RWBY mission・ダストも無い田舎でサバイバルしながら長期任務 作:はぐれファウナス
――「ルビー!! ルービィーーー!!」
ヤンは力の限り叫ぶが、答える声は無い。
「こんな時にどこまで行っちゃったんだろ…」
「トルーデ先生は随分遠くまで連れ出したみたいね」
ブレイクが着地し、そう言った。樹上から付近を見渡した程度では見付かる筈もない。
「…不便極まりないですわ」
電波の入らないスクロールをいじりつつ、ワイスがぼやく。
「うーん…闇雲に探してもダメかぁ」
「下手をすれば私達も迷子になりかねません。ミイラ取りがミイラ、ですわ」
「ワイスの言う通りかもね。私達には拠点がある。ルビーには土地勘のあるトルーデ先生が着いているから、最悪すれ違う可能性だってあるわ」
「でも――」
ガサガサッ、と草木が揺れる。
三人は瞬時に身構えた。
だがそこから姿を現したのは、一匹の野ウサギだった。
「な、なーんだ…カワイ子チャンじゃ――」
直後、何かが飛来し、ヤンの長い髪をかすめた。
それはウサギのごく近くに突き刺さる。どう見てもオールドハンターの弓矢だった。
間一髪のウサギは再び茂みの中へと消えていった。
「ちょっ、ちょっとォ! 誰だか知らないけど危ないでしょうが!!」
と、矢の飛来した方を見やる三人。
そこに立っていたのは痩せたの男…いや、人間の真似事をし、服を着ている何か。
弓を持つ手は白かった。
身体を支える足もまた、白く、顔も真っ白。
眼球は存在さえしていない。
当然だった。
その何かには、肉と皮膚がなかった。
骨だけの何かが、立っていたのだ。
『なんだお前らは?』
挙げ句に、意味の分からない声を発したのだ。
時が止まったかの様に、硬直する三人。
が、骸骨が一歩出た瞬間には、
「「「きゃあああいやあああああああ!!!!?」」」
と三人が断末魔と共に爆速で草木をなぎ倒し逃亡するのもやむを得まい。
「なになになんですのーー!? ゴースト? 噂に聞くゴーストですのアレ!!?」
「お、落ち着いてワイス! 物凄く痩せた人かもじゃん!!!」
「でも眼球無かったし」
「やはりゴースト一択ですわァァ!!」
『…そんなにビックリしなくても…』
骸骨は、少し寂しげに呟いた。
――「ルビー、ここを超えたら私達の村に辿り着きます」
あれからまた、ずんずん山道を進み、ようやくあと少し、というところにまで来たっぽい。
もうクッタクタ〜ベッド作りとかもう絶対手伝えない自信ある。
しかしトルーデ先生タフ過ぎる。
私よりずっと重装備なのに息一つ切らしていない。
「あ、そういえば…先生、ちょっと聞いてもいいですか? 変な意図は無いんですけど」
「なんでしょうか?」
「先生は、ファウナスなんですか?」
「……ファナス、ファウヌス? ……ああ獣人のことですね。いいえ。何故そう思いましたか?」
「昨日、先生は暗闇に向かって矢を放ちましたけど、ファウナスは夜目が利くから…暗闇の中の何かが見えていたんじゃないかなって」
「なるほど。確かな考察です。しかしあれは私のセンブランスによるものです」
「そうだったんですね…ちなみにどんなセンブランスなんです?」
「それは――」
『お姉ちゃん! おかえりなさい!』
そこに、声が聞こえた…んだけど、意味不明の言葉だ。
先生が使っていたものと同じ…多分。
でも、こちらに駆けて来る声の主は…
「丁度良かった。ルビー、紹介します。この子は」
この子は。
トルーデ先生はそう言った。
でも私の目に写っていたのは、少なくとも、私の知っている人間の形をしていなかった。
だって。
「この子は、私の弟のネズです」
先生が紹介しているそれは、服を着た骸骨だった。