いんです』

 

 

ケータは先日ソラから言われたことを思い出していた。

 

「それでも!俺にはたくさんのともだち妖怪に、ソラさん、ましろ姉、ツバサくんのようなともだちがたくさんいるんだ!お前が何を言ったって、みんながいてくれれば俺は負けない!」

 

ケータの言葉にスカイ、プリズム、ウィング、ウィスパー、ジバニャン、フユニャンは感銘を受けた。

 

「くぅ~!脇役の癖に生意気なのねん!ランボーグ!一気に蹴りを付けるのねん!」

 

ランボーグは巨大焼き芋弾を放ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ~ろ~が~る~!プリズムショット!!」

 

プリズムが浄化技で焼き芋弾を打ち消した。

 

「な、なにぃ~!?」

 

「私の大事なともだちに、手出しはさせないよ!」

 

「プリズム!」

 

「ありがとうケータくん!ケータくんのおかげで私、自分に自信が持てたよ!」

 

「そっか!良かったね!」

 

プリズムからお礼を言われ、ケータは照れながらそう言った。

 

「ひろがる!ウィングアタック!!」

 

「ど根性ストレート肉球!!」

 

ウィングとフユニャンがランボーグを怯ませた。

 

「今だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!!」」

 

「スミキッタ~…」

 

ランボーグは浄化され、元の焼き芋に戻った。

 

「やった~!どうだカバトン!」

 

「い、いいもんね!今日はこの辺で勘弁してやるのねん!カバトントン!」

 

カバトンは額の宝石を光らせ、撤退していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方になり、一同は河原でツバサの話を聞いていた

 

 

「僕、気づいたんです…本当は、ただヤーキターイを食べたかったんじゃなくて、父さんと母さんと一緒に食べたあの楽しい時間を過ごしたかったんだって…その事に気づけたのは、ましろさんのおかげです」

 

「え?」

 

「だって今日、みんなとヤーキターイを作ろうとして、それがすっごく楽しくて。出来上がったものを食べてみたら、あの時と同じくらいおいしかったから…あぁ、この感じって、家族と食べたヤーキターイと同じだなって…」

 

「ツバサくん…」

 

「だから味は違っても、あれは僕らのヤーキターイです!」

 

ツバサは笑顔でそう言った。

 

「さぁ!帰ってツバサくんとフユニャンの歓迎パーティーです!」

 

「うん!」

 

一同は虹ヶ丘家に帰ろうと歩き出した。

 

「…ケータくん」

 

「ん?」

 

するとましろがケータに話しかける。

 

「ありがとう。私の為に怒ってくれて…私も大好きだよ」

 

「え…?」

 

ましろはケータの耳元で囁き、走っていった。

 

「ケータくん。ましろさんに何言われたんでウィス?」

 

「えっと、私も大好きだよって…」

 

「そ、それってもしや…!」

 

「ましろ姉…なんでわざわざ耳元に言ってきたんだろ?ともだちならフツーに言えばいいのに…」

 

「はぁ~、ケータきゅんはまだまだお子様ですね~」

 

「なんだよそれ!」

 

「…フフッ!」

 

ましろはケータを見て、微笑んだのであった。




次回も楽しみに待っていてください!
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