RWBY mission・ダストも無い田舎でサバイバルしながら長期任務 作:はぐれファウナス
私目掛けて飛んで来ていたのは、弓矢だった。
それだと気付けたのは、トルーデ先生がナイフで弾き飛ばして私を守ってくれたからだ。
『皆やめなさい! 彼女は私が招いた人間よ! 村長の願い通り、銀色の瞳の戦士を連れて来たの!』
先生は矢の飛んで来た方向へと、大声で訴えた。
するとそこかしこから、今度は私達よりずっと背の高いスケルトンがゾロゾロと出て来る。
呪われた古戦場かという程には、スケルトンが闊歩しているものだから、逃げるのも無理っぽい。
(なら今は…)
私には、目の前のトルーデ先生を信じる選択肢しかない。
『村長の? ではそいつは客人という訳なのか?』
特に背の高いスケルトンが言う。
『ええ。誤解を与えたみたいでごめんなさい。彼女はさっきも言った様に銀色の瞳を持っている。きっとこの村を救ってくれる存在になる筈よ』
『それは分かったが、私達は余所者と関わるつもりはない。村の中をむやみに歩き回らせるな』
『ええ承知しているわ。用事が終わればすぐに帰らせるから』
トルーデ先生の言葉に、スケルトン狩人らは散り散りに帰っていった。
どうやら話し合いは上手く行ったっぽいね。
「恐怖を感じさせてすみません。彼らは村の狩人であり守護者でもあります。余所者に対しては警戒心がとても強いです」
翻訳機能で、トルーデ先生はそう言った。
「…あの人達も元々は?」
「はい。私達の村の住人です。ネズと同じように骸骨となっても、人間の時と同じ生活をしています」
なんてことだろう。
目の前の現実として、スケルトンらは人間と変わらない生活を送っている。
言葉を話して、コミュニケーションを取って、家を立て服を着て、暮らしているのだ。
ただご飯は食べないし、水も飲まないらしいけど…習慣の様に狩人は獲物を捕るのだという。
それにしたって、先生には悪いけど不気味ったらない。
下手をすれば…いいや下手をしなくても彼らは亡霊の様なものなのではないか?
無念の魂が、骨に取り憑いて動かしている的な。
「それではルビー、村長に会って下さい。案内しますから」
「あのー先生? 私は村長さんに会ったら何をすれば?」
「村長は具体的な方法を知っています。村の人間がこうなったのも、かつて襲ってきたグリムの仕業らしいです。これを解決出来るのは貴女やサマーの様な銀の瞳を持った者だけだと、村長は言いました」
う〜ん…そう言われても、私はこの銀色の瞳が特別だと思ったことはない。
珍しいものではあるみたいだけどさ。
それでも、母の英雄譚を聞いた私に欲が無い訳ではなかった。
もしかしたら私が先生を、先生の家族や仲間を救える。
長い長い悪夢を終わらせる事が出来るかも知れないのだ。
それに真剣に頭を下げて懇願して来る人間の頼みを、断われる様に出来ちゃいない。
自分にその力があるなら、惜しむべきではないんだ。
「分かりました。出来るかどうか分からないけど協力します」
「ありがとう。私は感謝の念が止みません」
『お姉ちゃん…』
『ネズ、私はルビーと村長の所へ行って来るから、いい子にして待っててね。きっと……ううん、後でルビーと一緒にご飯を食べましょう』
『うん、分かった!』
先生は、弟さんスケルトンを帰らせると案内を再開した。
後を着いて歩く私は、どこか浮ついた気持ちになっていた。